JP2003034836A - 耐酸化性に優れたWC−Co系超硬合金 - Google Patents

耐酸化性に優れたWC−Co系超硬合金

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JP2003034836A
JP2003034836A JP2001239227A JP2001239227A JP2003034836A JP 2003034836 A JP2003034836 A JP 2003034836A JP 2001239227 A JP2001239227 A JP 2001239227A JP 2001239227 A JP2001239227 A JP 2001239227A JP 2003034836 A JP2003034836 A JP 2003034836A
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nitrogen
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Nobuaki Asada
信昭 浅田
Hiroaki Oki
博昭 沖
Yasuhiro Takagi
康弘 高木
Ryoji Yamamoto
良治 山本
Yoshihiko Doi
良彦 土井
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Allied Material Corp
Original Assignee
Allied Material Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高強度を有するWC基超硬合金に耐高温酸化
性付与させる合金およびその製造方法を提供すること。 【課題手段】 硬質相がWCからなり、結合相がCoか
らなる耐酸化性に優れたWC−Co系超硬合金におい
て、前記結合相にアルゴンおよび窒素のうち少なくとも
一種を含有する超硬合金。(WCは質量%で74.99
〜94.99%、Coは5〜25%、アルゴンまたは窒
素は合計で0.01〜1.0%が良い。)および、前記
超硬合金を真空中で1350〜1500℃で真空焼結後
にアルゴンまたは窒素分圧1MPa〜190MPaの雰
囲気下で1100〜1400℃で加熱する超硬合金の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、WC−Co系超硬
合金に関し、平均粒径7μm以下の炭化タングステン粒
子を含有する耐酸化性に優れた超硬合金とその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化タングステンを主体とした超硬合金
は、切削工具、耐摩耗工具等の材料として広く用いられ
ている。なかでも、WCの含有量と平均粒径、結合相の
成分や量、添加炭化物の種類や量そして焼結方法によ
り、その合金特性は、強度、靭性、耐摩耗性、そして耐
欠損性に大きく影響を与え、各種用途に合わせて種々な
合金が切削工具、耐摩耗工具、回転工具、鉱山工具に用
いられている。
【0003】一方、高温における耐酸化性や高温強度に
関する改善は、WC−Cr−Co−Ni系やWC−Co
−Ni系の超硬合金をはじめとして、TiN、TaC、
TiCを添加することによって検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】現在用いられている切
削工具や熱間加工用工具は、超硬合金に、4a、5a、
6a族の金属を添加してその特性を改善したものが用い
られている。
【0005】その中でも、TiNを添加した合金が耐高
温特性を向上させることで重要視されている。すなわ
ち、硬質相の一部であるWCをTiNに置き換えること
によって、耐酸化性、高温硬さの優れるTiNの効果が
発揮できる。
【0006】しかし、TiNを添加した合金は真空中で
焼結すると、TiNが分解し窒素ガスが発生するため
に、合金中にポアを生じさせる。そのため切削中にチッ
ピングが生じると言う欠点があった。
【0007】また、WC−Cr−Co−Ni系やWC−
Co−Ni系の合金においては、耐酸化性はNiの結合
相の方がCoの結合相よりも向上することが期待でき
る。しかし、Ni量を多くするとその超硬合金の機械特
性である靭性が低下し、使用上の問題を起こす。
【0008】また、TaCやTiCを添加することによ
って、耐酸化性が抑えられる。これは、即ち、TaCや
