JPH0370472B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0370472B2
JPH0370472B2 JP60187327A JP18732785A JPH0370472B2 JP H0370472 B2 JPH0370472 B2 JP H0370472B2 JP 60187327 A JP60187327 A JP 60187327A JP 18732785 A JP18732785 A JP 18732785A JP H0370472 B2 JPH0370472 B2 JP H0370472B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acylase
pseudomonas
enzyme
cephalosporin
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP60187327A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6248380A (ja
Inventor
Shigeaki Ichikawa
Keizo Yamamoto
Kenji Matsuyama
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP60187327A priority Critical patent/JPS6248380A/ja
Publication of JPS6248380A publication Critical patent/JPS6248380A/ja
Publication of JPH0370472B2 publication Critical patent/JPH0370472B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、7−アミノセフアロスポラン酸(以
下、「7−ACA」と略す)およびその誘導体の酵
素的製造法に利用される新規酵素の製造法に関す
るものである。
(従来の技術および発明が解決しようとする問題
点) 発酵生産によつて得られるセフアロスポリンC
は、7位アミノ基に結合したアシル基を除去する
反応により、7−ACAに誘導され、これを出発
原料として種々のセフアロスポリン系抗生物質が
合成され、医薬品として実用に供されている。
セフアロスポリンCのN−アシル基を除去する
方法として工業的に利用されている方法は、(1)化
学的方法、(2)中間体を経由する酵素的方法の二つ
に大別される。これらの方法のうち、化学的方法
は、例えば特公昭41−13862号あるいは特公昭45
−40899号記載の方法である。また、中間体を経
由する酵素的方法は、例えば特公昭55−12910号
の方法によりセフアロスポリンCを7β−(5−カ
ルボキシ−5−オキソペンタンアミド)セフアロ
スポラン酸に誘導し、ついで過酸化水素を作用さ
せて7β−(4−カルボキシブタンアミド)セフア
ロスポリン酸(以下、「GL−7ACA」と略す)に
誘導し、さらに微生物酵素、例えば、アグリカル
チヤー・アンド・バイオロジカル・ケミストリー
(Agriculture and Biological chemistry)45巻,
1561頁(1981年)記載の酵素を作用させて7−
ACAを製造する方法である。これらの二つの7
−ACA製造方法は、いずれも多段の反応工程を
必要とする点において共通している。
したがつて、セフアロスポリンCを7−ACA
とD−α−アミノアジピン酸に加水分解する酵素
を利用して、一段の反応工程でセフアロスポリン
Cから7−ACAを製造できれば、工業的に極め
て有利であると予測されてきた。
今日までに、微生物菌体またはその処理物の酵
素作用を利用して、セフアロスポリンCから7−
ACAを製造する方法としては、(1)米国特許
3239394(1966)記載の方法、(2)特開昭52−143289
号記載の方法、(3)特開昭53−94093号記載の方法
および(4)特開昭59−44392号記載の方法の四つが
知られている。
このうち、米国特許3239394の方法は、アクロ
モバクター属(Achromobacter)、ブレビバクテ
リウム属(Brevibacterium)、あるいはフラボバ
クテリウム属(Flavobacterium)の細菌を用い
る方法であるが、フリン著「セフアロスポリン
ズ・アンド・ペニシリンズ」(E.H.Flynn;
