JPH0369488B2 - - Google Patents

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JPH0369488B2
JPH0369488B2 JP57161300A JP16130082A JPH0369488B2 JP H0369488 B2 JPH0369488 B2 JP H0369488B2 JP 57161300 A JP57161300 A JP 57161300A JP 16130082 A JP16130082 A JP 16130082A JP H0369488 B2 JPH0369488 B2 JP H0369488B2
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JP
Japan
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fat
oil
acid ester
less
bread making
Prior art date
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JP57161300A
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English (en)
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JPS5951742A (ja
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Hiroshi Edo
Toshihiro Hayashi
Akio Fukawa
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Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
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Publication date
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Priority to JP57161300A priority Critical patent/JPS5951742A/ja
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【発明の詳細な説明】
本発明は製パン用の流動状油脂組成物に関する
ものである。さらに詳しくは、品質のよいパンを
製造するのに適した、乳化剤を含有した流動状油
脂組成物に関するものである。 従来から製パン用の油脂としては、マーガリ
ン、シヨートニングが多量に使用されてきている
が、そのほとんどは急冷捏和法により製造された
可塑性油脂である。 しかし、この可塑性油脂はその取扱いがパンの
大量連続製造等、合理化を進める上で大きな障害
となつており、品質のよいパンを製造することが
でき、かつポンプでの移液等いわゆるバルクハン
ドリングが可能な流動性を保有した製パン用油脂
の開発が望まれている。 いうまでもなく製パン用の油脂としては適度の
稠度をもつた従来の可塑性シヨートニング、マー
ガリンが物性的には最も効果的であり、これは微
細な油脂の結晶が適度の量存在していることによ
つてパン生地への伸展性がすぐれており、こね上
げの際グルテン膜の表面に単分子膜状に伸展し、
良好なグルテン膜を形成させる働きをするためで
あるとされている。製パン用の油脂を流動状にす
る場合に重要なことはこの生地膜への伸展性を失
なわせることなく流動化することである。 また、グリセリン脂肪酸エステルに代表される
乳化剤がパンのボリユームの増大、老化防止等品
質の改善に大きな効果があり、製パン用の油脂に
添加されてきていて、これらの乳化剤を流動状油
脂に配合する試みもなされてきている。すなわ
ち、液状油、極度硬化油、モノ、ジグリセライド
等を溶解混合し冷却して結晶を析出させたものと
液状油を混合撹拌冷却する方法とか、またモノグ
リセライドを混合して加温溶解した油脂をゆるや
かに冷却して結晶を析出させたものを数時間撹拌
処理を行つて流動状のシヨートニングを得る方法
等が提案されている。 しかしながら、これらの製造法によるものは、
高い融点を示すモノグリセリドの存在のために油
脂組成物の粘度が高くなりやすく、またたとえ流
動状に製造できたものでも経日的には結晶の成
長、結合による増粘、液相と固相の比重差による
沈澱が起り、十分なものではなかつた。また、そ
のものの製造の工程が複雑な手順を含み手間と時
間を要し非常に面倒なものであつた。 本発明者らは、長期に安定な流動性を保有し、
かつすぐれた品質のパンを製造しうり製パン用流
動状油脂組成物を得るべく鋭意検討を行つた結
果、加温融解した油脂を冷却し結晶を析出せしめ
る前もしくは一定量以下の結晶を析出せしめたの
