JPH037618Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、デユオサーボブレーキにおいて、ブ
レーキシユーが、バツキングプレートから浮上る
のを防止するシユーホールドダウン装置に関す
る。

（従来の技術） 従来のデユオサーボブレーキのシユーホールド
ダウン装置を、第１，５図を参照して説明する。

第１図は、ドラムインデイスクブレーキのデユ
オサーボ型パーキング用ドラムブレーキを示す。
１，２はバツキングプレート、３，４はブレーキ
シユー、５はバツキングプレート１に固設され、
ブレーキシユー３，４のトウ側端部を支持するア
ンカー、６はブレーキシユー３，４のヒール側端
部を連結するアジヤステイングスクリユー、７は
アジヤステイングスプリングであり、引張力にて
両ブレーキシユー３，４のヒール側端部をアジヤ
ステイングスクリユー６の両側端に弾性的に押付
けている。そして、アジヤステイングスクリユー
６が手動式であるために、アジヤステイングスプ
リング７をアジヤステイングホイール６ａに接触
させて回動抵抗を与えてある。８は両ブレーキシ
ユー３，４を拡開させる拡開手段であるパーキン
グレバーであり、９はバツキングプレート１に溶
接固定したパーキングケーブル用ガイド部材、１
０は両ブレーキシユー３，４間に跨設したストラ
ツトである。

１１は、従来のピン式のシユーホールドダウン
装置である。第５図に示すようにシユーホールド
ダウンピン１１ａが、その基部をバツキングプレ
ート１に設けた通孔に係止し、ブレーキシユー３
又は４のウエブ３ａ又は４ａの通孔３a′又は４
a′を挿通し、頭部に係止するシユーホールドカツ
プ１１ｂとウエブ３ａ又は４ａ上に着座するワツ
シヤ１１ｃとの間にシユーホールドダウンスプリ
ング１１ｄを圧縮状態にて介在させ、ブレーキシ
ユー３又は４をバツキングプレート１側に押付け
て浮上るのを防止している。

デユオサーボブレーキに於ては、更に、両ブレ
ーキシユー３，４のヒール部の浮上りを確実に防
止するために、両ブレーキシユーのウエブ３ａ，
４ａのヒール部寄りに設けた通孔２０を使用し
て、ピン式のシユーホールドダウン装置１１を追
加して設けている。

（考案が解決しようとする問題点） ピン式のシユーホールドダウン装置１１は、両
ブレーキシユー３，４に設けられ、部品点数が多
いという問題点があるのみならず、バツキングプ
レート１の通孔は、極力少くするのが、雨水の浸
入防止上好ましい。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、デユオサーボブレーキのヒール部寄
りの浮上り防止手段として構造簡単なシユーホー
ルドダウン装置を提供するものであり、その構成
は次の通りである。

バツキングプレートに対峙して配置された一対
のブレーキシユーと、バツキングプレートに固設
され、両ブレーキシユーのトウ側端部を支持する
アンカーと、両ブレーキシユーのヒール側端部を
連結するアジヤステイングスクリユー及びアジヤ
ステイングスプリングと、両ブレーキシユーを拡
開させる拡開手段とを有するデユオサーボブレー
キのシユーホールドダウン装置に於て、バツキン
グプレートに固定され、自由端内側面がアジヤス
テイングスプリングのバツキングプレートの反対
側の外周に係合するスプリング移動抑止部材を有
するデユオサーボブレーキのシユーホールドダウ
ン装置である。

（作用） 従つて、バツキングプレートに対峙して配置さ
れ、ヒール側端部をアジヤステイングスクリユー
及びアジヤステイングスプリングにて連結された
両ブレーキシユーをそれぞれのトウ側端部をアン
カーに支持させて、拡開手段にて拡開させ、デユ
オサーボブレーキとして作用させる際に、両ブレ
ーキシユーを連結するアジヤステイングスクリユ
ーのバツキングプレートの反対側の外周に、バツ
キングプレートに固定されたスプリング移動抑止
部材の自由端内側面が係合しているので、両ブレ
ーキシユーのバツキングプレートからの浮上りが
確実に防止される。

