JPH0379493A - 高速艇のプロペラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、高速艇のプロペラに関し、特にボス内にエン
ジンの排気ガスを排出する排気通路を存する高速艇のプ
ロペラに関する。

（従来の技術） 従来からボス内に排気通路を設け、エンジンの排気ガス
を排出する排出口を水中に没して、排気音を静粛にする
、排煙を見えなくする、排気管の端部が煤で汚れないよ
うにする等を意図した高速艇のプロペラが知られている
。

第１１図乃至第１４図には、このような高速艇のプロペ
ラの従来例を示す。すなわち、第１１図及び第１２図に
図示した従来例Ｉのプロペラｌにおいては、円筒状ボス
２の外面に翼３を取り付け、該ボス２の内部に排気通路
４を設けている。そして、エンジンの排気ガスをボス２
後方より水中に排出している。

また、第１３図及び第１４図に図示した従来例Ｈのプロ
ペラにおいては、排気圧を降下させるために、ボス２後
端部にラッパ部５を形成している。

更に、ボス付近の推進効率を高めるために、翼後方に補
助翼を設けることも従来から提案されており、例えば第
１５図及び第１６図に図示した従来例■のようなものが
ある。すなわち、ボス２に取り付けたボスキャップ６に
翼３と等しい数の整流フィン７を取り付けている。

（発明か解決しようとする課題） しかしながら、このような従来の高速艇のプロペラにあ
っては、第１１〜１２図に図示した従来例■においては
、ボス２が円筒形状となっている′ので、第１３図〜１
４図に図示した従来例■よりは推進抵抗（水流の抵抗）
は小さいが、ボス部２における排気圧力が高いために、
エンジンの馬力が出難い上に、後に詳述するように排気
ガスが翼３の背面に逆流するので、プロペラの推進効率
が下がるという問題点がある。

また、第１３〜１４図に図示した従来例■においては、
ボス２の後端にラッパ部５が形成されているために、ボ
ス部２における排気圧力降下によるエンジン馬力の上昇
が期待でき、更に排気ガスが翼３の背面まで逆流するこ
とはないが、ラッパ部５に当たる水流の抵抗が大きくな
り、このため推進効率が低下するという問題点があった
。

なお、第１４〜１５図に図示した従来例■はボスキャッ
プ６を有するプロペラにおいては、第１６図に図示した
ようにボス２後流に渦８か発生するので、ボスキャップ
６に整流フィン７を設はボスキャップ６後流における渦
８の発生を減らす方向に水流を案内するものである。

このため、本来的に渦発生の少ない、排気ガスを排出す
る機能を備えたボスを有する本発明のプロペラとは異な
るものである。

本発明は、このような従来の問題点に着目してなされた
ものであり、水の抵抗を増加させることなく推進性能を
向上させた高速艇のプロペラを提供することを目的とす
る。

（課題を解決するための手段） このため本発明は、円筒形ボス内に排気通路を有する高
速艇のプロペラにおいて、ボス後端部外面に翼面積より
小さい面積を有し取付ピッチ角度が翼取付ピッチ角度と
略同一である補助翼を各翼間に設けた。

（作用） 翼による圧力分布の負圧域が補助翼による圧力分布の正
圧域と相互干渉して、負圧域の負圧が減少する。このた
め排気がボス表面へ逆流することはない。

またプロペラ後流において、遠心加速度による負圧、ボ
ス負圧、推力正圧の三者を綜合し圧力か低くなる。この
ため排気圧力が低下しエンジン性能が向上する。

更にボス後端にラッパ部のが無いので、水の抵抗が小さ
い。

（実施例） 以下、本発明を図面に基づいて説明する。第１図及びそ
の正面を図示した第２図は、本発明の一実施例を示す図
である。

まず構成を説明する。前縁２ａと後縁２ｂの直径が略同
一である円筒形のボス２表面に等間隔に３枚の翼３がボ
ス表面の母線１−ｆに対してピッチ角θとなるように取
り付けられている。

