JPH0376905B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

〔発明の属する技術分野〕 本発明は、加工適性の良好な高水分系チユーイ
ンガム組成物に関し、更に詳細には、柔軟かつ粘
着性が弱く製造設備を汚染し難く、また成型、充
填工程において切断されたり、引張られたりして
も塑性的であるため局部的な歪みや復原が起り難
い、極めて加工適性の良好な高水分系チユーイン
ガム組成物に関するものである。 〔従来技術とその問題点〕 従来、高水分系チユーインガムで柔軟若しくは
流動状のチユーインガム組成物として、特公昭49
−24228号公報、特公昭50−15854号公報、特公昭
57−37305号公報等が知られており、これら従来
公知の高水分系チユーインガムが低温（５℃以
下）では流動性が充分でなく、また経時的に不安
定の欠点があつた所より、本発明者等は、これら
欠点を改善できるチユーインガム組成物を発明し
て特許出願した（特願昭59−43508号）。その後、
この先出願に係るチユーインガム組成物は粘着性
が強く、また弾力性を有するため外部から力を加
えた時、局部的な歪みや復原等の変形が起り、所
定の形状に仕上げ難く、製造加工時に色々と支障
をきたすことが製造現場より指摘された。本願発
明者は、この点の改善に鋭意試作研究を重ねた結
果、先出願のチユーインガム組成物が甘味原料と
してグルコースを主体にして砂糖およびコーンシ
ロツプを配合していたのに対し、グルコースの使
用を止めて砂糖を主体にしてコーンシロツプを配
合することにより、流動性は犠牲になるが問題点
は顕著に改善されることが突止められた。更に、
配合される糖アルコール分として、マンニトール
を使用することにより加工適性がより一段と改善
されることも見出されて本発明を完成した。 〔発明の目的〕 それ故、本発明の目的は、高水分系で柔軟なチ
ユーインガム組成物において、粘着性が極めて低
くかつ塑性的で製造加工に支障をきたさないチユ
ーインガム組成物を提供するにある。 〔発明の要点〕 上記の目的を達成するため、本発明にかかる加
工適性の良好な高水分系チユーインガム組成物に
おいては、重量比としてガムベース20〜28％、砂
糖35〜55％、DE32〜52の範囲にあるコーンシロ
ツプ10〜25％、マンニトール２〜10％、湿潤剤１
〜８％、水溶性高分子0.1〜1.0％、乳化剤0.01〜
0.2％、水を添加または不添加にて調整された水
分５〜15％、および香料、酸味料、色素等の適量
とを混合してなることを特徴とする。 使用されるガムベースとしては、天然ゴムおよ
び／または合成ゴムを５％以上含有するものが低
温柔軟性向上に好ましい。砂糖は、35〜55％の範
囲で使用され、多すぎるとガムがより硬化し粘度
上昇し、少なすぎるとガムのなめらかさが損われ
る一方、チユーインガムの粘着性が増大する。コ
ーンシロツプは、DE32〜52の範囲のもの10〜25
％使用され、水の均一分散と安定化に優れた効果
を付与するが、多すぎると保水性が劣化する。マ
ンニトールは２〜10％使用され、砂糖との協力で
粘着性を低減しチユーインガムの物性をより可塑
的にする効果があり、使用量が多すぎるとチユー
インガムの感触を粉つぽくし香味を不鮮明化す
る。湿潤剤は70％濃度のソルビトール液、グリセ
リン、プロピレングリコールより選択して使用さ
れ、１〜８％の範囲で好適に使用でき主として保
湿性、保水性の目的に使用され、多すぎると吸水
性過多となり、分離傾向が出かつ苦甘味が出る。
少なすぎると保水性が劣化する。水溶性高分子と
しては、アラビアガム、グアーガム、ローカスト
ビーガム、キサンタンガム、プルラン、デンプン
などより選択して0.1〜1.0％使用される。この使
用は粘着性低減と物性の可塑化を付与するもの
で、多すぎると粘度上昇しかみ心地が軟化する効
果が出る。乳化剤としてはポリグリセリン脂肪酸
エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステ
ル、ショ糖脂肪酸エステルおよびポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステルより選択される乳
化剤を0.01〜0.2％使用され、これら乳化剤の
HLBは６〜22の範囲にある。乳化剤はガムベー
スと糖質の混和を容易にするもので、使用量が多
すぎるとかみ心地は軟化する。水分は原料中の水
分を含めて５〜15％に調整される。水分が低すぎ
ると柔軟性が弱まり、高すぎると離水傾向が強ま
る。 〔発明の実施例〕 次に好適な実施例および対照例により本発明を
具体的に説明する。 実施例 １ ガムベースの配合は下記の通りである。 重合度800の酢酸ビニル樹脂 12.5重量部 重合度200の酢酸ビニル樹脂 12.5重合部 ポリイソブチレン（平均分子量15方） 10重合部 天然ゴム ２重合部 マイクロクリスタリンワツクス 13重合部 精製ロジンエステルガム 22重合部 モノグリセライド ２重合部 アセチル化モノグリセライド ６重合部 タルク 20重合部 計 100 重量部 上記２種の樹脂、ポリイソブチレンおよび天然
ゴムを混練機中110℃下に40分混練し、この混練
物に他の諸原料を混練下に順次添加し混練してガ
ムベースを得た。以下の実施例、対照例はこのガ
ムベースを使用した。 実施例 ２〜５

