JPH0381982A - ケーブル接続部のモールド絶縁体の架橋方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、ケーブル接続部のモールド絶縁体を、その上
の耐熱支持層に傷が付かないように加熱架橋する方法に
関する。

（従来の技術） 従来から、ＣＶケーブル（架橋ポリエチレン絶縁ケーブ
ル）のようなゴム、プラスチック絶縁ケーブルの接続部
において、モールド法によって絶縁補強体を形成する場
合には、次のような方法が行なわれていた。

すなわち、この方法においては、第２図に示すように、
まずケーブル１の導体接続部２上に両側のケーブル絶縁
体３上に跨がって、架橋用過酸化物を配合したポリオレ
フィン樹脂等からなる架橋可能な絶縁テープを巻回した
り、上記組成物を押出したりして、紡錘状のモールド絶
縁体４を形成した後、このモールド絶縁体４の外周に、
シリコーン樹脂のようなガス透過性の高い耐熱性材料か
らなる支持層５を設ける。

次いでこの耐熱支持層５の上にモールド絶縁体４に対す
る押えと形状維持の目的で、第３図に示すように、そ−
ルド絶縁体の長手方向の形状に対応させて成形された小
割り板６の複数枚を並列させ互いに係止してなる形状維
持金具を７を沿わせて保持した後、これら全体を加熱ヒ
ータ８が内蔵された架橋釜９の中に収容する。

次に、架橋釜９内へガスボンベ１０から加圧ガスを圧入
充填することによって、一定の圧力に加圧しながら加熱
ヒータ８を動作させ、モールド絶縁体４を架橋させる。

なお架橋時には、架橋釜９上部に取付けられた排出パル
プ１１を開き、モールド絶縁体４中に生じ釜内に放出さ
れた架橋用過酸化物の分解残渣である水等を、外部へ排
出させる。

（発明が解決しようとする課題） しかしながらこのような架橋方法においては、シリコー
ン樹脂等からなる耐熱支持層５がその上に被嵌された形
状維持金具７によって直接押圧されるため、耐熱支持層
５の接触部に傷が付きやすいうえに、下側のモールド絶
縁体４に局部的な押圧力が加わり、特性の良好な絶縁補
強体が形成されないという問題があった。

本発明はこのような問題を解決するためになされたもの
で、耐熱支持層に傷が付くことがなく特性の良好なケー
ブル接続部が形成される、モールド絶縁体の架橋方法を
提供することを目的とする。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） 本発明のケーブル接続部のモールド絶縁体の架橋方法は
、ケーブルの導体接続部上に、両側のケーブル絶縁体に
跨がって設けられた架橋可能なモールド絶縁体の外周に
、ガス透過性の良好な耐熱支持層を被覆し、その上に、
少なくとも前記耐熱支持層との接触部の外周に耐熱性保
護層を設けた前記モールド絶縁体の長手方向の形状に対
応させて成形された小割り板の複数枚を並列させ互いに
係止してなる形状維持金具を沿わせて固定した後、これ
を加熱手段を備えた架橋釜に収容し、加圧ガスによって
前記架橋釜内を加圧しながら前記モールド絶縁体を加熱
架橋することを特徴としている。

本発明において架橋可能なモールド絶縁体を形成するに
は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体
（ＥＶＡ）　、エチレン−アクリル酸エチル共重合体（
ＥＥＡ）のようなポリオレフィンに、ジクミルパーオキ
サイド（ＤＣＰ）ｔ−ブチルパーオキサイドのような架
橋用過酸化物を配合した組成物をテープ状に成形してな
る絶縁テープを、ケーブルの導体接続部上に紡錘状に巻
回したり、上記組成物を金型を用いて押出し成形したり
する方法を採ることができる。

また、このように形成されたモールド絶縁体の外周に被
覆するガス透過性の良好な耐熱支持層と−しては、シリ
コーン樹脂またはシリコーンゴムのような、分子間に空
隙が多くガス透過性の良い耐熱性プラスチックを使用す
ることができる。

さらにその上に被嵌される形状維持金具を構成する小割
り板の外周に設けられる耐熱性保護層も、前記シリコー
ン樹脂またはシリコーンゴムのようなガス透過性の良い
耐熱性プラスチックで構成することが望ましく、これを
上記小割り板の少なくとも前記耐熱支持層との接触部の
外周に被覆する。

そしてこのような耐熱性保護層を設けるには、例えばシ
リコーン樹脂などの熱収縮性チューブを、形状維持金具
の各小割り板に、それぞれ被せ加熱収縮させて密着させ
る方法を採ることが望ましい。

（作用） 本発明のケーブル接続部のモールド絶縁体の架橋方法に
おいては、架橋可能なモールド絶縁体の外側に被嵌され
た形状維持金具の、少なくとも下層の耐熱支持層と接触
する部分の外周に、耐熱性保護層が設けられているので
、形状維持金具の押圧力によって耐熱支持層に傷が付く
ことがない。