Cephalosporins and Penicillins,Academic
Press.,New York,1972年)の37頁に記載され
ている如く、本特許は追試不能であることが知ら
れている。また、アルタナリア属(Alternaria)
あるいはアスペルギルス属((Aspergillus)の真
菌を用いる特開昭52−143289号記載の方法、シユ
ードモナス プチダ(Pseudomonas putida)近
縁の細菌BN−188株を用いる特開昭53−94093号
記載の方法、およびペシロミセス属
(Paecilomyces)の真菌を用いる特開昭59−
44392号記載の方法は、いずれも微生物の酵素作
用を利用した7−ACAの製造方法であるが、該
酵素作用を触媒する酵素の実体については記載さ
れていない。
すなわち、これらの特許には、該酵素作用を触
媒する酵素の分画精製に関する記載がないため、
該酵素作用が単一の酵素で触媒される一段反応
か、または複数の酵素で触媒される多段反応が明
らかでない。従来、該多段反応系が微生物細胞内
に存在することは予測されていなかつたが、本発
明者らは、先に該多段反応系を保有する微生物を
発見した(特願昭59−141475号)。また、これら
の特許においては、D−α−アミノアジピン酸の
生成が明らかさにされていないため、該酵素作用
がセフアロスポリンCを7−ACAとD−α−ア
ミノアジピン酸に加水分解する酵素によるもの
か、または未知の酵素によるものか明確でない。
したがつて、前記の特許において、セフアロス
ポリンCから7−ACAを生成する酵素作用を利
用しているこは、セフアロスポリンCを7−
ACAとD−α−アミノアジピン酸に加水分解す
る酵素を発見し、これを利用していることを意味
するとは限らない。
ペニシリン化合物の6位あるいはセフアロスポ
リン化合物の7位のアミド結合を加水分解して、
それぞれの母核である6−アミノペニシラン酸化
合物あるいは7−ACA化合物を生成する酵素は、
アシラーゼと総称されており、基質特異性の異な
る多数のものが知られている。しかし、セフアロ
スポリンCを7−ACAとD−α−アミノアジピ
ン酸に加水分解するアシラーゼ(以下、セフアロ
スポリンCアシラーゼと呼称し、「cpcアシラー
ゼ」と略す)は、多くの研究者の長年の努力にも
かかわらず、その存在が明らかさはされていなか
つたものである。
そこで、本発明者らは、cpcアシラーゼの製造
を目的に生産菌の探索を行つてきた。
(問題点を解決するための手段および作用) 本発明者らは、先にシユードモナス エスピー
(Pseudomonas sp.)SE−83(微工研菌寄第7649
号)ががGL−7ACAを7−ACAとグルタール酸
に加水分解する2種類のアシラーゼ(以下、「ア
シラーゼI型」および「アシラーゼ型」と呼称
する)を産生していること、およびこのうちのア
シラーゼ型がcpcアシラーゼであることを見出
し、本菌の菌体あるいは菌体処理物を利用する7
−ACAの酵素的製造法を発明した(特願昭59−
141475号)。ついで、本菌のcpcアシラーゼ産生
遺伝情報を担うDNA断片を大腸菌にクローニン
グし、その塩基配列を明らかにした(特願昭59−
274108号)。
さらに今回、本発明者らは、土壌から新たに分
離された細菌SE−495株がGL−7ACAを7−
ACAとグルタール酸に加水分解する2種類のア
シラーゼ(以下、「アシラーゼ型」および「ア
シラーゼ(2)型」と呼称する)を産生し、このう
ちのアシラーゼ(2)型は、SE−83株の産生する
cpcアシラーゼとは異なる新規なcpcアシラーゼ
であることを発見した。
これらの発見に基づく本発明は、一般式() (式中、Rは−OCOCH3、−Hまたは−OHを
表わす。) で示される化合物を一般式() (式中、RRは前記と同じ意味を有する。) で示される化合物とD−α−アミノアジピン酸に
加水分解するcpcアシラーゼを産生する、土壌よ
り分離されたシユードモナス属に属する細菌を培
養し、培養物から該酵素を採取することを特徴と
している。
先に発見されたSE−83株は、分離学的研究の
結果、シユードモナス デミニユータ種
(Pseudomonas diminuta)に近縁ではあるが、
クエン酸資化性および栄養要求性がシユードモナ
スデミニユータ種と異なつており、新種であると
判定されている(特願昭59−141475号)。
今回、新たに発見されたSE−495株は、山口県
の土壌より分離された細菌であつて、その菌学的
性質は以下のとおりである。
