JPH0380131B2 - - Google Patents

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JPH0380131B2
JPH0380131B2 JP13913484A JP13913484A JPH0380131B2 JP H0380131 B2 JPH0380131 B2 JP H0380131B2 JP 13913484 A JP13913484 A JP 13913484A JP 13913484 A JP13913484 A JP 13913484A JP H0380131 B2 JPH0380131 B2 JP H0380131B2
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JP
Japan
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reaction
ether
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JP13913484A
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JPS6118734A (ja
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Kyoteru Tobinaga
Tetsuya Takeya
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Tsumura and Co
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Tsumura and Co
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Publication date
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Publication of JPH0380131B2 publication Critical patent/JPH0380131B2/ja
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  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は生理活性を有するジベンゾシクロオク
タジエン型リグナン類の製造方法に関するもので
ある。 従来の技術 本発明者等は生理活性を有するジベンゾシクロ
オクタジエン型リグナン類、例えば肝障害改善作
用並びに中枢抑制作用を有することが知られてい
るシザンドリン(Shcizandrin)、ゴミシンA
(GomisinA)[前田ら,第3回天然薬物の開発と
応用シンポジウム講演要旨集(東京),p.22
(1980)]、肝細胞障害抑制作用を有することが知
られているウーエイジ−スー・シー(Wueizisu
C)[ヒキノら,日本薬学会104年会 講演要旨
集,p.129(1984)]など、医薬品として有用なリ
グナン類を合成する目的で研究を重ねてきた。 従来の、ジベンゾシクロオクタジエン型リグナ
ン類を製造するための方法を大別すると2通りの
経路がある。 第一の経路は、フエニルプロパン類を酸化する
ことによりビフエニル型を形成させた後、ウルマ
ン系反応を用いてそれぞれのアリル基の側鎖のプ
ロペニル基を反応させることにより八員環を形成
する経路であり、本発明者等はこの第一の経路に
よる高収率かつ簡便な操作で行い得る合成法を確
立している(特願昭56−140269)。 第二の経路は、あらかじめプロピオフエノン類
の側鎖の活性メチレンを反応させることにより二
量体化し、その後閉環することにより八員環を形
成する経路であり、この第二の経路による合成法
も知られている[T.Biftsu and R.Stevenson,
J.Chem.Soc.,Parkin ,2276(1979)、G.E.
Schneiders and R.stevenson,J.Org.Chem.,
46,2969(1981)]。 発明が解決しようとする問題点 しかし上記の合成法は最終生成物としてcis体
を得るために、フラン環を形成するという中間段
階を経由するだけではなく、アリル基とアリル基
を結合して閉環する最終ステツプではバナジルト
リフロリドという高価格の触媒を用いており、実
際的工業合成にはそぐわないものである。 本発明は、高収率でかつ実際的工業合成に適し
た第二の経路によるジベンゾシクロオクタジエン
型リグナン類の製造法を提供することにある。 問題を解決するための手段 本発明者等は、高収率で、かつ実際的工業合成
に適した第二の経路によるジベンゾシクロオクタ
ジエン型リグナン類の合成法を求めて鋭意研究を
行つたところ、式(1)で表される化合物を二量体化
させることにより、式(2)で表される二つの同種の
不斉中心を持つ二量体[すなわち立体異性体であ
る(±)体とmeso体の混合物]を得、これをオ
ルトギ酸エチルおよび安息香酸と反応させること
により、式(3)で表されるcis配位のアルケンと、
式(4)で表されるtrans配位のアルケンの混合物を
得、この混合物より式(3)で表されるcis配位のア
ルケンと式(4)で表されるtrans配位のアルケンを
分離し、それぞれを還元した後、それぞれを過塩
素酸第二鉄または塩化第二鉄を無水酢酸、アセト
ニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリルか
ら選ばれる1つあるいはそれ以上の溶媒に溶解さ
せて調製した酸化用組成物を用いて閉環させるこ
とにより、高収率かつ低製造価格で、式(3)で表さ
れるcis配位のアルケンからは式(5)で表されるジ
ベンゾシクロオクタジエン型リグナンが、また式
(4)で表されるtrans配位のアルケンからは式(6)で
表されるジベンゾシクロオクタジエン型リグナン
が得られることを見い出だし、本発明を完成させ
たのである。 本発明において出発物質である式(1)で表される
化合物は、例えば目的化合物に従つて、あらかじ
め、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、メチレンジオキ
シ基、エチレンジオキシ基で置換したベンズアル
デヒド類を酢酸に溶解し、酢酸アンモニウムの存
在下、ニトロエタンと縮合し、溶媒を留去した
後、低級アルコール、または低級エーテルに溶解
し、更に水を加えて濃塩酸の存在下、鉄触媒を作
用させることにより還元加水分解し、この反応混
合物を過した後、液から溶媒を留去し、低級
エーテルで抽出し、この抽出液を通常使用される
乾燥剤を用いて乾燥した後、溶媒を留去し、残渣
を低級エーテルから再結晶して得られることが知
られている[F.A.Ramirez and A.Burger,J.
