JPH0371201B2 - - Google Patents

Description

発明の分野 本発明は、金属ビレツトから金属線材を製造す
る圧延機に用いられる如き入口案内ローラーの、
またはそれに関する改良に関するものである。

従来技術の概観 線材圧延機は可成り古くから熟知され、“成熟
した”技術をなしている。典型的な機械は、機械
に供給された加熱金属ビレツトの半径方向の寸法
を漸次減少させる５ないし８段階より成る。一例
を挙げると５段階機械において、入つてくる正方
形断面のビレツトは横断方向の寸法が約10cm×10
cmであり長さは約10ｍであり、これに対し機械を
出る円形断面の線材は直径約0.09cm、長さ約4000
ｍであろう、従つて、線材は圧延機を通過するに
従つて線速度を迅速に増し、最終の仕上げスタン
ドでは毎分約4000ｍ（毎時240Km）のような大き
な値になる。各ビレツトが圧延機を通過するに約
１１／２ないし２分を要し、５ないし６秒後に新し いビレツトが送り込まれる。

圧延機の各段階は、入口側に一組の入口案内ロ
ーラーを持つ絞りダイスより成り、該一組の入口
案内ローラーは、先行のスタンドから現われる線
材を受取りダイスの口に正確に向ける。従つて、
このような案内ローラーは、特に終りの２ないし
３個のスタンドのローラーは極端な状況の下に働
き、線材の端で突然衝撃され、大きな割合で加速
されて高回転速度になり、不可避的に線材とロー
ラーの間にある程度滑りを招き、その結果ローラ
ーとそのベアリングに摩耗を惹き起こす。実際に
は圧延機とその周囲を清浄に保つことは不可能で
あり、ローラーのベアリングは外囲雰囲気のほこ
りに曝され、しばしばベアリングの焼付きと付加
的な摩耗を起こす結果となる。

このような過剰の摩耗と焼付きの結果、線材に
コツブル（表面の小さな突状）が生ずる状況に迅
速に到達する。コツブルを取る困難と生産量の損
失は、そのような状況が出現する前に一定の時間
毎に少くとも終りの方のスタンドでは案内ローラ
ーを取換えることをむしろ好適とする。運転の正
規の条件は、運転８時間毎にそのような取換えを
行うことが全く普通である程苛酷なものであり、
可成りの経費を要する。

本発明の定義 従つて、本発明の一目的は、既知の構造のもの
に比して、摩耗と取換えの必要度が実質的に非常
に減少する線材圧延機用新規入口案内ローラーを
提供するにある。

他の一目的は、製造が簡単になり製造経費が小
さい、新規ベアリング構造を持つた新規案内を提
供するにある。

本発明によれば、中を線材が通過する線材通路
を備えた本体と；線材通路の両側で本体に装着さ
れ、平行な各ピボツト軸の回りに回動揺れ運動を
行う一対の揺れ腕部材と；それぞれの回転軸の回
りに回転するように各揺れ腕部材に装着された、
腕部材の回動揺れ運動によつて互いに近づきまた
離れることができる一対の案内ローラー部材と；
各案内ローラー部材の持つ、回転の軸と共軸にな
つた流体反動部材の環と；各アームに支持され
た、流体の流れを前記流体反動部材の環に向け、
各案内ローラー部材を回転軸の回りに回転させる
ように配置されたノズル手段と；および、前記ノ
ズル手段に流体を供給し、それにより機構を通る
線材と係合する前に案内ローラー部材を大体その
運転速度で回転させることができる、手段とを含
む、線材圧延機用新規入口案内ローラーが提供さ
れる。

また本発明によれば、中を線材が通過する線材
通路を備えた本体と；線材通路の両側で本体に装
着され、平行な各ピボツト軸の回りに回動揺れ運
動を行う一対の揺れ腕部材（rocking arm）と；
それぞれの回転軸の回りに回転するように各揺れ
腕部材に装着された、腕部材の回動揺れ運動によ
つて互いに近づきまた離れることができる一対の
案内ローラー部材と；を含み、各案内ローラー部
材が、中央の部材と；中央の部材に取付けられた
内部レースを持ち、間を隔てられた一対のベアリ
ングと；穴中に係合した該ベアリングの外部レー
ス上に取付けられた外部部材と；を含み、ベアリ
ングが半径方向に突出した部分を持ち、外部部材
の穴のそれぞれの端ぐりと係合していて、中央部
材および外部部材の穴の軸方向に正しくベアリン
グを位置させていることを、含む線材圧延機用入
口案内ローラーが提供される。

