JP2666513B2 - 燃焼装置 - Google Patents

燃焼装置

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JP2666513B2 JP2090825A JP9082590A JP2666513B2 JP 2666513 B2 JP2666513 B2 JP 2666513B2 JP 2090825 A JP2090825 A JP 2090825A JP 9082590 A JP9082590 A JP 9082590A JP 2666513 B2 JP2666513 B2 JP 2666513B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は家庭用の暖房等に用いられる芯上下式の燃焼
装置に関するものである。
従来の技術 一般に、芯上下式の燃焼装置は消火時に灯芯先端から
気化する余剰の燃料が高温の燃焼筒で熱分解されて臭気
を発生するという課題があった。
そこで、最近ではこの臭気を低減するため、ファン等
の吸引手段を作動させ余剰燃料をタンク内に吸引した
後、外部へ放出するものが提案されている。
ところがこの種の燃焼装置では点火時にも臭気を発生
する課題があり、上記の吸引手段で消化時の臭気が低減
されたため点火時の臭気に対する不満が拡大し、その解
決が望まれている。この課題解決のための一手段として
点火時にも上記吸引手段を作動させて臭気低減を図った
ものが提案されている。
第5図はこのような吸引手段を有する燃焼装置で、17
は油タンク、18は油タンク17に立設した芯案内筒、19は
油タンク17上に固定した芯外筒、20は芯案内筒18と芯外
筒19によって形成された芯収容部、21はこの芯収容部20
を上下動する芯である。22は芯上下機構で、芯21の上下
動を行ない、芯案内筒18と芯外筒19上に載置された燃焼
筒23の下端部に芯21の先端を露出させ、燃焼を行なわせ
る。24は点火時および消火時に作動する吸引手段で、モ
ータ25によってファン26を回転させ、油タンク17の吸込
口27より油タンク17内を吸引排気するものである。28は
カートリッジタンクである。
以上の構成において芯上下機構22を操作して芯21を燃
焼筒23内に適寸露出し点火すると、燃焼筒23内において
燃焼し採暖が可能となる。そして芯上下機構22を逆方向
に操作すれば芯21は芯収容部20内に所定の位置まで没入
し消火する。この点火、消火時に芯上下機構22でON、OF
Fされるスイッチ(図示せず)がONし、吸引手段24が一
定時間だけ作動し、ドラフトにより燃焼筒23内を通して
外部に流出しようとする燃料の未燃成分を油タンク17内
に吸引し、熱分解させることなく排気口29から外部へ放
出することによって臭気を低減する。
発明が解決しようとする課題 しかし、上記従来のものは、吸引時の吸引経路となる
芯収容部20の芯21と芯案内筒18や芯21と芯外筒19間で形
成される間隙は芯21の厚味や径等の違いによって変動す
るために、吸引経路の流路抵抗が変化して吸引量に差を
生じて、適切な吸引量を得ることが困難で次のような課
題があった。すなわち、点火時は点火燃焼中に吸引する
こととなり、消火時と同様に単に吸引すれば効果が得ら
れるというものではなく消火時に比べて芯21からの燃料
気化量が多いため吸引量が過大になると油タンク17内に
吸引された気化ガスが排気口29から排出され白煙を生ず
る場合があった。また過大な吸引によって燃焼の気化量
が抑制されるため燃焼の立上りが遅くなり、火災の冷却
等によって燃焼不良を生じ、かえって臭気を発生する場
合があった。逆に吸引量が過小になると十分に臭気が低
減されないという課題があった。
本発明はかかる従来の課題に鑑みてなしたもので、少
なくとも点火時或いは消火時の臭気を大幅に低減させる
燃焼装置を得ることを目的としたものである。
課題を解決するための手段 上記の課題を解決するために本発明の燃焼装置は、油
タンク内を介して芯収容部の間隙より燃料ガスを吸引排
気する手段と、芯収容部の間隙の少なくとも一ヶ所に他
部よりも吸引量が大きくなる吸引路とを備えて前記吸引
手段による吸引を安定化させるとともに、吸引手段は少
なくとも点火時或いは消火時に作動するように設定して
いる。
作用 本発明の燃焼装置は上記構成によって、芯収容部の間
隙に吸引路を設けることにより、芯収容部の間隙の流路
抵抗の変化によって起こる点火時の吸引量の過大による
白煙の発生や燃焼不良による臭気の発生、または吸引量
の過小による臭気低減効果の低下を防止し、最適な吸引
量を安定的に確保することができるので点火時の臭気を
大幅に低減することができる。さらに消火時においても
同様に消火時の臭気も効果的に低減することができる。
実施例 以下その一実施例を第1図〜第4図を用いて説明す
る。1は油タンク、2は油タンク1に立設した芯案内
筒、3は油タンク1上に固定した芯外筒、4は芯案内筒
2と芯外筒3によって形成された芯収容部、5はこの芯
収容部4内を上下動する芯である。4aは芯収容部4の芯
外筒3と芯5との間隙の少なくとも一ヶ所に他部よりも
吸引量が大きくなるように設けて吸引を安定化させる吸
引路である。芯案内筒2の上部には内火皿6、芯外筒3
の上部には外火皿7が配設されている。8は芯上下機構
で、芯5の上下動を行ない、内火皿6、外火皿7の上方
に芯5の上端が適寸露出されるように構成してある。9
は燃焼筒で、内火皿6、外火皿7上に載置され、その内
部で燃焼が行なわれるように構成されている。10は吸引
手段で油タンク1の吸込口11より油タンク1内を吸引排
気するものである。この吸引手段10は油タンク1内を吸
