JPH037637B2 - - Google Patents

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JPH037637B2
JPH037637B2 JP60067483A JP6748385A JPH037637B2 JP H037637 B2 JPH037637 B2 JP H037637B2 JP 60067483 A JP60067483 A JP 60067483A JP 6748385 A JP6748385 A JP 6748385A JP H037637 B2 JPH037637 B2 JP H037637B2
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pulling
gas
antimony
tubular body
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Takao Abe
Shozo Shirai
Hirotoshi Yamagishi
Hirobumi Harada
Izumi Fusegawa
Shuji Yokota
Keizo Yasutomi
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Shin Etsu Handotai Co Ltd
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Shin Etsu Handotai Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は高純度単結晶シリコン棒の製造方法に
関し、特にアンチモンをドーパントとして使用し
た場合の、棒軸方向のドーパント濃度分布を任意
(均一を含む)に制御すると同時に、断面内にお
けるドーパント濃度分布を均一化することに係る
ものである。 発明の目的 半導体素子は、高純度シリコン単結晶のn型基
盤から作られることは良く知られている。高純度
単結晶棒は、ダイヤモンド刃により、スライシン
グされ、さらにラツピング、化学製品によるエツ
チング、ついで鏡面仕上げ加工を経て、例えば半
導体集積回路等の始発材料基盤として使われる。
そして目的とする半導体集積回路素子の種類性能
に応じ、上述の鏡面基盤はその表面の結晶方位、
導電型、抵抗率等の諸特性に注目し選択される。
近年、半導体技術の進歩に伴つて、低電力消費型
の半導体素子が開発され、多用されるようになつ
た。その結果高純度シリコン単結晶基盤の中に占
めるn型の導電型をもつものの需要がますます増
加しつつある。また基盤のドーパント濃度は、半
導体素子の設計上、できるだけ狭い範囲に制御さ
れるのが好ましい。 本発明の目的はアンチモンドープの濃度分布
が、特定の狭い範囲に制御された高純度シリコン
n型単結晶基盤を、低コストで、効率良く製造す
る方法を提供することにある。 従来法の欠点 従来の引上法では、n導電型の高純度シリコン
単結晶を引上げるに際しては偏析係数の比較的大
きいn型ドーパントであるりん(P)または砒素
(As)が用いられるが、単結晶棒の長さ方向のP
またはAsの濃度は著しく変化し、もし、石英ル
ツボ中の高純度シリコン融体が完成に一定直径の
シリンダー状単結晶棒に引上げられたとして、種
結晶側から単結晶棒の全長の90%の点でのドーパ
ント濃度は、種結晶近傍のそれに比較して、Pの
場合4.5培、Asの場合5.0培、となる。 一般に引上げ単結晶棒の長さと不純物濃度との
関係は、 Cx=KCo(1−x)k-1 …(1) で表現される。ここでxは引上単結晶が一定直径
で引上げられた円柱状に仮定したときの、結晶化
開始点側からの位置(全体を1とする)、Coは引
上開始直前の高純度シリコン溶融体中のドーパン
ト(溶質)の濃度、Cxはxの点に於ける単結晶
棒中のドーパント(溶質)の濃度、kはドーパン
トの固有の偏析係数をいう。 高純度シリコン単結晶引上時の、種々の偏析係
数をもつドーパントの濃度変化は、第6図のとお
りである。 いまドーパントとしてアンチモンを使うと、単
結晶棒長さ方向のドーパント変化はPまたはAs
よりさらに大きくなる。通常半導体素子のn型基
盤として用いられる高純度シリコン単結晶のドー