Am.Chem.Soc.,72,2781(1950)、I.A.Pearl
and D.L.Beyer,J.Org.Chem.,16,221
(1951)]。また、あらかじめ、メチル基、エチル
基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキ
シ基で置換したベンズアルデヒド類のうち、例え
ば3,4,5−トリメトキシベンズアルデヒド、
3−メトキシ−4,5−メチレンジオキシベンズ
アルデヒドなどは市販されているが、公知の化合
物から合成することもできる。すなわち、3−メ
トキシ−4,5−メチレンジオキシベンズアルデ
ヒドの場合は、市販のバニリンを原料としてこれ
をヨウ素化し、次に水酸化ナトリウムおよび硫酸
銅と共に加熱し、更にこれをジクロロメタン−フ
ツ化カリウム−N,N′−ジメチルホルムアミド
を用いたメチレン化により3−メトキシ−4,5
−メチレンジオキシベンズアルデヒドを得る方法
が知られている[G.E.Schneiders and R.
Stevenson,J.Org.Chem.,46,2969(1981)]。 本発明において出発物質である式(1)で表される
化合物の製造の具体例を示すと次の如くである。 具体例 1 市販の3,4,5−トリメトキシベンズアルデ
ヒド79.6gとニトロエタン91.5gおよび酢酸アン
モニウム29.6gを酢酸240mlに溶かし、2時間30
分撹拌しながら還流した。還流後、氷水中に反応
混合物を注ぎこみ、析出した黄色沈殿物を取
し、乾燥後メタノールから再結晶して下記の理化
学的性質を有する黄色結晶の(3,4,5−トリ
メトキシフエニル)−2−ニトロ−1−プロペン
を得た(収率75%)。 この化合物の理化学的性質は次のごとくであ
る。 融点 :90〜92℃ 赤外線吸収スペクトルνKBr naxcm-1: 1640,1580,1520 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ in
CDCl3): 2.50(3H,d,J=1.5Hz) 3.95(3H,s) 6.65(2H,s) 8.05(1H,brs) ハイマススペクトル: 理論値(M+)253.0951 実測値(M+)253.0953 次に(3,4,5−トリメトキシフエニル)−
2−ニトロ−1−プロペン50gを熱エタノール
400mlに溶かし、100℃の温度条件下で撹拌しなが
ら熱水400mlを少しずつ加え、さらに鉄粉末63g、
塩化第二鉄2.5gを加え室温で放冷し、室温にて
濃塩酸32mlを少しずつ加えた。反応が穏やかにな
つたところで再び加熱し、100℃で3時間撹拌し
た。反応終了後、放冷し、セライト過し、熱エ
タノールで洗浄した。この液から溶媒を留去
し、エーテルで抽出し、エーテル層を水洗し、水
を除去後無水硫酸ナトリウムで乾燥し、エーテル
を留去した残渣をエーテルを用いて再結晶して下
記の理化学的性質を有する(3,4,5−トリメ
トキシフエニル)−2−プロパノンを得た(収率
80%)。 この化合物の理化学的性質は次のごとくであ
る。 融点 :57〜59℃ 赤外線吸収スペクトルνnujol naxcm-1: 1700,1580 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ in
CDCl3): 2.10(3H,s) 3.52(2H,s) 3.77(9H,s) 6.28(2H,s) ハイマススペクトル: 理論値(M+)224.1049 実測値(M+)224.1055 具体例 2 市販のバニリン190gを少量のエタノールに溶
かしておき、これを、予め少量の水に過ヨウ素酸
44.5g及びヨウ素125gを溶かした溶液中に入れ、
室温で24時間撹拌し、析出した結晶を取し、エ
タノールから再結晶して5−ヨードバニリン
249.8g(融点180〜181℃、収率:72%)を得た。
次に5−ヨードバニリン150g、硫酸銅85.8gお
よび4規定水酸化ナトリウム溶液4074mlの混合物
を窒素気流下120℃にて4時間30分還流した。反
応終了後、60〜70℃に冷却し、反応混合物を吸引
過した。残留物を熱湯540mlで3回洗浄した。
液を10℃に冷却し、濃塩酸を液が25℃以上に
ならないように撹拌しながら滴下し、PHを3〜4
とした。その溶液をエーテルで16時間抽出し、無
水硫酸ナトリウムにて乾燥後エーテルを留去し
た。残渣を加熱したベンゼンから再結晶して3−
メトキシ−4,5−ジヒドロキシベンズアルデヒ
ド66.2g(融点133〜134℃、収率:73%)を得
た。次に3−メトキシ−4,5−ジヒドロキシベ
ンズアルデヒド100gを乾燥N,N′−ジメチルホ
ルムアミド3340mlに溶解し、乾燥フツ化カリウム
156gおよび乾燥ジクロロメタン900mlを加え、窒
素気流下120℃にて1時間30分還流した。その後
約2倍量の氷水を加え、エーテルにて3回抽出
し、5%水酸化ナトリウム水溶液で3回、水道水
で1回洗浄した。洗浄後、無水硫酸ナトリウムに
て乾燥し、エーテルを除去、残渣をメタノールよ
り再結晶して3−メトキシ4,5−メチレンジオ
キシベンズアルデヒド60g(融点131〜132℃、収
率:56%)を得た。次に3−メトキシ−4,5−
メチレンジオキシベンズアルデヒド30gとニトロ
エタン37.5gおよび酢酸アンモニウム12.2gを酢
酸100mlに溶かし、2時間30分撹拌しながら還流
した。還流後、氷水中に反応混合物を注ぎこみ、
