JPH038207B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、外蓋に内蔵されたベローズの押圧操
作により発生した圧縮空気によつて容器内の液体
を注出させるエアーポツトの蓋体装置に関するも
のである。

従来の技術 従来のこの種のエアーポツトの蓋体装置は、例
えば特開昭59−30612号公報に示されているよう
に第４図のような構造になつていた。

すなわち、蓋体の外形を形成する外蓋５１と、
この外蓋５１の中央上部に設けた凹部５２に昇降
自在に設けられた押し体５３と、この押し体５３
の裏面に設けられた凸部５４と、この凸部５４に
当接する弁５５と、前記外蓋５１の凹部５２の底
部に設けた断面略コ字状の突部５６に回動自在に
係止され、かつ前記押し体５３の昇降を規制する
ストツパー５７と、前記弁５５を装備した上板５
８に溶着されたベローズ５９とを有し、前記押し
体５３を押圧すると、凸部５４を介してまず弁５
５が封鎖され、そしてそれ以上に押し体５３の押
圧力が加わると、そのまま上板５８を押し下げる
と同時にベローズ５７を圧縮する構成となつてい
た。

発明が解決しようとする問題点 このような従来の構成では、通常、断面略コ字
状の突部５６のコ字状の〓間寸法は、ストツパー
５７の成形時のソリや、突部５６自体の変形等を
考慮してストツパー５７の肉厚より大きくしてあ
るため、ストツパー５７を押し体５３の降下を阻
止する位置、すなわち「止」の位置にセツトした
時に、押し体５３を強く押すと、押し板５３がス
トツパー５７を押すことになり、この場合、スト
ツパー５７は、前記ガタの分だけ降下し、その結
果、弁５５と上板５８間の開口を小さくし、かつ
最悪時には封鎖してしまい、これにより、ベロー
ズ５９内の空気が容器（図示せず）内に圧送され
てしまうことになるため、押し体５３の「止」の
状態で容器内の湯を出湯させてしまい、火傷を起
こすという問題点を有していた。

本発明はこのような問題点を解決するもので、
押し体の「止」の状態においては、押し体を押圧
しても出湯されることのない安全性に優れたもの
を提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明は、液体を
収容する容器と、上端が上板に固着され、かつ下
端を前記容器内と気密的に連通させたベローズを
内蔵する外蓋と、この外蓋の中央に設けた凹部に
昇降自在に装備され、かつ前記ベローズを押圧操
作する押し体と、前記外蓋の凹部の底部に設けた
断面略コ字状の突部に回転摺動自在に係止され、
かつ前記上板の上方に位置して前記押し体の昇降
を規制するストツパーと、前記上板の略中央に設
けられ、かつ凸部により押し体の押圧時に閉鎖さ
れる弁とを有し、前記ストツパーに、通常時前記
上板にリブを設けて押し体とストツパーの〓間
を、弁と上板の〓間より小さくしているものであ
る。

作 用 上記構成によれば、押し体の降下しない位置に
ストツパーをセツトした時、押し体を強く押圧し
ても、ストツパーのリブが上板に当接しているた
め、略断面コ字状の突部とストツパーの〓間だけ
ストツパーが下がる量と上板の下がる量は同一で
あり、また押し体の下がる量は押し体とストツパ
ーの〓間と等しく、これは弁と上板の〓間より小
さいため、ベローズの上板の略中央に設けられた
弁が封鎖されるのを確実に防止することができる
ため、容器内の湯が誤つて出湯されるということ
はなくなるものである。

実施例 以下、本発明の一実施例を添付図面にもとづい
て説明する。第１図〜第３図において、１は底部
に発熱体１７を有し、かつ液体を収容する容器２
を内蔵したポツト本体で、このポツト本体１の上
には上枠３を固定してる。４は上枠３の上に設け
られた蓋体で、この蓋体４は、外蓋５により外形
が形成され、かつこの外蓋５の略中央上部には凹
部６を設けている。７は前記凹部６の底部に設け
られた断面略コ字状の突部である。８は前記凹部
６に昇降自在に装備された押し体で、この押し体
８は前記突部７に回転摺動自在に係止されたスト
ツパー９の上部に位置し、そしてこのストツパー
９の回転位置により昇降が規制されている。１０
は前記押し体９に嵌合されたカバーで、このカバ
ー１０の天井裏面には凸部１１が設けられてい
る。１２は前記外蓋５に内蔵されたベローズで、
このベローズ１２の上端には上板１３と溶着さ
れ、かつこの上板１３の中央部にはばねにより付
勢された弁１４が装備され、前記凸部１１が弁１
４に当接し、前記押し体８の押圧によりベローズ
１２は圧縮される。１５は前記ストツパー９に一
体に形成されたリブで、このリブ１５は通常時に
前記ベローズ１２の上板１３に当接するものであ
る。また前記突部７の略コ字状の〓間寸法は、前
記ストツパー９の成形時のソリや、それ自体の変
形等を考慮してストツパー９の肉厚より大きくし
ている。１６はポツト本体１内の容器１と連通し
た吐出口である。

