JPH036834Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、リザーバをエンジン等の固定部に取
付けるリザーバの取付装置に関する。

〈従来の技術〉 従来、自動車等においては各種オイルを貯溜す
るリザーバは、取付装置を利用してエンジンルー
ム内に取付けられている。この取付装置として
は、支持プレートとクランププレートよりなり、
このクランププレートにリザーバを溶接した状態
で前記支持プレートならびにクランププレートの
各円弧状わん曲部間で挟持する構成となつてい
る。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかるに最近では配管の取回しあるいはスペー
ス上の問題よりリザーバをエンジンに直接固定す
る必要が出てきているが、上記従来の取付装置に
よると、エンジンの振動が支持プレートを介して
直接リザーバに伝わり、リザーバが一緒になつて
振動し、これによつて支持プレートに繰返し荷重
が作用して破損するなどの強度上の問題が発生し
たり、またリザーバ内のオイルがあふれ現象を生
じて外部へオイル洩れを生じたりする問題があつ
た。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案はかかる従来の問題を解決するためにな
されたものであり、支持プレートならびクランプ
プレートの各延出部間をねじ部材にて連結し、こ
のねじ部材に支持プレートならび前記クランププ
レートの両者を互いに離間させる方向に撥力を付
与するスプリングを介装し、かつ支持プレートの
円弧状わん曲部のリザーバが接する側にクツシヨ
ン材を介挿するようにしたものである。

〈作用〉 本考案は、上記構成を備えているため、エンジ
ン等振動源からの振動が支持プレートに伝達され
るが、この振動はクツシヨン材とスプリングによ
つて吸収され、リザーバへの振動伝達は阻止され
る。このため、リザーバの振動防止はもちろんの
こと、支持プレートに対して過大な負荷が作用し
なくなり、支持プレートの破損を防止できるとと
もに、リザーバ内でのオイルのあふれ現象も防止
できる。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図および第２図に示すように本考案の取
付装置は、支持プレート１０と、クランププレー
ト２０を主要構成要素としており、この各プレー
ト１０，２０間に自動車等の各種オイルを貯蔵す
る円筒形状の金属製リザーバ３０が挟持されてい
る。

前記支持プレート１０は、前記リザーバ３０の
外周に適合する円弧状わん曲部１１と、この円弧
状わん曲部１１の外方に屈曲延出する延出部１
２，１３と、エンジン等の固定部５０に固定され
る取付部１４，１５とを有し、この延出部１２，
１３には挿通穴１６が形成され、また取付部１
４，１５には貫通穴１７が形成されている。

一方クランププレート２０は、同じく円弧状わ
ん曲部２１と、延出部２２，２３とを有し、この
円弧状わん曲部２１と、前記リザーバ３０が溶接
付け２７され、また延出部２２，２３には挿通穴
２４が形成されている。

そして、この支持プレート１０ならびにクラン
ププレート２０を相互に若干の遊びがある状態で
連結するために、前記延出部１２，２２間ならび
に延出部１３，２３間に介挿されるスプリング４
０，４０と、前記挿通孔１６，２４に挿通される
ねじ部材６０と、これに螺合するナツト６１とが
用意されている。

また、支持プレート１０の円弧状わん曲部１１
とリザーバ３０の間には、ゴムプレート等からな
るクツシヨン材７０が介挿され、さらに支持プレ
ート１０の取付部１４，１５と固定部５０は、ゴ
ムブシユ等からなる弾性スリープ７２を介して締
付ボルト８０で固定して取付けられる。

かかる取付装置を利用してリザーバ３０をエン
ジン５０に取付けるには、先ず貫通穴１７にゴム
ブシユ等の弾性スリーブ７２を装着してなる支持
プレート１０と、わん曲部２１にリザーバ３０を
溶接付け２７してなるクランププレート２０をそ
れぞれ用意し、そしてリザーバ３０と前記支持プ
レート１１との間にクツシヨン材７０を介挿した
状態で両者を対向させ、その後延出部１２，２
２，１３，２３間にそれぞれスプリング４０，４
０を介挿した状態で挿通穴１６，２４にねじ部材
６０を挿通し、さらにナツト６１を締付けること
で、リザーバ３０はスプリング４０の作用により
若干の遊びをもつて取付けられる。

その後このリザーバ３０をエンジンルーム内に
運び、そして前記弾性スリープ７２内に締付ボル
ト８０を挿通して締付けることでエンジン５０へ
の取付けが完了する。

この取付状態において、前記支持プレート１０
は弾性スリープ７２を介してエンジン５０に取付
られているため、エンジン５０の支持プレート１
０への振動伝達は極力抑制される。

さらにクランププレート２０と、支持プレート
１０との間にはスプリング４０が介挿されている
ため、前記支持プレート１０の振動はこのスプリ
ング４０の振動吸収作用によりクランププレート
２０を経由したリザーバ３０への伝達が抑制され
る。さらに、支持プレート１０とリザーバ３０と
の間にクツシヨン材７０が介挿されているため、
支持プレート１０の振動は、クツシヨン材７０の
振動吸収作用により直接支持プレート１０の円弧
状わん曲部１１からリザーバ３０への伝達が抑制
され、リザーバ３０への振動伝達が阻止される。
従つて重量の重いリザーバ３０が共振して支持プ
レート１０に過大な負荷を作用させるといつた問
題はなくなり、またリザーバ３０内でのオイルの
あふれ現象も防止できる。

〈考案の効果〉 以上述べたように本考案は、支持プレートなら
びにクランププレートの各延出部間をねじ部材に
て連結し、このねじ部材に前記支持プレートなら
びクランププレートの両者を互いに離間させる方
向に撥力を付与するスプリングを介挿し、かつ支
持プレートの円弧状わん曲部のリザーバが接する
側にクツシヨン材を介挿した構成であるため、エ
ンジン等振動源からの振動が支持プレートに伝達
されても、支持プレートからクランププレートを
経由したリザーバへの振動伝達はスプリングの振
動吸収作用により抑制され、また直接支持プレー
トの円弧状わん曲部からリザーバへの振動伝達は
クツシヨン材の振動吸収作用により抑制され、リ
ザーバへの振動伝達は阻止される。このため、リ
ザーバの振動防止はもちろんのこと、支持プレー
トに対して過大な負荷が作用しなくなり、支持プ
レートの破損を防止できるともに、リザーバ内で
のオイルのあふれ現象も防止できる利点を有す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
本考案装置の正面図、第２図は第１図の−線
断面図である。 １０……支持プレート、２０……クランプレー
ト、４０……スプリング、６０……ねじ部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リザーバを挟持する支持プレートならびクラン
   ププレートよりなり、この支持プレートには円筒
   状のリザーバの外周を保持する円弧状わん曲部
   と、この円弧状わん曲部より外方に屈曲延出する
   延出部と、固定部に取付ける取付部とが形成さ
   れ、前記クランププレートには前記リザーバの外
   周を保持する円弧状わん曲部と、この円弧状わん
   曲部より屈折延出する延出部とが形成されたリザ
   ーバの取付装置において、前記支持プレートなら
   び前記クランププレートの各延出部間をねじ部材
   にて連結し、このねじ部材に前記支持プレートな
   らび前記クランププレートの両者を互いに離間さ
   せる方向に撥力を付与するスプリングを介挿し、
   かつ前記支持プレートの前記円弧状わん曲部の前
   記リザーバが接する側にクツシヨン材を介挿した
   ことを特微とするリザーバの取付装置。