SE−495株の菌学的性質 () 形態的性質 肉汁寒天上で培養した細胞は、1.0〜1.2×1.9
〜2.1ミクロンの桿菌であり、極毛性のベン毛
で運動する。胞子は作らず、多形性も示さな
い。グラム染色性は陰性である。
() 培養的性質 (1) 肉汁寒天培養:菌体は黄白色を呈して増殖
する。拡散性色素の生産は認められない。
粘調性、遊走性ともに示さない。
(2) 肉汁液体培養:培地全体がかすかに濁る。
菌膜の形成は認められない。
(3) ゼラチン液化穿刺培養:ゼラチンの液化は
認められない(25℃、14日間)。
(4) リトマスミルク培養:カゼインの液化は認
められない。
() 生理学的性質 (1) 硝酸塩の還元:陽性 (2) 脱窒反応:陰性 (3) MRテスト:陰性 (4) VPテスト:陽性 (5) インドールの生成:陰性 (6) 硫化水素の生成:陰性 (7) デンプンの加水分解:陰性 (8) クエン酸の利用:陰性 (9) 無機窒素源の利用:アンモニウム塩を唯一
のN源として利用する。
(10) 色素の生成:色素の生成は認められない。
(11) オキシダーゼ:陽性 (12) カタラーゼ:陽性 (13) 生育の範囲:25℃〜30℃で良く生育す
る。37℃以上では生育しない。
(14) 酸素に対する態度:嫌気下での増殖は認
められない。
(15) OFテスト(ヒユーレイフソン法):流動
パラフインの有無に関係なく酸生成は認め
られない。
(16) 炭素源の利用性 (i) 利用する炭素源:グルタミン酸、アス
パラギン酸 (ii) 利用しない炭素源:グルコース、アラ
ビノース、キシロース、マンノース、ガ
ラクトース、イノシツト、マルトース、
シユークロース、グリセリンソルビツ
ト、マンニツト (17) 栄養要求性:パントテン酸要求 (18) アルギニンの分解:陰性 (19) リジンの脱炭酸反応:陰性 (20) オルニチンの脱炭酸反応:陰性 (21) エスクリンの分解:陰性 以上の菌学的性質をバージーズ・マニユアル・
オブ・デターミネイテイブ・バクテリオロジ−
(Bergey′s Manual of Determinative
Bacteriolgy)第8版(1974年)、マニユアル・オ
ブ・クリニカル・マイクロバイオロジ−
(Manual of Clinical Microbiology)第3版
(1980年)、およびバージース・マニユアル・オ
ブ・システマチツク・バクテリオロジ−
(Bergey′s Manuual of Systematic
Bacteriology)(1984年)の記載と比較し、次の
結論を得た。
グラム陰性桿菌で胞子を作らず、極毛によつて
運動するという形態的性質を有し、絶対好気性で
グルコース発酵能を持たないことから、本菌株は
シユードモナス属に所属すると同定できる。ま
た、グルコース酸化陰性およびオキシターゼ陽性
の性質から、シユードモナス アルカリゲネス
(Pseudomonas alcaligenes)、シユードモナスシ
ユードアルカリゲネス(Pseudomonas
pseudoalcaligenes)、シユードモナス テストス
テロニイ(Pseudomonas testosteroni)、シユー
ドモナス デミニユータおよびシユードモナス
ベシキユラリス(Pseudomonas vesicularis)に
限定される。さらに、単極毛、フラクトース酸化
陰性、エスクリン分解陰性、硝硝酸塩還元陰性で
あり、栄養要求性を示すことから、本菌株はシユ
ードモナス デミニユータ種に近縁であると判定
できる。以上の結果から、SE−83株およびSE−
495株はシユードモナス属の近縁の種に属してい
ると結論される。なお、SE−495株は工業技術院
微生物工業技術研究所に、シユードモナス エス
ピー(Pseudomonas sp.)SE−495(微工研菌寄
FERM BP−818)として寄託されている。
次に、本発明に係るシユードモナス属の細菌を
用いて、本発明のcpcアシラーゼを製造する方法
について説明する。培養は公知の方法に準じて行
うことができる。培地としては、一般微生物の栄
養源として公知のものが使用され、例えば、炭素
源として種々の有機酸類、窒素源として大豆粉、
小麦胚芽、肉エキス、プペトン、コーンステイー
プリカー、酵母エキス等を使用しうる。その他必
要に応じてマグネシウム塩、リン酸塩、カルシウ
ム塩などの塩類のほか、菌の生育と活性発現に必
要な添加物を適宜組合せて使用することができ
る。培養方法としては、好気的な液体培養法が適
している。培養温度は25〜32℃の範囲で選べばよ
く、培養時間は培養条件によつて異なるが、通常
