JPH0378898B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、流動性を有する泥土を管中を通して
連続的に圧送する泥土圧送装置に関するものであ
る。

〔発明の背景〕

近年、内陸地にある湖沼、水源地、中小河川等
の水底堆積物を高効率で浚渫することができる浚
渫設備が提案されている。これは、浚渫した水底
堆積物を圧送タンク内に一旦貯溜して、しかる後
圧送タンク内に高圧の圧縮空気を供給することに
より、該圧送タンクに連結した圧送管を通して陸
上等に圧送するようにしたもので、水底堆積物が
圧送管内で管詰まりを起さないようにするため
に、バツクホウ等の掘削機で浚渫された堆積物
は、選別機で大塊状のものが選別され、さらに撹
拌機等でプリン状泥土に撹拌された後圧送タンク
に供給されるようになつている。そして、このよ
うな圧送タンク、バツクホウ、選別機並びに撹拌
機等は、個々に陸上輸送可能なブロツク体を複数
個水面上で組立てて形成された台船上に搭載され
るようになつている。

このような浚渫設備において、浚渫泥土を効率
的に圧送するために圧送タンクを台船上に２基設
け一方の圧送タンクに泥土を供給している間に、
他方の圧送タンク内の泥土を圧送する交互運転が
行なわれている。

しかしながらこのような圧送タンクは一度に多
量の泥土を圧送して浚渫効率を高めるという要求
から大型化し、台船上の占有面積が大きくなり、
そのために中小河川等のように河幅が制限される
ような場所において、台船を小型化して他の装置
を適宜な位置に配置することがむづかしくなると
いう難点があつた。

〔発明の目的〕

本発明はこのような従来の問題点に着目してな
されたもので、場所をとらずしかも簡単な構造で
泥土を効率良く圧送できる泥土圧送装置を提供す
ることを目的とするものである。

〔発明の概要〕 而して本発明の目的を達成するための要旨は、
水平方向に配置された筒状ケーシング内に、長さ
方向に沿つて互に向い合う方向に回転する２本の
スクリユー軸が水平方向に並設された泥土搬送用
のスクリユーコンベアの泥土排出側と、送泥管と
の間に連結された管路中に、前記送泥管に向け圧
縮空気を噴出する空気ノズルを設けるとともに、
前記空気ノズルと前記スクリユーコンベアの泥土
排出側との間に排出泥土の排出方向の排出のみを
許容する常閉型の逆止弁を設けた泥土圧送装置で
あつて、前記スクリユーコンベアの２本のスクリ
ユー軸は、一方のスクリユー軸に右ねじ廻りの螺
旋フインが設けられるとともに、他方のスクリユ
ー軸に左ねじ廻りの螺旋フインが設けられ、双方
の螺旋フインが互に当接するように構成されてい
ることを特徴とする泥土圧送装置にある。

〔発明の実施例〕

以下本発明を図面に示す実施例に基づいて詳細
に説明する。

第１図は本発明による泥土圧送装置の一実施例
を示す一部破断平面図、第２図はその側面図、第
３図は第１図のＡ−Ａ線に沿つた断面図を示して
いる。

図中、１は断面だるま孔状に形成された筒状の
ケーシングで、一端側頂部に図示しないホツパー
等が取付けられる泥土投入用の開口部２が形成さ
れるとともに、他端側下部両側に泥土が排出され
る短管３，３が取付けられている。このケーシン
グ１内には、その長さ方向に沿つて２本のスクリ
ユー軸４，５が水平方向に並設され、夫々の貫通
両端部が軸受６に軸承されている。一方のスクリ
ユー軸４には右ねじ廻りの螺旋フイン４ａが設け
られ、また他方のスクリユー軸５には左ねじ廻り
の螺旋フイン５ａがその前面を該右ねじ廻りの螺
旋フイン４ａの背面に当接させるようにして設け
られており、双方のスクリユー軸４，５の各螺旋
フイン４ａ，５ａの周縁は前記ケーシング１の内
周面に略隙間なく対向している。そして、双方の
スクリユー軸４，５は、夫々の他端部に固定した
同期歯車７ａ，７ｂが互に噛合つて互に向い合う
方向に同期回転し、前記ケーシング１の開口部２
から投入した泥土を短管３に向けて連続的に搬送
するようになつている。８は前記他方のスクリユ
ー軸５の軸端に固定した駆動歯車で、図示しない
油圧モータに図示しない駆動チエーンを介して連
結され、前記双方のスクリユー軸４，５を回転さ
せるようになつている。９は前記短管３に接続さ
れた曲管で、その吐出端９ａに常閉型のスイング
逆止弁１０が設けられている。このスイング逆止
弁１０は前記曲管９の吐出端部に揺動自在に設け
られた鉄製の揺動板１０ａと、該曲管９の吐出端
９ａの開口縁部に固着されたゴムパツキン１０ｂ
とからなり、曲管９中を搬送された泥土の搬送圧
によつて開き、一時的に泥土の搬送が中断された
場合等に閉じて、後記する圧送用空気ノズルから
の圧縮空気によつて泥土が逆流するのを防止して
いる。１１は前記逆止弁１０を覆うようにして前
記曲管９と送泥管１２との間に接続された泥土圧
送管で、該曲管９から送泥管１２に向けて圧送用
空気ノズル１３が挿通され、該圧送用空気ノズル
１３から噴出される圧縮空気によつて、曲管９を
通つてこの泥土圧送管１１中に搬送された泥土を
送泥管１２に圧送するようになつている。１４は
前記曲管９に挿通された補助空気ノズルで、該曲
管９中に砂等が詰まつた場合に、圧縮空気を噴出
して目詰まりした砂等を前記泥土圧送管１１に向
け押し出すようになつている。

