JPH0375738B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はエンジンの燃料供給装置に関する。

エンジンの吸入空気の湿度が高くなると、吸入
空気中の酸素が減少し、実質上空燃比が濃くな
る。

そのため、従来、エンジンの燃料供給装置とし
て、噴射制御回路において吸入空気量に応じて設
定した燃料噴射量を、吸入空気の湿度を検出する
湿度センサの出力によつて動作する機構によつ
て、湿度が高いときに少なくし湿度が低いときに
多くなるように補正制御することにより、湿度に
応じて燃料流量を制御して、排気ガス中の有害成
分を低減し、出力性能、燃費性能を向上させるよ
うにしたものが提案されている（特開昭51−
1055290号）。

しかしながら、上記従来のエンジンの燃料供給
装置は湿度に応じた燃料流量の補正制御をエンジ
ンの高負荷時、低負荷時の如何に拘らず一律に行
なつているため、吸入空気量の少ないアイドリン
グを含む低負荷時に吸入空気の湿度が上昇する
と、吸入空気量が少ない上に、燃料流量が少なく
なるので、混合気の全体量が過少となつて、エン
ストを招来するという欠点がある。

この発明の目的は、上記欠点を除去することに
あつて、アイドリングを含む低負荷時に、燃料流
量の湿度補正を停止または少なくすることによ
り、低負荷、高湿度時に混合気量が少なくなり過
ぎないようにして、エンストの発生を防止し得る
エンジンの燃料供給装置を新規に提供することに
ある。

このため、この発明のエンジンの燃料供給装置
は、エンジンに供給される吸入空気の湿度を検出
する湿度センサと、エンジンの負荷状態を検出す
る負荷センサとの両出力を受けて吸入空気の湿度
が高いほど燃料流量を減少し、かつその減少割合
を高負荷よりも低負荷において小さくする補正信
号を出力する制御回路からの補正信号によつて、
エンジンの燃料調量装置を制御するようにしたこ
とを特徴としている。

以下、この発明を図示の実施例により詳細に説
明する。

第１図において、１はエンジン、２は吸気通
路、３，４は吸気通路２に上流側より順次設けた
エアフローセンサとスロツトルバルブ、５はエア
フローセンサ３とスロツトルバルブ４との間の吸
気通路２に設けられ、吸入空気の湿度を検出する
湿度センサ、６は負荷センサの一例としての、ア
イドリングをスロツトルバルブ４の開度で検出す
るアイドリングスイツチ、７はスロツトルバルブ
４とエンジン１との間の吸気通路２に臨ませた燃
料噴射弁、８はエンジン１の回転数を検出する回
転数センサである。

また、１０は基本噴射パルス発生回路１１と演
算回路１２とからなる燃料調量装置、１４は補正
率発生回路１５と補正率修正回路１６とからなる
制御回路である。

上記基本噴射パルス発生回路１１には回転数セ
ンサ８の出力とエアフローセンサ３の出力とを入
力する。上記基本噴射パルス発生回路１１はエン
ジンの回転数および吸入空気量に応じた基本噴射
パルスを予めメモリ（図示せず。）に記憶してい
て、この基本噴射パルスを回転数センサ８から入
力されるエンジンの回転数を示す信号およびエア
フロセンサ３から入力される吸入空気量を示す信
号によつて、上記メモリから読み出して、演算回
路１２に出力する。

一方、上記補正率発生回路１５は、吸入空気の
湿度が高くなるほど燃料流量を減少させるための
補正率を湿度に対応して予め記憶していて、この
補正率を湿度センサ５から受ける湿度を表わす信
号に基づいて読み出して補正率修正回路１６に出
力する。上記補正率修正回路１６は、エンジン１
がアイドリング状態でアイドリングスイツチ６が
オンである場合には、アイドリングスイツチ６か
らの信号に基づいて、上記補正率を、湿度の上昇
に対する燃料流量の減少割合を少なくするように
演算処理して修正し、著しい場合には減少割合を
零、つまり燃料流量を減少させないように修正し
て、この修正済の補正率を表わす補正信号を演算
回路１２に出力する一方、エンジン１がアイドリ
ング状態でなくてアイドリングスイツチ６がオフ
である場合には、アイドリングスイツチ６からの
信号で上記補正率に修正を加えないで、その補正
率を表わす信号を補正信号として演算回路１２に
出力する。

上記演算回路１２は基本噴射パルス発生回路１
１から入力される基本噴射パルスと上記補正信号
とを演算処理して、吸入空気の湿度が高いほど燃
料流量が減少し、その減少割合がアイドリング以
外のときよりもアイドリング時に小さくなるよう
な噴射パルスを作成して、この噴射パルスを燃料
噴射弁７に出力する。

