JPS6126615Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、吸気マニホールドとシリンダヘツド
との間にそれぞれ互いに連結されるフランジ部を
有するラバー等の可撓性連結体が静的歪を付加さ
れて取りつけられていることを特徴とすると吸気
マニホールドを有するシリンダブロツクに関す
る。

従来の技術 従来、吸気マニホールドとシリンダヘツドとの
接合部において、ガスケツトを隔てた締付ボルト
またはナツトの締付力の低下を防止し、かつ騒音
低減のために、第１図に示すような構造のフロー
テイング取付装置が知られている。

第１図に関して説明すると、吸気マニホールド
フランジ１はガスケツト３を介してシリンダヘツ
ド２に連結され、シリンダヘツド２にボルト４が
植立されており、さらにボルト４にはナツト７が
螺入されており、ナツト７と吸気マニホールドフ
ランジ１との間にはボルト４のステムにバネ５が
嵌められている。図中、番号６はワツシヤであ
る。この構造では、シリンダヘツド２からマニホ
ールドに与えられる振動を減衰させるためにガス
ケツト３を軟質にしなければならず、このため十
分な締付力が得られず、しかも振動の減衰を適当
に保つために締付力の管理に注意しなければなら
なかつた。

そこで、第２図に示すように、上記欠点を解決
するために、吸気マニホールドとシリンダヘツド
とを両端フランジ１２付きの防振ゴム等の可撓性
連結体を介してフローテイング状態に連結する吸
気マニホールドのフローテイング取付装置が提供
された。しかし、このものは、吸気マニホールド
をシリンダヘツドに取りつける際、防振ゴム部に
静的歪がかけられないため、防振ゴムの耐久性が
悪く、エンジン整備時に吸気マニホールド部に足
等をのせた際に生じる人為的外力による防振ゴム
の変位を規制できないという欠点があつた。

また、排気マニホールドに固定された排気口と
連通する排気路を形成する連結管と、この連結管
の外周に位置し上記排気マニホールド側に固定さ
れた第１の固定部材と、この第１の固定部材と対
応するように排気管の端部に固定された第２の固
定部材と、これら第１と第２の固定部材との間に
設けられた振動吸収用の耐熱性弾性体とを具備し
た排気管可動式接手が実開昭49−150721号として
提案され、円筒部と、この円筒部の後端に形成さ
れたフランジ部とを有する取付部材の前記円筒部
を、防振材を介して吸気管の端部に嵌合固着し、
前記取付部材のフランジ部をシリンダヘツドの吸
気孔端部に固定することによつて、吸気管をシリ
ンダヘツドに対して浮動的に支持した内燃機関の
吸気管取付け装置が実開昭49−42311号として提
案されているが、これらのものも振動吸収用の耐
熱性弾性体及び防振材に適正な値の静的歪がかけ
難いものであつた。

さらに、ゴム状弾性体の対向する両端面に支持
板を接着し、該支持板には同一外側方に突出する
突出部を設け、その突出した両端部に間隔保持具
を着脱自在に配置した防振ゴム台が、実公昭40−
36410号として提案されているが、このものは、
一方の支持板の振動が間隔保持具を介して他方の
支持板に伝えられ、防振性をそこなうおそれがあ
つた。

考案が解決すべき問題点 本考案は、前記の欠点を排除し、防振ゴム等の
可撓性連結体を介在した吸気マニホールドとシリ
ンダヘツドとを、ラバーグロメツト及びスペーサ
ーを用いて、防振ゴム等の可撓性連結体に適正な
値の静的歪を付加して圧着することにより、吸気
マニホールドへの振動の伝達を減少して騒音発生
を押さえると共に、連結体の耐久性を高め、変位
を規制できることを特徴とする吸気マニホールド
を有するシリンダブロツクを提供することを目的
とするものである。

問題点を解決するための手段 本考案の吸気マニホールドを有するシリンダブ
ロツクは、吸気マニホールドとシリンダヘツドと
の間にラバー等の防振材からなる可撓性連結体が
配置された吸気マニホールドを有し、前記連結体
の両端部にフランジ部を形成して前記吸気マニホ
ールドと前記シリンダヘツドとにそれぞれ連結さ
せると共に、別に前記吸気マニホールドに設けた
取付孔に、該孔の内面に適合するラバーグロメツ
トを挿入し、さらにこのラバーグロメツト内にス
ペーサーを挿通し、前記スペーサー及びラバーグ
ロメツトを介してボルトをシリンダヘツドに螺合
して、前記吸気マニホールドを前記シリンダヘツ
ドに圧着したことを特徴とする構成を有する。