析出した黄色沈殿物を取し、乾燥後、メタノー
ルから再結晶して下記の理化学的性質を有する黄
色結晶の[3−メトキシ−4,5−(メチレンジ
オキシ)フエニル]−2−ニトロ−1−プロペン
を得た(収率75%)。この化合物の理化学的性質
は次の如くである。 融点 :106〜108℃ 赤外線吸収スペクトルνKBr naxcm-1: 1640,1600,1520,1450 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ in
CDCl3): 2.48(3H,d,J=1.5Hz) 3.95(3H,s,) 6.05(2H,s,) 6.65(2H,s,) 8.00(1H,brs,) ハイマススペクトル: 理論値(M+)237.0637 実測値(M+)237.0643 次に[3−メトキシ−4,5−(メチレンジオ
キシ)フエニル]−2−ニトロ−1−プロペン47
gをジオキサン300mlに溶かし、120℃の温度条件
下で撹拌しながら熱水500mlを少しずつ加え、さ
らに鉄粉末63g、塩化第二鉄2.5gを加え室温で
放冷し、室温にて濃塩酸32mlを少しずつ加えた。
反応が穏やかになつたところで再び加熱し、120
℃で3時間撹拌した。反応終了後、放冷し、セラ
イト過し、ジオキサンで洗浄した。この液か
ら溶媒を留去し、エーテルで抽出し、エーテル層
を水洗し、水を除去後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、エーテルを留去した残渣をエーテルを用い
て再結晶して下記の理化学的性質を有する[3−
メトキシ−4,5−(メチレンジオキシ)フエニ
ル]−2−プロパノンを得た(収率80%)。 この化合物の理化学的性質は次のごとくであ
る。 融点 :49〜50℃ 赤外線吸収スペクトルνnujol naxcm-1: 1695,1620 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ in
CDCl3): 2.15(3H,s,) 3.52(2H,s,) 3.90(3H,s,) 5.98(2H,s,) 6.40(2H,s,) ハイマススペクトル: 理論値(M+)208.0734 実測値(M+)208.0727 本発明において式(1)で表される化合物の二量体
化は、式(1)で表される化合物を四塩化チタンおよ
び亜鉛粉末と反応させることにより行なわれる。 この式(1)で表される化合物と、四塩化チタンお
よび亜鉛粉末との反応は、水分を避けるために不
活性ガス気流下、含酸素系有機溶媒の溶剤中で、
−15℃〜0℃の温度条件下2〜5時間行う。不活
性ガスの具体例としては窒素ガス、アルゴンガス
などが挙げられ、窒素ガスが好適である。また含
酸素系有機溶媒の具体例としてはジオキサン、テ
トラヒドロフラン、エーテルなどが挙げられ、テ
トラヒドロフランが好適である。 反応終了後、反応混合物に炭酸ナトリウム水溶
液、炭酸カリウム水溶液などの弱アルカリを加え
て反応混合物から不要な無機物を析出させ、これ
を過した液をそのまま有機溶媒(例えば酢酸
エチル、エーテル、テトラヒドロフラン、クロロ
ホルム)で抽出し、抽出液を水で洗浄するか、あ
るいは過した残渣を含酸素系有機溶媒(例えば
テトラヒドロフラン、エーテル)、含ハロゲン系
有機溶媒(例えばクロロホルム、メチレンクロリ
ド)の単独、もしくは混合溶媒で洗浄して反応生
成物を液に移行させてから液を有機溶媒(例
えば酢酸エチル、エーテル、テトラヒドロフラ
ン、クロロホルム)で抽出し、抽出液を水で洗浄
した後、無水硫酸ナトリウムなどを用いた通常の
乾燥法で乾燥し、溶媒を留去して式(2)で表される
二つの同種の不斉中心を持つ二量体[すなわち立
体異性体である(±)体とmeso体の混合物]を
得る。 この二量体をそのまま次の反応に用いることが
できるが、次の反応を円滑に行うためにも、含ハ
ロゲン系有機溶媒と低級アルコールとの混合溶媒
から再結晶して精製することが望ましく、含ハロ
ゲン系有機溶媒の具体例としてはクロロホルム、
メチレンクロリドなどが挙げられ、低級アルコー
ルの具体例としてはメタノール、エタノールなど
が挙げられる。 次に式(2)で表される二量体と、オルトギ酸エチ
ルおよび安息香酸との反応は、100℃〜200℃の温
度条件下、4〜10時間行う。この際、オルトギ酸
エチル自身が溶媒としての役割も兼ねているため
溶媒を加える必要はないが、反応に影響を及ぼさ
ない適当な有機溶媒(例えばエタノール、ジオキ
サン)を溶媒として加えても良い。反応終了後、
反応混合物を含ハロゲン系有機溶媒(例えばジク
ロロメタン、メチレンクロリド)で抽出し、更に
炭酸水素ナトリウム水溶液などの弱アルカリと水
で洗浄することにより未反応の安息香酸を除去
し、無水硫酸ナトリウムなどを用いた通常の乾燥
法で乾燥し溶媒を留去して得た残渣を低級アルコ
ールから再結晶して式(4)で表されるtrans配位の
アルケンを得る。またこの再結晶母液の溶媒を留
去して得た残渣を蒸留して式(3)で表されるcis配
位のアルケンを得る。蒸留は分離を目的とした通
常の蒸留法であればどのような方法を用いても良
いが、バルブ−バルブ蒸留セツトを用い、0.1〜
3mmHgの減圧下、150℃から生成したcis配位ア
ルケンの沸点までの温度範囲内で蒸留する方法が
好ましい。 次に上記のように分離した式(3)で表されるcis
配位のアルケンと式(4)で表されるtrans配位のア
ルケンを、それぞれ通常の還元法を用いて還元す