ち、一定の大きさ以下の粒径の粉末状のグリセリ
ン脂肪酸エステルを添加混合し、さらに冷却する
などして結晶を析出せしめるという簡単な方法に
よつて、添加した粉末状のグリセリン脂肪酸エス
テルは通常製パン改良効果が小さいとされている
β型結晶であるにもかかわらず、グリセリン脂肪
酸エステルを含有した可塑性油脂に劣らない製パ
ン改良効果を有した流動性油脂組成物が得られる
ことを見出し、本発明に至つた。 本発明の目的は長期に安定な流動性を保有し、
かつすぐれた品質のパンを製造しうる製パン用の
流動状油脂組成物を提供することにある。 本発明は、加温融解した油脂を40℃以下に冷却
し、多くともトリグリセリドの固体指数が0.5を
示すまで結晶を析出せしめる前に、大部分の粒径
が200μ以下である粉末状グリセリン脂肪酸エス
テルを添加混合し、さらに必要ならば冷却を行
い、トリグリセリドの固体脂指数が0.5〜3を示
すまで結晶を析出せしめて得られる製パン用流動
状油脂組成物である。尚、上記の固体脂指数
(Solid fat index)は、全体の油脂の中の固体脂
の百分率で示される値であつて、温度によつて変
動する値である。 本発明で用いられる油脂としては、天然の動植
物油及びそれらの水素添加、異性化、エステル交
換、分別等の処理をほどこして得られる油脂の単
独または混合物があげられるが、好ましくは常温
で液体を呈する油脂を主体としそれに常温で固体
を呈する油脂を少量混合したものである。上記油
脂は固体脂指数が25℃で2未満、20℃で10未満で
あるものが好ましい。 また、本発明で用いられる大部分の粒径が
200μ以下である粉末状グリセリン脂肪酸エステ
ルとは、通常乳化剤として製パンに用いられるモ
ノグリセライド、ジグリセライド、ジアセチル酒
石酸モノグリセライド、こはく酸モノグリセライ
ドを大部分の粒径が200μ以下の粉末状に加工し
たものであり、好ましくは粒径が200μ以下のも
のの重量比が75%以上のものである。粒径が
200μ以上のものを25%以上含む場合は沈澱する
ことがある。これらの乳化剤の結合脂肪酸として
は、通常炭素数14以上の飽和脂肪酸があげられ、
好ましくはステアリン酸、ポルミチン酸である。 上記粉末状グリセリン脂肪酸エステルの配合比
率は特に規定されないが、製パン効果及び適度な
流動性を保たせるという見地からは、好ましくは
油脂に対して0.5〜5重量%である。 本発明の製パン用流動状油脂組成物は次の方法
で得られる。 まず、油脂を加温融解し、これをタンク中で冷
却する。冷却の方法は特に規定されず、タンクに
設けられたジヤケツトに冷水を通す方法、ボテー
ター、コンビネーター等のかき取式急冷装置また
はプレート式急冷装置に油脂を導き、冷却された
油脂をタンクに撹拌しながら戻す方法、或いは、
かき取式急冷装置またはプレート式急冷装置によ
つて冷却された油脂を別のタンクに入れる方法等
があり、これらの方法を単独もしくは組合わせて
用いる。また、冷却の程度は、油脂を40℃以下に
まで冷却するが、多くともトリグリセリドの固体
脂指数が0.5を示すまでの結晶を析出せしめる前
までとする。油脂を40℃以下にまで冷却しない
と、後で加える粉末状グリセリン脂肪酸エステル
の一部が溶解し、得られる製パン用流動状油脂組
成物の流動性を悪化させる。また冷却をトリグリ
セリドの固体脂指数が0.5を越えるまで行うと、
微粉末状であるグリセリン脂肪酸エステルを核と
する油脂結晶のネツトワークの形成が阻止され、
得られる製パン用流動状油脂組成物の製パン性能
が低下してくる。 次に、この冷却された油脂に、大部分の粒径が
200μ以下である粉末状のグリセリン脂肪酸エス
テルを加えるが、この際タンクを十分に撹拌しな
がら加える。粉末状グリセリン脂肪酸エステルを
油脂の結晶と十分に混合させ、必要ならば冷却を
行い、攪拌を行いながら油脂中のトリグリセリド
の固体脂指数が0.5〜3を示すまで結晶を析出せ
しめて本発明の製パン用流動状油脂組成物を得
る。この製パン用流動状油脂組成物は長期に液相
と固相の分離が起らず、また良好な流動性を保つ
ものである。 本発明の流動状油脂組成物には、通常製パン用
の油脂組成物に加えられる他の成分を本発明の効
果を阻害しない範囲で加えてもよい。 本発明の製パン用流動状油脂組成物は、高い融
点を示す乳化剤の存在による流動性の低下および
経日的な液相、固相の分離を防止したものであ
り、長期に安定な流動性を保有し、かつすぐれた
品質のパンを製造しうるものである。 次に実施例及び比較例によつて本発明を更に詳
しく説明する。 実施例 1 上昇融点23℃のパーム軟質油3680Kgと上昇融点
45℃のナタネ硬化油200Kgとを容量5m3の配合槽
内で60℃まで加温溶解した後、配合槽内の油脂の
撹拌を続けながら油脂を1分間に80Kgの速度で急
冷捏和装置に通し、22℃まで急冷し、リターンラ
インで配合槽内に戻しつつ撹拌し、配合槽内の油
脂の温度が26℃となつた時点で急冷捏和装置を停
