JPH0370127B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は芯上下式の石油燃焼器に関するもので
ある。

従来の技術 近年、芯上下式の石油燃焼器の中には消火時の
刺激臭を大巾に低減させるため吸引手段を配設し
たものが見られるようになつてきた。

以下第４図を参照しながら、このタイプの石油
燃焼器を説明すると、１は油タンク、２は油タン
ク１に立設した芯案内筒、３は油タンク１上に固
定した芯外筒、４は芯案内筒２と芯外筒３とによ
つて形成された芯間〓、５はこの芯間〓４内を芯
案内筒２に沿つて上下動する芯である。芯案内筒
２の上部には内火皿６、芯外筒の上部には外火皿
７が配設されている。８は芯上下機構で、芯５の
上下動が行なえ、内火皿６、外火皿７の上方に芯
５の上端が適寸露出されるように構成してある。
９は燃焼筒で、内火皿６、外火皿７上に載置さ
れ、その内部で、混合燃焼をなすように構成され
ている。１０は油タンク１の上に固定した吸引手
段で、油タンク１の吸込口１１より油タンク１内
の空気を吸引排出するものである。この吸引手段
１０は油タンク１内の空気を吸引するためのター
ボフアン１２と、そのターボフアン１２を回転さ
せるためのモータ１３と、ターボフアン１２がモ
ータ１３によつて回転し油タンク１内の空気を吸
引排出する時の風力により開く弁１４とからな
る。なお図中１５は排気口、１６はカートリツジ
タンクである。

以上の様に構成された芯上下式の石油燃焼器に
ついて、以下その動作を説明する。

まず、芯上下機構８を操作して芯５を内火皿
６、外火皿７上に適寸露出し点火すると、燃焼筒
９内に於て燃焼し採暖が可能となる。そして芯上
下機構８を逆方向に操作すれば芯５は芯間〓４内
に所定の位置まで没入し消火する。この時、吸引
手段１０のモータ１３が回転し、ドラフトにより
燃焼筒９内に流出しようとする石油蒸気を油タン
ク１内に吸引し、そのまま熱分解されることなく
排気口１５から外部へ放出する。これにより、刺
激的な消火臭気は大巾に低減される。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記従来の構成では、消火臭気は
ある程度低減できても点火時の臭気は低減できな
い。また上記吸引手段は、モータ１３の制御回路
（図示せず）等を必要とし、かなりのコストアツ
プを招くものであるが、消火時の臭気低減だけで
はコストパフオーマンスが低いという問題があつ
た。

本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなしたも
ので、消火時の臭気はもちろん、点火時の臭気を
も低減させるようにして、結果的にコストパフオ
ーマンスの高いものとすることを目的としたもの
である。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明は吸引手段
の消火時のみにだけでなく点火時にも作動するよ
うに構成し、吸引手段の動作時間を制御する制御
回路は点火時に吸引手段で吸引した蒸発燃料を含
む空気の熱によつて油タンク内の燃料が引火する
前の所定時間にするものである。

作 用 本発明は上記構成によつて、消火時はもちろ
ん、点火時も吸引手段が作動し、点火時の不完全
燃焼によつて発生する石油蒸気を吸引して点火時
の臭気を安全に抑えることが出来る。また、その
結果として吸引手段のコストパフオーマンスも高
いものとなる。

実施例 以下その一実施例を第１図〜第３図を用いて説
明するが、従来例と同一部分は同一番号を附記し
て説明は省略し、異なる部分のみ説明すると、吸
引手段１０を動作させるために二つのスイツチ１
７，１８が設けてある。このスイツチ１７，１８
のうち、一方のスイツチ１７は従来と同様消火時
に吸引手段１０を作動させるためのものである
が、もう一方のスイツチ１８は点火時に吸引手段
１０を作動させるためのものである。そして上記
各スイツチ１７，１８は芯上下機構８と連動して
開閉するようにしてある。

第３図は上記吸引手段１０を動作させるための
制御回路を示し、１７，１８は上記スイツチで、
芯上下機構８の近傍に設けられている。１９，２
０は上記スイツチ１７，１８の常開接点１７ａ，
１８ａ側への切換わりによつてONするトランジ
スタで、ターボフアン用のモータ１３とこれを回
転させる乾電池２１との間に接続してある。２
２，２３は上記トランジスタ１９，２０をONす
るための電荷を蓄えるコンデンサで、スイツチ１
７，１８常閉接点１７ｂ，１８ｂ側に切換わつて
いる間に乾電池２３の電荷が蓄えられるようにな
つている。

