JPS5911737Y2 - 糸巻きを使用するミシンの糸案内 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はオーバーロックミシン、環縫ミシン等糸巻き
を使用するミシンの糸案内に関する。

糸巻きを使用するミシンにおいては、糸は糸立棒に嵌挿
される糸巻きよりその軸方向上方に向って引出されたの
ち糸巻き上方の糸掛けを経由して下降し、糸調子器を通
過して針及びルーパーに送られる。

ここで糸巻きより引出される糸は糸巻きより螺旋状に外
れるため、伸長すると必然的に捩りを生ずるようになる
。

そこで糸調子器を通過する糸も捩りを伴っているが、こ
うした捩りを伴った糸が糸調子器を通過する際、すなわ
ち発条にて押圧される調子皿間を通過する際、糸はしご
かれて皿の入口付近に捩りが収縮し、蓄積するようにな
る。

多くの場合、捩りの収縮した部分は捩りの蓄積量の少い
うちに引張られて糸調子器を通過するが、問題はこの捩
りの蓄積した部分が上方の弛んだ糸を吸収して異常なル
ープを作ったり、もつれを生じ、この状態のま・調子皿
周縁の案内面を通して調子皿内に引すり込まれ、糸調子
器を通過してしまい、糸に所与の張力が掛らなくなって
しまうことにある。

糸調子器の前に弾力性のある一対の摺接体を取付けた糸
案内装置を設け、糸を該装置の摺接体間へ通すようにし
たものが実願昭５３−１９２２８号（実開昭５４−１２
３０５９号）により提案され、か・る装置によれば、糸
調子器に入る前の糸が扱かれて上述するような問題をあ
る程度解消することができるが、糸は同じ個所を高速で
長時間通るため摺接体、ことに糸が一方の側に偏して掛
け渡された状態となった摺接体側では摩耗がひどく、シ
かもクッション同志で糸を挾む構造のものでは糸に張力
が掛かり易くなり、糸調子器を出た糸に所与の張力以上
の張力がか・るようになり、また装置に糸を通す際には
蓋を開閉せねばならないうえ蓋を閉じたとき糸が所定の
窪み内に通されていないときには所定の窪みを通るよう
手直しをしなければならない不便さがある。

この考案は、糸の経路上に設けた糸案内に糸を一方向よ
り挿入するだけで通されるようにし、かつ該糸を挾む摺
擦体のうち、少くとも一方を硬質体として上記のような
欠点を解消したものである。

以下本考案の実施例を図面によって説明すると、図中、
１はミシンであり、その背後には糸立合（図示しない）
が設置され、糸立合には更に複数個の糸立棒２と支柱３
とを設けている。

４は上記糸立棒２に嵌挿される糸巻きであり、５は支柱
３上端部に取着されるガイドワイヤである。

一方ミシン前面には本考案に係る単糸用並びに二本糸用
の糸案内（詳細は後述する）と糸調子器６及び糸掛７が
示されており、数個のうちのーの糸巻き４より繰出され
る糸は糸巻き上方のガイドワイヤ５を通して単糸用糸案
内、糸調子器６及び糸掛７に掛けられたのち図示しない
上計に送られるとともに他の糸巻きより繰出される糸は
二本糸用の糸案内を通して図示しない糸張力調節装置を
介してルーパーに送られる。

次に第２〜４図に示す単糸用の糸案内について説明する
と、１０は硬質の板体を台形に形或した筐体であり、上
面並びに両側の稜部に互って穿設される一状の切込み溝
１１により舌片１２を形或し、かつｌ状切込み溝の一側
は先端に向って下向きに僅かれ傾斜する舌片１２に沿う
べく形威される（第２図参照）。

また筐体１０一側にはミシン前面に穿設される横孔（図
示しない）に嵌挿してミシン内部のフレームに取着され
る取着部１３を下向きに突出形或している。

１４は上記筐体１０に挿入される樹脂製の長方形シート
であり、その表面には短繊維を植毛したような無数の突
起１５が一体形威される。

なお、この樹脂製シートはゴム製繊維質その他の材質と
することができ、またシートと一体形威される突起も植
毛若くは織込み等により形或したものであってもよい。

１５は発泡ウレタンのような多孔質の弾性体で、上記シ
一ト１４に続いて筐体１０に挿入される。

そして筐体の取着部１３を上記ミシン前面の横孔に嵌挿
してフレームに取着し、筐体がミシン前面に装着された
のちはミシン前面により圧縮し、上記シー１・１４を舌
片１２に弾接させる。

