JPH0378391B2 - - Google Patents

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JPH0378391B2
JPH0378391B2 JP20749483A JP20749483A JPH0378391B2 JP H0378391 B2 JPH0378391 B2 JP H0378391B2 JP 20749483 A JP20749483 A JP 20749483A JP 20749483 A JP20749483 A JP 20749483A JP H0378391 B2 JPH0378391 B2 JP H0378391B2
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JP20749483A
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JPS60100574A (ja
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Nozomi Ootake
Haruo Seto
Tomoyoshi Segawa
Tetsuo Sasaki
Masanori Sugita
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Tobishi Pharmaceutical Co Ltd
Nisshin Seifun Group Inc
Original Assignee
Tobishi Pharmaceutical Co Ltd
Nisshin Seifun Group Inc
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は新規な抗生物質たる1166D物質および
その製法に関する。 本発明者らは放線菌の産生する抗生物質の検索
を行う過程で、放線菌D−1166の番号を付された
菌株が好気的液体培養によりその培養液中にリン
ゴ腐乱病病原菌に対して抗菌活性を有する抗生物
質が産生されることを見出した。本発明者らは、
この抗生物質を単離、精製することに成功しそし
てそれを詳細に検討した結果、リンゴ腐乱病病原
菌Valsa ceratospermaに対して優れた抗菌作用
を有する新規物質であることを発見し、これを
1166D物質と命名した。 本発明の対象たる1166D物質は次の物理化学的
性質を有する。 (1) 構 造 (2) 分子式 C38H59O10N (3) 分子量 679.86 (4)〔α〕25 D +43.4゜(c=0.1、メタノール中) (5) 融 点 138〜139℃ (6) 元分析(C38H59O10Nとして) 計算値 実測値 C :67.13% 66.80% C : 8.75% 8.71% O :23.53% 22.98% N : 2.06% 2.01% (7) 紫外線吸収スペクトル(メタノール中)(第
1図参照) λmax246nm(ε=13800) λmax276nm(ε5700) (8) 赤外吸収スペクトル(臭化カリウム板)(第
2図参照) 3400,1720,1675,1650,1615,1250,1105
(cm-1
【表】
【表】
【表】
【表】 t:−CH〓、s:−C−

(11) 溶解性 メタノール、エタノール、アセトン、n−ブタ
ノール、ピリジン、酢酸エチルおよびクロロホル
ムに可溶、n−ヘキサンおよび水に不溶。 (12) 外 観 無色結晶丈 (13) Rf 値 0.32 〔シリカゲルプレートとしてのメルクNo.5721を
用いた薄層クロマトグラフイーによる測定、n−
ヘキサン/酢酸エチル(1:2)使用〕 また、第2の本発明の要旨とするところは、ス
トレプトミセス属に属する1166D物質生菌菌を培
養し、その培養物から1166D物質を採取すること
を特徴とする、1166D物質の製造法にある。 第2の本発明の方法で用いられる1166D物質生
産菌の一例としては、埼玉県大宮市の土壌から分
離された放線菌であつてストレプトミセス・ハイ
グロスコピカスD−1166株があり、これは昭和54
年1月12日に工業技術院微生物工業技術研究所に
寄託された(微工研菌寄第4771号)。 この放線菌株であるストレプトミセス・ハイグ
ロスコピカスD−1166株の菌学的性質について以
下に記載する。 (A) 形 態 ストレプトミセス・ハイグロスコピカスD−
1166株の栄養菌糸は分岐しながら長く伸長し、
桿菌状・球菌状に分断せず、隔壁も形成しな
い。空中菌糸は栄養菌糸より培地表面に伸長
し、巾0.4〜0.5μmで単軸分枝し、分枝上に短い
胞子柄を密生し、その先端に密だ小さなららせ
ん状(1〜8回転、直径2〜2.5μm)の胞子鎖
