JPH0376779A

JPH0376779A - シリンジ用ガスケット

Info

Publication number: JPH0376779A
Application number: JP21195489A
Authority: JP
Inventors: Toshiki Yoshida; 俊樹吉田
Original assignee: Nissho Corp
Current assignee: Nissho Corp
Priority date: 1989-08-17
Filing date: 1989-08-17
Publication date: 1991-04-02
Anticipated expiration: 2012-05-07
Also published as: JP2606930B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明はシリンジ用ガスケットに関し、更に詳しくは摺
動性、安全性に優れた内部滑性を有するシリンジ用ガス
ケットに関する。

〔従来の技術〕

従来、シリンジ用ガスケットは天然ゴムまたは台底ゴム
からなるガスケット外面に、シリンジ内面との摺動性を
よくするために、シリコーン油の塗布が施されて使用さ
れてきた。そのためにガスケット製造までの工程数が多
く、生産性が上らない欠点があった。これらの欠点を改
良したシリコーン油の塗布が不必要なガスケットとして
、特開昭６３−５７６６１号公報にポリ（エチレンブチ
レン）ポリスチレンブロック共重合体にポリオレフィン
とパラフィン系オイルからなる熱可塑性エラストマーを
底形したガスケットが紹介されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、このガスケットは内部に滑剤であるパラ
フィン系オイルが添加されているので、工程数は少なく
なったが、高温における機械的物性が低く、ＢＯＧ滅菌
や高圧蒸気滅菌をした際、ガ鋭意検討した結果、本発明
に到達した。

ンすなわち、本発明は（ａ）ポリ（エチレンブチレン）ポ
リスチレンブロック共重合体４０〜８５重量％、（ｂ）
ポリプロピレン１０〜３０重量％、（ｃ）エチレンアク
リル酸エステル共重合体ｌＯ〜４０重量％および（ｄ）
シリコーン樹脂０〜１５重量％の組成の重合体混合物か
らなるシリンジ用ガスケットである。

また本発明は、前記シリンジ用ガスケットにおいて、シ
リコーン樹脂の粒径が１〜２０μの微粒子であるシリン
ジ用ガスケットである。

〔作用〕

本発明のシリンジ用ガスケットは特定配合比のポリ（エ
チレンブチレン）ポリスチレンブロック共重合体とポリ
プロピレンの混合物に、エチレンアクリル酸エステル共
重合体を添加することによって、エチレンアクリル酸エ
ステル共重合体が、ポリ（エチレンブチレン）ポリスチ
レンブロック共重合体とポリプロピレンの相溶化剤の作
用をし、その間にシリコーン樹脂が分散した組成からな
っているために、適度のゴム弾性と摺動特性を有し、高
温又は低温においてもガスケットの変形が少なく、採血
用に使用した際、血小板の粘着がなく、シリンジ用ガス
ケットとして最適の性能を有している。

〔実施例〕

次に、本発明のシリンジ用ガスケットの一例を図面に基
づいて説明する。

第１図はシリンジ内にガスケット付きプランジャーを挿
着した平面図である。

図中１はシリンジ外筒、２はプランジャー、３はガスケ
ット、４および５は環状リブ、６はプランジャーを挿着
するための中空部、７はガスケットの円錐部、８はプラ
ンジャーの突起部を示す。

第１図においてガスケット３は円柱状の本体と先端が円
錐状の円錐部７とからなり、円柱状の本体の外周面両端
は環状リブ４および５が設けられていて、シリンジの内
周面と液密に摺動するようになっている。ガスケット３
の後端から円柱状の本体にかけて、中空になった中空部
６が設けられており、プランジャー６の突起部８が挿着
されてプランジャー６と一体になった構造をしている。

本発明のシリンジ用ガスケットはポリ（エチレンブチレ
ン）ポリスチレンブロック共重合体４０〜８５重量％、
ポリプロピレン１０〜３０重量％、エチレンアクリル酸
エステル共重合体ｌＯ〜４０重量％およびシリコーン樹
ｊｍ１〜１５重量％の＆ｌ戒の重合体混合物からなって
いる。