TiCの酸化物が酸素の拡散を抑えて内部を保護するこ
とによると考えられている。
【0009】しかし、これらの添加物を合金中に添加す
ると、WCおよびCo以外の第3相として存在するため
に、強度低下を招く恐れがある。
【0010】このように、耐酸化性超硬合金を得るため
に、種々な方法が用いられているが、それらはTiNを
添加することにより、焼結中にポアを生じさせる。
【0011】また、WC−Cr−Ni−Co系やWC−
Ni−Co系にすることにより、Niによる機械強度低
下を招く。さらには、TaCやTiC添加による第3相
の粗大粒子による機械強度低下を招くために、WC−C
o系超硬合金の特性を維持しながら耐酸化性を改善する
必要がある。
【0012】そこで、本発明の技術的課題は、高強度を
有するWC基超硬合金に耐高温酸化性を付与させる合金
およびその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の課
題を解決するために、鋭意検討を行った。その結果、C
oを結合相とした合金中に窒素及びアルゴンのうちの少
なくとも一種を含有させることによって、結合相である
Coの一部分が窒素およびアルゴンと結合することによ
り、結合相を分散強化できることを見出し、本発明を為
すに至ったものである。
【0014】本発明によれば、硬質相がWC、結合相が
Coからなる超硬合金において、その結合相に窒素およ
びアルゴンのうち少なくとも一種を含有することを特徴
とする耐酸化性に優れたWC−Co系超硬合金が得られ
る。
【0015】また、本発明によれば、前記耐酸化性に優
れたWC−Co系超硬合金において、WCを94.49
〜74.0質量%、Coを5.0〜25.0質量%、そ
して窒素およびアルゴンのうち少なくとも一種を0.0
1〜1.0質量%含み、WCの平均粒径が7μm以下で
あることを特徴とする耐酸化性に優れたWC−Co系超
硬合金が得られる。
【0016】また、本発明によれば、前記耐酸化性に優
れたWC−Co系超硬合金を製造する方法であって、前
記超硬合金は真空雰囲気中、1350〜1500℃で焼
結後、アルゴンおよび窒素のうち少なくとも一種の雰囲
気中1100〜1400℃の温度で分圧1MPa〜19
0MPaの雰囲気下で加熱することを特徴とする超硬合
金の製造方法が得られる。
【0017】次に、この発明方法において上記のように
限定した理由を説明する。
【0018】まず、Co成分の限定理由について説明す
る。
【0019】本発明においてCoの含有量を5〜25質
量%と限定したのは、Co含有量が5質量%未満では超
硬合金の緻密化が十分行われない。又25質量%を越え
ると、バイト、ドリル、エンドミルなどに代表される切
削工具そして打ち抜き型、スリッターなどの剪断加工工
具に代表される耐摩耗工具として用いた場合、硬度が不
足し耐摩耗性が低下するからである。
【0020】次に、窒素、アルゴンの含有量の限定理由
について説明する。
【0021】窒素、アルゴンは結合相中に固溶して一部
Coと結合する作用をする。その窒素、アルゴンの含有
量を本発明において、0.01〜1.0質量%に限定し
たのは、0.01質量%未満では、Co相中の窒素、ア
ルゴンの含有量が少なく、所望の効果か得られないから
である。
【0022】一方、1.0質量%を越えることは現状の
加圧焼結条件では無理なためである。
【0023】次に、WCの粒径の限定理由について説明
する。
【0024】WCの粒径は、超硬合金の強度に大きく影
響する。そのWCの粒径を7μm以下と限定したのは、
単結晶の合金中のWCとしては、現状7μmが一番大き
いためである。
【0025】次に、加圧焼結条件の限定理由について説
明する。
【0026】加圧焼結温度を1100〜1400℃で窒
素、アルゴン分圧を1MPa〜190MPaの雰囲気下
で制御することに限定したのは、加圧焼結温度が110
0℃未満の温度から窒素、アルゴンガスを導入してもコ
バルト相には所定量の窒素、アルゴンを固溶させること
が出来ないからである。また、1400℃を越えて導入
すると、WCの粒成長が起こり、所定量の効果が期待で
きない。窒素、アルゴン分圧を1MPa〜190MPa
と限定したのは、1MPa未満では、所定量の窒素、ア
ルゴンか入らないためである。また、190MPaを越
える高圧は、経済的にも意味をなさない。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0028】原料粉末として、平均粒径:0.6、1.