パント濃度範囲は、限定されており、その上限、
下限の比は、高々1.5培であり、1.2培という例が
ある。このため従来の引上法では、n型高純度シ
リコン単結晶基盤を効率的に製造することは困難
であつた。 しかしながら引上技術の進歩に従つて、高純度
シリコン単結晶引上のために、リチヤージ法が開
発された。リチヤージ法とは、石英ルツボ中の高
純度シリコン溶融物を部分的に引上単結晶化し、
この残湯にドーパントを全く含まない高純度シリ
コン多結晶塊を追加して溶融し、再び新たに種結
晶を浸漬して、引上をくり返す方法である。この
くり返しは通常2〜3回行われるが、引上げられ
る単結晶は希望するn型不純物の濃度範囲に納ま
るよう成長させられる。かかるリチヤージ法によ
つても、引上工程の中断、高純度シリコンの追加
など、引上工程が繁雑であり、また引上単結晶の
全長が比較的短いため、単結晶総合収率の低下が
避けられない。したがつてn型高純度シリコン単
結晶は、p型のそれに比較し、供給が不充分であ
り、またコストアツプになり、半導体素子の製造
コストに悪影響を与えたり、また技術開発を妨げ
る要因となつていた。 アンチモンは、n型不純物でありながら、偏析
係数が小さいために、上述の如き方法では、Pや
Asに比較して断然不利であるが、Bradshaw
(1956)は、減圧下におけるシリコン溶融体中の
アンチモンが、他のn型不純物と比較して極めて
揮発しやすいことから、一定の減圧下で、引上速
度と、引上単結晶棒の長さ方向のドーパント濃度
分布変化の関係を調べ、適当に引上速度を選択す
ることによつて、単結晶棒のほぼ全長にわたつて
均一な濃度分布を得ることが出来ることを示し
た。このことは特公昭44−21014号公報および米
国特許第3615261号等にも述べられている。これ
ら公知の技術はいずれも、減圧下と引上速度を選
択するか、あるいは一定の引上速度で、圧力を
徐々に低下することにかかるもので、前者におい
ては、引上速度が変化する必要があるときは、こ
れに伴つてドーパント濃度が変化し、また引上速
度を任意に選択できないという不都合があり、ま
た後者においては、圧力を徐々に変化させるだけ
では、充分なドーパント分布制御がむずかしいこ
ともわかつた。要するにBradshawの研究報告
(Journal of Electronics、Sept、1956、P.134
〜144)、特公昭44−21014部公報および、米国特
許第3615261号の開示する技術のいずれも工業的
な生産には充分に対応できないものである。 問題点を解決するための手段 本発明者等が、高純度シリコン単結晶の減圧下
での引上で、アンチモンが蒸発しやすいという点
に注目したのは、前述の公知文献と同じである
が、この現象を詳細に研究し、アンチモンの蒸発
が、シリコン溶融面に吹きつける雰囲気ガスとし
ての不活性保護ガスすなわちアルゴンガスの流量
および流れの方向に非常に影響を受けることを発
見し、さらに研究を進め一定の減圧下で流量並び
に流れ方向を変化、制御することにより引上単結
晶棒の長さ方向の広範囲なアンチモン分布の制御
が高精度に行い得ることを発見し、商業ベース
で、n型高純度シリコン単結晶を製造することに
成功したのである。また本発明者等は、詳細な関
連実験の過程で、引上単結晶断面内の濃度分布は
しばしば外周部分で、低濃度変化が促進されると
いう欠点があるが、これは不活性保護ガスの流れ
を、引上中の単結晶化進部分の近傍より遠ざけ、
ルツボ壁に近く向けることによつて、充分に避け
得ることを発見した。これは本発明のもう一つ大
きな特徴であり、これによつて、単結晶化進行部
分近傍のシリコン溶融体表面のアンチモンドーパ
ントの揮発が妨げられ、結晶棒またはルツボの回
転を従来の技術に従つて行えば、断面内の均一な
ドーパント分布が充分に達成されるのである。 本発明は上記知見によつて完成されたもので、
これは石英ルツボ中の溶融体に種結晶を浸漬し、
溶融体に添加したアンチモンドーパントを蒸発さ
せながら不活性雰囲気ガス中で単結晶を引上げる
に際し、単結晶を同軸に包囲する管状体および該
管状体下方先端近傍に同じ単結晶を同軸に包囲す
るドーナツ状円板または下方に向かつて拡がるよ
うにされた截頭円錐形ガス整流板を用いることを
特徴とする単結晶シリコン棒の製造方法である。 本発明によれば、アンチモンをドープし、固有