また、形状維持金具から耐熱支持層を介してモールド絶
縁体に加えられる押圧力が、この耐熱性保護層によって
緩和されるので、モールド絶縁体に局部的に大きな力が
かかることがなく、特性の良好なケーブル接続部が形成
される。

（実施例） 以下、本発明の実施例について説明する。

実施例においては、第１図に示すように、まず端部を突
き合わせて配置した一対のゴム、プラスチック絶縁ケー
ブル１２の導体１３を、導体接続スリーブ等を介して接
続した後、この導体接続部１４上に、両側のケーブル絶
縁体１５上に跨がって、架橋用過酸化物が配合された架
橋可能なポリオレフィン樹脂テープを巻回するか、ある
いは金型を用いて押出し被覆することにより、紡錘状の
モールド絶縁体１６を形成する。

次いでこのモールド絶縁体１６の外周に、両側のケーブ
ル絶縁体１５上に跨がって、予め挿嵌しておいたガス透
過性の良好なシリコーン樹脂等からなる熱収縮性チュー
ブを被せて加熱収縮させ、耐熱支持層１７を形成した後
、さらにその上に次のような構造の形状維持金具１８を
被嵌する。

すなわちこの形状維持金具１８は、モールド絶縁体の長
手方向の形状に対応させて成形された小割り板１９の周
りにそれぞれシリコーン樹脂等の熱収縮性チューブ２０
が挿嵌された構造の部材の複数枚が、すのこ状に並設さ
れ、かつ両端部でそれぞれ編組線等によって連結された
構造を有している。

次にこうして形成された接続部を、上下内周面にそれぞ
れ加熱ヒータ２１が取付けられた架橋釜２２内に収容す
る。そしてガスボンベ２３から、加圧された窒素ガスの
ような不活性ガスを架橋釜２２内に圧入充填し、内部を
一定の圧力に加圧しながら、加熱ヒータ２１を動作させ
る。こうして架橋釜２２内を適当な温度に加熱し、モー
ルド絶縁体１６を架橋する。

なおこのとき架橋釜２２上部に取付けられた排出バルブ
２４を若干開けておき、モールド絶縁体１６から釜内に
放出された架橋用過酸化物の分解残渣を、加圧ガスとと
もに外部へ排出させる。

この実施例の架橋方法においては、形状維持金具１８を
構成する複数枚の部材が、それぞれ金属製の小割り板１
９の周りにシリコーン樹脂等の熱収縮性チューブ２０が
挿嵌された構造となっているので、形状維持金具１８に
よる押圧および接触によって、下層のシリコーン樹脂等
熱収縮性チューブの耐熱支持層１７に傷が付くことがな
い。

またこの実施例では形状維持金具１８の押圧力が、この
ような小割り板に被覆されたシリコーン樹脂等の熱収縮
性チューブ２０によって緩和されるので、モールド絶縁
体１６に局部的な力が加わることがなく、特性の良好な
ケーブル接続部が形成される。

さらに架橋の際には、モールド絶縁体１６中で発生し架
橋釜２２内に放出された架橋用過酸化物の分解残渣が、
排出バルブ２４を通って釜外へ排出されるので、分解残
渣に起因する絶縁性能の低下も生じない。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明の架橋方法によれば、モール
ド絶縁体の上に被覆された耐熱支持層に傷が付くことが
ないうえに、形状維持金具からモールド絶縁体に加えら
れる局部的な押圧力が、形状維持金具の外周に設けられ
た耐熱性保護層によって緩和されるので、特性の良好な
ケーブル接続部が形成される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の実施例のモールド絶縁体の架橋方法
を説明するための縦断面図、第２図は、従来のモールド
絶縁体の架橋方法を説明するための縦断面図、第３図は
、第２図における形状維持金具の横断面図である。 １２・・・・・・・・・ケーブル １４・・・・・・・・・導体接続部 １６・・・・・・・・・モールド絶縁体１７・・・・・
・・・・シリコーン樹脂等熱収縮性チューブからなる耐
熱支持層 １８・・・・・・・・・形状維持金具 １９・・・・・・・・・金属製小割り板２０・・・・・
・・・・熱収縮性チューブ２２・・・・・・・・・架橋
釜 ２３・・・・・・・・・ガスボンベ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）ケーブルの導体接続部上に、両側のケーブル絶縁
   体に跨がって設けられた架橋可能なモールド絶縁体の外
   周に、ガス透過性の良好な耐熱支持層を被覆し、その上
   に、少なくとも前記耐熱支持層との接触部の外周に耐熱
   性保護層を設けた前記モールド絶縁体の長手方向の形状
   に対応させて成形された小割り板の複数枚を並列させ互
   いに係止してなる形状維持金具を沿わせて固定した後、
   これを加熱手段を備えた架橋釜に収容し、加圧ガスによ
   って前記架橋釜内を加圧しながら前記モールド絶縁体を
   加熱架橋することを特徴とするケーブル接続部のモール
   ド絶縁体の架橋方法。