る。この際使用する溶媒としては、メタノール、
エタノールなどの低級アルコール、酢酸、プロピ
オン酸などの低級カルボン酸、または酢酸エチル
が挙げられ、触媒としては酸化白金、白金、パラ
ジウム、ラネーニツケルなどが挙げられ、なかで
も酢酸と酸化白金を用いて0℃〜30℃の温度条件
下、常圧で行う還元法が好ましい。 この還元後、触媒を別し、液を水で洗浄す
るか、もしくは溶媒に低級カルボン酸を使用した
場合は、液から溶媒を留去し、更に炭酸水素ナ
トリウム水溶液などの弱アルカリを加えることに
より液中に残存する酸を除去してから水で洗浄
した後、無水硫酸ナトリウムなどを用いた通常の
乾燥法で乾燥し、溶媒を留去して得たそれぞれの
還元物をそのまま、あるいは低級アルコールから
の再結晶、シリカゲル、アルミナなどの吸着剤を
用いた分離薄層クロマトグラフイー、カラムクロ
マトグラフイーなどの分離精製の手法により精製
した後、過塩素酸第二鉄または塩化第二鉄を無水
酢酸、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチ
ロニトリルから選ばれる一つあるいはそれ以上の
溶媒に室温ないし加温下に溶解させて調製した酸
化用組成物と反応させて閉環させる。 この場合、上記の酸化用組成物に還元物を直接
加えても良いし、還元物を予め無水酢酸、アセト
ニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリルか
ら選ばれる1つあるいはそれ以上の溶媒に溶解さ
せてから、上記の酸化用組成物に加えても良く、
還元物の溶解に用いる溶媒と酸化用組成物の調製
に用いる溶媒は同一であることが望ましい。また
温度は、室温もしくは溶媒の沸点以下で、好まし
くは室温において行い、反応は1〜5分で終了す
る。 反応終了後、反応に無水酢酸を用いている場合
は、反応混合物を氷水中に注いだ後、撹拌して無
水酢酸を酢酸にすることにより反応生成物を析出
させ、これを取して反応生成を得る。反応に無
水酢酸を用いていない場合は、反応混合物を氷水
中に注いだ後、有機溶媒で抽出し、抽出液を水で
洗浄し無水硫酸ナトリウムなどを用いた通常の乾
燥法で乾燥し、溶媒を留去して反応生成物を得
る。 この反応生成物を、シリカゲル、アルミナなど
の吸着剤を用いた分離薄層クロマトグラフイー、
カラムクロマトグラフイーあるいは順相系、逆相
系の担体を用いた高速液体クロマトグラフイーな
ど通常行なわれる分離精製の手法に従つて精製
し、更に低級アルコール、または低級アルコール
と含ハロゲン系有機溶媒(例えばクロロホルム、
メチレンクロリド)との混合溶媒から再結晶を行
つて一層精製することにより、式(3)で表される
cis配位のアルケンから式(5)で表されるジベンゾ
シクロオクタジエン型リグナンを得、式(4)で表さ
れるtrans配位のアルケンから式(6)で表されるジ
ベンゾシクロオクタジエン型リグナンをそれぞれ
得る。 上述した一連の反応において、各ステツプで抽
出に用いる有機溶媒は、各ステツプでの生成物を
溶解し得る性質を持つものであれば、どのような
溶媒を用いてもかまわない。 また本発明における反応は、式(1)で表される化
合物の側鎖のカルボニル基の二重結合の部分が反
応に関与して二量体化し、この二量体をオルトギ
酸エチルおよび安息香酸と反応させることにより
上記の二量体化の際生じた水酸基を脱離させてア
ルケンを得、この得られたアルケンを還元し、最
後に閉環させて八員環を形成させる反応である。
従つて、本反応は式(1)で表される化合物の側鎖の
カルボニル基と、2位の炭素において反応が進行
するものであるから、ベンゼン環上の置換基
(R1,R2,R3)と側鎖上の置換基(R4)が上に
定義したいずれであつても反応は同様に進行す
る。 本発明で得られる式(5)および(6)で表されるジベ
ンゾシクロオクタジエン型リグナン類は、肝障害
改善作用を有し、肝障害改善作剤として有用であ
る。 発明の効果 本発明の効果としては次の点が挙げられる。 本発明によれば、各ステツプに使用される試
薬、溶媒が安価であり、各ステツプの精製法の
ほとんどが再結晶、蒸留という簡便な操作で行
うため非常に安い製造費用で、生理活性を有す
る式(5)および式(6)で表されるジベンゾシクロオ
クタジエン型リグナンを得ることができる。 本発明によれば、再結晶、蒸留という簡便な
操作で、式(3)で表されるcis配位のアルケンと
式(4)で表されるtrans配位のアルケンとに分離
することができるため、最終生成物の立体選択
が可能である。 実施例 以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれにより何ら制限されるもの
ではない。 なお、実施例中、アルケンの場合、cis配位は
Zで表示し、trans配位はEで表示する。 実施例 1 (1) 上記具体例1で得た下記式()で表される
(3,4,5,−トリメトキシフエニル)−2−
プロパノン2.24gを乾燥テトラヒドロフラン40
mlに溶かし、メタノール−氷冷下四塩化チタン
2ml(2.86g)をすこしずつ加え、更に亜鉛粉
末1.96gを加え、窒素気流下、3時間撹拌しな
がら還流した。反応後、10%炭酸カリウム水溶
液を加え、析出した沈殿物をセライトにて過
し、エーテル−クロロホルム(3:1)溶液で
洗浄し、液をエーテル−クロロホルム(3:
1)溶液で抽出した。更にこの抽出液を水で洗