を着生する。胞子鎖は10〜40個の胞子からな
り、表面は著しい「しわ状」(rusose)で、幅
0.6〜0.8μmの鞘に包まれ(輪郭は「こぶ状」)、
個々の胞子形が不明瞭である。また、粘質物に
包まれたらせん胞子鎖、仁井田の球状体(スト
レプトミセス属、ストレプトベルチシリウム属
で時々みられる)などが観察されるが、その他
の特殊形態は観察されなかつた。 (B) 各種培地における生育状況 観察法はISPの方法便覧にしたがい、集落表
面の菌叢色はH.D.トレスナーおよびE.J.バツカ
ス両氏(1963)の色系列で示し、集落の裏面色
と培地への拡散性色素は分類色名(色の標準:
日本色彩研究所)に翻訳して示す。なお詳細な
色は( )内にカラー・ハーモニイ・マニユア
ル(4版)の色コードで示した。結果は要約し
て表1に示す。 本菌株の菌叢色は最初白色系列であるが、胞
子の成熟度に伴ない赤色系列(ピンク灰〜明る
い茶灰)を経て灰色系列(明るい茶灰〜茶灰、
赤味灰〜明るい紫味灰、紫味灰〜暗い紫味灰)
になる。培地によつて、最終的には黒色湿潤斑
を形成する。集落の裏面色はうす黄から明るい
黄またはうす黄茶から明るい茶で、いわゆる不
鮮明色を示し、PHを変えても変色しない。培地
へ拡散性色素として、メラニン様色素は生成せ
ず、その他の色素はチロシン寒天培地で3日目
にうすピンク、後にうす茶になり、PH指示薬性
(酸性で茶白、塩基性でうす赤)の色素を生成
する。また、有機培地で裏面色と同様なうす黄
茶の色素をわずかに生成するが、合成培地では
生成しない。 (C) 生理的性状 本菌株の生理的緒性状を表2に示す。生育最
適温度は20〜30℃にあり、いわゆる中温性放線
菌である。メラニン様色素は表1と表2に示し
た諸培地およびゼラチン、脱脂牛乳などの有機
培地でもほとんど生成されない。しかしチロシ
ン寒天培地で紅色系の色素(多分、ドーパーク
ロム)を生成することから、チロシナーゼ活性
はあると考えられる。 炭素源の利用能を表3に示す。本菌株はD−
フラクトースを利用しないが、他の8種の糖全
部を生育のために利用し得る。
【表】 表2 生理的性質 1 生育温度範囲 10〜40℃ 生育最適温度 20〜30℃ 2 ゼラチンの液化 陽 性 3 脱脂牛乳の凝固 陰 性 脱脂牛乳のペプトン化 強く陽性 4 スターチの加水分解 強く陽性 5 メラニン様色素の生成 チロシン寒天培地 陰 性 ペプトン・イースト・鉄寒天培地 陰 性 トリプトン・イースト液体培地 陰 性 6 硝酸塩の還元 表3 炭素源の利用能 L−アラビノース(+)L−イノシトール() D−キシロース(+) L−ラムノース() D−グルコース() ラフイノース(+) D−フラクトース(−) D−マンニツト() シユクロス(+) ()よく利用する (+)利用する (−)利用せず (D) 記載の要約 ストレプトミセス・ハイグロスコピカスD−
1166は次のような形態的特性状をもつ。1)栄
養菌糸には分断および隔壁形成がみられない。
2)胞子鎖はらせん状で、10個以上の胞子によ
り形成されている。3)胞子襄を形成しない。
以上の性状から、本菌株はストレプトミセス
(Streptomyces)属に包含される。本菌株の胞
子鎖が密な小らせん状であり、成熟菌叢色が灰
色系列で湿潤黒色斑を形成し、メラニン様色素
を生成しないことから、本菌株はハイグロスコ
ピカス群(hygroscopicus−group)に属する。
A.ダイエツの最近の研究〔A.Dietz in T.
Araied.「Actinomyeetes,the boundary
microorganisms」第183〜191頁(1976)参照〕
によれば、湿潤黒色斑を形成するハイグロスピ
カス群は胞子の形態により二群に分けられる。
彼は胞子表面が「しわ状」(rugoss)の群と胞
子の形が楕円形(帽子形または三日月形)の群
とに分け、前者をストレプトミセス・ハイグロ
スコピカス(Streptomyces hygroscopicus)、
後者をストレプトミセス・ネオハイグロスコピ
カス(S.neohygroscopicus)(新種名)とし
た。そして、ハイグロスコピカス群の既知の種
と変種をこの2種に再編成した。この研究にし
たがえば、本菌株は胞子鎖が「しわ状」の鞘に
包まれ、個々の胞子形が明瞭に区別できない点
で、前者に包含される。 次に本菌種D−1166の特性を基準にして「バ
ージー氏細菌同定便覧8版(1974)」とE.B.シ
ヤーリングおよびD.ゴツトリーブ両氏のISP記
載〔Int.J.Syet.Bacteriol 18,69(1968):18
279(1969);19,391(1969);22,265(1972)〕
およびその他の文献に記載されたストレプトミ
セス属の種を検索し、本菌株はストレプトミセ
ス(以後Sと略記)ハイグロスコピカス(S.