7、3.2、5.6、7.0μmのWC粉末、同1.4
μmのCo粉末を表1に示した組成に配合し、アルコー
ル中湿式ボールミル混合した後、減圧乾燥した。
【0029】得られた混合粉末を100MPaの圧力で
圧粉体にプレス成形し、この成形体を下記表1に示した
条件で焼結を行った。その後、得られた焼結体を下記表
2に示した条件、即ち、アルゴン、窒素のうち少なくと
も一種の雰囲気中1MPa〜190MPaで1100〜
1400℃に1時間加熱処理を行った。比較合金につい
てもあわせて示した。
【0030】これらの焼結体をダイヤモンド砥石で研削
して4mm×8mm×25mmのJIS抗折試験片を作
製し、3点曲げによる抗折力を測定した。
【0031】また、合金中のアルゴン、窒素含有量につ
いてはEPMAにて定量をおこなった。それらの結果に
ついては、下記表3に合わせて示した。その後、600
℃×10分、800℃×10分、800℃×30分、8
00℃×60分間大気中で加熱しその酸化層の厚さを測
定し、その結果を下記表4に示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】 上記表4から、本発明合金が極めて優れた耐酸化性を有
することがわかる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高強度を有するWC基超硬合金に耐高温酸化性を付与さ
せる超硬合金およびその製造方法を提供することができ
る。
フロントページの続き (72)発明者 高木 康弘 富山県富山市岩瀬古志町2番地 株式会社 アライドマテリアル富山製作所内 (72)発明者 山本 良治 富山県富山市岩瀬古志町2番地 株式会社 アライドマテリアル富山製作所内 (72)発明者 土井 良彦 東京都台東区北上野二丁目23番5号 株式 会社アライドマテリアル内 Fターム(参考) 4K018 AB02 AC01 AD06 BA04 BB04 DA32 FA11 KA15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬質相がWCからなり、結合相がCoか
    らなる超硬合金において、前記結合相にアルゴン及び窒
    素のうち少なくとも一種を含有することを特徴とする耐
    酸化性に優れたWC−Co系超硬合金。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の超硬合金において、WC
    を94.99〜74.0質量%、Coを5.0〜25.
    0質量%、そしてアルゴン及び窒素のうち少なくとも一
    種を0.01〜1.0質量%を含有していることを特徴
    とする耐酸化性に優れたWC−Co系超硬合金。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の耐酸化性に優れた
    WC−Co系超硬合金において、WCの平均粒径が7μ
    m以下であることを特徴とする耐酸化性に優れたWC−
    Co系超硬合金。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の内のいずれか一つに記
    載の耐酸化性に優れたWC−Co系超硬合金を製造する
    方法であって、前記超硬合金は真空雰囲気中、1350
    〜1500℃で焼結後、アルゴン又は窒素雰囲気中11
    00〜1400℃の温度でアルゴン又は窒素分圧1MP
    a〜190MPaの雰囲気下で加熱することを特徴とす
    る耐酸化性に優れたWC−Co系超硬合金の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3の内のいずれか一つに記
    載の耐酸化性に優れたWC−Co系超硬合金を製造する
    方法であって、前記超硬合金は真空雰囲気中、1350
    〜1500℃で焼結後、アルゴン雰囲気中1100〜1
    400℃の温度でアルゴン分圧1MPa〜190MPa
    のアルゴン雰囲気下で且つ窒素雰囲気中1100〜14
    00℃の温度でアルゴン分圧1MPa〜190MPaの
    窒素雰囲気下で加熱することを特徴とする耐酸化性に優
    れたWC−Co系超硬合金の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104388717A (zh) * 2014-12-15 2015-03-04 中南大学 一种添加稀土元素快速制备梯度硬质合金的方法
CN105296780A (zh) * 2015-11-05 2016-02-03 江苏和田科技材料有限公司 一种纳米碳化钨-钴硬质合金材料的制备方法
CN107739951A (zh) * 2017-11-03 2018-02-27 河源富马硬质合金股份有限公司 一种高强韧高耐磨性多晶硬质合金材料

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