JPH0370395B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は回路基板の位置決めと、この位置決め
に際して回路基板の反りの矯正とを簡単かつ正確
に行なえるようにした回路基板の位置決め装置に
関する。混成集積回路の製造システムにおいて
は、回路基板に部品が高密度に配置されるため、
各工程において回路基板の正確な位置決めが要求
される。また、回路基板は通常フエノール樹脂や
エポキシ樹脂によつて成形されるため完全な平板
に成形することが困難であり、多くの回路基板に
は多少の反りがある。このため各工程においては
上記位置決めと共に回路基板の反りの矯正を行な
う必要がある。ところが、従来の位置決め装置に
おいては上記位置決めと反りの矯正とを別々の機
構によつて行なつていたため、装置の構造が複雑
となつていた。また従来一部においては、回路基
板を真空ポンプで吸着してその位置決めと反りの
矯正とを同時に行なえるようにした位置決め装置
も使用されてはいたが、この装置には次のような
欠陥がある。即ち、回路基板に孔が設けられてい
る場合にはこの孔から空気が入つて真空ポンプの
吸着力が低下し、正確な位置決めができなくな
る。そしてこの吸着力の低下を防止するために
は、回路基板が載置されるテーブルの吸引孔のう
ち、回路基板の孔と連通する吸引孔を１つずつ閉
塞板によつて閉塞しなければならず、その作業が
非常に煩雑であつた。また、これと同様のことは
大きさの異なる回路基板を位置決めする場合にも
生じ、回路基板の製造機種を変更する度に上述の
ような煩雑な作業を強いられていた。また、回路
基板の反りが大きい場合には回路基板の吸着面に
隙間が生じ、この隙間から空気が入つて同じよう
に真空ポンプの吸着力が低下する。従つて回路基
板の反りが大きい場合のその矯正に対して全く役
に立たず、また位置決めも行なえなくなるという
欠陥を有していた。このため、従来の位置決め装
置を例えば回路基板に対する接着用樹脂の印刷工
程に用いた場合、基板が印刷中に動いてしまつて
接着用樹脂が正確な位置に印刷されないことが多
く、不良品発生の原因となつていた。

本発明は上述の如き欠陥を是正すべく発明され
た「回路基板の位置決め装置」であつて、回路基
板を挾持するためにこの回路基板の周側部近傍に
配される複数の係止体と、上記回路基板を挾持お
よび解放する方向に上記複数の係止体中の少なく
とも１つの可動係止体を移動させる手段と、上記
複数の係止体を上記回路基板の板厚方向に移動さ
せる手段とを有し、上記回路基板を挾持する方向
に上記少なくとも１つの可動係止体を移動させて
上記複数の係止体中の固定係止体と、この可動係
止体との間で上記回路基板を挾持し、これによつ
てこの回路基板の位置規制を行うと共に、次いで
上記複数の係止体を上記回路基板を挾持した状態
でこの回路基板の板厚方向に移動させて上記回路
基板の反りを矯正するように構成したことを特徴
とする。

したがつて本発明に係る回路基板の位置決め装
置によれば、多数の孔があいた回路基板や反りの
大きな回路基板、更には大きさの異なる回路基板
であつても簡単かつ正確に位置決めでき、また反
りの矯正も確実に行なうことができる。

また回路基板の位置決めと、反りの矯正とを共
通の機構によつて達成することができるから、装
置を構造的にシンプルなものとし、そのコストを
低下させることができる。

以下本発明を回路基板に対する接着用樹脂の印
刷装置に適用した一実施例を図面に基づいて詳述
する。

第１図は位置決め装置の縦断側面図を示したも
のであつて、基台１上には数本の支持柱２が立設
されている。そしてこれら支持柱２によつて印刷
台３が水平に支持されている。印刷台３の上面４
は略完全な平面とされ、この上面４に回路基板５
が載置される。そして回路基板５の上面に印刷ス
クリーン２０を重ね、スキージ２１とスクレーパ
２２の往復動によつて接着用樹脂２３を回路基板
５の上面に印刷するように構成されている。印刷
台３と基台１との間には垂直な案内棒６が前後左
右に数本設けられ、これら案内棒６の上下両端部
は印刷台３と基台１とに夫々固定されている。ま
た、印刷台３と基台１との間には水平な昇降台７
が設けられ、この昇降台７の前後左右には上記案
内棒６が挿通される貫通孔８が設けられている。
昇降台７の略中央部の下面には、基台１上に取り
付けられた垂直駆動用エアシリンダ９のピストン
ロツド９ａが連結され、昇降台７はこのエアシリ
ンダ９の駆動により案内棒６に案内されつつ昇降
移動するように構成されている。