hygrosccpicus)種に近縁であることがわかつ
た。 そこで本菌D−1166株とストレプトミセス・
ハイグロスコピカスNRRL2387の炭素源の利
用能を比較すると次に示すような結果となる。
【表】 この結果から該菌種はストレプトミセス・ハ
イグロスコピカスNRRL2387とは糖類の資化
性に若干の差異があることは明らかであり、ま
た前者に1166D物質生産能がみられ後者にはみ
られないことであり、以上の結果から本菌種は
ストレプトミセス・ハイグロスコピカスに属す
る新菌種と同定しストレプトミセス・ハイグロ
スコピカスD−1166の名称を与えた。 第2の本発明の方法を実施するに当つて、
1166D物質の生産菌の培養は20〜37℃好ましく
は25〜30℃の温度範囲で通常の放線菌の培養に
適切な水溶性栄養源を含む培地中にて好気条件
で実施される。 本培養の目的に供される培地としては放線菌
が利用できる栄養源を含めばよく、培地組成と
してグルコース・フラクトース、シユークロー
スなどの糖類、殿粉、およびグリセリンなどの
炭素源およびカゼイン、ポリペプトン、大豆ミ
ール、綿実ミール、肉エキス、乾燥酵母、コー
ンステイープリカーなどの有機態窒素もしくは
硫酸アンモニウム、塩化アンモニウムなどの無
機態窒素などの窒素源が単独でないしは併合し
て用いる事ができる。 さらに、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム、
硫酸鉄、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、各種ビ
タミンなどを生育促進および調節の目的で利用
することも可能である。 必要に応じて、シリコーン、植物油あるいは
合成消泡剤を培地に添加し発泡を防ぐことも可
能である。 D−1166株の保存は凍結乾燥、培養液の凍結
保存、寒天斜面培地などに継代するなど種々の
方法が可能である。 1166D物質を生産する場合、寒天斜面培地よ
り一白金耳胞子を掻き取り振盪フラスコに移殖
し2〜5日、27〜30℃で培養し種菌とする。本
培養のスケールに応じて種培養を繰り返し種菌
を大量に得ることもできる。 本培養は際してはこのようにして得られた種
菌を一定量醗酵槽に接種し20〜35℃好ましくは
27〜30℃で2〜5日間通気撹拌する。得られた
培養液を遠心分離または過などの手段により
菌体を集め水とアセトン、メタノールなどとの
混合溶媒にて菌体より目的物質を抽出する。通
常、溶媒と水の混合比が50%〜70%の混液を用
いるが混合比はこれに限らない。抽出操作は必
要に応じ繰り返し行える。このようにして
1166D物質を含む抽出液を得た後、減圧下混合
溶媒を除去する。 得られた1166D物質を含む水溶液を硫酸また
は塩酸にてPHを調節して当該物質を抽出しやす
い状態にする。必要があれば、工業用食塩など
を加え抽出効率を高めたりエマルジヨン防止な
どの手段を講じることもできる。 続いて水と混合しない酢酸エチル、クロロホ
ルム、ブタノールなどの溶剤を用いて1166D物
質を有機溶媒層に転溶させる。抽出液を飽和食
塩水などの溶液にて洗浄すれば水溶性の不純物
などの除去に効果がある。かくして得られた溶
媒層に芒硝を加え脱水した後溶媒を減圧下に留
去すれば1166D物質を含む粗抽出物を得ること
ができる。 更に、1166D物質を精製するためには通常の
脂溶性低分子物質の精製手段を適用できる。す
なわち通常用いられる精製法として種々の吸着
クロマトグラフイーが有効であり、吸着剤とし
ては一般に使用される担体たとえばシリカゲ
ル、アルミナ、巨孔質(マクロポーラス)非イ
オン系吸着樹脂等が使用できるが、本物質
1166D物質の精製にはシリカゲルが最も有効に
利用される。溶出溶媒としてはヘキサン/酢酸
エチル(1:1)の混合溶媒系が適している。
薄層クロマトグラフイー上で1166D物質を含有
するフラクシヨンを集め、そして減圧濃縮して
溶媒を留去すると1166D物質を含む油状物が得
られる。このようにして得られた油状物はシリ
カゲルを用いる調製的薄層クロマトグラフイー
に付される。n−ヘキサン/酢酸エチル(1:
2)の混合溶媒系で展開後、Rf=0.32附近の
1166D物質に相当する区分をかき取りそして酢
酸エチルで溶出する。溶出液を減圧濃縮して得
られる粗製の1166D物質はLH−20のカラムク
ロマトグラフイーに付される。溶出はメタノー
ルで行ない、1166D物質を含む区分を集めて減
