JPH0150814B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は芯上下式の石油燃焼器に係るものであ
る。

従来例の構成とその問題点 一般に芯上下式石油燃焼器はその大きな欠点の
一つに消火後の臭気が強い事が挙げられている。
特に芯降下式の震動消火方式を採用するものは、
消火直後に芯から発生し続ける気化ガスの量が多
く、その多量の気化ガスが高温の燃焼筒内に流れ
込んで燃焼筒の熱により分解、酸化し、多量のア
セトアルデヒドや、ケトン類が生成される。その
ため特有の刺激臭が強く発生していた。

この対策の一つとして、消火直後に、芯からの
気化ガスを油タンク内に吸引して、気化ガスが燃
焼筒内を通過しないようにしたものが見られるよ
うになつて来た。

第６回、第７回はこのような石油燃焼器を示
し、１は油タンク、２は芯案内筒、３は芯外筒
で、４は芯外筒３と芯案内筒２によつて形成され
る芯間隙である。５は芯であり、芯間隙４内を上
下に芯上下機構６によつて駆動され、芯外筒３と
芯案内筒２との各々の上部に構成された外火皿
３′、内火皿２′に露出し、燃焼筒７内で着火燃焼
するようになつている。

８は小型電動機によつて回転するターボフアン
などからなるポンプで、油タンク１の上面に設け
た吸込口９上に設置され、消火時にこの吸込口９
を経て油タンク１内の空気を吸引するように配さ
れている。

１０は油タンク１にマリオツトビンの原理を応
用して油タンク１内に定油面を形成しつつ給油す
るカートリツジタンクである。

また油タンク１は、芯５が消火の状態となつた
時は、芯間隙４の他は殆ど気密となるように各々
の取着部分は構成されている。

以上の構成において、芯５を外火皿３′、内火
皿２′上に露出させて着火すると、燃焼筒７内で
燃焼し、それを赤熱させる等して採暖する。消火
時は、芯上下機構６によつて芯５を芯間隙４内に
降下させ、同時にポンプ８を作動させて油タンク
１内の空気を吸引排出する。これによつて油タン
ク１内は負圧となり、芯間隙４より空気が流入
し、芯５からの気化ガスもいつしよに油タンク１
内に引き込むこととなる。

この構成での問題点は、ポンプ８の取付位置
が、他の部品のレイアウトの関係で、芯５に近い
部位に配され、その結果気流ａで示すようにポン
プ８は芯間隙４内の気化ガスを濃度の高いまま吸
引排出する事で、濃い石油蒸気が器具周辺に排出
されて強い石油臭を放ち、衛生上も好ましくな
い。

発明の目的 本発明は上記問題点に鑑みてなしたもので、消
火時の石油臭気をも軽減することを目的としたも
のである。

発明の構成 本発明は上記目的を達成するためポンプ等の吸
引手段と芯間隙との間に遮蔽体を設け、芯間隙か
らの空気を油タンク内の比較的低温部を介して吸
引手段を吸込むようにしてある。

実施例の説明 以下その一実施例を第１回、第２回を用いて説
明すれば、１１は油タンク、１２は油タンク１に
立設した芯案内筒、１３は油タンク１１上に固定
した芯外筒、１４は芯案内筒１２と芯外筒１３と
によつて形成された芯間隙、１５はこの芯間隙１
４内に設けた芯で、芯案内筒１２、芯外筒１３の
各々の内火皿１２′、外火皿１３′の上方にその先
端が適寸露出されるようになつている、１６は芯
上下機構で、芯１５の上下動が行なえるように構
成してある。

１７は燃焼筒で、内火皿１２′、外火皿１３′上
に載置され、その内部で、混合、燃焼をなすよう
に構成されている。１８は油タンク１１上に固定
した吸引手段で、油タンク１１の吸込口１９より
油タンク１１内の空気を吸引排出するもので、こ
の実施例ではターボフアン等によつて構成し、芯
上下機構１６の消火動作に連動して作動し吸引す
るようにしてある。