本発明で用いられるポリ（エチレンブチレン）ポリスチ
レンブロック共重合体は、ハードセグメントはポリスチ
レン、ポリメチルスチレン等のスチレン系重合体、ソフ
トセグメントはポリエチレンブチレン共重合体の構造を
している。ハードセグメントとして使用されるポリスチ
レン系重合体の分子量はｓ、ｏｏｏ〜１２０，０００で
ある。またソフトセグメントであるポリエチレンブチレ
ン共重合体は分子量１０．ＱＯＱ〜２５０，０００のポ
リブタジェンをポリスチレンと反応させてポリ（エチレ
ンブチレン）ポリスチレンブロック共重合体を作った後
、そのブロック共重合体を水素添加することによって得
ることができる。ソフトセグメントであるポリエチレン
ブチレン共重合体はエチレンとブチレンの構成化が４０
〜６０／６０〜４０モル％　であり、ブロック共重合体
に占めるソフトセグメントの割合は６０〜９０重量％で
あると機械的物性、柔軟性とも優れたものが得られる。

ブロック共重合体の使用量の範囲は重合体混合物中４０
〜８５重量％であり、かかる使用量が４０重量％未満で
あるとガスケットのゴム弾性が悪くなる傾向があり、ま
た８５重量％を超えると成形性が悪くなる傾向がある。

次に本発明で用いられるポリプロピレンはポリプロピレ
ン単独又はそれを主体とする共重合体である。プロピレ
ン以外の共重合体酸分としてはエチレン、ブテン−１等
が挙げられ、その割合は１０重量％以下である。ポリプ
ロピレンはシリンジ用ガスケットに成形した時の機械的
物性を向上させる性能を有すると共に、成形性を維持す
る作用をする。かかるポリプロピレンの使用量の範囲は
重合体混合物中１０〜３０重量％であり、１０重量％未
満であるとガスケットの機械的物性が悪くなる傾向があ
り、また３０重量％を超えるとゴム弾性が悪くなる傾向
がある。

次に本発明で用いられるエチレンアクリル酸工ステル共
重合体はブロック共重合体とポリプロピレンの相溶化剤
の作用をする。ここで使用されるアクリル酸エステルと
してはメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチ
ルアクリレート等が挙げられ、共重合体成分中に占める
割合は５〜９０モル％である。アクリル酸エステル量が
５モル％未満であると、透明性が悪くなる傾向があり、
９０モル％を超えると高温領域における弾性率が低くな
る傾向がある。前記エチレンアクリル酸エステル共重合
体の使用量の範囲は重合体混合物中１０〜４０重量％で
あり、かかる使用量が１０重量％より少ないとポリマー
の分散が悪くなり、押出し加工性が悪く、なかんずく低
温特性が悪くなる傾向があり、また４０重量％を超える
と機械的強度が低くなる傾向がある。

更に本発明で使用するシリコーン樹脂は通常−般に使用
されるオルガノポリシロキサンであり、ジメチルポリシ
ロキサン、メチルビニルポリシロキサン、メチルフェニ
ルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メ
チルフェニルビニルポリシロキサン、メチルフルオロア
ルキルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フ
ェニルビニルポリシロキサン等が挙げられ、これらの樹
脂の組成物、官能基の一部を変威しエポキシ基やア逅ノ
基を含有した変成シリコーン樹脂等も含まれる。特にシ
リコーン樹脂の粒径が１〜３０μ、好ましくは３〜２０
μの超微粒子を使用すると、シリコーン樹脂が他の重合
体混合物と均一に分散混合し、摺動特性の優れたガスケ
ットが得られて好ましい、この超微粒子の真比重は０．
９７〜０．９８　ｇ／ｃｊ嵩比重は０．１８〜０．２０
　ｇ／ｃｊであるのが好ましい。

シリコーン樹脂の使用量は重合体混合物中１〜１５重量
％、特に３〜１０重量％が好ましい、シリコーン樹脂の
混合量が１重量％未満であると、摺動特性が悪くなる傾
向があり、１５重量％を超えると、機械的強度が低下す
る傾向がある。

ガスケットの成形は前記４種のポリマーをブレンダーま
たはミキサーに投入し、均一に混合した後、重合体混合
物を溶融し、ガスケットの形をした金型内に溶融押し出
すか、射出成形して製造する０重合体温合物を混合する
際、必要に応じ添加剤、他のポリマーを混合してもよい
。

このようにして成形されたガスケットはその中空部と、
予め製造されているプランジャーの突起部とを嵌合する
ことによって一体化する。そしてそれをシリンジに挿入
することによってガスケットの環状リブがシリンジの内
周面と液密に摺動し、シリンジ注入口から注入した血液
や薬液をシリンジ内に収容する。以下実施例で本発明を
説明する。