実施例 以下、第３図から第５図を参照にして、本考案
の実施例を詳述する。

本考案による吸気マニホールドを有するシリン
ダブロツクが番号８によつて全体的に示されてい
る。吸気マニホールドを有するシリンダブロツク
８は、吸気マニホールド９とシリンダヘツド１０
との間にラバー等の防振材からなる可撓性連結体
１１が設けられたものであり、さらに、前記連結
体１１を介在した吸気マニホールド９とシリンダ
ヘツド１０を、ラバーグロメツト１４及びスペー
サー１５を用いてボルト１６にて緊締圧着したも
のである。連結体１１は、第２図に示されるよう
に、その両端部にそれぞれフランジ部１２を有し
ており、一方のフランジ部１２が吸気マニホール
ド９のフランジ部にボルト１７にて緊締されてお
り、他方のフランジ部１２がシリンダヘツド１０
にボルト（図示せず）にて緊締される。

吸気マニホールド９には下部を小径にした取付
孔１３を設け、取付孔１３の内面に適合してラバ
ーグロメツト１４を挿入し、さらにこのラバーグ
ロメツト１４内にスペーサー１５を挿通し、シリ
ンダヘツド１０にスペーサー１５及びラバーグロ
メツト１４を介してスペーサー１５の下端がシリ
ンダヘツド１０の上端に接するまでボルト１６に
て緊締する。吸気マニホールド９の取付孔１３に
は、スペーサー１５の外側にテーパー部を有する
ラバーグロメツト１４が嵌入されている。１８は
座金、１９はばね座金、２０，２０はガスケツト
である。

考案の効果 本考案の吸気マニホールドを有するシリンダブ
ロツクは、以上の構成であるから、きわめて簡単
な構造であり、従来のもののように締付ボルトや
ナツトの締付力を低下させることがなく、しかも
騒音を低減でき、生産性も良く、かつ、スペーサ
ーの下端がシリンダヘツドの上端にあたるまでボ
ルトを締付けるという単純な動作により、手加減
を要することなく、ラバーグロメツトの大径部と
小径部との間に加えられる力によつて吸気マニホ
ールドはシリンダヘツドに向けて押圧され、防振
材に静的歪が与えられる。

そして、この請的歪はスペーサーの高さにより
適当な値とすることができるため、防振ゴムの耐
久性を高めることができる。さらに、スペーサー
と吸気マニホールド取付孔の間にラバーグロメツ
トが介在されているため、吸気マニホールドの人
為的外力による防振ゴムの変位の規制と共にシリ
ンダブロツクの振動の吸気マニホールドへの伝達
を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の吸気マニホールドのフローテ
イング取付装置を示す要部の概略側面図、第２図
は、連結体の斜視図、第３図は、本考案の吸気マ
ニホールドを有するシリンダブロツクの概略側面
図、第４図は、第３図の要部のＡ矢視図、第５図
は、第４図のＢ−Ｂ線断面図である。 ９……吸気マニホールド、１０……シリンダヘ
ツド、１１……連結体、１２……フランジ部、１
４……ラバーグロメツト、１５……スペーサー、
１６……ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸気マニホールドとシリンダヘツドとの間にラ
   バー等の防振材からなる可撓性連結体が配置され
   た吸気マニホールドを有するシリンダブロツクに
   おいて、前記連結体の両端部にフランジ部を形成
   して前記吸気マニホールドと前記シリンダヘツド
   とにそれぞれ連結させると共に、別に前記吸気マ
   ニホールドに設けた取付孔に、該孔の内面に適合
   するラバーグロメツトを挿入し、さらにこのラバ
   ーグロメツト内にスペーサーを挿通し、前記スペ
   ーサー及びラバーグロメツトを介してボルトをシ
   リンダヘツドに螺合して、前記吸気マニホールド
   を前記シリンダヘツドに圧着したことを特徴とす
   る吸気マニホールドを有するシリンダブロツク。