引するためのターボファン12と、そのターボファン12を
回転させるためのモータ13と、ターボファン12が回転し
油タンク1内を吸引排気する時の風力により開く弁14と
からなる。15は排気口、16はカートリッジタンクであ
る。
以上の構成において芯上下機構8を操作して芯5を内
火皿6、外火皿7上に適寸露出し点火すると、燃焼筒9
内において燃焼し採暖が可能なる。この点火時に吸引手
段10が一定時間作動するが、その効果について説明す
る。
点火時は消火時と全く異なり、点火し燃焼が開始して
燃料の気化量が急激に増大し、火災が立上がって次第に
安定燃焼へと向う過程における吸引であり、消火時のよ
うに単に吸引すれば効果が得られるものではなく、燃焼
に悪影響を及ぼすことなく十分な効果を得ることができ
る吸引量の設定が極めて重要である。吸引量は吸引手段
10の能力設定とともに吸引経路の流路抵抗によって定ま
るものである。ここで流路抵抗は吸引経路において最も
狭隘部である芯収容部4で芯5と芯案内筒2や芯5と芯
外筒3間で形成される間隙に支配される。この間隙は芯
5の厚味や径の違いによって変動し流路抵抗が変化して
吸引量に差を生じて従来例のような不具合が生じる。し
かしこの点について検討した結果、第2図(aは第1図
の要部拡大図、bはA−A線断面図)のように芯収容部
4の間隙少なくとも一ヶ所に他部よりも吸引量が大きく
なるよう間隙を広くした吸引部4aを設けて吸引を安定化
させることが上述のような不具合点もなく臭気の低減効
果も大きいことが明確になった。すなわち吸引路4aは芯
収容部4の間隙の他部よりも流路抵抗が小さくなり、相
対的に他部より吸引量が大きくなるから、芯5の厚味や
径等の違いによって芯収容部4の間隙に変動を生じても
吸引路4aから常にほぼ一定量の吸引ができるようにな
り、芯収容部の間隙の変動によって起こる吸引量の過大
による白煙の発生や燃焼不良による臭気の発生、また吸
引量の過小による臭気低減効の低下を防止し、最適な吸
引量を安定的に確保することができるので点火時の臭気
を大幅に低減することができる。さらに消火時に吸引手
段10を作動させることにより消火時においても同様に消
火時の臭気も効果的に低減することができる。
第3図は点火時の臭気の発生状態を測定した結果であ
る。縦軸に臭気の指標として炭化水素(HC)濃度、横軸
に点火後からの経過時間を示した。点火時に吸引手段10
を作動させない場合はHCの発生状態は曲線Aのようにな
る。曲線Aにおいて点火時の臭気は概ね二つのピークに
分けられる。ピークは点火直後の火廻り時に発生する
鋭いピークで強い刺激臭である。ピークはその後火炎
が立上がって次第に安定燃焼へ向う過程での比較的緩や
かなピークで刺激臭ではないが長く続くため臭気を多く
感じることになる。曲線Bは本実施例で点火時の吸引手
段10を作動させた場合のHCの発生曲線である。曲線Aの
ピーク、ピークともにHCは大幅に低減されており点
火時の臭気低減の効果は明白である。第4図a,b,cは本
発明の他の実施例を示したものであり、この他に芯5の
厚味を小さくすることによって他部よりも吸引量が大き
くなる等、本願発明の目的、効果を達成するものであれ
ばこの構成に限られるものではないことは勿論である。
発明の効果 以上の様に本発明の燃焼装置によれば、油タンク内を
介して芯収容部の間隙より燃料ガスを吸引排気する手段
と、芯収容部の間隙の少なくとも一ヶ所に他部よりも吸
引量が大きくなる吸引路とを備えて吸引手段による吸引
を安定化させるとともに、吸引手段は少なくとも点火時
或いは消火時に作動するように設定してあるので、芯収
容部の間隙の流路抵抗の変化によって起こる点火時の吸
引量の過大による白煙の発生や燃焼不良による臭気発
生、また吸引量の過小による臭気低減効果の低下を防止
し、最適な吸引量を安定的に確保することができるので
点火時の臭気を大幅に低減することができる。さらに消
火時においても同様に消火時の臭気も効果的に低減する
ことができる。以上の効果により芯上下式の燃焼装置の
快適性を大幅に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における燃焼装置の断面図、
第2図aは同燃焼装置の要部拡大断面図、第2図bは第
2図aのA−A線断面図、第3図は臭気の発生状況を示
す特性図、第4図a,b,cはそれぞれ本発明の他の実施例
における燃焼装置の要部断面図、第5図は従来の燃焼装
置の断面図である。 1……油タンク、2……芯案内筒、3……芯外筒、4…
…芯収容部、4a……吸引路、5……芯、9……燃焼筒、
10……吸引手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−119323(JP,A) 実開 昭62−52711(JP,U) 実開 昭61−204126(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯案内筒と芯外筒で形成される芯収容部を
    有した油タンクと、前記芯収容部に上下動自在に配設し
    た芯と、前記芯案内筒と前記芯外筒との上方に設けられ
    た燃焼筒と、前記油タンクの一部に設置され、前記油タ
    ンク内を介して前記芯収容部の間隙より燃料ガスを吸引
    排気する吸引手段と、前記芯収容部の間隙の少なくとも
    一ヶ所に他部よりも吸引量が大きくなる吸引路とを備え
    て前記吸引手段による吸引を安定化させるとともに、前
    記吸引手段は少なくとも点火時或いは消火時に作動する
    ように設定した燃焼装置。
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