図面の定義 次に、本発明の好適実施態様をなす具体例であ
る線材仕上げ圧延機用入口案内ローラーアセンブ
リーを、添付線図を参照しつつ例示する。

第１図は線材圧延機全体の透視図である。

第２図は、図示を明瞭にするため一部を除いた
入口案内ローラーアセンブリーを上から見た平面
図である。

第３図は第２図の３−３線に沿つた断面の図で
ある。

第４図は入口案内ローラーアセンブリの他の一
実施態様の第２図と同様な図である。

第５図は、第４図に示された他の一実施態様の
第３図と同様な図である。

第６図は、第５図に示された他の一実施態様の
一部の透視図である。

好適実施態様の記述 第１図には典型的な線材圧延機が示されてい
る。該圧延機の左側ではビレツトが供給され、右
側からは断面が円形にされた線材が現われ、図示
されていない次の加工装置に至る。入口案内ロー
ラー以外の圧延機の構造は本発明を理解するに重
要ではなく本明細書には詳説されない。圧延機
は、１４の如き７段の相次ぐ圧縮段階を通過する
線材１２の直線通路を備えた本体１０を含む。各
圧縮段階は、それぞれ可動保護カバー１６の下に
位置する。

次に第２，３図を詳しく見ることにすると、本
発明明のアセンブリーは、入口側に圧延機に取付
けられたフランジ２０と、入つてくる線材１２を
通るべき本体中の通路に案内する漏斗形案内部材
２２を持つた本体１８よりなる。２個の案内ロー
ラー２４は送出された線材を受けて、通常は一対
の炭化タングステン製作動ロールで構成されてい
るダイス（図示されていない）中に案内する。各
ローラーは、ピボツトピン２８により本体に回動
自在に取付けられたそれぞれの揺れ腕２６に装着
されている。２個の該ピンの軸は互いに平行であ
る。２個のローラーの周縁の間の間隔は各腕のピ
ボツトの両側にあるねじ３０，３２によつて調節
される。ねじは本体の内側の表面と係合して協力
し、腕を調節された位置に堅固に保ち、ピン２８
の回りの回転運動を制限する。

各ローラー２４は、間を隔てた一対のローラー
のベヤリング３６を持つ大きなねじを切られたボ
ルト３４によつてそれぞれの揺れ腕の端に取付け
られ、該ローラーのベアリングはローラーの周縁
部３８を支えている。このローラー周縁部３８の
半径方向の最外面４０には、線材１２の直径に相
当した溝が設けられている。一方この周縁部の２
個の輪状の側壁にはそれぞれ流体反動部材の環
（ノズルの噴出流体を受けて、その反動として流
体エネルギーをローラーの回転に変換する部材の
リング状の凹みまたは突部）が備えられている。
該部材はこの特定の実施態様ではスコツプ形のま
たはほとんど半球形の凹み４２よりなり、該凹み
の直立側面は凹みの前進方向の縁をなす。これに
代えて、反動部材は、突出状に形成させてもよい
し、後の機能に関する記述から明らかになるよう
に反動部材は他の任意の適当な形のものであつて
よい。各腕２６にはノズル４４が装着され、加圧
流体の流れを凹み４２に向けるように配置されて
いる。ノズルは各腕の中の孔４６，４８を経て空
気の如きものの外部源（図示されていない）に連
接されている。一側面の凹みのみが用いられるに
拘わらず、周縁部３８の両側面にそれぞれ凹みの
環が備えられ、従つてローラーは案内のいずれの
側にも交換して用いうるようになつていることに
注意すべきである。