い、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去
し、残渣をクロロホルム−エーテル溶液から再
結晶し、下記式()で表される1,4−ビス
(3,4,5−トリメトキシフエニル)−2,3
−ジメチル−2,3−ブタンジオール、融点
154〜155℃、2.03g(収率:90%)を得た。 この化合物の理化学的性質は次のごとくであ
る。 赤外線吸収スペクトルνKBr naxcm-1: 3450,1600 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ in
CDCl3): 1.20(6H,s) 2.10(2H,brs) 2.65(2H,d,J=13.67Hz) 3.10(2H,d,J=13.67Hz) 3.85,3.87(18H,each s) 6.48(4H,s) ハイマススペクトル: 理論値(M+)450.2253 実測値(M+)450.2259 (2) 次にこの下記式()で表される1,4−ビ
ス(3,4,5−トリメトキシフエニル)−2,
3−ジメチル−2,3−ブタンジオール10.5g
とオルトギ酸エチル10.5gおよび安息香酸1.6
gを混合し、首長コルベン中にて100℃で1時
間撹拌した。その後更に安息香酸0.8gを加え、
180℃で3時間撹拌した。次に反応混合物をジ
クロロメタンで抽出、炭酸水素ナトリウム飽和
水溶液にて洗浄し、次いで水洗し、水を除去
し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後濃縮した。
残渣をエタノールから再結晶して下記式()
で表される(E)−1,4−ビス(3,4,5−ト
リメトキシフエニル)−2,3−ジメチル−2
−ブテン、融点119〜121℃、4.37g(収率:45
%)を得た。さらに再結晶母液の溶媒を濃縮
し、残渣をバルブ−バルブ蒸留セツトを用い蒸
留し、220℃、3mmHgで流出する下記式()
で表される油状物質(Z)−1,4−ビス(3,
4,5−トリメトキシフエニル)−2,3−ジ
メチル−2−ブテン、4.37g(収率:45%)を
得た。 上記のようにして得た下記式()で表される
(E)−1,4−ビス(3,4,5−トリメトキシフ
エニル)−2,3−ジメチル−2−ブテンの理化
学的性質は次のごとくである。 赤外線吸収スペクトルνnuJol naxcm-1: 1590 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ in
CDCl3): 1.80(6H,s) 3.42(4H,s) 3.82,3.85(18H,each s) 6.42(4H,s) ハイマススペクトル: 理論値(M+)416.2197 実測値(M+)416.2181 また上記のようにして得た下記式()で表さ
れる(Z)−1,4−ビス(3,4,5−トリメ
トキシフエニル)−2,3−ジメチル−2−ブテ
ンの理化学的性質は次のごとくである。 赤外線吸収スペクトルνunjol naxcm-1: 1600 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ in
CDCl3): 1.72(6H,s) 3.50(4H,s) 3.80,3.82(18H,each s) 6.40(4H,s) ハイマススペクトル: 理論値(M+)416.2199 実測値(M+)416.2212 (3) 上記のようにして得た下記式()で表され
る(E)−1,4−ビス(3,4,5−トリメトキ
シフエニル)−2,3−ジメチル−2−ブテン
4.3gを酢酸400ml中、酸化白金430mgを触媒と
して、室温、常圧で接触還元に付し、水素10.3
ミリモルを吸収させた後、触媒を別し、溶媒
を減圧下留去した。残留物をエーテルに溶解
し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、
次いで水洗し、水を除去し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥後、溶媒を濃縮し、残渣をエタノール
から再結晶して下記式()で表される(±)
−1,4−ビス(3,4,5−トリメトキシフ
エニル)−2,3−ジメチルブタン、融点:125
〜127℃、3.46g(収率:80%)を得た。 この化合物の理化学的性質は次のごとくであ
る。 赤外線吸収スペクトルνnujol naxcm-1: 1600 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ in
CDCl3): 0.86(6H,d,J=6Hz) 1.60〜2.0(2H,m) 2.30〜2.65(4H,m) 3.79(12H,s) 3.82(6H,s) 6.28(4H,s) ハイマススペクトル: 理論値(M+)418.2354 実測値(M+)418.2348 次にこの下記式()で表される(±)−1,
4−ビス(3,4,5−トリメトキシフエニル)
−2,3−ジメチルブタン502mgを無水酢酸16ml
に溶かした溶液を、無水塩化第二鉄1.8gを無水
酢酸18mlに溶かした溶液に一度に加え、室温にて
2分間撹拌後、氷水中に注ぎこみ、1時間撹拌
後、析出した沈殿物を取した。その沈殿物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフイー(展開溶媒、
石油エーテル−エーテル=2:1)に付し、溶出
した結晶性部分をメタノールから再結晶し、式