止した。この時点で配合槽内の油脂の固体脂指数
は0.2であつた。しかる後に粒径が200μ以下のも
のを80%以上含む粉末状グリセリンモノ脂肪酸エ
ステル(結合脂肪酸;ステアリン酸65%、パルミ
チン酸25%)120Kgを投入し、その後2時間撹拌
を続け結晶を析出せしめ不透明な製品を得た。本
製品中のトリグリセリドの固体脂指数は2.5であ
つた。 実施例 2 上昇融点23℃の大豆硬化油2920Kgと上昇融点45
℃のパーム硬化油200Kgと大豆油800Kgを容量5m3
の配合槽内で60℃まで加温溶解した後、配合槽内
の油脂の撹拌を続けながらプレート式冷却機を用
いて配合槽内の油脂の温度が26℃になるまで冷却
した。この時点で配合槽内の油脂の固体脂指数は
0であつた。しかる後に粒径が200μ以下のもの
を80%以上含む粉末状グリセリンモノ脂肪酸エス
テル40Kgと粒径が200μ以下のものを80%以上含
むジアセチル酒石酸モノグリセリド40Kgを投入
し、その後更にプレート冷却を続けながら撹拌を
続け、25℃で冷却を停止した後、2時間撹拌を続
け結晶を析出せしめて不透明な製品を得た。本製
品中のトリグリセリドの固体脂指数は2.5であつ
た。 比較例 1 上昇融点24℃のパーム軟質油3700Kgと上昇融点
45℃の大豆硬化油200Kgを容量5m3の配合槽内で
加温溶解後、配合槽内の油脂の撹拌を続けながら
油脂を1分間に80Kgの速度で急冷捏化装置に通
し、17℃まで急冷し、リターンラインで配合槽に
戻しつつ撹拌し、配合槽内の油脂の温度が22℃と
なつた時点で急冷捏化装置を停止させ、十分に結
晶を析出せしめた。この時の固体脂指数は、1.1
であつた。しかる後に粒径が200μ以下のものを
80%以上含む粉末状グリセリンモノ脂肪酸エステ
ル100Kgを投入し、10分間撹拌して均一に分散さ
せ、不透明な製品を得た。この時の固体脂指数
は、3.0であつた。 比較例 2 上昇融点23℃のパーム軟質油3680Kgと上昇融点
45℃大豆硬化油200Kgとグリセリンモノ脂肪酸エ
ステル120Kgとを容量5m3の配合槽内で80℃に加
温溶解した後、配合槽内の油脂の撹拌を続けなが
ら油脂を1分間に80Kgの速度で急冷捏化装置に通
し、16℃迄冷却し、リターンラインで配合槽に戻
しつつ撹拌し、配合槽内の油脂の温度が24℃とな
つた時点で急冷捏化装置を停止させ、十分に結晶
を析出させ、不透明な製品を得た。この時の固体
脂指数は、2.0であつた。 実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2で
それぞれ得られた製品の製造直後及び製造7日後
の物性及び状態の測定結果は次の表に示す通りで
あつた。
〔製パン工程〕
●中種 混 捏:ホバートミキサー C−100型 L3′ 捏上温度:24℃ 醗酵時間:4時間 ●本捏 混 捏:ホバートミキサー C−100型
L1′M2′H3′M1′H3′ 捏上温度:28℃ フロアータイム:30分 ●配合
【表】
【表】 ●生地分割重量:450g ●ベンチタイム:20分 ●成型:インターナシヨナルシーターモルダー使
用 ロール間隙3/8、1/4、1/8インチ各1回通
し ●形 :ワンローフ型 ●ホイロ:生地頂部がパン型の上端より2cm高く
なるまで、58〜63分 ●焼成:220℃、23分 〔結果〕
【表】
【表】 した。
以上に示す通り、実施例1及び2で得られた本
発明の油脂組成物は20℃以上の温度範囲にわたり
流動性があり、これを用いたパンは可塑性シヨー
トニングを用いたパンと比較しても焼色、キメ、
ツヤ等良好で、また老化程度も遜色ない優れたも
のであつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 加温融解した油脂を40℃以下に冷却し、多く
    ともトリグリセリドの固体脂指数が0.5を示すま
    での結晶を析出せしめる前に、大部分の粒径が
    200μ以下である粉末状グリセリン脂肪酸エステ
    ルを添加混合し、さらに必要ならば冷却を行い、
    トリグリセリドの固体脂指数が0.5〜3を示すま
    で結晶を析出せしめて得られる製パン用流動状油
    脂組成物。 2 粉末状グリセリン脂肪酸エステルの添加量が
    油脂に対して0.5〜5重量%である特許請求の範
    囲第1項記載の製パン用流動状油脂組成物。 3 使用する油脂の固体脂指数が25℃で2未満、
    20℃で10未満である特許請求の範囲第1項記載の
    製パン用流動状油脂組成物。 4 粉末状グリセリン脂肪酸エステルがグリセリ
    ンモノ脂肪酸エステルおよびグリセリンジ脂肪酸
    エステルである特許請求の範囲第1項記載の製パ
    ン用流動状油脂組成物。
JP57161300A 1982-09-16 1982-09-16 製パン用流動状油脂組成物 Granted JPS5951742A (ja)

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