抵抗が0.01Ωcmから高抵抗例えば200Ωcmの広範
囲にわたるn型高純度シリコン単結晶基盤を低コ
ストで大量的に供給可能である。従来p型基盤の
方がコスト的に有利といわれてきたが、本発明の
方法によれば、n型基盤の方がコスト的に有利と
なる。 本発明におけるアンチモンの添加は、アンチモ
ン細粒またはシリコンとの一定組成の合金の適当
量を秤量し、シリコン単結晶が溶融体から引上げ
られ始めてから行なうのが望ましい。一般に引上
工程は、シリコン多結晶の溶融、種結晶の浸漬、
引上開始、コーンの形成ならびに希望直径になつ
てからの直径制御引上というように進められる
が、しばしばコーン形成時に単結晶が乱れるので
溶融を繰り返すことがあり、このため直径制御引
上に入るまでの時間に長短が起る。したがつて、
アンチモンドープは引上初期に行なうとアンチモ
ン初期濃度が変化し制御不能となるので、安定し
た状態すなわち直径制御引上状態に入つてから実
施する。これによつて単結晶の抵抗制御も容易と
なる。なお、当然ながらこのアンチモンドープの
時点まで雰囲気ガス圧、ガス流量を希望する値に
安定的に制御することが必要である。 第1図は、本発明のために用いられる、引上単
結晶製造装置の引上工程中の状態を例示したもの
で、引上室1の内部には、単結晶引上軸2がその
下端に種結晶3を固定し、シリコン溶融体4から
単結晶棒5を回転しつつ結晶の成長に応じて、上
方に引上げられる。引上室1の本体は、上蓋6、
円筒直胴部7および底板8からなつている。上蓋
6の中央部には上下に貫通する、引上室体の直径
より小さく、かつ単結晶よりも大きい内径をもつ
円筒管状体9をもつ。 この円筒管状体9の上部は上蓋6と一体で作ら
れ、下部は耐熱材料例えばグラフアイトで作られ
て良い。この円筒管状体9の下端は通常円形断面
で、引上単結晶と同心円状に配置され、引上単結
晶の周囲との間の間隙gが5mmからルツボ直径の
0.5倍好ましくは0.4倍に、さらにシリコン溶融体
4の表面との距離hが5mmからルツボ直径の1.5
倍好ましくは1.0倍になるよう選ばれる。 シリコン溶融体4の表面は、引上工程の進行と
同時に低下するが、引上機下部駆動機構(図示さ
れない)によつて、石英ルツボ10を上方に移動
せしめ、距離hが引上工程中所定値に調節され
る。 シリコン溶融体4を収容する石英ルツボ10の
外側には、これを保持する黒鉛サセプター11
と、引上機下部駆動機構から延長されているシヤ
フト12の間に連結部13(例えばセラミツクス
などの耐熱材料からなる)が介在する。 14は、例えば黒鉛材料からなるヒーターで、
石英ルツボ10および黒鉛サセプター11を囲ぎ
ようし、外部の直流または交流電源(図示されて
いない)から電極15を通して通電加熱される。
引上工程は、通常引上室1の空間を雰囲気ガス例
えばアルゴンのような不活性ガスで充填して行わ
れる。不活性ガスは第1図の例えば円筒管状体9
の上部から導入され、下方に流れ、引上中の単結
晶棒5との環状間隙を通過し、シリコン溶融体4
の表面に吹きつけられ、反転し、石英ルツボ10
の上縁より外方は流出し、さらにサセプター1
1、ヒーター14および引上室本体円筒直胴部7
の内壁で構成される環状空間を通つて、下方に流
れ、引上室本体底板8の排気孔16を通つて系外
に排出される。17は排気開閉のためのバルブ、
18は真空ポンプである。図中20は、不活性保
護ガス例えば添加供給のための流量計であり、1
9と21は、供給管の開閉並びに、流量調節のた
めのバルブである。22は、引上室の圧力を示す
圧力計であり、反応室1内の圧力は、流量計20
を通る不活性保護ガス例えばアルゴンの流量及び
真空プンプ18の排気量のバランスで自由に調節
でき、一定減圧度でガス流量の調節も自由であ
る。図示に示めさなかつたが、圧力及び流量の調
節をプログラム化し、コンピユータ制御すること
も可能である。これもまた図示してないが、単結
晶の自動直径制御の各手段も、不活性保護ガスの
圧力または流量と連動または独立して運転するこ
とも可能である。23,24は本体の気密封止の
ための充填物であり、使用条件に応じ、適当な材
料が選ばれる。25は回転部の真空シールであ
る。26はドーパント物質例えばアンチモン細粒
を引上室1内のシリコン溶融物に添加する付属物