2〜4日を要する。
本発明のcpcアシラーゼは、得られた培養物か
ら公知の精製方法を適宜組合せて製造される。す
なわち、cpcアシラーゼは、通常は大部分が細胞
内に存在するので、まず、上記の培養物から遠心
分離などの手段で菌体を集め、ついで、超音波処
理などの物理的処理あるいは酵素処理を加えて細
胞を破砕する。さらに、遠心分離などの手段で固
形物を除去した後、塩析、イオン交換クロマトグ
ラフイー、アフイニテイークロマトグラフイー、
ハイドロフオビツククロマトグラフイーあるいは
ゲル過などの精製手段と透析、限外過、遠心
分離、濃縮あるいは凍結乾燥などの手段を適宜組
合めて製造される。
なお、SE−83株のアシラーゼ型とSE−495
株のアシラーゼ(2)型は、上記の精製工程におい
て若干異なつた挙動をするため、同一物質ではな
いことがわかる。例えば、DEAEセフアデツクス
カラムクロマトグラフイーにおいて、上記の二つ
のcpcアシラーゼが溶離される塩濃度は異なつて
いる。すなわち、0.1Mリン酸緩衝液(PH8.0)で
平衡化したDEAEセフアデツクスA−50(フアル
マシア社製)を充填したカラムにcpcアシラーゼ
を吸着させ、ついで、食塩濃度勾配溶出法で溶出
する場合、アシラーゼ型は約0.17Mの食塩濃度
で溶出されるが、アシラーゼ(2)型は約0.12Mの
食塩濃度で溶出される。
本発明法により製造されるcpcアシラーゼの性
質および酵素活性測定法は、次のとおりである。
() 性質 (1) 作 用 cpcアシラーゼはペニシリン アミドハイ
ドロラーゼ(E.C.3、5、1、11)の一つで
あり、化合物()を化合物(とD−α−
アミノアジピン酸に加水分解する点に特徴が
ある。
本酵素が化合物()を加水分解して化合
物()とD−α−アミノアジピン酸を生成
することは、前記の方法で精製された酵素標
品について証明されている。すなわち、化合
物()は後述の高速液体クロマトグラフイ
ーを用いる方法で、また、D−α−アミノア
ジピン酸はアミノ酸分析計を用いて、それぞ
れ同定および定量が行われている。なお、α
−アミノアジピン酸の光学活性はL−および
D−アミノ酸酸化酵素を用いた実験に基づき
決定されている。
(2) 基質特異性 SE−83株およびE−495株のcpcアシラー
ゼは、上記の作用に加えて、GL−7ACA、
7β−(5−カルボキシペンタンアミド)セフ
アロスポラン酸および7β−(3−カルボキシ
プロパンアミド)セフアロスポラン酸を7−
ACAとジカルボン酸に加水分解する。一方、
セフアロスポリンCのN−アセチル化合物お
よび7β(フエニルアセトアミド)セフアロス
ポラン酸は加水分解しない。なお、いずれの
菌株においても、該酵素のGL−7ACA加水
分解活性は、セフアロスポリンC加水分解活
性の15〜25倍の範囲にある。
(3) 至適PH 該酵素の至適PHは、いずれも約9にある。
例として、SE−83株のcpcアシラーゼの反応
速度へのPHの影響を、GL−7ACAを基質と
して測定した結果を第1図に示す。使用した
緩衡液は、PH5〜6はクエン酸緩衝液、PH6
〜8はリン酸緩衝液、およびPH8〜10はグリ
シン緩衝液である。
(4) 安定PH範囲 該酵素はジチオスレイトール存在下では、
PH7〜10の範囲でいずれも安定である。例と
して、SE−83株のcpcアシラーゼをジチオス
レイトール0.5mM存在下、50℃で2時間処
理後の残存活性を第2図に示した。使用した
緩衝液は、上記(3)で使用したものと同様であ
る。
(5) 阻害剤 該酵素はいずれもp−クロロマーキユリー
ベンゾエートにより阻害され、フエニルメチ
ルスルホニルフルオライドでは阻害されな
い。
(6) 等電点 フアルマシア社のポリバツフアーを用いる
クロマトフオーカシング法により求めた該酵
素の等電点は、いずれもPH4〜4.5の範囲に
ある。
以上の結果から、SE−83株とSE−495株
のcpcアシラーゼは別物質ではあるが、酵素
化学的性質はよく類似していることがわか
る。
() 酵素活性測定法 (1) セフアロスポリンC加水分解活性測定法セ
フアロスポリンC50mMを含む0.1Mリン酸緩
衝液(PH8.0)1mlおよびジチオスレイトー
ル2mMを含む酵素溶液(PH8.0)1mlを混合
し、37℃、10分間反応させる。67%酢酸水溶
液(PH2.0)0.4mlを加えて反応を止め、遠心
分離およびメンブラン過により固型物を除
去した後、生成した7−ACAを高速液体ク
ロマトグラフイーで定量し、酵素活性を求め
る。高速液体クロマトグラフイー条件は、次
のとおりである。