（実施例） 本考案に係るデユオサーボブレーキのシユーホ
ールドダウン装置の実施例を第１〜５図に基づい
て説明する。

第１図に、本考案の第１実施例を、ドラムイン
デイスクブレーキのデユオサーボ型パーキング用
ドラムブレーキに適用した場合を一例として示
す。

１，２はバツキングプレート、３，４はブレー
キシユー、５はアンカー、６はアジヤステイング
スクリユー、７は両端部が、各ブレーキシユー
３，４のヒール部に設けた通孔３a″，４a″に係止
するアジヤステイングスプリングであり、引張力
にて両ブレーキシユー３，４のヒール側端部をア
ジヤステイングスクリユー６の両側端に弾性的に
押付けている。８は拡開手段であるパーキングレ
バーであり、拡開手段８としては、サービスブレ
ーキ用としてホイールシリンダも使用され得る。
１０はストラツト、両１１はピン式のシユーホー
ルドダウン装置である。上記の構成は、従来例と
異らない。

９は、バツキングプレート１に固定されたパー
キングケーブル用ガイド部材である。パーキング
ケーブル用ガイド部材９は、第２，３図に示すよ
うに、Ｕ字形断面をなすパーキングケーブル用ガ
イド部材９の一方の側壁を、アジヤステイングス
プリング７のバツキングプレート１の径方向内方
への移動を支障しないように延長させ、かつアジ
ヤステイングスクリユー６側へ折り曲げ、その自
由端９ａの内側面を、アジヤステイングスプリン
グ７のバツキングプレート１の反対側外周に係止
させてスプリング移動抑止部材を兼ねている。

次に作用について説明する。

ブレーキシユー３，４の拡開手段であるパーキ
ングレバー８を作動させて、両ブレーキシユー
３，４がアジヤステイングスクリユー６及びアジ
ヤステイングスプリング７を伴つて円周方向へ移
動してデユオサーボブレーキとして機能する際、
両ブレーキシユー３，４は、その中間部が各ピン
式のシユーホールドダウン装置１１で、又そのヒ
ール部が、スプリング移動抑止部材たるパーキン
グケーブル用ガイドの自由端９ａの内側面で押付
けられたアジヤステイングスプリング７を介し
て、それぞれバツキングプレート１側へ弾性的に
押付けられているので、バツキングプレート１か
ら浮上るのが確実に防止される。

第４図に基づいて、第２実施例を説明する。

１２は、板材よりなるスプリング移動抑止部材
であり、基部１２ａは溶接等にてバツキングプレ
ート１に固定され、自由端１２ｂは、アジヤステ
イングスクリユー６側に折り曲げられて、自由端
１２ｂ内側面が、アジヤステイングスプリング７
のバツキングプレート１の反対側の外周に係合し
ている。

なお、スプリング移動抑止部材１２は、アジヤ
ステイングスクリユー６を手動にて回動させる際
にアジヤステイングスプリング７が、バツキング
プレート１の径方向内方へ移動するのを妨げない
位置に設けてある。

従つて、第２実施例も、第１実施例と同様の作
用効果を有する。

（考案の効果） 以上の説明によつて理解されるように、本考案
になるデユオサーボブレーキのシユーホールダウ
ン装置によれば、両ブレーキシユーのヒール側端
部を連結するアジヤステイングスプリングを、バ
ツキングプレート側に一個所で押付けて、両ブレ
ーキシユーのヒール部の浮上りを防止でき、従来
に比し、構造が著しく簡素化された。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係るデユオサーボブレーキ
のシユーホールドダウン装置の第１実施例をドラ
ムインデイスクブレーキのデユオサーボ型パーキ
ング用ドラムブレーキに適用した図、第２図は、
第１図の−線断面図、第３図は、第１図の
−線断面図、第４図は、第２実施例を示す第２
図と同様の断面図、第５図は、従来のピン式のシ
ユーホールドダウン装置を示す断面図である。 １，２：バツキングプレート、３，４：ブレー
キシユー、５：アンカー、６：アジヤステイング
スクリユー、７：アジヤステイングスプリング、
８：拡開手段であるパーキングレバー、９：スプ
リング移動抑止部材であるパーキングケーブル用
ガイド、１１：ピン式のシユーホールドダウン装
置、１２：スプリング移動抑止部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バツキングプレートに対峙して配置された一対
   のブレーキシユーと、バツキングプレートに固設
   され、両ブレーキシユーのトウ側端部を支持する
   アンカーと、両ブレーキシユーのヒール側端部を
   連結するアジヤステイングスクリユー及びアジヤ
   ステイングスプリングと、両ブレーキシユーを拡
   開させる拡開手段とを有するデユオサーボブレー
   キのシユーホールドダウン装置に於て、バツキン
   グプレートに固定され、自由端内側面がアジヤス
   テイングスプリングのバツキングプレートの反対
   側の外周に係合するスプリング移動抑止部材を有
   することを特徴とするデユオサーボブレーキのシ
   ユーホールダウン装置。