JPH0369557B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は縫製中の二重環縫ミシン等のルーパー
糸繰りカム周辺にある間隙内に、不測にルーパー
糸切断端部が落脱し、ルーパー糸繰りカムに巻き
付くことを防止するミシンのルーパー糸切断端部
の落脱巻付防止装置に関するものである。

「従来の技術」 従来、二重環縫ミシン等においては、１枚カ
ム、２枚カム、及び天秤方式等が開示されるとこ
ろであり、一般的には１枚カム、２枚カム等の方
式が多く採用されるところであり、この場合ルー
パー糸繰りカムの外側面に間隙を介在し、カムの
回転に支障なくするのが普通である。ところがル
ーパー糸が不測に切断することがあり、このよう
に糸切れを生じた場合、該ルーパー糸の切断端部
はルーパー糸繰りカムの回転により、ルーパー糸
繰りカムの左右と糸道取付板との間隙より落ち込
み、該糸繰りカムに巻き付き、この糸を取り除く
労力を要したものである。

尚実開昭59−108580号の如きものも開示さるゝ
次第であるが、該考案は天ビンカバー部に関する
ものであり、ルーパー糸繰りカム部分には関係な
く、「二重環縫ミシンのルーパー糸繰りカム周辺
にある間隙内に不測に生じたルーパー糸切断端部
の落脱巻付きの支障を解消する作用」を存するも
のでない。又特開昭49−118553号の如きものも開
示さるゝ次第であるが、該発明はカムの形状自体
を変更すると共に、カム外周と糸径路との関係も
特殊構成とする等、種々根本的変更を加えるもの
であり、本発明のように「カムの形状その他構成
上の根本的変更等をなさずして、簡易にルーパー
糸切断端部の落脱巻付きを防止する作用」を存す
るものではない。

更に実開昭58−40068号の如きものも開示さ
るゝ次第であるが、該考案は下糸に関するもので
あり、「ルーパー糸切断端が糸繰りカム側面の間
隙に落脱し巻付くことを防止する作用」を挙げる
ことはできない。

「発明が解決しようとする問題点」 二重環縫ミシン等においては、ミシン縫製中不
測にルーパー糸が切断した場合、糸道取付板と糸
繰りカムの左右の間隙より糸の切断端部が落ち込
み、糸繰りカムに巻付く等の大なる欠点があつ
た。

本発明はミシン縫製中に不測にルーパー糸が切
断することがあつても、前記間隙より糸切断端部
が落ち込んで糸繰りカムに巻き付くことのないミ
シンのルーパー糸切断端部の落脱巻付防止装置を
提供することを目的とする。

「問題点を解決するための手段」 この目的を達成するために、本発明は次のよう
な構成手段を取つている。

すなわち、前記カム両側面の間隙をカムの回転
に支障のない状態において糸保持材をもつて閉塞
し、糸の切断端が該間隙に落ち込んでカムに巻き
付いたりするスペースをなくすようにしたもので
ある。