そして、ボス２後縁２ｂの近傍のボス表面に、翼３の後
縁根部９と隣の翼３の後縁根部９との略中間の位置に補
助翼ＩＯが翼３と略同一のピッチ角θにて３枚取り付け
られてプロペラ１を構成している。

補助翼３のアスペクト比（高さと幅の比）は翼３と略同
様であり、大きさ（高さ又は幅）は翼３の１１５〜１／
６となっており、例えば第３図（ａ）。

（ｂ）、（ｃ）に示したように、直径１１４ｉｚのボス
に’１（Ｊｔｘの補助翼３が設けられている。なお図中
ＩＩはスターンドライブのユニットである。

次に作用を従来例と本発明とを比較しながら説明する。

本発明に係る高速艇のプロペラの主なる効果としては、
（１）水の抵抗が小さい、（２）排気の逆流がない、（
３）排気圧が低くなりエンジンの出力が増すがあげられ
る。以下これについて説明する。

（１）　　水の抵抗が小さい。

本発明のボス２は前縁２ａと後縁２ｂの直径が略同一の
円筒形をしており、後端に従来例■の如きラッパ部５が
形成されていないため、ラッパ部５に当たる水流の抵抗
が無いため水の抵抗は小さい。

（２）　排気の逆流かない。

第４図には、ボス２後端から排出された排気ガスか翼３
の背面３ａに逆流する原因とその防止策を示す。図は第
１図に図示したボス２の母線Ｉ−■を切ってボス２の表
面を展開して平面にした図で、第４図（ａ）は従来例■
（第１ｆ−１２図）、第４図（ｂ）は従来例■（第１３
〜１４図）、第４図（ｃ）は本発明（第１〜２図）に係
るプロペラを各々図示している。

第４図（ａ）、（ｂ）、（ｃ）は翼３を固定して水流１
２が翼３に対して迎え角αを持って流入する状態を示す
。水流１２により翼３の周囲には各々圧力分布Ｘ、Ｘ−
１，Ｘ−２が図示した如く発生する。なお図中（＋）は
正圧域、（−）は負圧域をそれぞれ示している。また従
来例■においてはラッパ部５かボス２後端に形成されて
いるので水流１２がラッパ部５に当たり正圧域Ｚが発生
する。　本発明においては、補助翼１０に対して圧力分
布Ｙか発生する。

圧力分布や正圧域の相互干渉により各プロペラの周囲の
圧力とボス２後端から排出される排気との相互作用を、
母線■と母線■の位置について考察する。

母線Ｈについて。第４図（ａ）に図示した如くボス２後
部で翼３の後方の母線■上の点Ｉ３において、従来例１
のプロペラにおいては、第４図（ａ）に図示した如く圧
力分布Ｘの負圧域のために負圧となっており、従って排
気１４はボス２の表面に逆流する。そして更に負圧の強
い翼３の背面３ａに吸い込まれる。このため翼３の推進
効率が下がってしまう。

従来例Ｈのプロペラにおいては、第４図（ｂ）に図示し
た如く、翼３による圧力分布Ｘの負圧域がラッパ部５に
よる正圧域Ｚと相互干渉して圧力分布Ｘ−ｔとなる、こ
のため母線■上の点１３において負圧が減るので、排気
Ｉ４はボス２の表面に逆流することなく後方に流れ去る
。

本発明のプロペラにおいては、第４図（Ｃ）に図示した
如く、翼３の圧力分布Ｘの負圧域と補助翼ＩＯの圧力分
布Ｙの正圧域とが相互に干渉して圧力分布Ｘ−２となり
、母線■の点１３の負圧が減る。