カラム: マイクロボンダパツク(μ−
Bondapack)C18カラム(ウオーターズ社
製) 移動相: 5%酢酸アンモニウム98容とアセ
トニトリル2容の混合液 検出波長:260nm (2) セフアロスポリンC以外の化合物()の
加水分解活性測定法 化合物()を基質として、上記()の
方法と同様に酵素反応を行い、生成した化合
物()は、以下の方法でN−フエニルアセ
チル化合物を誘導して、高速液体クロマトグ
ラフイーを用いて定量する。
すなわち、化合物()を含む一定量の水
溶液に重曹を加えアルカリ性に保つ、これに
1/10容のアセトンと、化合物()の推定量
の約5倍モルのフエニルアセチルクロライド
を添加し、室温で反応させる。30分後、1/2
容のエーテルで抽出し、過剰のフエニルアセ
チルクロライドを除去する。水層をPH2に調
節し、等容の酢酸エチルで2回抽出し、酢酸
エチル層を合せて減圧乾固する。残渣を一定
量のメタノールに溶解し、生成したN−フエ
ニルアセチル化物を高速液体クロマトグラム
で分析し、標品と比較定量する。カラムはマ
イクロボンダパツクC18を用い、移動相とし
ては0.05Mリン酸緩衝液(PH7.0)とメタノ
ールの混合液を適宜用いる。検出は260nmで
行い、生成したN−フエニルアセチル化物の
定量値、および既知濃度の化合物を用いた対
照実験で得られた回収率から生成物の量を求
め、酵素活性を計算する。
(3) GL−7ACAの加水分解活性測定法 GL−7ACAを基質として、前記(1)の方法
と同様に酵素反応を行い、生成した7−
ACAは、p−ジメチルアミノベンズアルデ
ヒドを用いる比色定量法で定量する。すなわ
ち、酵素反応液2mlに67%酢酸水溶液(PH
2.0)0.4mlを加えて反応を停止させる。つい
で、p−ジメチルアミノベンズアルデヒドの
メタノール溶液(5g/)を0.4ml加え撹
拌する。遠心分離により固形物を除去した
後、生成する化合物の黄色を波長400nmで定
量し、あらかじめ作成した検量線から7−
ACA生成量を求め、さらに、酵素活性を計
算する。酵素活性の表示は、上記の酵素反応
条件下で1分間に1マイクロモル(μmol)
の7−ACAを生成する酵素量を1単位とす
る。
(実施例) 次に、本発明を実施例をもつて説明する。
実施例 1 肉エキス0.2%、酵母エキス0.2%、プペトン0.5
%、グルタミン酸ソーダ0.5%、硫酸マグネシウ
ム0.005%の組成からなる培地(PH7.0)15を30
容量ジヤーフアーメンターに仕込み、120℃、
30分殺菌後、予め同培地で前培養したシユードモ
ナス・エスピーSE−83を2%になるように植菌
した。25℃で48時間培養後、菌体を遠心分離によ
り集め湿菌体52gを得た。本菌体に含まれる2種
類のアシラーゼ(アシラーゼ型およびアシラー
ゼ型)によつて触媒されるGL−7ACA加水分
解活性は、約0.86単位/g−湿菌体であつた。こ
の湿菌体52gを0.1Mリン酸緩衝液(PH8.0)200
mlに懸濁し、5℃で超音波細胞破砕処理後、固型
物を除去し酵素液を調製した。ついで、本酵素液
に5℃冷却下で硫酸アンモニウムを30%飽和濃度
まで撹拌しながら徐々に添加し、生成した沈でん
物を除去した、上清画分に硫酸アンモニウムを60
%飽和濃度まで添加し、1時間撹拌後、沈殿画分
を集め、0.1Mリン酸緩衝液(PH8.0)100mlに溶
かした。この酵素液を、同緩衝液に対し5℃で一
晩透析した後、あらかじめ同緩衝液で平衡化した
DEAEセフアデツクスA−50(フアルマシア社製)
600mlを充填したカラムに通すと、活性は吸着さ
れた。活性の溶出は、溶出液としてカラム容量の
5倍量の0.1Mリン酸緩衝液(PH8.0)を使用し、
食塩濃度を最終濃度0.3Mまで直線的に上昇させ
る食塩濃度勾配溶出液によつた。その結果、アシ
ラーゼ型は食塩濃度0.05M付近で溶出され、
cpcアシラーゼ(アシラーゼ型)は食塩濃度
0.17M付近で溶出されることがわかつた。また、
アシラーゼ型とcpcアシラーゼは、ほゞ等量存
在することがわかつた。第3図にDEAEセフアデ
ツクスカラムクロマトグラフイーの溶出パターン
を示す。ついで、cpcアシラーゼ画分を集めたと
ころ、18単位のGL−7ACA加水分解活性が回収
された。この画分を、再度同一条件でDEAEセフ
アデツクスカラムクロマトグラフイーにかけ、精
製酵素標品を得た。この標品中の蛋白量は45mgで
あり、酵素活性はGL−7ACA加水分解活性で示
せば約9単位、また、セフアロスポリンC加水分
解活性で示せば約0.5単位であつた。なお、蛋白