特に第３図を見ると、本発明の特殊なローラー
のベアリングの構造において、ボルト３４の頭部
にはヘツド５０がつけられ、該ヘツドはそれぞれ
の腕２６の端に形成された枠の一アーム中の穴５
２に係合している。ボルトのピンはスペーサー座
金５４を貫き、次に１個のベアリングの内部レー
ス（ボールベアリングの玉が走る内部の軌道輪）
を貫き、介在するスペーサー座金を貫き、次いで
他のベアリング３６の内部レースを貫き、終りに
全体をボルト３４に堅固に締付けている締付けナ
ツト５８を支持している。該ナツトは相応する凹
み６０の中に係合している。両ベアリングの外部
レースは一様な外直径を持つものではなく、一側
に半径方向の外方に延びた直径の大きい部分６２
を持つことが認められるであろう。この部分６２
は、これと協力する周縁部３８にある輪状の端ぐ
り６４にはまつている。他方、外部レースの外表
面の残余の部分６６は周縁部３８の一様な周縁部
穴３８内にはまつていて、ベアリングを装着する
ときに、周縁部３８と自動的に正確に組合わされ
る。

先に記載した如く、普通にはローラーは迅速に
摩耗するものであるが、本発明のアセンブリーに
よりそのような摩耗はかなり減少する。従つて、
圧延機の操作中、約3.5ないし5.0Kg／cm²（50〜70
ポンド／平方インチ）の加圧空気をノズル４４に
供給し、凹み４２に衝突する空気噴流がつくられ
る。このことにより、ローラーは線材１２が通る
ときの速度に大体等しい速度で自転させられる。
従つて、線材の通過は、ローラーをほとんどまた
は全く加速することがなく、その結果線材とロー
ラーの間にすべりがなく摩耗は少なくなる。本発
明によれば、単純な目視で次のようなローラーの
ベアリングの状態に関する積極的な表示が得られ
る。ローラーは常に回転し実質的に互いに同じ速
度でなければならない。回転の停止または回転速
度の何等かの実質的な差は、ベアリングが相当に
摩耗していることを示し、さらに進行してベアリ
ングが焼付き線材にコツプルが生ずる前に取換え
ることが当然であることを示している。

ローラーの解体および新しいローラーの組立に
は、単にナツト５８をボルト３４から取上げ、ロ
ーラーを外し周縁部３８を取換えるだけでよい。
周縁部３８は鋳造し次いで穴６８と端ぐり６４を
加工することにより簡単につくられる。再組立の
際には、ベアリングは自動的にボルト３４上に置
かれ部材３８もベアリングの上に自動的に置か
れ、修繕およびまたは取換えの全経費はかなり減
少される。

これに代わる本発明の他の一実施態様が第４な
いし６図に示されている。明瞭にするために、同
じ参照数字に添字“ａ”をつけたものを用いて同
様な部品を示す。

実質的にＵ字形の枠７０ａが、該Ｕ字形枠のア
ーム７４ａの端にある穴７２ａを通る締付け手段
８０ａにより、本体１８ａに固定されている。締
付け手段８０ａは、Ｕ字形枠７０ａの縦方向の面
が線材１２ａの軸線を含み揺れ腕２６ａを含む面
に垂直であるように、位置させる。枠７０ａの両
アームは、線材１２ａが貫通して送られるように
線材１２ａの軸線と心線が一致した通路７８ａを
持つウエブ７６ａと合体している。ウエブ７６ａ
は、前方に突き出た２個のノーズ部分８２ａを持
ち、該ノーズ部分はその間に通路７８ａの延長部
を限定している。このノーズ部分８２ａは線材１
２ａに対する案内の役をする。ブラケツト７０ａ
のアーム７４ａには、各ローラー２４ａの前方の
曲線部にまで延びている出張り９４ａが備えられ
ている。１個のアーム７４ａと出張り９４ａの厚
みの内に、流入口８８ａを持つた孔８６ａが備え
られ、該孔はウエブ内で分岐して２個の枝孔８７
ａを形成している。各枝孔８７ａは１個の流出口
９０ａを持つ。各流出口９０ａは、加圧流体を凹
み４２に向けて各ローラー２４ａを回転させるよ
うに配置されている。流出口９０ａにノズルを設
けることもできる。孔８６ａはその流入口８８ａ
および接続管９２ａを通して圧縮流体、例えば圧
縮空気の外部の源（図示されていない）に連接さ
れている。

枠７０ａ中のおよその位置に穴ぐりで真直ぐな
孔を適当な角度にあけ、後に孔の不必要な部分を
塞ぐことにより、種々の孔が形成される。一側面
の凹みのみが用いられるに拘わらず、周縁部３８
ａの両側面にそれぞれ凹みの環が備えられ、従つ
てローラーは案内のいずれの側にも交換して用い
うるようになつていることに注意すべきである。