このため、排気１４はボス２表面に逆流することなく後
方に流れ去る。

母線■について。

母線■上の点１５は第４図（ａ）、（ｂ）、（ｃ）とら
常時正圧であって、何れのプロペラにおいても排気１４
は、プロペラ表面に逆流することなく後方に流れ去る。

なお、前記母線Ｈにおける従来例Ｉの排気の逆流は、母
線■近傍のみに生ずるものであり、それ以外の点では全
て母線■におけると同様正常な流れとなっている。

上記した如く、本発明によれば、従来例Ｈのような水流
の抵抗を大きくするラッパ部５を形成することなく排気
の逆流を防止することができる。

（３）　排気圧力が低くなりエンジンの出力が増す。第
５図に図示した如くプロペラｌ後流■６内においては、
遠心加速度による負圧■７、ボス負圧１８、推力正圧Ｉ
９の王者が混在しており、これら王者を綜合した結果の
圧力が低い程、ボス２からの排気が出易くなる、以下こ
れを分脱する。

（ａ）　　遠心加速度による負圧。

第６図（ａ）は第５図に図示したプロペラ後流れ１６内
の遠心加速度を説明する図である。すなわち、静止゛し
た水の中を翼３が矢印２Ｉの如く進行する状態を示して
いる。翼３が通過した後のプロペラ後流Ｉ６には図示す
る如く、誘導速度Ｓが発生する。この誘導速度Ｓの回転
方向の速度成分ＳＲはプロペラ後流１６を翼３と同じ方
向に回転さＵｏるらのであり、このためプロペラ後流１
６が軸線２０を中心として円筒状に回転して遠心加速度
を発生する。

この遠心加速度に起因して発生する負圧１７は強力であ
り、その作用範囲は、ボス２の後方で軸線２０に沿って
誘導速度Ｓの軸線方向の速度成分ＳＴが消える所まで減
衰しながら続くと考えられる。

第６図（ｂ）は補助翼１０がある本発明の場合を示す。

補助翼ｌＯに発生する誘導速度Ｓの回転方向の速度成分
ＳＲが翼３に発生する前記回転方向の速度成分ＳＲに加
勢してプロペラ後流１６内の遠心加速度を強める。この
ため遠心加速度にょる負圧１７も強まる。

（ｂ）　　ボス負圧 第５図のボス２後方に点線で図示した部分Ｉ８はボス負
圧域である。ボス２か円筒形でその後端が流線形でない
ために流れの陰が生じ発生する負圧である。

（ｃ）　　推力正圧 第５図に示したプロペラ後流１６内において斜線で図示
した部分１９はプロペラの翼面で発生した負圧の誘導速
度成分Ｓｔが存在する部分であり、推力正圧域となる部
分である。なお、この推力正圧域１９は前記した遠心加
速度による負圧域１７と略一致する。

以上に述べた如く、第５図に示したようにプロペラ後流
１６内においては、遠心加速度によろ負圧Ｉ７と、ボス
負圧１８と推力正圧Ｉ９の王者が混在しており、これら
王者を綜合した結果の圧力が低い程ボスからの排気が出
易くなるる第１表には、前記三者の圧力が３従来例Ｉ、
従来例■、本発明のプロペラ後流圧力に及ぼす効果を定
性的に示す。本発明に係るプロペラの後流合計圧力が最
も低くなる。

第２表にこのことを裏付ける実験データを示す。

ずなわも第２表は第７図に図示した如くにして計測され
た乙ので、スターンドライブ１１を使用した推進装置の
エンジン２２からの排気通路２３゜２４．４の途中にあ
るの点及び０点におけろ排気圧力を各従来例１１従来例
■、本発明のプロペラを使用して計測したものである。

これらデータの差圧は第１表に示したプロペラ後流合計
圧力の傾向と概略一致している。

第２表において本発明プロペラを使用して計測したデー
タの差圧が最乙大きいことから、補助翼１０の有効性が
確認できる。

プロペラ後流圧力 第１表　　　　　　■正圧域 ｅ負圧域 排気圧力実測値 プロペラ綜合性能 第３表　　○：良 ×：不良 第３表に各プロペラについての、プロペラ綜合性能の評
価結果を示す。すなわち、各従来例Ｉ。