で、27はドーパントの落下を制御するバルブで
ある。 本発明方法の実施態様 第1図に示す装置において、石英ルツボ10の
中で高純度シリコン多結晶をアルゴンガス雰囲気
下で溶融する。高純度シリコン溶融時の雰囲気ガ
スの圧力は、常圧または減圧のいずれでも良い。
ドーパントとしてのアンチモン細粒は、目的とす
るシリコン単結晶中のドーパントレベルおよび初
期のシリコン溶融体の重量に応じて、添加され
る。アンチモンの添加は単結晶の引上工程が開始
され、希望する直径の結晶が、安定に引上げられ
る状態に達した直後に添加するのが好ましい。種
結晶3がシリコン溶融体4に浸漬され、引上が開
始されると雰囲気ガスの圧力が減圧度に調節さ
れ、雰囲気ガスの導入量の制御が始まるが、種結
晶3からの単結晶棒5の直胴部までの移行部分は
できるだけフラツトに仕上げるのが好ましい。雰
囲気ガスの圧力と流量の調節は、単結晶棒が一定
直径になつてからの方が好ましい。 アンチモン結晶中の長さ方向の濃度分布がほぼ
一定であることを希望する場合には、引上条件例
えば、ドーパント濃度レベル、雰囲気ガスの減圧
度、結晶直径、引上速度、シリコン溶融体の表面
積、結晶およびルツボの回転状態、円筒管状体9
の下端のシリコン単結晶との間隙gおよびシリコ
ン溶融体4の表面との距離hによつて、雰囲気ガ
スの流量を決める。 雰囲気ガスの流量は、引上条件と概略第1表の
ような関係にある。 第1表引上条件と雰囲気ガス流量(ここで矢印
の方向が上のときは増大、下のときは減少を意味
する)
【表】 本発明の方法は、第1の目的としてシリコン引
上単結晶棒軸方向のアンチモンドープ均一化のた
めに用いられるが、本発明の方法によれば、棒軸
方向の変化は平均値に対し、10〜15%以下にその
バラツキを抑えることができる。これはアンチモ
ンドープシリコン単結晶棒において、従来全く不
可能であつたことである。 すなわち、従来雰囲気ガス流量が少ない場合、
減圧にするだけではアンチモンの蒸発が不充分で
あつたり、流量が充分多い場合でも、引上室内に
おける高温のために、雰囲気ガスの偏流現象が起
きて、アンチモン蒸発の制御が全く困難であると
いう欠点があつた。 以上本発明の目的の一つである引上単結晶軸方
向のドーパント濃度分布について述でたが、次
に、減圧下でシリコン製造方法からアンチモンを
蒸発させながら実施する単結晶引上工程中に、そ
の単結晶断面内のアンチモン濃度分布が通常法よ
りも悪くなるのを改善するために、本発明の他の
一つが有効であることを説明する。 通常法による断面内のドーパント濃度分布の改
善法は、種結晶の回転数を高めることである。し
かしこの方法はしばしば結晶性を乱す原因にな
り、その限界がある。本発明の方法は、雰囲気ガ
スとしての不活性保護ガスの流れを巧みに利用す
るにある。すなわち不活性ガスのシリコン溶融体
表面への吹きつけ位置は、単結晶化進行部からル
ツボ壁の方へ遠ざけることである。このような不
活性ガスの流れの制御は、間隙gを大きくする
か、もつと積極的には、管状体の下端近傍にドー
ナツ状円板または下方に向つて広がるようにされ
た截頭円錐形ガス整流板28を設けることであ
り、一例をあげれば第2図に示されるような位置
に截頭円錐形ガス整流板28を内在させることで
ある。この截頭円錐形ガス整流板は勿論単結晶と
同心円的に配置され、間隙を流れる雰囲気ガスの
主要部分を単結晶化進部分より遠ざける役目をす
る。第2図は、シリコン単結晶5の単結晶化進行
部分近傍を拡大し詳しく説明したものである。截
頭円錐形ガス整流板28の位置と作用効果を説明
する。円筒管状体9の下端の内部に、截頭円錐形
例えばグラフアイトからなる成形体(ここでは截
頭円錐形ガス整流板28ともいう)をシリコン単
結晶と同心円上に、かつその上端が、円筒管状体
9の下端面でほぼ一致するよう配置される。第3
図は、截頭円錐形ガス整流板28とシリコン単結
晶5との相対的な位置関係を示すものである。第
2図において、添加ガスは円筒管状体9とシリコ
ン単結晶棒5との間隙を矢印aのように流下し、
円筒管状体9の下端近傍で、截頭円錐形ガス整流
板28のためにガス流の大部分が外方向に矢印b
のように流れ、ルツボ10の外側にのがれる。そ
して截頭円錐形ガス整流板28の直下の、単結晶
化進行部分近傍はガス流のよどんだ部分cとな
る。この結果、シリコン溶融体からのアンチモン