以上のように構成された本実施例の芯上下式の
石油燃焼器について以下その動作を説明する。ま
ず、芯上下機構８を操作し芯５を上げて点火する
と、スイツチ１８が常開端子１８ａの側に切り換
わり、コンデンサ２３の充電電圧がトランジスタ
２０をONする。このトランジスタ２０がONし
ている間乾電池２１からモータ１３へ電気が流れ
吸引手段１０が動作する。したがつて、点火開始
時の温度の空気量の不足による不完全燃焼により
発生し、燃焼筒９内に流出しようとする石油蒸気
は、芯間〓４を通して油タンク１内に吸引され、
排気口１５より、そのまま熱分解されることなく
大気へ放出される。これにより点火時の刺激的な
臭気は大巾に低減される。

一方、燃焼状態から芯上下機構８を逆方向に操
作して芯５を芯間〓４内の所定深さまで没入し消
火すると、スイツチ１８が常閉端子１８ｂ側へ切
換るとともに今度はスイツチ１７が常開端子１７
ａ側に切換わり、コンデンサ２２の充電電圧がト
ランジスタ１９をONとする。このトランジスタ
１９がONしている間乾電池２１からモータ１３
へ電気が流れ、前記と同様吸引手段１０が動作す
る。これにより、消火時の石油蒸気を燃焼筒９か
ら逃すことなく、芯間〓４を通して油タンク１内
に吸引し、排気口１５から大気へ放出する。こう
して消火時の臭気も大巾に低減させることができ
る。

ここで上記点火時、消火時の吸引動作はコンデ
ンサ２２，２３の充電電圧がトランジスタ１９，
２０をONしている間継続される。よつてこの吸
引時間はコンデンサ２２，２３の容量を変えるこ
とによつて任意に設定でき、点火時に吸引動作を
行なわせても安全なようにすることができる。

すなわち蒸気吸引手段１０は点火時には芯上部
に発生している不完全燃焼の石油蒸気を油タンク
１内に吸引するが、これは時間の経過とともに高
熱をもち次第に完全燃焼した燃焼ガスや火炎に変
わるため油タンク１内の石油に引火する恐れがあ
り非常に危険である。ところがこの発明では点火
時の吸引時間をコンデンサ２３の容量によつて任
意に設定できるようにしているので、上記吸引す
る石油蒸気が完全燃焼する以前の高熱をもつころ
までにあらかじめ設定しておけば、油タンク１内
に不完全燃焼の石油蒸気を吸引しても油タンク１
内の石油に引火することはなく安全である。

なお、本実施例では、点火時の吸引手段を作動
させるためのスイツチ１８を芯上下機構８に連動
させたが、スイツチ１８は点火機構（図示せず）
に連動させてもよい。こうすることにより確実に
点火した時にだけ吸引手段１０が作動するように
なり、芯上げを行つただけで吸引手段１０が作動
し、乾電池２１の消耗を早めるようなことがなく
なる利点がある。

発明の効果 以上実施例の説明で明らかなように本発明は消
火時の刺激的な臭気の防止はもちろん、点火時の
刺激的な臭気も大巾に低減でき、不快感の少ない
燃焼器とすることができる。また点火時に消火時
用の吸引手段を利用して消火時と同様油タンク内
に不完全燃焼の燃料を吸引するようにしても油タ
ンク内の燃料に引火するようなことはなく安全で
ある。しかも吸引手段は点火・消火時とも兼用で
きるのでコストパフオーマンスも高いものとなる
等、種々の利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における芯上下式の
石油燃焼器の断面図、第２図は同側面図、第３図
は同回路図、第４図は従来の石油燃焼器の断面図
である。 １……油タンク、２……芯案内筒、３……芯外
筒、４……芯間〓、５……芯、８……芯上下機
構、１０……吸引手段。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 芯案内筒と芯外筒で形成される芯間〓を有し
   た油タンクと、前記油タンクの芯間〓内に上下動
   自在に配設した芯と、この芯から蒸発した燃料を
   燃焼させる燃焼筒と、前記芯を上下動させる芯上
   下機構と、前記芯からの蒸発燃料を含む空気を燃
   焼筒以外の油タンク内を介して吸引排気する吸引
   手段と、この吸引手段を消火ならびに点火時にあ
   らかじめ定められた所定時間だけ動作させる制御
   回路とを備え、制御回路は点火時の動作時間を吸
   引手段で吸引した蒸発燃料を含む空気の熱によつ
   て油タンク内の燃料が引火する前の所定時間とし
   た石油燃焼器。