昇降台７上には、第１図及び第２図に示すよう
に３本の固定ピン１０〜１２と２本の移動ピン１
３，１４が夫々垂直に設けられている。３本の固
定ピン１０〜１２はその下端部が昇降台７に植設
され、上端部は印刷台３に設けられたピン孔１５
〜１７に夫々挿通されて印刷台３の上面４上に突
出している。そして第２図に示すように、印刷台
３に載置された回路基板５の右側部５ａに固定ピ
ン１０と１１の上端部周面が当接され、下側部５
ｂに固定ピン１２の上端部周面が当接されるよう
に構成されている。また移動ピン１３，１４はそ
の下端部が昇降台７に設けられた案内溝２５に摺
動自在に係合され、上端部は印刷台３に案内溝２
５と平行に設けられた長孔２６，２７に夫々挿通
されて印刷台３の上面４上に突出している。長孔
２６，２７は第２図に示すように夫々回路基板５
の左側部５ｃ及び上側部５ｄに対して直角とさ
れ、かつ夫々の一端部２６ａ，２７ｂは回路基板
５の下側に延出している。そして移動ピン１３，
１４の中間部には、昇降台７上に取り付けられた
２つの水平駆動用エアシリンダ２８，２９のピス
トンロツド２８ａ，２９ａが夫々連結され、移動
ピン１３，１４が第２図で左右方向及び上下方向
に往復移動するよう構成されている。即ち、水平
駆動用エアシリンダ２８，２９を夫々往動させる
ことにより、回路基板５の左右両側部５ａ，５ｃ
及び上下両側部５ｂ，５ｄを固定ピン１０〜１２
と移動ピン１３，１４の夫々の上端部によつて完
全に挾むことができるように構成されている。な
お、固定ピン１２と移動ピン１３，１４の上端部
には回転自在な滑りローラ３０が夫々挿入されて
いる。

次に上記構成に係る位置決め装置の作動状況を
第３図及び第４図を参照して説明する。

先ず、回路基板５を固定ピン１０〜１２と移動
ピン１３，１４に囲まれた印刷台３の上面４に載
置する。次に水平駆動用エアシリンダ２９を往動
させて回路基板５の上側部５ｄと下側部５ｂを移
動ピン１４と固定ピン１２とによつて挾む。その
後に別の水平駆動用エアシリンダ２８を往動させ
て第３図に示すように回路基板５の左側部５ｃと
右側部５ａを移動ピン１３と固定ピン１０，１１
とによつて挾む。これによつて回路基板５の上下
両側部５ｂ，５ｄ及び左右両側部５ａ，５ｃに固
定ピン１０〜１２と移動ピン１３，１４が夫々圧
着され、回路基板５の正確な位置決めがなされ
る。なおこの位置決めがなされたときに、上記ピ
ン１０〜１４の上端部は基板５の上面よりも突出
した状態にあり、下降のためのストロークを有し
ている。そしてこのとき固定ピン１２と移動ピン
１３，１４の上端部には滑りローラ３０が取り付
けられているので、回路基板５に無理な力が作用
せず、スムーズにして正確な位置決めを成し得
る。また、回路基板５の大きさが大小様々な場合
であつても、移動ピン１３，１４の水平移動スト
ロークを大きくしておくだけでその位置決めを簡
単に成し得、従来のようなロツトの変更に伴う煩
雑な作業が全く必要ない。

