JPH0371498B2

JPH0371498B2 -

Info

Publication number: JPH0371498B2
Application number: JP60253959A
Authority: JP
Inventors: Kosuke Shimizu; Masayuki Kanosawa; Keiichi Wakashima
Original assignee: Mitsubishi Materials Corp
Current assignee: Mitsubishi Materials Corp
Priority date: 1985-11-13
Filing date: 1985-11-13
Publication date: 1991-11-13
Also published as: JPS62112750A; KR870004759A

Description

【発明の詳細な説明】

〔産業上の利用分野〕この発明は、すぐれた靭性を有し、したがつて
使用中に割損などの発生なく、長期に亘つての使
用が可能な炭化タングステン（以下WCで示す）
基超硬合金製熱間圧延ロールに関するものであ
る。〔従来の技術〕一般に、例えば鋼線の熱間圧延には、圧延ロー
ルやガイド用ロール（ガイドロールおよびピンチ
ローラなど）など（以下これらを総称して熱間圧
延ロールという）が使用され、かつこれらの熱間
圧延ロールの製造にはWC基超硬合金が用いられ
ている。このWC基超硬合金の代表的なものとし
て、重量％で、15〜25％を占める結合相が、 Ni：10〜45％、Cr：２〜15％、Ｗ：５〜15％、Ｃ：0.3〜1.2％、 Coおよび不可避不純物：残り、の組成を有するCo基合金で構成され、残りの75〜85％の分散相がWCで構成されたWC
基超硬合金が知られている。〔発明が解決しようとする問題点〕しかし、この従来WC基超硬合金製熱間圧延ロ
ールにおいては、靭性不足が原因し、その使用条
件によつて連続した微少なクラツクが発生するこ
とがしばしばあり、これが大きなクラツクに発展
し、割損に至る場合が生じるものであつた。〔問題点を解決するための手段〕そこで、本発明者等は、上述のような観点か
ら、靭性のすぐれたWC基超硬合金製熱間圧延ロ
ールを開発すべく研究を行なつた結果、上記の従
来WC基超硬合金製熱間圧延のロールにおいて
は、これを構成するWC基超硬合金の分散相を構
成するWCの平均粒径は通常３〜5μｍの範囲内に
あるが、粒度範囲を、１〜5μｍと5μｍ超〜15μｍ
に定めた上で、上記分散相を構成するWCの粒度
分布を、研磨面における最大径で測定して、容量
％で、粒径が１〜5μｍの範囲内の細粒：18〜36％、粒径が5μｍ超〜15μｍの範囲内の粗粒：64〜82
％、とすると、（ちなみに、上記従来熱間圧延ロ
ールを構成するWC基超硬合金におけるWCは、
同じ条件で測定して、粒径が１〜5μｍの範囲内の細粒：70容量％以
上、粒径が5μｍ超〜15μｍの範囲内の粗粒：30容量
％以下、の粒度分布をもつ）、靭性が著しく向上するよう
になり、この結果、実用に際してクラツクの発生
が著しく抑制されるうになつて、長期に亘つてす
ぐれた性能を発揮するようになるという知見を得
たのである。この発明は、上記知見にもとづいてなされたも
のであつて、重量％で、15〜25％を占める結合相が、 Ni：10〜45％、Cr：２〜15％、Ｗ：５〜15％、Ｃ：0.3〜1.2％、 Coおよび不可避不純物：残り、の組成を有するCo基合金で構成され、残りの75〜85％の分散相がWCで構成された
WC基超硬合金の熱間圧延ロールにおいて、上記分散相を構成するWCが、研磨面上の最大
径で測定して、粒径が１〜5μｍの範囲内の細粒：18〜36容量
％、粒径が5μｍ超〜15μｍの範囲内の粗粒：64〜82
容量％、の粒度分布をもつようにすることによつて靭性の
著しい向上をはかつた点に特徴を有するものであ
る。なお、この発明の熱間圧延ロールにおいて、分
散相のWCを構成する細粒および粗粒の粒径およ
びその割合は、いずれも多数の実験結果にもとづ
き経験的に定めたもので、粒径が１〜5μｍの範囲内の細粒：18〜36容量
％、粒径が5μｍ超〜15μｍの範囲内の粗粒：64〜82
容量％、の割合で存在した場合に、熱間圧延ロールに要求
される、すぐれた耐摩耗性、耐塑性変型性、およ
び耐肌荒れ性を具備した上で、さらにすぐれた靭
性をもつようになるものである。また、この発明の熱間圧延ロールにおいて、こ
れを構成するWC基超硬合金の結合相および分散
相の割合を上記の通りに限定したのは、従来熱間
圧延ロールのそれと同様に、結合相が15重量％未
満では、相対的に分散相の割合が85重量％を越え
て多くなりすぎて、靭性低下をきたすようにな
り、一方結合相の割合が25重量％を越えて多くな
りすぎると、相対的に分散相の割合が75重量％未
満と少なくなりすぎて、硬さが低下し、耐摩耗性
が低下するようになるという理由によるものであ
る。さらに、同じく熱間圧延ロールを構成するWC
基超硬合金におけるCo基合金結合相の組成は、
上記の通り従来のそれと実質的に同じであるが、
以下にその限定理由を示すものである。 (a) Ni Ni成分には、Cr成分と共存した状態で結合
相の耐酸化性および耐食性を向上させる作用が
あるが、その含有量が10％未満では前記作用に
所望の効果が得られず、一方その含有量が45％
を越えると靭性が低下し、熱亀裂が発生し易く
なり、破損にまで至る場合が生じるようになる
ことから、その含有量を10〜45％と定めた。 (b) Cr Cr成分には、上記の通りNiとの共存で耐酸
化性および耐食性を向上させる作用があるが、
その含有量が２％未満では前記作用に所望の効
果が得られず、一方その含有量が15％を越える
と析出物が発生し易く、これが靭性低下の原因
となることから、その含有量を２〜15％と定め
た。 (c) ＷＷ成分には、結合相に固溶して、これを強化
する作用があるが、その含有量５％未満では所
望の強度向上効果が得られず、一方その含有量
が15％を越えると析出物が発生し易くなつて、
靭性が低下するようになることから、その含有
量を５〜15％と定めた。 (d) ＣＣ成分にも、Ｗ成分と同様に結合相に固溶し
て、これを強化する作用があるが、その含有量
が0.3％未満では所望の強度向上効果が得られ
ず、一方その含有量が1.2％を越えると遊離炭
素が析出し易くなり、靭性低下の原因となるこ
とから、その含有量を0.3〜1.2％と定めた。〔実施例〕つぎに、この発明の熱間圧延ロールを実施例に
より具体的に説明する。原料粉末として、 (a) 平均粒径：9.5μｍを有し、かつ5μｍ以下の粒
径の含有量が5.7重量％にして、5μｍ超〜15μｍ
の範囲内の粒径のものが94.3重量％を占める粗
粒のWC粉末、 (b) 平均粒径：3.1μｍを有し、かつ1μｍ以下の粒
径の含有量が2.8重量％にして、１〜5μｍの範
囲内の粒径のものが97.2重量％を占める細粒の
WC粉末、 (c) 平均粒径：1μｍを有するCo粉末、 (d) 平均粒径：1.5μｍを有するNi粉末、 (e) 平均粒径：1.2μｍを有するCr粉末、を用意し、これら原料粉末を所定の配合組成に配
合し、ボールミルにて湿式混合し、乾燥した後、
10Kg／mm²の圧力にて圧粉体にプレス成形し、この
圧粉体