以上が本実施例の構造であるが、次にその作用
について説明する。

ケーシング１の開口部２に連続的に投入された
泥土は、回転する一対のスクリユー軸４，５によ
つて該開口部２と反対端部側に設けられた一対の
短管３，３に向け搬送され、曲管９で合流して逆
止弁１０をその搬送力で開き泥土圧送管１１内に
送られる。そして、圧送用空気ノズル１３から噴
出される圧縮空気によつて送泥管１２を通して遠
隔地に圧送される。その際、この圧送用空気ノズ
ル１３から噴出される圧縮空気は高圧であるた
め、泥土圧送管１１内の空気圧が曲管９内の泥土
にも加わつて該泥土を逆流させようとするが、泥
土は２本のスクリユー軸４，５により強制的に搬
送され、しかも双方のスクリユー軸４，５の各螺
旋フイン４ａ，５ａが互に隙間なく接するととも
に、双方の螺旋フイン４ａ，５ｂの周縁が共にケ
ーシング１の内周面と隙間なく対向しているため
に、泥土は逆流することなく泥土圧送管中の空気
圧に抗して搬送される。

以上述べた如く本実施例によれば、２本のスク
リユー軸４，５によつて泥土を泥土圧送管１１に
搬送することにより、該泥土圧送管１１内の圧縮
空気による搬送泥土の逆流を防止して、泥土を連
続的に泥土圧送管１１内に搬送することができる
ので、浚渫泥土を連続的に遠隔地に圧送すること
ができる効果が得られる。

また、ケーシング１内に２本のスクリユー軸
４，５を設けたスクリユーコンベアに、曲管９、
泥土圧送管１１を短管３，３を介して接続すると
いう簡単な構造なため、装置全体を小型軽量化で
きる他、従来のように高価なタンクを必要としな
いため、コストを大幅に低減できる効果が得られ
る。

なお、本実施例においてケーシング１の排出側
と泥土圧送管１１との間を、短管３と曲管９とで
連結して排出泥土を該泥土圧送管に排出するよう
にしているが、一本の管によつて排出泥土を泥土
圧送管１１に排出するようにしてもよい。

続いて本発明による泥土圧送装置にプリン状の
流動泥土を供給する水底堆積物選別撹拌ユニツト
を第４図および第５図に基づいて説明する。

この選別撹拌ユニツトは、スクリーン型式の選
別機１５とトロンメル型式の撹拌機１６とを直列
に連結したもので、図示しない台船上に掘削機と
ともに搭載されている。選別機１５は、足高の取
付枠体１７の上部にホツパ１８を取付け、このホ
ツパ１８の上部開口に格子状のスクリーン１９を
傾斜して取付けると共に、ホツパ１８の下部開口
下方に２基並列の第１のスクリユーコンベア２０
を後方の粉砕機１６に向けるようにして取付けた
ものである。なお、このスクリーン１９の格子間
隔は大塊状の掘削泥土を通過させない程度として
いる。そして、ホツパ１８内の保守点検並びに清
掃作業等を容易とするために、前記スクリーン１
９は傾斜下端側が前記取付枠体１７にヒンジ２１
を介して回動自在に連結され、このヒンジ２１を
中心として油圧シリンダ２２により回動されるよ
うになつている。また、このスクリーン１９の傾
斜上端部には加振器２３が取付けられており、ス
クリーン１９の格子に引掛かつた塊状の泥土を振
動によりホツパ１８内に落下させるようにしてい
る。さらにこのスクリーン１９の回動端部と当接
するホツパ上端部には防振ゴム２４が取付けら
れ、前記バツクホウ等の掘削機によつて泥土が選
別機１５に投入される際に、泥土投入によりスク
リーン１９が受ける衝撃を吸収することができる
ようになつている。