上記構成において、次に動作を説明する。出湯
する場合は、ストツパー９を押し体８の降下でき
る位置まで回転させ、この状態で押し体８を押圧
すると、凸部１１によりまず弁１４が閉じられ、
そして押し体８の押圧により上板１３を下げると
同時にベローズ１２を圧縮して空気を容器２内へ
圧送し、この圧送空気により容器２内の液体を、
この容器２と連通する吐出口１６より出湯させ
る。

一方、出湯させない場合は、ストツパー９を押
し体８の降下できない位置まで回転させることに
より、出湯を防止するが、この時、押し体８を無
理に押圧すると、押し体８の下部と当接している
ストツパー９に力が加わり、前述した断面略コ字
状の突部７と、ストツパー９の肉厚の差の分だ
け、下方へ下がるが、この場合、ストツパー９の
下部に設けられたリブ１５により、上板１３が下
方へ下げられるため、ストツパー９が下がる量で
は弁１４の開口は初期と変わらないが、押し体８
が、押し体８とストツパーの〓間Ｌ１だけ下がる
ため、その量だけ開口は小さくなる。しかし弁１
４と上板１３の〓間Ｌ２より小さいため、開口が
塞がれることはない。これにより、ベローズ内の
空気は前記開口より逃げることができるため、容
器２内への加圧ということはなくなり、その結
果、出湯防止を確実に行なうことができる。

また、前記リブ１５を環状に設けると、ストツ
パー９の強度が向上することになり、その結果、
押し体８をさらに強く押圧しても、ストツパー９
が変形することはないため、弁１４の開口をより
十分に確保できるものである。

なお、上記実施例では、凸部１１を、押し体８
に嵌合されたカバー１０の天井裏面に一体に形成
しても同様の効果が得られるものである。

発明の効果 以上のように本発明によれば、液体を収容する
容器と、上端が上板に固着され、かつ下端を前記
容器内と気密的に連通させたベローズを内蔵する
外蓋と、この外蓋の中央に設けた凹部に昇降自在
に装備され、かつ前記ベローズを押圧操作する押
し体と、前記外蓋の凹部の底部に設けた断面略コ
字状の突部に回転摺動自在に係止され、かつ前記
上板の上方に位置して前記押し体の昇降を規制す
るストツパーと、前記上板の略中央に設けられ、
かつ凸部により押し体の押圧時に閉鎖される弁と
を有し、前記ストツパーに、通常時前記上板に当
接するブを設けたもので、押し体の降下しない位
置にストツパーをセツトした時、押し体を強く押
圧しても、ストツパーのリブが上板に当接してい
るため、略断面コ字状の突部とストツパーの〓間
だけストツパーが下がる量と上板が下がる量は同
一であり、また押し体の下がる量は押し体とスト
ツパーの〓間と等しくし、これは弁と上板の〓間
より小さくして、ベローズの上板の略中央に設け
られた弁が封鎖されるのを確実に防止することが
できるため、容器内の湯が誤つて出湯されるとい
うことはなく、したがつて簡単な構成にして安全
性に優れたものを提供することができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すエアーポツト
の蓋体装置の断面図、第２図は同エアーポツトの
全体構成を示す縦断面図、第３図は同エアーポツ
トの斜視図、第４図は従来のエアーポツトの蓋体
装置を示す断面図である。 ２…容器、４…蓋体、５…外蓋、６…凹部、７
…突部、８…押し体、９…ストツパー、１１…凸
部、１２…ベローズ、１３…上板、１４…弁、１
５…リブ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 液体を収容する容器と、この容器に装着され
   た発熱体と、上端が上板に固着され、かつ下端を
   前記容器内と気密的に連通されたベローズを内蔵
   する外蓋と、この外蓋の中央に設けた凹部に昇降
   自在に装備され、かつ前記ベローズを押圧操作す
   る押し体と、前記外蓋の凹部の底部に設けた略断
   面コ字状上方に位置して前記押し体の昇降を規制
   するストツパーと、前記上板の略中央部に設けら
   れ、かつ凸部により押し体の押圧時に閉鎖される
   弁を有し、前記ストツパーに通常時前記上板に当
   接するリブを設けて、押し体とストツパーの〓間
   Ｌ１と、弁と上板の〓間Ｌ２より小さくしてなる
   エアーポツトの蓋体装置。