【表】

〔発明の効果〕

第１表に示される結果から、本発明熱間圧延ロ
ール１〜５は、いずれも従来熱間圧延ロールに比
して硬さの極端な低下なく高い靭性を有し、実用
に際しては、すぐれた耐摩耗性を示し、かつ靭性
不足が原因で比較的短時間で割損し、使用寿命に
至つた従来熱間圧延ロールに比して、著しく長期
に亘つてクラツクなどの発生なく、すぐれた性能
を発揮することが明らかである。一方、比較熱間圧延ロール１、２に見られるよ
うに、WCの粒度分布がこの発明の範囲から細粒
側に外れると、靭性が低下し、実用に際しては、
連続した微少なクラツクが発生し、比較的短時間
で割損して使用寿命に至り、またWCの粒度分布
がこの発明の範囲から粗粒側に外れると、カリバ
ーの塑性変形が著しくなり、鋼線に安定的な寸法
を確保することができなくなり、これも比較的短
時間で使用寿命に至るものであつた。上述のように、この発明のWC基超硬合金製熱
間圧延ロールは、特に高靭性を有し、実用に際し
ては、割損などの発生なく、すぐれた耐摩耗性を
示し、著しく長期に亘つてすぐれた性能を発揮す
るのである。

Claims

【特許請求の範囲】１重量％で、15〜25％を占める結合相が、 Ni：10〜45％、Cr：２〜15％、Ｗ：５〜15％、Ｃ：0.3〜1.2％、 Coおよび不可避不純物：残り、の組成を有するCo基合金で構成され、残りの75〜85％の分散相が炭化タングステンで構
成された炭化タングステン基超硬合金からなる熱
間圧延ロールにおいて、上記分散相を構成する炭化タングステンが、研
磨面上の最大径で測定して、粒径が１〜5μｍの範囲内の細粒：18〜36容量
％、粒径が5μｍ超〜15μｍの範囲内の粗粒：64〜82
容量％、の粒度分布をもつことを特徴とする靭性のすぐれ
た炭化タングステン基超硬合金製熱間圧延ロー
ル。