一方、前記第１のスクリユーコンベア２０は、
ホツパ１８の下部開口に対応して泥土捕集用の開
口２５が設けられて、ホツパ１８からの泥土をス
クリユー２６に導くようになつている。また、こ
の第１のスクリユーコンベア２０の排出端部は、
後述する撹拌機１６のドラム内に挿入されてい
る。

次いで、撹拌機１６について説明する。２７は
堆積泥土を収容し、これを転動させながら粉砕し
てプリン状の流動体にする横置傾斜型の円筒回転
ドラム篭（以下ドラムとする）で、傾斜上端側を
前記選別機１５の後部に近接するようにして配設
されている。そして、このドラム２７は傾斜上端
部が水平ビーム２８に一対設けられた図示しない
回転ローラに支承されると共に、ドラム２７の中
程および傾斜後端部に設けられたブラケツト２９
に固定されて後方に支出された回転軸３０が軸受
３１に軸承されている。３２は前記回転軸３０に
固定された駆動用スプロケツトで、図示しない駆
動モータにチエーンを介して連結され、前記ドラ
ム２７を回転駆動するようになつている。３３は
前記ドラム２７の傾斜下端に近接して配設された
夾雑物排出シユータで、排出端は台船の船側に延
設され、ドラム２７中でドラムの網目を通り抜け
ずにドラム２７の傾斜下端に達した石、木クズ等
の夾雑物を機外に案内し、台船に接舷したバージ
に落下させて夾雑物の処理を自動的に行なうよう
にしている。３４は前記ドラム２７の下半部分を
その全長に亘つて包囲する泥受ホツパで、下端開
口部には該ドラム２７の軸方向に並列して第２の
スクリユーコンベア３５がドラム２７の略全長に
亘り配列されている。この第２のスクリユーコン
ベア３５は、その軸方向片半部分に右ねじ廻りの
螺旋部分３５ａが、他半部分に左ねじ廻りの螺旋
部分３５ｂが夫々作成され、泥受ホツパ３４から
落下した流動泥土を軸方向中央部分に搬送して、
下方に設けられた本発明による泥土圧送装置のケ
ーシング１の開口部２に落下投入されるようにな
つている。

〔発明の効果〕

以上述べた如く本発明によれば、スクリユーコ
ンベアと送泥管との間に連結された管路中に、空
気ノズルと逆止弁を設けた構造なので、装置全体
を小型化でき、しかも泥土を連続的に効率よく圧
送できる効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による泥土圧送装置の一実施例
を示す平面図、第２図はその側面図、第３図は第
１図のＡ−Ａ線に沿つた断面図、第４図は本発明
による泥土圧送装置に泥土を供給する水底堆積物
選別撹拌ユニツトの正面図、第５図はその側面図
を示している。 １…ケーシング、２…開口部、３…短管、４，
５…スクリユー軸、４ａ，５ａ…螺旋フイン、６
…軸受、７ａ，７ｂ…同期歯車、８…駆動歯車、
９…曲管、１０…逆止弁、１０ａ…揺動板、１０
ｂ…ゴムパツキン、１１…泥土圧送管、１２…送
泥管、１３…空気ノズル、１４…補助空気ノズ
ル、１５…選別機、１６…撹拌機、１７…取付枠
体、１８…ホツパ、１９…スクリーン、２０…第
１のスクリユーコンベア、２１…ヒンジ、２２…
油圧シリンダ、２３…加振器、２４…防振ゴム、
２５…開口、２６…スクリユー、２７…ドラム、
２８…ビーム、２９…ブラケツト、３０…回転
軸、３１…軸受、３２…スプロケツト、３３…シ
ユータ、３４…泥受ホツパ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 水平方向に配置された筒状ケーシング内に、
   長さ方向に沿つて互に向い合う方向に回転する２
   本のスクリユー軸が水平方向に並設された泥土搬
   送用のスクリユーコンベアの泥土排出側と、送泥
   管との間に連結された管路中に、前記送泥管に向
   け圧縮空気を噴出する空気ノズルを設けるととも
   に、前記空気ノズルと前記スクリユーコンベアの
   泥土排出側との間に排出泥土の排出方向の排出の
   みを許容する常閉型の逆止弁を設けた泥土圧送装
   置であつて、前記スクリユーコンベアの２本のス
   クリユー軸は、一方のスクリユー軸に右ねじ廻り
   の螺旋フインが設けられるとともに、他方のスク
   リユー軸に左ねじ廻りの螺旋フインが設けられ、
   双方の螺旋フインが互に当接するように構成され
   ていることを特徴とする泥土圧送装置。