【表】 予備加温したミキサでガムベース、コーンシロ
ツプを混練し、次いで砂糖、マンニトール等の粉
体糖質、更にグリセリン、アラビアガム液、乳化
剤、香料を投入混練し、水を添加する場合は最後
に適量ずつ加えて組織が均一になるまで良く混練
する。 出来上がりチユーインガムは、いずれもチユー
ブの様な容器に充填可能な柔軟性を有するが流動
変形は室温範囲では無い。混練機、容器充填ノズ
ル等へのチユーインガムの粘着性は極めて低く加
工適性は良好で、口当りの良いソフトなかみ心地
を有し、経時安定性の優れた品質であつた。 特に、実施例４のチユーインガムは、適度の柔
軟性と可塑性を有し、ゼリー等他の菓子素材と組
み合わせて新しい型の菓子の開発が可能であつ
た。 対照例 ６〜８

【表】

〔発明の効果〕

本発明に係る加工適性の良好な高水分系チユー
インガム組成物によると、製造装置、充填機等へ
の粘着が極めて少なく柔軟で香味良好で口当りの
良いチユーインガム組成物が得られ、風船ガムに
特に好適で、他の菓子素材との組せによる新しい
型の菓子開発に期待できる。 以上本発明に係る加工適性の良好な高水分系チ
ユーインガム組成物につき、好適な実施例を挙げ
て説明したが、本発明の精神を逸脱しない範囲に
おいて種々の変化がなされることは勿論である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 重量比としてガムベース20〜28％、砂糖35〜
   55％、DE32〜52の範囲にあるコーンシロツプ10
   〜25％、マンニトール２〜10％、湿潤剤１〜８
   ％、水溶性高分子0.1〜1.0％、乳化剤0.01〜0.2
   ％、水を添加または不添加にて調整された水分５
   〜15％、および香料、酸味料、色素等の適量とを
   混合してなり、前記水溶性高分子が、アラビアガ
   ム、グアーガム、ローカストビーンガム、キサン
   タンガム、プルラン、デンプン等の天然水溶性高
   分子物質よりなる群から選択されることを特徴と
   する加工適性の良好な高水分系チユーインガム組
   成物。 ２ 湿潤剤が70％濃度のソルビトール液、グリセ
   リンまたはプロピレングリコールよりなる群から
   選ばれる１種または２種以上からなる特許請求の
   範囲第１項記載の加工適性の良好な高水分系チユ
   ーインガム組成物。 ３ 乳化剤がポリグリセリン脂肪酸エステル、プ
   ロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン
   脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンソル
   ビタン脂肪酸エステルよりなる群より選ばれる１
   種または２種からなる特許請求の範囲第１項記載
   の加工適性の良好な高水分系チユーインガム組成
   物。 ４ 乳化剤のHLBが６〜22の範囲にある特許請
   求の範囲第３項記載の加工適性の良好な高水分系
   チユーインガム組成物。 ５ 水分が７〜12％の範囲にある特許請求の範囲
   第１項記載の加工適性の良好な高水分系チユーイ
   ンガム組成物。 ６ チユーインガム組成物が風船ガム組成物であ
   る特許請求の範囲第１項乃至第５項のいずれかに
   記載の加工適性の良好な高水分系チユーインガム
   組成物。