次に垂直駆動用エアシリンダ９を往動させて第
４図に示すように昇降台７を降下させる。すると
固定ピン１０〜１２と移動ピン１３，１４は回路
基板５を圧着したまま降下するから、回路基板５
の上下両側部５ｂ，５ｄ及び左右両側部５ａ，５
ｃは固定ピン１０〜１２及び移動ピン１３，１４
との摩擦により印刷台３に押し付けられる。この
ため印刷台３に載置した回路基板５が第３図に示
すように反つている場合であつても、第４図で実
線で示すように平板状とされ反りは完全に矯正さ
れる。よつて第１図に示すスキージ２１を回路基
板５に押し付けつつ往動させて回路基板５の上面
に接着用樹脂２３を印刷しても回路基板５がずれ
ることがない。従つて回路基板５の正確な位置に
接着用樹脂２３を印刷することができる。なお接
着用樹脂２３を印刷する場合、スキージ２１の往
復動の邪魔にならないよう固定ピン１０〜１２と
移動ピン１３，１４の上端部は下降後においては
第４図に示すように回路基板５の上面と同じ高さ
か、あるいはそれよりも１mm程度下がつた位置に
しておくのがよい。

本発明は上述の如く、回路基板の周側部に複数
の係止体を当接させて回路基板の位置規制をし、
上記複数の係止体を回路基板の周側部に当接させ
た状態で回路基板の板厚方向に往動させることに
より回路基板の反りを矯正するように構成してい
るから、回路基板の位置決めと反りの矯正とを上
記複数の係止体によつて簡単かつ正確に成し得
る。また回路基板に多数の孔があいていたり、回
路基板の反りが大きい場合であつてもその位置決
め及び反りの矯正に何ら支障がなく、真空ポンプ
を用いた位置決め装置において行なわれていた吸
引口の閉塞という煩雑な作業が不要となり、位置
決め作業の能率を格段に向上させることができ
る。

更にまた、回路基板の面に沿つた方向への係止
体の移動ストロークを大きくしておくだけで任意
の大きさの回路基板の位置規制と反りの矯正とを
簡単に成し得るから、回路のロツトの変更に伴う
位置決め装置の調整作業等が一切不要となり、集
積回路の生産性の向上に大きく貢献することがで
きる。

また、回路基板の位置決めと反りの矯正とを同
じ係止体によつて行なうものであるから、位置決
め装置を構造的にシンプルなものとすることがで
きて廉価にして信頼性の高い位置決め装置を提供
することができる。

従つて本発明に係る回路基板の位置決め装置を
例えば回路基板に対する接着用樹脂の印刷工程に
用いた場合にあつては、多数の孔があいた回路基
板や反りの大きな回路基板、更には大きさの異な
る回路基板であつても簡単かつ正確に位置決めで
き、また反りの矯正も確実に行ない得るから、接
着用樹脂を回路基板上の所定の位置に正確に印刷
塗布することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明を回路基板に対する接着用樹脂の
印刷工程に適用した一実施例を示したものであつ
て、第１図は回路基板の位置決め装置の縦断面側
面図、第２図は同上の要部の平面図、第３図及び
第４図は本装置の作動状況を説明するための同装
置の縦断面図である。 また図面に用いられた符号において、５……回
路基板、９……垂直駆動用エアシリンダ、１０，
１１，１２……固定ピン（固定係止体）、１３，
１４……移動ピン（可動係止体）、２８……水平
駆動用エアシリンダである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 回路基板を挾持するためにこの回路基板の周
   側部近傍に配される複数の係止体と、 上記回路基板を挾持および解放する方向に上記
   複数の係止体中の少なくとも１つの可動係止体を
   移動させる手段と、 上記複数の係止体を上記回路基板の板厚方向に
   移動させる手段とを有し、 上記回路基板を挾持する方向に上記少なくとも
   １つの可動係止体を移動させて上記複数の係止体
   中の固定係止体と、この可動係止体との間で上記
   回路基板を挾持し、これによつてこの回路基板の
   位置規制を行うと共に、 次いで上記複数の係止体を、上記回路基板を挾
   持した状態でこの回路基板の板厚方向に移動させ
   て上記回路基板の反りを矯正するように構成した
   ことを特徴とする回路基板の位置決め装置。