()で表されるtrans−6,7,8,9−テトラ
ヒドロ−1,2,3,12,13,14−ヘキサメトキ
シ−7,8−ジメチルジベンゾ[a,c]シクロ
オクテン、融点129〜131℃、175mg(収率:35%)
を得た。 この化合物の理化学的性質は次のごとくであ
る。 赤外線吸収スペクトルνnujol naxcm-1: 1600 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ in
CDCl3): 1.05(6H,d,J=4.64Hz) 1.17〜1.25(2H,m) 2.04〜2.43(4H,m) 3.64(6H,s) 3.89(12H,s) 6.57(2H,s) ハイマススペクトル: 理論値(M+)416.2199 実測値(M+)416.2189 なお、上記の閉環反応では塩化第二鉄を用いた
が、この代わりに過塩素酸第二鉄を使用すること
もできる。 (4) 上記のようにして得た下記式()で表され
る(Z)−1,4−ビス(3,4,5−トリメ
トキシフエニル)−2,3−ジメチル−2−ブ
テン1gを酢酸100ml中、酸化白金100mgを触媒
として室温、常圧で接触還元に付し、後に触媒
を別して、溶媒を減圧下留去した。残留物を
エーテルに溶解し、炭酸水素ナトリウム飽和水
溶液で洗浄し、次いで水洗し、水を除去後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を濃縮し、残渣
をメタノールから再結晶して、下記式()で
表されるメソ−1,4−ビス(3,4,5−ト
リメトキシフエニル)−2,3−ジメチルブタ
ン、融点:115〜117℃、804mg(収率:80%)
を得た。 この化合物の理化学的性質は次のごとくであ
る。 赤外線吸収スペクトルνnujol naxcm-1: 1600 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ in
CDCl3): 0.87(6H,d,J=6Hz) 1.5〜2.0(2H,m) 2.2〜2.8(4H,m) 3.85(18H,s) 6.38(4H,s) ハイマススペクトル: 理論値(M+)418.2354 実測値(M+)418.2342 次にこの下記式()で表されるメソ−1,4
−ビス(3,4,5−トリメトキシフエニル)−
2,3−ジメチルブタン502mgを無水酢酸16mlに
溶かした溶液を、無水塩化第二鉄1.8gを無水酢
酸18mlに溶かした溶液に一度に加え、室温にて2
分間撹拌後、氷水中に注ぎこみ、1時間撹拌後、
析出する沈殿物を取した。その沈殿物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフイー(展開溶媒、石油
エーテル−エーテル=2:1)に付した。溶出し
た結晶性部分をメタノールから再結晶し、下記式
()で表されるcis−6,7,8,9−テトラヒ
ドロ−1,2,3,12,13,14−ヘキサメトキシ
−7,8−ジメチルジベンゾ[a,c]シクロオ
クテン、融点112〜113℃、130mg(収率:26%)
を得た。 この化合物の理化学的性質は次のごとくであ
る。 赤外線吸収スペクトルνnujol naxcm-1: 1600 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ in
CDCl3): 0.73(3H,d,J=7Hz) 1.00(3H,d,J=7Hz) 1.8〜2.0(2H,m) 2.2〜2.7(4H,m) 3.60(6H,s) 3.90(12H,s) 6.55(2H,s) ハイマススペクトル: 理論値(M+)416.2199 実測値(M+)416.2217 なお、上記の閉環反応では塩化第二鉄を用いた
が、この代わりに過塩素酸第二鉄を使用すること
もできる。 実施例1の反応を式で表すと次の通りである。 【表】 実施例 2 (1) 上記具体例2で得た下記式()で表される
[3−メトキシ−4,5−(メチレンジオキシ)
フエニル]−2−プロパノン21.8gを乾燥テト
ラヒドロフラン400mlに溶かし、メタノール−
氷冷下四塩化チタン22.8ml(32.4g)を少しず
つ加え、更に亜鉛粉末22.5gを加え、窒素気流
下で3時間撹拌しながら還流した。反応後10%
炭酸カリウム水溶液を加え、析出した沈殿物を
セライトにて過し、エーテル−クロロホルム
(3:1)溶液で洗い、液をエーテル−クロ
ロホルム(3:1)溶液で抽出した。更に有機
溶媒層を水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後濃縮し、残渣をクロロホルム−エーテル溶液
から再結晶し、下記式()で表される1,4
−ビス[3−メトキシ−4,5−(メチレンジ
オキシ)フエニル]−2,3−ジメチル−2,
3−ブタンジオール、融点145〜147℃、19.35
g(収率:88%)を得た。 この化合物の理化学的性質は次のごとくであ
る。 赤外線吸収スペクトルνnujol naxcm-1: 3510,1620 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ in
CDCl3): 1.15(6H,d,J=1.5Hz) 2.00(2H,brs) 2.55(2H,d,J=12Hz) 3.05(2H,d,J=12Hz) 3.88(6H,s) 5.94(4H,s) 6.45(4H,brs) ハイマススペクトル: 理論値(M+)418.1628 実測値(M+)418.1640 (2) 次にこの下記式()で表される1,4−ビ
