JPH0330652Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は石油燃焼器の点火時と消火時の防臭
構造に関するものである。

〔従来の技術〕

従来石油燃焼器の上方に防臭フイルターを取付
けて点火や消火時の悪臭を防ぐ構造が知られてお
り、また消火時については消火直後の芯収容筒に
残つている未燃ガスを吸引フアンで吸い出し低温
度の部分へ排出する構造が知られている。

〔考案が解決しようとする問題点〕 石油燃焼器のバーナの上方に防臭フイルターを
取付ける構造は、この部分が燃焼中常に加熱され
ている部分であり、耐久性が問題となつている。
また消火時の様に芯収容筒の未燃ガスが高温のバ
ーナによつて分解した時には多量の悪臭が発生し
防臭フイルターの能力が不足することもあつた。

一方消火直後の未燃ガスをバーナへ送らず分解
する前のガスを低温度の部分へ排出する構造は悪
臭の発生を元から断つ構造で優れたものであるが
排出されたガスには燃料臭があり、また点火時の
防臭には何ら作用しないものである。従つていず
れの方式も点火消火時共に効果のある構造ではな
かつた。

〔問題点を解決する為の手段〕

この考案はバーナ上方に設置する防臭フイルタ
ーの代りに集気カバーを設け、また吸引フアンの
排気口に防臭フイルタを取付け、点火時は集気カ
バーで補集したガスを防臭フイルタに送り、消火
時は芯収容筒から吸い出した未燃ガスを防臭フイ
ルタに送り、点火と消火時の防臭効果を得るもの
である。

即ち実施例である図に示す如く１は石油燃焼器
の油タンク、２は油タンク１の上方に位置させた
芯収容筒であり、該芯収容筒２は油タンク１の上
面板から立設した芯外筒と底面板から立設した芯
内筒で構成し、該間隙に芯１５を昇降自在に収納
している。３は芯収容筒２の上に位置させたバー
ナであり、芯収容筒２から突出した芯１５に着火
すると油タンク１の燃料はバーナ３で燃焼を行
う。７はバーナ３の上方に設置した集気カバー、
８は集気カバー７に取付けた排ガスダクトであ
り、補修したガスを排ガスダクト８で移動でき
る。

１０は内部に切換弁９を備えた吸引ダクト、１
２は前記芯収容筒２と油タンク１を介して連通す
る開口、１３は前記排ガスダクト８と連通する接
続口、１１は吸引ダクト１０の出口である吸引
口、４は吸引口１１に取付けた吸引フアンであ
り、該吸引フアン４の排気口５には活性炭などの
防臭フイルタ６が取付けてある。

１４は芯１５の昇降を行う芯上下軸、１６は芯
上下軸１４に取付けたカム板、１７はカム板１６
によつて駆動する連動軸であり、前記吸引ダクト
１０内の切換弁９は連動軸１７によつて芯下げ位
置で開口１２と吸引口１１と連通させたり、また
芯上げ位置で接続口１３と吸引口１１と連通させ
たりしている。１８は芯上げ位置に於てカム板１
６によつて切換る切換スイツチであり、該切換ス
イツチ１８が切換るたびに一定時間吸引フアン４
に通電する。

第２図は切換スイツチ１８によつて吸引フアン
４を一定時間回転する電気回路の一例であり、１
９は切換スイツチ１８によつて導通状態を保持す
る自己保持回路、２０は吸引フアン４の駆動回
路、２１はタイマー回路であり、該タイマー回路
２１は自己保持回路１９が導通してから一定時間
吸引フアン４を回転する。またタイマー回路２１
は切換スイツチ１８が切換つた時にも作動し、こ
の時一定時間後自己保持回路を遮断するから吸引
フアン４の回転を停止する。尚実施例のタイマー
回路２１のコンデンサーは芯上げ時と芯下げ時逆
方向から充電されており、特にコンデンサーの放
電回路を必要としないものである。