上記構成のエンジンの燃料供給装置において、
いま、エンジン１の吸入空気の湿度が高く、かつ
エンジン１がアイドリング以外の状態、たとえば
高負荷状態にあるとする。

このとき、補正率発生回路１５は湿度センサ５
から入力される高湿度を表わす信号に基づいて、
燃料流量を湿度に応じて減少させる補正率を作成
して補正率修正回路１６に出力する。補正率修正
回路１６はアイドリングスイツチ６から入力され
るアイドリングスイツチ６がオフであることを示
す信号により、上記補正率に修正を加えないで、
その補正率を表わす補正信号をそのまま演算回路
１２に出力する。演算回路１２は基本噴射パルス
発生回路１１から入力される基本噴射パルスと上
記補正信号を演算処理して、基本噴射パルスの表
わす燃料流量よりも少ない燃料流量を表わす噴射
パルスを作成し、この噴射パルスを燃料噴射弁７
に出力して、燃料を噴射させる。

このように、高負荷、高湿度時には、燃料調量
装置１０を制御回路１４によつて吸入空気の湿度
が高くなるほど燃料流量を減少させるように補正
制御を行なうので、高負荷、高湿度時において、
空燃比が実質上濃くなることを防止でき、エンジ
ンの出力性能、燃費性能を向上できる。

次に、エンジン１の吸入空気の湿度が高く、か
つ、エンジン１がアイドリング状態であるとす
る。

このとき、補正率発生回路１５は、前述の場合
と同様に、吸入空気の湿度に応じて燃料流量を減
少させる補正率を補正率修正回路１６に出力す
る。補正率修正回路１６は、アイドリングスイツ
チ６がオンであることを示すアイドリングスイツ
チ７からの信号に基づいて、上記補正率に対し
て、その補正率の表わす燃料流量の減少割合より
も少ない減少割合示す修正補正率を得るように演
算処理して、その修正補正率を表わす補正信号を
演算回路１２に出力する。演算回路１２は基本噴
射パルス発生回路１１から入力される基本噴射パ
ルスと上記補正信号とを演算処理して、基本噴射
パルスの表わす燃料流量よりも少ない燃料流量を
表わすがその湿度に応じた減少割合が高負荷時よ
りも少ない噴射パルスを作成し、この噴射パルス
を燃料噴射弁７に出力して、燃料を噴射させる。

このように、アイドリング状態で、高湿度時に
は、制御回路１４の補正率修正回路１６によつ
て、吸気湿度に応じて燃料流量を減少させる割合
をアイドリング時以外の場合よりも少なくして、
燃料流量の湿度補正を停止または少なくしている
ので、混合気量が少なくなりすぎることがなく、
エンストの発生を防止できる。

上記実施例では負荷センサとしてアイドリング
スイツチを用いたが、吸気負圧センサやスロツト
ルバルブの開度を検出するセンサを用いてもよ
い。また、補正率修正回路は、吸気負圧センサ等
の出力を受けて補正率を負荷に応じて連続的に修
正するものであつてもよい。また、燃料噴射弁に
代えて、気化器を用いて、たとえばエアブリード
の量を湿度に応じて制御するようにしてもよい。

以上の説明で明らかな如く、この発明のエンジ
ンの燃料供給装置は、吸入空気の湿度を検出する
湿度センサとエンジンの負荷センサとの両出力を
受けて吸入空気の湿度が高いほど燃料流量を減少
し、かつその減少割合を高負荷よりもアイドリン
グを含む負荷において小さくする補正信号を出力
する制御回路によつて燃料調量装置を制御して、
低負荷時に燃料流量の湿度補正を停止または少な
くするようにしているので、低負荷、高湿度時に
混合気量が少なくなりすぎることがなくて、エン
ストの発生を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例のブロツク図であ
る。 ５……湿度センサ、６……負荷センサ、１０…
…燃料調量装置、１４……制御回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ エンジンに供給される吸入空気の湿度を検出
   するための湿度センサと、エンジンの負荷状態を
   検出するための負荷センサと、上記両センサの出
   力を受け吸入空気の湿度が高いほど燃料流量を減
   少し、かつその減少割合を高負荷よりも低負荷に
   おいて小さくする補正信号を出力するための制御
   回路と、該制御回路の出力を受けエンジンに供給
   する燃料流量を調量する燃料調量装置とからなる
   ことを特徴とするエンジンの燃料供給装置。