この実施態様の運転は先の実施態様の運転に似
たものである。孔８７ａから放出された空気が凹
み４２ａに衝突し、車２４ａを互いに反対方向に
回転させる。枠７０ａは容易に外すことができ、
それにより使用されている送りミルの保全と転換
は容易になる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 中を圧延されるべき線材１２，１２ａが通過
   する線材通路を有する本体１８，１８ａ、該線材
   通路の両側で本体に装着され、それぞれが、圧延
   機に対してその入口に隣接した線材のための支持
   を与える線材と噛み合う外面４０，４０ａ並びに
   その支持表面の両側に配置された一対の平行な端
   面を有し、一対のローラー部材２４，２４ａおよ
   びその各ローラー部材の両端面の少なくとも一方
   が流体インペラーを与える凹み４２，４２ａを含
   み、そのインペラーに流体を向け、それらを互い
   に反対方向に回転させるようにローラー部材のそ
   れぞれと連携するノズル４４および流体を加圧源
   からノズルへ運ぶ導管手段４６と４８，８６ａと
   ８７ａから成り、該導管手段は本体内部に形成さ
   れてノズルで終り、各ノズルは、それぞれのイン
   ペラーの一つに隣接する本体に形成され、上記導
   管手段が中央導管８６ａとその中央導管ノズルに
   延びている一対の枝管８７ａを含み、その中央導
   管に供給される流体によつて両ローラー部材を反
   対方向に回転させるように構成させて成る線材圧
   延機入口案内ローラー。 ２ 凹み４２，４２ａが、各ローラー部材２４，
   ２４ａの端面に形成され、各ローラー部材の各端
   面上の凹みは、そのローラー部材の他の端面上の
   凹みに対して反対に形成されてローラーの変換を
   可能にしている特許請求の範囲第１項記載の入口
   案内ローラー。 ３ 本体１８，１８ａが、案内部材２２，２２ａ
   と該本体に調整可能に取付けられた一対の腕２
   ６，２６ａを含み、ローラー部材２４，２４ａが
   該腕の案内部材に対する相対的運動をローラー部
   材間のニツプを調整するように腕に取付けられ、
   導管手段４６と４８，８６ａと８７ａとノズル４
   ４は、腕の調整が共同してローラー部材とノズル
   を動かすように腕に提供される特許請求の範囲第
   １項または第２項に記載の入口案内ローラー。 ４ ノズル４４が、線材通路を通る線材１２の移
   動方向に流体が向くように、線材通路に隣接する
   腕２６の反対部分に配置されている特許請求の範
   囲第３項記載の入口案内ローラー。 ５ 本体１８ａが、一対の腕７４ａとウエブ部７
   ６ａとを有する一般にＵ字形の枠部材７０ａを含
   み、その腕は線材通路１２ａに平行ではあるが間
   隔をあけて延びており、該ウエブ部は腕とローラ
   ー部材２４ａの前側の間に延び、そのウエブ部は
   線材を通過させる通路７８ａを有し、ノズルはウ
   エブ部に取り付けられてお互いに反対の方向に向
   けられ、導管部材が中央導管とその中央導管から
   一方の腕に取り付けられているノズルに延びてい
   る枝管とを含んでいる特許請求の範囲第１項また
   は第２項に記載の入口案内ローラー。 ６ 両腕７４ａを含んだ板が、両方のローラー部
   材２４ａを含んだ板に、通常、垂直である特許請
   求の範囲第５項記載の入口案内ローラ。 ７ ノズルが、ウエブ部分７６ａから反対方向に
   突出している出張り９４ａに配置されている特許
   請求の範囲第５項または第６項に記載の入口案内
   ローラー。 ８ 各ローラー部材２４，２４ａが、一対の間隔
   をおいたベアリング３６，３６ａによつてシヤフ
   ト３４，３４ａ上に回転可能に取付けられ、該ベ
   アリングの外部レースがそれぞれのローラー部材
   の対向穴に受け止められている特許請求の範囲第
   １項ないし第７項のいずれかに記載の入口案内ロ
   ーラー。