ス[3−メトキシ−4,5−(メチレンジオキ
シ)フエニル]−2,3−ジメチル−2,3−
ブタンジオール4.0gとオルトギ酸エチル4.0g
および安息香酸0.8gを混合し、首長コルベン
中にて100℃で2時間撹拌した。更に安息香酸
0.4gを加え、180℃で4時間撹拌した。次に反
応混合物をジクロロメタンで抽出、炭酸水素ナ
トリウム飽和水溶液にて洗い、次いで水洗し、
水を除去し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後濃
縮した。残渣をエタノールから再結晶し、下記
式(XII)で表される(E)−1,4−ビス[3−メ
トキシ−4,5−(メチレンジオキシ)フエニ
ル]−2,3−ジメチル−2−ブテン、融点111
〜113℃、1.7g(収率:46%)を得た。更に再
結晶母液の溶媒を濃縮し、残渣をバルブ−バル
ブ蒸留セツトを用い蒸留し、240℃、3mmHgで
流出するものをメタノール−エーテルから再結
晶し下記式(XI)で表される(Z)−1,4−
ビス[3−メトキシ−4,5−(メチレンジオ
キシ)フエニル]−2,3−ジメチル−2−ブ
テン、融点64〜66℃、1.7g(収率:46%)を
得た。 上記のようにして得た下記式(XII)で表される
(E)−1,4−ビス[3−メトキシ−4,5−(メ
チレンジオキシ)フエニル]−2,3−ジメチル
−2−ブテンの理化学的性質は次のごとくであ
る。 赤外線吸収スペクトルνnujol naxcm-1: 1630 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ in
CDCl3): 1.74(6H,s) 3.38(4H,s) 3.90(6H,s) 5.97(4H,s) 6.40(4H,s) ハイマススペクトル: 理論値(M+)384.1574 実測値(M+)384.1586 また上記のようにして得た下記式(XI)で表さ
れる(Z)−1,4−ビス[3−メトキシ−4,
5−(メチレンジオキシ)フエニル]−2,3−ジ
メチル−2−ブテンの理化学的性質は次のごとく
である。 赤外線吸収スペクトルνnujol naxcm-1: 1630 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ in
CDCl3): 1.70(6H,s) 3.43(4H,s) 3.88(6H,s) 5.95(4H,s) 6.38(4H,brs) ハイマススペクトル: 理論値(M+)384.1571 実測値(M+)384.1568 (3) 上記のようにして得た下記式(XII)で表され
る(E)−1,4−ビス[3−メトキシ−4,5−
(メチレンジオキシ)フエニル]−2,3−ジメ
チル−2−ブテン12gを酢酸500ml中、酸化白
金1.2gを触媒として、室温、常圧で接触還元
に付し、水素0.031モルを吸収させた後、触媒
を別し、溶媒を減圧下留去、残留物をエーテ
ルに溶解し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で
洗浄し、次いで水洗し、水を除去し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥後、溶媒を濃縮した。残渣を
カラムクロマトグラフイー(展開溶媒、クロロ
ホルム−ヘキサン=2:1)に付し、溶出した
フラクシヨンのうち、薄層クロマトグラフイー
で単一のフラクシヨンを合し、油状の下記式
()で表される(±)−1,4−ビス[3−
メトキシ−4,5−(メチレンジオキシ)フエ
ニル]−2,3−ジメチルブタン9.65g(収
率:80%)を得た。 この化合物の理化学的性質は次のごとくであ
る。 赤外線吸収スペクトルνnujol naxcm-1: 1630 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ in
CDCl3): 0.82(6H,d,J=6Hz) 1.5〜2.0(2H,m) 2.2〜2.80(4H,m) 3.90(6H,s) 5.95(4H,s) 6.32(2H,d,J=1.5Hz) 6.36(2H,d,J=1.5Hz) ハイマススペクトル: 理論値(M+)386.1727 実測値(M+)386.1730 次にこの下記式()で表される(±)1,
4−ビス[3−メトキシ−4,5−(メチレンジ
オキシ)フエニル]−2,3−ジメチルブタン347
mgを乾燥アセトニトリル9mlに溶かした溶液を、
過塩素酸第二鉄1.32gを乾燥アセトニトリル15ml
に溶かした溶液に一度に加え、室温にて1分間撹
拌後、氷水中に注ぎこみエーテル抽出を行い、エ
ーテル層を水で洗い、水を除去し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルク
ロマトグラフイー(展開溶媒、石油エーテル−エ
ーテル=4:1)に付した。溶出した結晶性部分
をクロロホルム−メタノールから再結晶し、式
()で表されるtrans−6,7,8,9−テト
ラヒドロ−1,14−ジメトキシ−2,3:12,13
−ビス(メチレンジオキシ)−7,8−ジメチル
ジベンゾ[a,c]シクロオクテン、融点193〜
195℃、159mg(収率:46%)を得た。 この化合物の理化学的性質は次のごとくであ
る。 赤外線吸収スペクトルνnujol naxcm-1: 1620 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ in