量はローリー(Lowry)法により、牛血清アル
ブミンを標準として測定した。
実施例 2 実施例1と同様の方法でシユードモナス エス
ピーSE−495を培養し、菌体を遠心分離により集
めたところ、湿菌体50gを得た。本菌体に含まれ
る2種類のアシラーゼ(アシラーゼ型およびア
シラーゼ(2)型)によつて触媒されるGL−
7ACA加水分解活性は、約0.52単位/g−湿菌体
であつた。この湿菌体50gを、実施例1と同様な
方法で超音波処理、硫安分画およびDEAセフア
デツクスカラムクロマトグラフイー精製に供し
た。その結果、アシラーゼ型は食塩濃度0.05M
付近で溶出され、cpcアシラーゼ(アシラーゼ
(2)型)は食塩濃度0.12M付近で溶出されることが
わかつた。また、アシラーゼ型とcpcアシラー
ゼは、ほゞ等量存在することがわかつた。第4図
にDEAEセフアデツクスカラムクロマトグラフイ
ーの溶出パターンを示す。ついで、cpcアシラー
ゼ画分を集めたところ、10単位のGL−7ACA加
水分解活性が回収された。この画分を、再度同一
条件でDEAEセフアデツクスカラムクロマトグラ
フイーにかけ、精製酵素標品を得た。得られた標
品中の蛋白量は40mgであり、酵素量はGL−
7ACA加水分解活性で示せば約4.8単位であり、
また、セフアロスポリンC加水分解性で示せば約
0.24単位であつた。
(発明の効果) 本発明者らは、化合物()を化合物()と
D−α−アミノアジピン酸に加水分解する酸素
(cpcアシラーゼ)を産生する微生物を探索し、
シユードモナス エスピーSE−83およびシユー
ドモナス エスピーSE−495を発見した。これら
の発見に基づき、実施例に示す如く、化合物
()の酵素的製造に用いられるcpcアシラーゼ
の製造方法が確立された。
【図面の簡単な説明】
第1図はcpcアシラーゼの至適PHを示すグラ
フ、第2図はcpcアシラーゼのPH安定曲線、第3
図はシユードモナス エスピー SE−83のcpcア
シラーゼのDEAEセフアデツクスカラムクロマト
グラフイーにおける溶出パターンを示すグラフ、
第4図はシユードモナス エスピー SE−495の
cpcアシラーゼのDEAEセフアデツクスカラムク
ロマトグラフイーにおける溶出パターンを示すグ
ラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式() (式中、Rは−OCOCH3、−Hまたは−OHを
    表わす。) で示される化合物を一般式() (式中、Rは−OCOCH3、−Hまたは−OHを
    表わす。) で示される化合物とD−α−アミノアジピン酸に
    加水分解するセフアロスポリンCアシラーゼを産
    生するシユードモナス属(Pseudomonas)の細
    菌を培養し、培養物から該酵素を採取することを
    特徴とする発酵法によるセフアロスポリンCアシ
    ラーゼの製造法。 2 シユードモナス属の細菌がシユードモナスエ
    スピー(Pseudomonas sp.)SE−83(微工研菌寄
    第7649号,FERM BP−817)である特許請求の
    範囲第1項記載の方法。 3 シユードモナス属の細菌がシユードモナスエ
    スピー(Pseudomonas sp.)SE−495(微工研菌
    寄FERM BP−818)である特許請求の範囲第1
    項記載の方法。
JP60187327A 1985-08-28 1985-08-28 セフアロスポリンcアシラ−ゼの製造法 Granted JPS6248380A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60187327A JPS6248380A (ja) 1985-08-28 1985-08-28 セフアロスポリンcアシラ−ゼの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60187327A JPS6248380A (ja) 1985-08-28 1985-08-28 セフアロスポリンcアシラ−ゼの製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6248380A JPS6248380A (ja) 1987-03-03
JPH0370472B2 true JPH0370472B2 (ja) 1991-11-07

Family

ID=16204057