従来例■１本発明に係るプロペラについて、水の抵抗（
ボスの抵抗）、排気の逆流による推進効率低下、及びプ
ロペラ後流合計圧力が低くなることによる排気圧力の低
下についての評価をまとめたものである。本発明に係る
プロペラが最も勝れていることが分かる。

第８図は、各プロペラを使用して実船によりプロペラ速
度性能を計測した結果を示したものである。この曲線に
示されている、本発明に係るプロペラと従来例１．従来
例■についての効果の傾向は前述第３表のプロペラ綜合
性能評価と傾向か一致している。このことからも本発明
に係る補助９２１０の効果が確認できる。

第９図及びその正面図である第１０図には、本発明の他
の実施例を示す。この実施例は、隣接する翼３の間に前
記した実施例の補助翼ＩＯより小さい補助翼２５を複数
、図では２枚合計６枚設けたらのである。なお補助翼２
５の形状その他は萌記実施例の補助翼ＩＯと同しである
。

本実施例によれば、ボス２の負圧域に小さい補助翼２５
を複数個設けであるので、より効果的にボス表面の負圧
を減少して排気の逆流を防止することができろ。また、
速度成分の加勢による遠心加速度がより強められる等の
効果がある。

（発明の効果） 本発明は以上説明してきたように本発明によれば、プロ
ペラの推進性能を著しく向上することかでき、快適かつ
安全な航行を楽しむことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明の一実施例を示し、第１図は
側面図、第２図は正面図、第３図（ａ）。 （ｂ）、（ｃ）は補助翼の実際寸法を示し、第３図（ａ
）は側面図、第３図（ｂ）は第３図（ａ）のＡ矢視図、
第３図（ｃ）は正面図、第４図（ａ）。 （ｂ）、（ｃ）はボスの表面を展開して平面にした説明
図を示し、第４図（ａ）は従来例■のプロペラによる排
気逆流の説明図、第４図（ｂ）は従来例Ｈのラッパ部の
効果を示した説明図、第４図（ｃ）は本発明に係る補助
翼の効果を示した説明図、第５図はプロペラ後流を示し
た側面図、第６図（ａ）、（ｂ）はボスの表面を展開し
て平面にした説明図を示し、第６図（ａ）はプロペラ後
流での遠心加速度を説明する説明図、第６図（ｂ）は補
助翼による遠心加速度の加勢を示す説明図、第７図は排
気圧力の実測個所を示した側断面図、第８図はプロペラ
速度性能曲線を比較して示した図、第９図及び第１Ｏ図
は本発明の他の実施例を示し、第９図は側面図、第１Ｏ
図は正面図、第１１図及び第１２図は従来例Ｉを示し、
第１１図は側面図、第１２図は正面図、第１３図及び第
１４図は従来例■を示し、第１３図は側面図、第１４図
は正面図、第１５図及び第１６図は従来例■を示し、第
１５図は側面図、第１６図は正面図、第１７図はボスキ
ャップ後流の渦を示す説明図である。 ｌ・・・プロペラ、２・・・ボス、３・・・翼、４・・
・排気通路、５・・・ラッパ部、１０・・・補助翼、１
２・・・水流１、Ｉ３・・・母線■上の点、Ｉ４・・・
排気ガス流、１５・・・母線■上の点、１６・・・プロ
ペラ後流、１７・・・遠心加速度による負圧、Ｉ８・・
ボス負圧、１９・・・推力正圧、２３．２４・・排気通
路、２５・・・補助翼。 第１図 第３図 第４図 （Ｃ） 第５図 第４図 （（１） （ｂ） 第６図 ＣＧ） （ｂ） 第７図 第８図 掻ｗ１吟間 第１１図 第９図 第１３図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）円筒形ボス内に排気通路を有する高速艇のプロペ
   ラにおいて、ボス後端部外面に翼面積より小さい面積を
   有し取付ピッチ角度が翼の取付ピッチ角度と略同一であ
   る補助翼を各翼間に設けたことを特徴とす高速艇のプロ
   ペラ。