圧濃縮すると1166D物質の粗粉末が得られる。
得られた粗粉末を少量の酢酸エチルに溶解しそ
してn−ヘキサンを加えると1166D物質が無色
不定形結晶として単独採取される。このように
して得られた1166D物質は前記したような物理
化学的性状を有する。 本発明による1166D物質の生物活性について
述べるに、1166D物質はリンゴ腐乱病病原菌
Valsa ceratospermaに対して抗菌活性を示
す。かかる抗菌活性はペニシリンGおよびスト
レプトマイシンを各0.5%含むPSA培地(培地
1にじやがいも200g分の熱水抽出物、サツ
カロース20g、天10gを含有、PH5.8に調整)
を用いてペーパーデイスク法で調べた。結果は
次のとおりである。 1166D物質濃度 生育阻止濃度 2μg/ml 20mm 12.5 19 6.2 18 3.1 17 1.56 16 0.78 14 次に本発明を更に説明するために実施例を掲げ
る。 実施例 可溶性殿粉1.0%、ポリペプトン1.0%、廃糖密
1.0%、肉エキス1.0%よりなる培地100mlを500ml
の坂口フラスコに分注し、滅菌後ストレプトミセ
ス・ハイグロスコピカスD−1166株(微工研菌寄
第4771号)を1白金耳量接種し30℃で48時間振盪
培養した。次に同じ培地を500mlのエーレシマイ
ヤーフラスコに100mlずつ分注し滅菌後上記の種
菌を3%の割合で加え30℃で72時間回転式振盪培
養機で培養しジヤー醗酵槽による本培の種菌とし
た。乾燥酵母0.2%、CaCO30.4%、NaCl0.5%よ
りなる培地を15ずつ30ステンレス製醗酵槽4
基に仕込み滅菌後種菌を3.0%の割合で加え30℃
で通気撹拌培養を行なつた(通気量15/分、回
転数300r.p.m)。 次いで、72時間培養した後に培養液を採取し培
養液より菌体を別した。 得られた菌体に65%アセトン−水混液を8加
え、撹拌後一夜放置し過して抽出液を得た。減
圧下にアセトンを留去し得られた水溶液をPH7.0
に調節した後酢酸エチル10を加えて撹拌し抽出
した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、酢酸エ
チルを減圧下に留去し橙黄色の油状物質を得た。 得られた油状物質は、シリカゲルカラムクロマ
トグラフイーに付し、ヘキサンで溶出を行ない不
純物を除去した後、ヘキサン/酢酸エチル(1:
1)よりなる混合溶媒系で溶出を行ない、1166D
物質を含む画分を得た。得られた画分は減圧下に
溶媒を留去して1166D物質を含む油状物質211mg
を得た。得られた油状物質はメタノールに溶解し
シリカゲル(西独メルク社、HF254)の薄層ク
ロマトグラフイー〔n−ヘキサン/酢酸エチル溶
媒系(1:2)〕に付し、Rf=0.32〜0.30の1166D
物質に相当する区分をかき取り、酢酸エチルで溶
出した。溶出液は減圧下に濃縮し、得られた粗物
質はメタノールに溶解した後、セフアデツクス
LH−20のカラムクロマトグラフイーに付してメ
タノールで溶出した。次いで1166D物質を含む区
分を集め、減圧濃縮して、1166D物質の粗粉末45
mgを得た。得られた粗粉末を酢酸エチルに溶解し
た後、n−ヘキサンを添加して1166D物質の無色
不定形結晶23mgを晶出させた。得られたものの融
点は138〜139℃であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による1166D物質の紫外吸収ス
ペクトルを示す図であり、第2図は同じく赤外吸
収スペクトルを示す図であり、第3図は同じくプ
ロトンNMRを示す図であり、そして第4図は同
じく 13C−NMRを示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 構造式 で表わされる1166D物質。 2 ストレプトミセス属に属する1166D物質生産
    菌を培養し、その培養物から1166D物質を採取す
    ることを特徴とする、1166D物質の製造法。 3 1166D物質生産菌がストレプトミセス・ハイ
    グロスコピカスD−1166株(微工研菌寄第4771
    号)である特許請求の範囲第2項に記載の方法。
JP20749483A 1983-11-07 1983-11-07 1166d物質およびその製造法 Granted JPS60100574A (ja)

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