の蒸発は、その表面に画かれた矢印dの長さに示
されるよう、ルツボ側に近づくにつれて増大す
る。これにより単結晶の外周表面近傍のアンチモ
ン濃度の低下が避けられる。 本発明における雰囲気ガスの圧力は1mmHg〜
200mmHgとされるが、これは雰囲気ガスを充分に
液面に吹き付けることによつてアンチモンの蒸発
を促進するためであり、この上限が200mmHgにお
いても充分効果があることが判つたことによるも
のである。また下限は限界がないが、工業的には
1mmHg程度が適当であることによる。実際は
10-4mmHg〜10-5mmHgでもアンチモンの蒸発が認
められるが、排気ガス中に微粒子が混入し、排気
系統その他に種々の障害を与えるので工業的に好
ましくない。また、上限としてアンチモンの蒸発
が著しく低下するような、例えば300mmHgにする
と、本発明の引上条件では不適であることも判つ
ている。 他方、ガスの流量は、管状体下端における環状
間隙の単位面積当り0.01N/min・cm2〜2.5N
/min・cm2としたが、通常の操業で引上単結晶
の希望抵抗値を得るためには、アンチモンの十分
な制御可能な蒸発を得るために、前記した部分の
単位面積当り最低0.01Ni/min・cm2であることが
必要であり、これ以上の流量を用い、圧力を上記
範囲に適当に選ぶことにより、希望抵抗値に対し
±10%の精度で抵抗値の制御ができる。またガス
量の上限は、これをあまり大きくすると湯面が振
動し単結晶化が不能になるほか、炉内の固体微粒
子が湯面に飛散し単結晶化をさらに妨げることに
なる。したがつて、この上限を、前記した部分の
環状間隙において単位面積当り2.5N/min・cm2
に設定する必要がある。他方また、ガス量の下限
は上述したとおりである。さらに付け加えると、
前記した部分における単位面積当り0.1N/
min・cm2未満では、単結晶棒と同軸に設けた管状
体の側面およびルツボの上縁にシリコンあるいは
アンチモンの酸化物が析出し易くなり、これがシ
リコン溶融体に混入すると引上単結晶の結晶を乱
すようになり好ましくないことによる。 つぎに本発明の実施例とあげるが、本発明がこ
れに限定されないことはもちろんである。 実施例 1 第1図に例示した単結晶引上装置を用いて直径
100mmのシリコン単結晶棒を引上げた。この場合、
円筒管状体9の下端内径は150mm、石英ルツボ10
は内径12″(30.48cm)であつた。石英ルツボ中に
高純度シリコン多結晶塊最大長10〜50mmを20Kg充
填し、アルゴンガス雰囲気の常圧下でアルゴンガ
スを6.00N/min・cm2の割合で引上室内に導入
し、溶解した。溶融後、この中に細粒状のアンチ
モン20mgを添加し、30分間放置し、ついで、ルツ
ボを5r.p.m.,種結晶を30r.p.mでたがいに逆方向
に回転しつつ、またシリコン溶融体表面を円筒管
状体下端より50mmの距離に調節し、さらに種結晶
をシリコン溶融体に浸漬し、単結晶の引上を開始
した。単結晶の直径が所望の100mmに達した時点
で、雰囲気ガス圧を20mmHgに減圧し、同時にア
ルゴンガス流量を35.0N/minに調節した。ま
た引上速度は1.1mm/min設定した。ガス流量と
してはこの他9.0N/min、90.0N/minの2
種類を選んで比較した。この結果35.0N/min
の場合にほぼ単結晶の全長にわたつて均一なドー
パント濃度分布が実現され、棒軸方向の単結晶側
面抵抗率は、その平均値に対し、±5%の間であ
つた。このときの単結晶の棒軸方向のドーパント
濃度分布を第4図に示す。 単結晶はかなり引上げが進行した段階で乱れ、
このために、すでに引上げた単結晶を溶融し、引
上工程を再開するときは、蒸発した分だけアンチ
モンを追加するか、またはアルゴンガスの流量を
低下させることによつて、所要のドーパントレベ
ルのアンチモンドープn型単結晶を得ることがで
きる。アンチモンの蒸発量は、実験によつて正確
に測定することができる。 本実施例では、単結晶全長にわたつて均一なド
ーパントレベルを得る場合について述べたが、ア
ルゴンガス流量を変化させることによつて、自由
に一回の引上工程で、ドーパントレベルを任意に
変化させた複数の部分から構成する単結晶を成長
させることができる。これは第4図の結果から容
易に理解することができる。半導体素子の基盤は