CDCl3): 0.99(6H,d,J=4.89Hz) 1.09〜1.33(2H,m) 2.00〜2.36(4H,m) 3.86(6H,s) 5.90(4H,s) 6.48(2H,s) ハイマススペクトル: 理論値(M+)384.1572 実測値(M+)384.1562 なお、上記の閉環反応では過塩素酸第二鉄を用
いたが、この代わりに塩化第二鉄を用いることも
できる。 (4) 上記のようにして得た下記式(XI)で表され
る(Z)−1,4−ビス[3−メトキシ−4,
5−(メチレンジオキシ)フエニル]−2,3−
ジメチル−2−ブテン12gを酢酸500ml中、酸
化白金1.2gを触媒として室温、常圧で接触還
元に付し、水素を0.031モル吸収させ、触媒を
別し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄
し、次いで水洗し、水を除去後、無水硫酸ナト
リウムで乾燥、溶媒を濃縮した。残渣をメタノ
ールから再結晶して下記式()で表される
メソ−1,4−ビス[3−メトキシ−4,5−
(メチレンジオキシ)フエニル]−2,3−ジメ
チルブタン、融点86〜88℃、9.65g(収率:80
%)を得た。 この化合物の理化学的性質は次のごとくであ
る。 赤外線吸収スペクトルνnujol naxcm-1: 1630 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ in
CDCl3): 0.85(6H,d,J=6Hz) 1.5〜2.0(2H,m) 2.15〜2.90(4H,m) 3.89(6H,s) 5.93(4H,s) 6.32(2H,d,J=1.5Hz) 6.36(2H,d,J=1.5Hz) ハイマススペクトル: 理論値(M+)386.1727 実測値(M+)386.1726 次にこの下記式()で表されるメソ−1,
4−ビス[3−メトキシ−4,5−(メチレンジ
オキシ)フエニル]−2,3−ジメチルブタン347
mgを乾燥アセトニトリル9mlに溶かした溶液を、
過塩素酸第二鉄1.32gを乾燥アセトニトリル15ml
に溶かした溶液に一度に加え、室温にて1分間撹
拌後、氷水中に注ぎこみエーテル抽出を行い、エ
ーテル層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラ
フイー(展開溶媒、石油エーテル−エーテル=
4:1)に付した。溶出した結晶性部分をクロロ
ホルム−メタノールから再結晶し、下記式(
)で表されるcis−6,7,8,9−テトラヒ
ドロ−1,14−ジメトキシ−2,3:12,13−ビ
ス(メチレンジオキシ)−7,8−ジメチルジベ
ンゾ[a,c]シクロオクテン、融点158〜160
℃、162mg(収率:47%)を得た。 この化合物の理化学的性質は次のごとくであ
る。 赤外線吸収スペクトルνKBr naxcm-1: 1615 プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ in
CDCl3): 0.73(3H,d,J=7Hz) 0.96(3H,d,J=7Hz) 1.6〜2.7(6H,m) 3.84(6H,s) 5.96(4H,s) 6.51(2H,s) ハイマススペクトル: 理論値(M+)384.1593 実測値(M+)384.1583 なお、上記の閉環反応では過塩素酸第二鉄を用
いたが、この代わりに塩化第二鉄を用いることも
できる。 実施例2の反応を式で表すと次のとおりであ
る。 【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 式(1) (式中、R1,R2,R3は、同一あるいは異なつ
    て、低級アルキル基、低級アルコキシ基を示す
    か、またはR1およびR2はいつしよになつてメチ
    レンジオキシ基あるいはエチレンジオキシ基を示
    し、R4は低級アルキル基を示す) で表される化合物を、二量体化させて得られる式
    (2) (式中、R1,R2,R3,R4は上に定義したと同
    じ意義を有する) で表される二量体を、オルトギ酸エチルおよび安
    息香酸と反応させることにより式(3) (式中、R1,R2,R3,R4は上に定義したと同
    じ意義を有する) で表されるアルケンと、式(4) (式中、R1,R2,R3,R4は上に定義したと同
    じ意義を有する) で表されるアルケンとの混合物を得、式(3)で表さ
    れるアルケンと式(4)で表されるアルケンを分離し
    た後、それぞれを還元し、ついでそれぞれを過塩
    素酸第二鉄または塩化第二鉄を無水酢酸、アセト
    ニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリルか
    ら選ばれる1つあるいはそれ以上の溶媒に溶解さ
    せた酸化用組成物を用いて閉環させることを特徴
    とする式(5) (式中、R1,R2,R3,R4は上に定義したと同
    じ意義を有する) で表されるジベンゾシクロオクタジエン型リグナ
    ン、および式(6) (式中、R1,R2,R3,R4は上に定義したと同
    じ意義を有する) で表されるジベンゾシクロオクタジエン型リグナ
    ンの製造方法。
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