JPH0380952B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は建築物の外壁をパネルを用いて平坦状
の外壁に形成する際の縦目地構造に関する。 一般にパネルを用いて壁、例えば横張り状で
内、外装を形成した際は、パネル端部の継目、所
謂、縦目地の構造が防水上、外観、および施工上
からも大きなネツクとなつていた。すなわち、パ
ネル固定用の固着具、例えば釘頭がパネル端部の
外観に直接露出する欠点があつた。また、防水上
は釘頭部、およびパネルの突き合わせ目から雨水
が壁の裏面に漏洩する不利があつた。さらに、こ
の種目地を改善したものとしては、実公昭54−
26647号が知られている。しかし、この構造では、
クリツプの加工が容易でないばかりでなく、
材料の無駄が多すぎると共に、帯状座板の長手
方向の両端部に防水用舌片がなく、雨水の壁裏面
への漏洩がある。合掌爪は弾性変形が容易な形
状のため帯状カバーが離脱しやすい。外壁板の
端部間に大きな空隙、特に合掌爪が変形しうる間
隙を必要とするため目地部の断熱性が悪い。外
装板の端部に加工が必要である。パネルの長さ
を短縮できず、コストアツプとなる。などの欠点
があつた。 本発明はこのような欠点を除去するため、縦目
地となる躯体上に長尺状のガイド兼敷目板を垂直
に固定し、その水平部上にパネルの長手方向の両
端部を載置すると共に、釘で脳天打ちしてパネル
を躯体に固定して縦目地部を形成し、このガイド
兼敷目板の垂直部先端に短尺の取付金具を前記縦
目地部を横断するように装着し、この取付金具に
弾性変形を介してカバーを係合し、縦目地部に露
出している釘頭、取付金具、およびガイド敷目板
を被覆して防水性と意匠性に富むと共に、パネル
長を短かくしてコスト低減を図つた縦目地を容易
に形成するようにした縦目地構造を提案するもの
である。 以下に図面を用いて本発明に係るパネルを用い
た壁の縦目地構造（以下、単に目地構造という）
の一実施例について詳細に説明する。第１図ａ，
ｂは上記目地構造により形成した壁体の一部を示
す斜視図と第１図ａにおけるイ−イ線切断面図で
あり、１はパネル、４はガイド兼敷目板（以下、
単に敷目板という）、７は取付金具、１１はカバ
ー、１５は縦目地、１６は固定具、１７は躯体で
主柱１８と間柱１９から形成したものである。さ
らに説明すると、パネル１は例えば第２図ａ〜ｈ
に示すように雄型連結部２と雌型連結部３を有す
る単体、または複合、サンドイツチ構造体からな
る長尺体であり、しかも連結した際には壁面が少
なくとも略面一となる形状のものである。なお、
パネル１の化粧面には２点鎖線で示すように１
本、２本、あるいは図示しないが複数本のリブを
配設したものも含むものである。また、敷目板４
は第３図に示すように長尺体、例えば金属板、合
成樹脂板などを押し出し、引き抜き、射出成形、
あるいはプレス、ロール成形などの加工法により
縦断面を略広幅の垂直部を有するＴ字状に形成
し、主に防水下地材、隔離壁、ガイド、および躯
体への取付部として役立つものである。すなわ
ち、敷目板４は頂面部を凹状に形成した垂直部５
とその両側下端を各々、外側方へ突出した水平部
６とからなり、垂直部５は頂面部に形成した底片
５ａと内側壁５ｂとからなる凹状のガイド溝５ｃ
とその上端を内方に屈曲して垂下した側壁５ｄと
から構成したものである。また、水平部６は突出
部６ａとその途中に長手方向と平行に形成した突
条６ｂと突出部６ａの先端を外方へ屈曲した舌片
６ｃとから形成し、敷目板４を躯体１７に安定し
た状態に装着すると共に、縦目地部から漏洩した
雨水をパネル１の長手方向に両出するのを防止し
て土台の方向へ流下するように機能するものであ
る。なお、敷目地４の寸法はW₂＞W₁で主柱、間
柱の厚さより小さく、Ｗは20〜50mm、長さL₁は
土台から軒まで、あるいは８尺〜24尺まで、高さ
h₁はパネル１の厚さｔより大きく、深さd₁はh₁−
ｔ位である。また、取付金具７は第４図に示すよ
うに凹溝８とその上端縁を内方に屈曲したガイド
片９とガイド片９の先端を内方に鋭角で屈曲した
係止片１０と凹溝８の底面８ａに穿設した取付孔
８ｂとからなる短尺体である。さらに説明する
と、凹溝８は敷目板４のガイド溝５ｃに嵌合する
ものであり、ガイド片９はカバー１１を取付金具
７に係合するときの案内を行ない、係止片１０は
カバー１１が離脱しないような角度θ₁で、かつ、
弾力が作用するフリー端構造としたものである。
勿論、取付金具７のパネル１と接触する係止片１
０はパネル１の長手方向の端部を固定し、パネル
１の変形、離脱を阻止するものである。また、カ
バー１１は例えば第５図に示すように弾性変形を
発揮できる厚さの金属、あるいは合成樹脂などの
１種からなり、この材料を略樋状に形成し、縦目
地１５、パネル端部に打設した釘頭、取付金具７
を覆つて縦目地１５に固定具の頭などを一切露出
させないための化粧材、および縦目地１５の防水
材として役立つものである。さらに具体的に説明
すると、化粧用兼ガイド、および係合力を強化す
る化粧溝１２ａを有する長尺状の化粧面１２とそ
の両側縁を内方に角度θ₂（鋭角）で屈曲した化粧
側面１３とその下端を内方に屈曲して延ばした係
合舌片１４と必要に応じてその先端を内方に屈曲