「実施例並びにその作用」 本発明をその実施の一例を示した添付図面につ
いて詳説する。

１は下軸で、ミシンのフレームに挿嵌されてお
り、公知の駆動作用を行うものである。２は糸道
取付板で、後述のルーパー糸繰り調節器台７に２
本の止ネジ５，５で取付けられ、縫製中は前傾し
ている。３は糸繰り量調節糸道で、後述のルーパ
ー糸繰りカム６の左右に対称に設けたもので、そ
れぞれ前後方向に調節出来る長穴１３を穿設し、
止ネジ１２で糸道取付板２に取付けたもので、前
方に寄せるほど糸繰り量が大となるものである。
４は糸繰り制限板で、糸繰りを制限するもので、
糸道取付板２に突設し、糸通し長孔４ａを穿設し
たもので、後述の２枚のルーパー糸繰りカム６の
間に介在し、該ルーパー糸繰りカムの周縁に跨つ
た糸が下方に巻き込まれないための案内の役目を
する。６はルーパー糸繰りカムで、２枚のカム６
の間に前記糸繰り制限板４を配置し、ボス６ａを
第２図に示すように２個のルーパー糸繰りカム取
付ネジ２２で下軸１に固着したものである。７は
ルーパー糸繰り調節台で、ルーパー下糸繰り量調
節装置２３の基台となるもので、ミシンフレーム
へ取付けられている。８は後述の柔軟素材の挿入
穴で、糸道取付板２に貫通穴として貫設される。
９は糸保持材で、切断したルーパー糸切断端がル
ーパー糸繰りカム６と糸道取付板２の左右の間隙
より落ち込むことを防止するもので、モールのよ
うな柔軟素材を利用し、糸道取付板２に貫設され
た柔軟素材挿入穴８に、第４図に示すように取付
板２の上下面に亘つて接するように取付ける。１
０はルーパー糸で、第２図に示すようにルーパー
糸繰りカム６の周縁と糸繰り制限板４の内側の糸
通し長孔４ａとが交わる点が該カム６の回転中に
前後に移動することにより、糸繰り量が変化す
る。１１は下糸張力調節器で、ルーパー糸繰りカ
ム６に跨る糸や、ルーパーに至る糸に常に適当に
摩擦を与え、糸の通過に抵抗を加える役目をす
る。１４はルーパー糸道で、後述のルーパー１８
にルーパー糸１０を導くためのもので、ルーパー
糸道取付ネジ１５によりガイド軸ブツシユ１６に
取付けたものである。１８はルーパーで、該ガイ
ド軸ブツシユ１６先端にルーパー台取付軸１７を
取付け、該取付軸１７先端にルーパー台締付ネジ
２０でルーパー台１９を固着し、該ルーパー台１
９の先端にルーパー止めネジ２１によつて取付け
たものである。

本発明は以上のような構成で、ルーパー糸繰り
カム６の両側面は柔軟素材挿入穴８に取付けられ
た柔軟素材９、例えばモールのようなもので閉塞
されているから、不測にルーパー糸１０が切断す
るような場合があつても、糸道取付板２とルーパ
ー糸繰りカム６の外側面との間隙より該切断糸端
が脱落してルーパー糸繰りカムに巻付いたりする
ことがなく、切断糸端部を容易にもとの縫製状態
に戻すことができるものである。

「発明の効果」 本発明は、前記のように糸道取付板に柔軟素材
を固着し、ルーパー糸繰りカムと糸道取付板との
間に間隙をなくし、該間隙へのルーパー糸の落ち
込みを防止し、ルーパー糸がルーパー糸繰りカム
に巻き付く等の支障を防止することに成功したも
ので、効果顕著である。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本発明実施の一例を示すもので、第
１図は本装置要部の斜視図、第２図はその側面
図、第３図はその平面図、第４図は糸道取付板に
柔軟素材を固着した部分の側面図、第５図は糸繰
り制限板とルーパー糸繰りカムの位置を示す断面
図である。 １……下軸、２……糸道取付板、３……糸繰り
量調節糸道、４……糸繰り制限板、４ａ……糸通
し長孔、５……止ネジ、６……ルーパー糸繰りカ
ム、６ａ……ボス、７……ルーパー糸繰りカ調節
器台、８……柔軟素材挿入穴、９……柔軟素材、
１０……ルーパー糸、１１……下糸張力調節器、
１２……止ネジ、１３……長穴、１４……ルーパ
ー糸道、１５……ルーパー糸取付ネジ、１６……
ガイド軸ブツシユ、１７……ルーパー台取付軸、
１８……ルーパー、１９……ルーパー台、２０…
…ルーパー台締付ネジ、２１……ルーパー止ネ
ジ、２２……ルーパー糸繰りカム取付ネジ、２３
……ルーパー下糸繰り量調節装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ミシンにおける、ルーパー糸繰りカム６の外
   側面と糸道取付板２との間隙を閉塞する糸保持材
   ９を設けたことを特徴とするミシンのルーパー糸
   切断端部の落脱巻付防止装置。