実施例１〜４、比較例１〜２シリコーン樹脂（トート・シリコーン社製、トレフィル
Ｅ−５０１、粒径９．２μ）を５重量％に固定し、ポリ
（エチレンブチレン）ポリスチレンブロック共重合体（
シェル化学製クレイトンＣ−１６５０以下Ｓ［！ＢＳと
いう）、ポリプロピレン（住友化学製ＰＬ−６７１１Ｎ
、以下ＰＰという）およびエチレンエチルアクリレート
共重合体（エチルアクリレート量１５モル％、日本ユニ
カー製ＤＰＤＪ−６１８２、以下ＦＥＢ＾という）を第
１表のようにその混合割合を変化させて、ミキサーで混
合し、２００°Ｃで溶融してガスケット状に射出成形し
た。このガスゲットの物性を第１表に示す。

第１表なお表中の試験項目は次の方法で測定した。

（１）引張強度（ｋｇ／ｄ）ＪＩＳ−に６３０１に従って測定。

（２）圧縮永久歪（％）ＪＩＳ−に６３０１に従い、７０℃の加熱器中に２２時
間保存した後、２５％変形させた時の歪残留率。

（３）摺動抵抗（ｇ）第１図のシリンジ１Ｏｃｃにガスケット付きプランジャ
ーを挿入した時の初動値および２０■／秒の速度で摺動
した時の摺動値。

第１表から明らかなように、本発明の実施例１〜４のガ
スケットは比較例のガスケットと比較して、適度の圧縮
永久歪と低い摺動抵抗を有していてシリンジ用ガスケッ
トとして適している。

実施例５〜８、比較例３実施例２で使用した５ＥＢ５５４重量％、ＰＰ２５重量
％ＥＡ１６重量％混合した重合体混合物に対して、実施
例２で使用したシリコーン樹脂を第２表の割合に混合し
て実施例２と同様にしてガスケットを成形した。その結
果を第２表に示す。

第２表本発明の実施例のガスケットは比較例ガスケットと比較
して、摺動特性をそれ程低下させないで機械的物性を維
持して好ましい。

実施例９実施例２で使用した５ＥＢ３５４重量％、ＰＰ２５重量
％ＥＡ１６重量％混合した重合体混合物に対して、平均
粒径７０μのシリコーン樹脂（トレフィルＥ−８５０、
トーレ・シリコーン社製）を５重量％混合し、実施例２
と同様にしてシリンジ用ガスケットを成形した。このガ
スケットの引張強度は１６９ｋｇ／ｃｊ。

永久圧縮歪は４０％、摺動抵抗は初動値１５４ｇ、摺動
値６７ｇであった。

実施例１０実施例６で成形したガスケットを用いて、１２０°Ｃの
加熱器に１０時間保持した後、２５％変形させた時の歪
残留率および引張強度の温度依存性を実験した。その結
果を第３表に示す。

表中、７０℃の引張強度は７０℃の加熱器に２５時間保
持した後、２４時間放置後の測定値であり、１２０℃の
引張強度は１２０℃の加熱器に１時間保持した後、２４
時間放置後の測定値である。

一方、このガスケットをウサギ血の血小板濃厚液中に２
２℃で２日間穴れた後でもガスケット表面には血小板の
付着は見られなかった。

第３表から明らかなように、本発明のガスケットは１２
０℃の高温においても変形が少なく、引張強度も殆ど低
下していないので、高圧蒸気滅菌も可能である。

〔効果〕

本発明のシリンジ用ガスケットは適度のゴム弾性と摺動
特性をもち、シリンジ用ガスケットとしての特性を十分
に有している。

また本発明のシリンジ用ガスケットは高温または低温に
おいてもガスケットの変形が少なく、ＥＯＧ滅菌だけで
なく高圧蒸気滅菌も可能である。

更に本発明のシリンジ用ガスケットはその表面に血小板
の粘着が少なく、採血用に使用した際、血液の付着が少
なく衛生的である。

【図面の簡単な説明】

第１図はシリンジ内にガスケット付きプランジャーを挿
着した平面図である。図中１はシリンジ外筒、２はプランジャー、３はガスケ
ット、４および５は環状リブ、６はプランジャーを挿着
するための中空部、７はガスケットの円錐部、８はプラ
ンジャーの突起部を示す。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）（ａ）ポリ（エチレンブチレン）ポリスチレンブ
ロック共重合体４０〜８５重量％（ｂ）ポリプロピレン
１０〜３０重量％（ｃ）エチレンアクリル酸エステル共重合体１０〜４０
重量％（ｄ）シリコーン樹脂１〜１５重量％の組成の重合体混合物からなるシリンジ用ガスケット。
（２）シリコーン樹脂が粒径１〜３０μの微粒子である
請求項１記載のシリンジ用ガスケット。