して設けたはぜ折り部１４ａとから形成したもの
である。なお、はぜ折り部１４はカバー１１の取
付金具７への係合を容易にすると共に、係合時に
取付金具７、あるいはカバー１１自体に傷をつけ
るのを抑制するのに役立つものである。なお、寸
法関係は取付金具７のガイド片９間、係止片１０
間をW₃，W₄、係合舌片１４間をW₅とすると、
W₃＞W₄、W₃＞W₅である。 次に本発明に係る目地構造について説明する
と、まず、躯体１７上の、例えば主柱１８上に敷
目板４をその中央部に垂直に配置し、水平部６を
釘１６で主柱１８に固定する。次に、パネル１を
水平にし、長手方向の端面を敷目板４の垂直部５
の側壁５ｄにほぼ接触するように配設すると共
に、側縁に形成した雄、雌型連結部２，３を相互
に連結して第１列目、および第２列目の壁部Ａ，
Ｂ、および縦目地１５を形成する。次に、敷目板
４の垂直部５の頂部のガイド溝５ｃに所定ピツチ
で配設した複数個の取付金具４の凹溝８を嵌め込
み、底面８ａを釘１６で躯体１７に固定する。次
に、第６図に示すようにカバー１１の化粧側面１
３の１つの下端を係止すると共に、矢印方向に押
圧し、カバー１１の弾性変形を介して他下端を取
付金具７に係合し、敷目板４、縦目地１５、釘
頭、取付金具７をカバー１１で覆つて、カバー１
１からなる縦目地１５を形成するものである。 以上説明したのは本発明に係る目地構造の実施
例にすぎず、敷目板４を第７図ａ〜ｃに示すよう
に形成することもできる。すなわち、ａ図は突条
６ｂを突出部６ａの途中に長手方向と平行に２本
形成して、より防水性を強化した敷目板、ｂ図は
側壁５ｄの途中に長手方向と平行に凹部５ｅを形
成し、図示しないコーキング材を充填するここと
ができる敷目板、ｃ図は垂直部５の中空部にフオ
ームｃを充填した敷目板である。また、第８図は
取付金具７のその他の実施例であり、ガイド片９
を水平にしたものである。さらに、第９図ａ〜ｆ
はカバー１１のその他の実施例を示すものであ
る。 上述したように本発明に係る目地構造によれ
ば、パネルの端部で形成される縦目地部が外観に
直接現われないためパネルの施工に高い精度は必
要なく、しかも敷目板を基準としてパネル端面を
当接するだけでよいため施工時間を大幅に短縮で
きる特徴がある。また、パネル端部に脳天打ちに
より打設した釘頭は全く外観に現われないため従
前と異なり、化粧塗膜を縦目地部に施す必要がな
く、低コストとなると共に、色違いなどによるま
だら模様も壁体には生じない特徴がある。また、
縦目地はカバーで全て被覆されているため、すぐ
れた防水性、耐候性を有する縦目地となる特徴が
ある。さらに、目地カバーの交換が容易なため壁
に塗料を全面的に塗布して補修した際もその色に
合つたカバーを装着しうる利点がある。その他、
取付金具をパネル端部に載置し、かつ、底面を躯
体に固定したため、パネル表面に変形がなく、堅
牢で、しかもパネル端部を押えてパネルを確実に
支持できる特徴がある。さらに、パネルによつて
形成される縦目地幅を従前よりも広幅に形成でき
るため、パネルの使用長さを低減でき、コストダ
ウンを図ることができる特徴がる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るパネルを用いた壁の縦目
地構造により構成した壁体を示す斜視図、第２図
ａ〜ｈはパネルの一例を示す斜視図、第３図はガ
イド兼敷目板の一例を示す斜視図、第４図は取付
金具の一例を示す斜視図、第５図はカバーの一例
を示す斜視図、第６図はカバーの装着順序を示す
説明図、第７図ａ〜ｃはガイド兼敷目板のその他
の実施例を示す説明図、第８図は取付金具、第９
図ａ〜ｆはカバーのその他の実施例を示す説明図
である。 １…パネル、４…ガイド兼敷目板、７…取付金
具、１１…カバー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 頂面部を凹状に形成した垂直部と該垂直部の
   両側壁下端を各々外側方へ突出した水平部とから
   なる長尺状のガイド兼敷目板と、少なくとも目地
   となる端部の板厚を上記垂直部の寸法以下とし、
   かつ、長手方向の両端縁に雄型連結部と雌型連結
   部を有する長尺状のパネルと、前記ガイド兼敷目
   板の凹状部に嵌合する凹溝と該凹溝の両側上端縁
   を内方に屈曲してガイド片と該ガイド片の先端を
   内方に鋭角で屈曲した係止片とを設けた短尺の取
   付金具と、縦断面が樋状で、その両側壁が弾性変
   形する嵌合爪となるカバーとを備え、躯体上にガ
   イド兼敷目板を垂直に釘を介して水平部を固定
   し、該ガイド兼敷目板上の水平部上に前記パネル
   の長手方向の端部を載置すると共に、その端面を
   前記ガイド兼敷目板の垂直部に接触させるか、僅
   少の間隙を有してパネルを水平に、かつ、その
   雄、雌型連結部を連結して固定し、また、上記ガ
   イド兼敷目板のパネル表面から突出した垂直部先
   端に前記取付金具の凹溝を嵌めると共に、その底
   部を釘で躯体に所定ピツチで複数個固定し、該取
   付金具に前記カバーをその弾性変形を介して係合
   し、縦目地部におけるパネル端部と取付金具、お
   よび釘を被覆したことを特徴とするパネルを用い
   た壁の縦目地。