次に第５，６図に示す二本糸用糸案内について説明する
と、この糸案内は前述の単糸用糸案内が左右対称に配置
されるよう構或したもので、台形に形或した筐体２０の
上面及び両側の稜部に亙って穿設の工状の切込み溝２１
により一対の舌片２２，２２を左右対称に形或し、しか
も筐体一側にはミシンフレームに取着する取着部２３を
突出形或するとともに他側には両側部において、側板下
端より上向きに屈折して該側板と重合し、先端部を切込
み溝２１の長溝端近辺より上向きにかつ溝端に向って傾
斜させた糸掛け指片２４ ，２４を形威している。

また上記長溝の中央部は第５図に示すように下向きに僅
かに傾斜する一対の舌片２２ ，２２に沿って凹状に形
威される。

そしてこの筐体２０には前述の単糸用糸案内と同様、前
述のシ一ト１４並びに弾性体１５が順次挿入されるよう
になっている。

これら糸案内への糸掛けは、単糸用の糸案内については
切込み溝１１を通して舌片１２とシー１〜１４間に挿通
させることによって行い、また二本糸用の糸案内につい
ては舌片２２とシート１４間に挿通させた糸を更に長溝
端の糸掛け指片２４に掛けることによって行う。

こうして糸案内を通過する糸はシートと舌片を通る間に
抜かれ、捩れて曲がった糸が矯正されるとともに糸案内
と糸調子器間の糸の弛みが除去される。

このため糸調子器の直前にある程度の捩れが蓄積されて
もループやもつれを形戊することはない。

なお、糸案内を通過する際、糸には多少の張力が掛るが
、この張力は単に糸が突起間を通過するのみで発生する
もので僅かであり糸調子器の張力調節に左程影響を与え
ることはない。

以上のように従来糸巻きより糸調子器に至るまでフリー
に送られていた糸が糸調子器によって急激にしごかれる
結果、収縮した捩れが糸の弛みを吸収して生じていた糸
のループやもつれを本考案に係る糸案内を通すことによ
って生じさせないようにしたもので、この糸案内では対
をなす摺擦体のうち、少くとも一方は硬質体であるから
、その分クッション間に糸を通すものと比べ摩耗しにく
く、また糸に掛る張力が小となり、糸調子器を出た糸に
所与の張力がか）るようになるほか、糸は一方向に操作
するだけで糸案内に通すことができるため糸通しがきわ
めて簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る糸案内を装着したミシンの斜視図
、第２図は単糸用糸案内の分解側面図、第３図は同正面
図、第４図は同縦断面図、第５図は二本糸用糸案内の側
面図、第６図は同正面図である。 ４・・・・・・糸巻き、６・・・・・・糸調子器、１０
・・・・・・筐体、１１・・・・・・切込み溝、１２・
・・・・・舌片、１３・・・・・・取着部、１４・・・
・・・シート、１５・・・・・・弾性体、２０・・・・
・・筐体、２１・・・・・・切込み溝、２２・・・・・
・舌片、２３・・・・・・取着部、，２４・・・・・・
糸掛け指片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 糸立合と、糸立台より直立する糸立棒２及び支柱３と、
   糸立棒に嵌挿した糸巻４の上方に位置する支柱３に取着
   の糸掛け５とを有し、糸巻きより軸方向上方に向って繰
   出される糸は上記糸掛け５を経由して糸調子器６に送ら
   れるようになっているミシンにおいて、ミシンに取着さ
   れ、一面に切込溝１１．２１により上記糸掛け５と糸調
   子器６との間の糸経路と交差する舌片１２，２２を形或
   した硬質の筐体１０．２０と、該筐体内に装着されて上
   記舌片に軽く弾接し、該舌片との間で糸を挾んで該糸を
   扱く作用を行い、かつ一端が舌片先端より切込溝を越え
   て伸びる摺擦体とよりなり、糸を舌片先端に隣接する切
   込溝に当てがい舌片をくぐらせるようにして一方向に引
   張ることにより舌片と摺擦体との間に糸が通されるよう
   になっている糸巻きを使用するミシンの糸案内。