２０はカートリツジタンクで、油タンク１１の
給油口部１１′にその一部を捜入し、消費分の油
を油タンク１１内に補給するようになつている。

２１は油タンク１１内の芯間隙１４と吸引手段
１８との間に設けた遮蔽手段で、この実施例では
一端開口を吸引手段１８の吸引口１９に接続した
Ｌ字形のパイプを用いて構成してあり、その他端
開口２１ａは油タンク１１の芯間隙１４の反対側
に開口するように配してある。

以上の構成において、芯上下機構１６を操作し
て芯１５を内火皿１２′、外火皿１３′上に適寸露
出し点火すれば、燃焼筒１７内に於て燃焼し採暖
が可能となる。

また消火に際しては、芯上下機構１６を逆方向
に操作する事によつて芯１５は芯間隙１４内に所
定の深さまで没入し、同時に吸引手段１８が作動
して吸込口１９から油タンク１１内の空気を吸引
排出する。

ここで上記吸引手段１８は芯間隙１４との間に
設けた遮蔽手段２１のため芯５と最も離れた部位
の空気を吸入するようになり、芯１５の先端から
発生して芯間隙１４より流下する高濃度の石油蒸
気は吸引手段１８へ直接吸引されるのを防止され
るようになる。すなわち芯間隙１４からの石油蒸
気は気流ｂのように油タンク１１内に拡散しつつ
油タンク１１の壁面遮蔽手段２１に接して結露し
たり、霧となつて降下しつつ移動して行く。した
がつて、石油蒸気の濃度は吸込口１９に達した時
には従来より非常に薄くなつており、吸引手段１
８から排出される石油蒸気の量は極めて少ないも
のとなる。

第３図〜第５図は他の実施例を示し、この実施
例では遮蔽手段２１として仕切板を用いたもので
ある。すなわちＬ字状に折曲した仕切板を第４図
のように配設してその上端を油タンク１１の内壁
上面に固着するとともに下端を油タンク１１の内
壁底面に当接させたもので、前記実施例のものと
同様の効果が期待できるものである。

なお上記各実施例では吸引手段１８をターボフ
アンからなるポンプで説明したが、吸引作用を有
するものであればこれに限られるものではなくど
のようなものであつてもよい。また遮蔽手段２１
も上記各実施例のものに限られるものではなく、
本発明の効果を発揮するものであればどのように
構成したものであつてもよい。

発明の効果 以上実施例の説明で明らかなように本発明によ
れば、消火時の刺激的な臭気の防止はもちろん、
濃度高い石油蒸気が原因で起る臭気も極めて少な
いものとすることができ、かつ衛生上の問題も低
減できる等、種々の利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における石油燃焼器
の断面図、第２図はその平面図、第３図は他の実
施例を示す断面図、第４図はその平面図、第５図
は第４図のＡ−Ａ線断面図、第６図は従来の石油
燃焼器の断面図、第７図はその平面図である。 １１……油タンク、１２……芯案内筒、１３…
…芯外筒、１４……芯間隙、１５……芯、１８…
…吸引手段、１９……吸込口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 芯案内筒と芯外筒とで形成される芯間隙を有
   した油タンクと、上記芯間隙内を上下動する如く
   配設した芯と、灯芯降下時に油タンク内を介して
   前記芯間隙の空気を吸引する吸引手段とを備え、
   かつ上記吸引手段と芯間隙との間には芯間隙から
   の空気を迂廻させて吸引手段に吸引させる遮蔽手
   段を設けた石油燃焼器。 ２ 遮蔽手段は、吸引手段の吸込口に一端を接続
   し、他端を芯間隙から遠く離れた油タンク内に開
   口させたパイプで形成したことを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載の石油燃焼器。 ３ 遮蔽手段は、上端を油タンクの内壁上面に取
   付た仕切板で形成したことを特徴とする特許請求
   の範囲第１項記載の石油燃焼器。