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60187327A Granted JPS6248380A (ja) 1985-08-28 1985-08-28 セフアロスポリンcアシラ−ゼの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6248380A (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0646835A (ja) * 1992-04-29 1994-02-22 Lonza Ag マロニル−7−アミノセファロスポラン酸誘導体の微生物学的製造方法
KR100530299B1 (ko) 2003-08-11 2005-11-22 산도즈 게엠베하 변이 세팔로스포린 c 아실라제 및 이를 이용한 7-aca 제조방법
CN102321721B (zh) * 2011-10-25 2013-09-11 石药集团中诺药业(石家庄)有限公司 一种制备3-去乙酰基-7-氨基头孢烷酸的工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6248380A (ja) 1987-03-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4774179A (en) Process for preparing a 7-aminocephalosporanic acid compound
JPH0342074B2 (ja)
US5416019A (en) Rhodococcus microorganisms that produce phenylalanine dehydroganase
EP1188826A2 (en) 5-substituted hydantoin racemase, DNA coding for the same, and process for producing optically active amino acids
Lowe et al. Enzymatic hydrolysis of penicillin V to 6-aminopenicillanic acid by Fusarium oxysporum
JPH0370472B2 (ja)
Hardianto et al. Cephalosporin C acylase from microbes for one-step enzymatic transformation of cephalosporin C to 7-aminocephalosporanic acid
JPS6248379A (ja) セフアロスポリンcアシラ−ゼの製造法
JPH01199576A (ja) α−アミノアジピニルモノアミノ化合物の加水分解性を有するγ−グルタミルトランスペプチダーゼ
JP3093039B2 (ja) 新規エステル分解酵素aおよびその製造方法
JP2712331B2 (ja) アシルアミノ酸ラセマーゼ、その製造法および用途
JP4485734B2 (ja) 5置換ヒダントインラセマーゼ、これをコードするdna、組み換えdna、形質転換された細胞および光学活性アミノ酸の製造方法
JPS58152481A (ja) 新規なホスホリパ−ゼd−pおよびその製造法
JP5010291B2 (ja) 新規ウリカーゼの製造方法
JPH0795947B2 (ja) α−1,3−グルカナーゼの製造方法
JP4561021B2 (ja) 5置換ヒダントインラセマーゼ、これをコードするdna、組み換えdna、形質転換された細胞および光学活性アミノ酸の製造方法
JPH0898683A (ja) 7−アミノセファロスポラン酸エステラーゼ
KR100232638B1 (ko) 글루타릴 7-아미노세팔로스포란산 아실레이즈를 생산하는 슈도모나스속 세균 kac-1
JPH01181788A (ja) エステラーゼ及びその製造法
JPH0147150B2 (ja)
KR960007741B1 (ko) 신규 α-1, 6-글루코시다제 및 그의 제조방법
JPH09247A (ja) D−乳酸脱水素酵素およびその製造法
JPH0127714B2 (ja)
JP2899071B2 (ja) L―α―アラニンの製造法
JPH0616704B2 (ja) フッ化物イオンに耐性な細菌カタラーゼ及びそれを生産するミクロコッカスsp.kwi‐5菌株

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term