しばしばそのドーパントレベルの点で異なつてお
り、しかも、一度の使用量が少ない場合がある。
このようなときは、上述のような本発明の方法は
有効である。 実施例 2 本実施例では、円筒管状体の下端に截頭円錐形
ガス整流板を設置した場合について説明する。 実施例1の製造において、円筒管状体下端部
に、第3図に示す截頭円錐形ガス整流板を設置
し、実施例1と全く同じ条件で単結晶を引上げた
実施例1と、実施例2で得られた高純度シリコン
単結晶断面内のドーパント濃度分布を比較し、そ
の結果を第5図に示す。截頭円錐形ガス整流板を
用いてその分布は著しく改善された。断面内のド
ーパント濃度分布は、中心と外周3mmの3点で表
現すると、実施例1では30%であるのに対し、実
施例2では5%に低下した。 ドーパント濃度分布 =|中心濃度−外周3mmの濃度|max/外周3mmの濃
度×100 本発明の方法は、他のドーパント、例えば、砒
素、りん、アルミニウム、ボロン、ガリウム、イ
ンジユームなどにも適用可能であり、また単結晶
材料が、高純度シリコンに限らず、ゲルマニウ
ム、その他比較的難揮発性の場合に適用できる。 本発明の方法は、シリコン単結晶に限らず、こ
の他の半導体材料についても、ドーパントに限ら
ず、石英ルツボから汚染されるシリコン単結晶中
の酸素濃度を除去したり、その他不純物の蒸発除
去に有効である。 本発明の方法は、高濃度のアンチモンドープシ
リコン単結晶のドーパント濃度のコントロールに
は勿論、低濃度の場合にも有効で、抵抗率表示に
よれば、0.02Ωcmから200Ωcm迄の範囲で、有効
である。特に低濃度の場合に、アルゴンのような
雰囲気不活性ガスの流れを利用するアンチモンの
蒸発が特に有効である。また雰囲気ガスとして
は、アルゴンに加えてヘリウムの如き不活性ガス
も有効である。この不活性ガスに特殊な目的で窒
素ならびに水素ガスを混入することも可能で、本
発明の効果は失われない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1における装置の縦断
面図を、第2図は本発明の実施例2における単結
晶化進行部分近傍の縦断面図を、第3図は実施例
2における単結晶化進行部分近傍の斜視図を、第
4図は実施例1の結果を示すグラフを、第5図は
実施例1、実施例2の結果を示すグラフを、第6
図は単結晶引上時のドーパント(溶質)の濃度変
化を示す。 1……引上室、2……引上軸、3……種結晶、
4……溶融体、5……単結晶棒、6……上蓋、7
……円筒直胴部、8……底板、9……円筒管状
体、10……石英ルツボ、11……サセプター、
12……シヤフト、13……連結部、14……ヒ
ーター、15……電極、16……排気孔、17…
…バルブ、18……真空ポンプ、19……バル
ブ、20……流量計、21……バルブ、22……
圧力計、23……充填物、24……充填物、25
……真空シール、26……付属物、27……バル
ブ、28……截頭円錐形ガス整流板、g……円筒
管状体下端と引上単結晶の周囲との間の間隙、h
……円筒管状体下端と溶融体表面との距離。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 石英ルツボ中の溶融体に種結晶を浸漬し、溶
    融体に添加したアンチモンドーパントを蒸発させ
    ながら不活性雰囲気ガス中で単結晶を引上げるに
    際し、単結晶を同軸に包囲する管状体および該管
    状体下方先端近傍に同じ単結晶を同軸に包囲する
    ドーナツ状円板または下方に向かつて拡がるよう
    にされた截頭円錐形ガス整流板を用いることを特
    徴とする単結晶シリコン棒の製造方法。 2 管状体の下端が溶融体表面上5mmからルツボ
    直径の1.0倍の位置で、かつ環状間隙が5mmから
    ルツボ直径の0.4倍の位置である特許請求の範囲
    第1項に記載の方法。 3 雰囲気ガスの圧力が1mmHg〜200mmHgで、
    管状体下端における環状間隙の単位面積当たりの
    ガス流量が0.01N/min・cm2〜2・5N/
    min・cm2である特許請求の範囲第1項に記載の方
    法。
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