〔作用の説明〕

叙上の構成であるこの考案は芯上下軸１４を回
転すると芯１５が上昇して芯収容筒２から突出す
ると共に、カム板１６は連動軸１７を介して排ガ
スダクト８の接続口１３と吸引モーター４の吸引
口１１とを連通し、かつ切換スイツチ１８を切換
する。この為自己保持回路１９はタイマー回路２
１を作動し吸引フアン４に通電する。而して図示
せざる点火装置によつて芯１５に着火するとバー
ナ３から発生する点火時の不完全燃焼ガスは集気
カバー７で集められ、回転している吸引フアン４
によつて集気カバー７内の排ガスが排ガスダクト
８を経て吸引フアン４の排気口５の防臭フイルタ
６に送られ浄化されるものである。そして一定時
間後吸引フアン４が停止した頃にはバーナ３から
点火時の不完全燃焼ガスはほとんど発生しなくな
つているものである。

一方消火に際して芯上下軸１４を逆転すると芯
１５が降下して芯収容筒２内に収容すると共に、
カム板１６は連動軸１７と離開して切換弁９を移
動させ、吸引フアン４の吸引口１１が芯収容筒２
と連通する開口１２と連通し、かつ切換スイツチ
１８を切換する。この為再びタイマー回路２１が
作動し吸引フアン４は芯収容筒２の未燃ガスを吸
い出し、該未燃ガスは吸引フアン４の排気口５の
防臭フイルタ６に送られて燃料臭を浄化する。そ
して一定時間後吸引フアン４が停止した頃には芯
収容筒２から発生する未燃ガスはごくわずかであ
り、またバーナ３も冷却して低温度になつている
から未燃ガスの分解も行われないものである。

〔効果の説明〕

以上の様にこの考案は吸引ダクト内の切換弁の
働きで吸引フアンの吸引するガスを、集気カバー
で集めた不完全燃焼ガスと芯収容筒の未燃ガスに
切換るようにしており、更に吸引フアン４は点火
時と消火時一定時間回転するようにしたから、点
火直後バーナから発生した不完全燃焼ガスは防臭
フイルターで浄化され、かつ防臭フイルターはバ
ーナの上方に直接取付けられていないから耐久性
も長くなつたものである。

一方消火時に於ては芯収容筒の未燃ガスを吸出
して防臭フイルターで浄化しているから、消火時
の激しい悪臭が防止できると共に燃料臭も防止で
きたものである。

従つてこの考案の防臭構造は点火時にも消火時
にも作動するようになり、石油燃焼器使用時悪臭
の発生を防ぐことができた実用的な考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案品の断面図、第２図は電気回
路図である。 １……油タンク、２……芯収容筒、３……バー
ナ、４……吸引フアン、５……排気口、６……防
臭フイルタ、７……集気カバー、８……排ガスダ
クト、９……切換弁、１０……吸引ダクト、１１
……吸引口、１２……開口、１３……接続口、１
４……芯上下軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 油タンク１の上方に芯収容筒２を設け、かつ芯
   収容筒２の上方にバーナ３を位置させると共に、
   芯収容筒２のガスを吸引する吸引フアン４と吸引
   フアン４の排気口５に活性炭などの防臭フイルタ
   ６を取付けた石油燃焼器に於て、バーナ３の上方
   に集気カバー７を設置し、かつ集気カバー７に排
   ガスダクト８を取付け、一方吸引フアン４は内部
   に切換弁９を備えた吸引ダクト１０の吸引口１１
   に取付け、かつ吸引ダクト１０には芯収容筒２と
   連通する開口１２と排ガスダクト８と連通する接
   続口１３を設け、かつ吸引ダクト１０の切換弁９
   は芯上下軸１４と連動し、吸引フアン４の吸引口
   １１は芯上げ時排気ダクト１０とまた芯下げ時芯
   収容筒２と連通すると共に、点火時と消火時に一
   定時間吸引フアン４へ通電することを特徴とする
   石油燃焼器の防臭装置。