JPH036790Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案は引違い窓の上枠に設けた空気流通用シ
ヤツターの開閉装置に関する。

（従来技術） 従来より引違い窓の内外を開閉自在に開閉する
シヤツターを設ける場合、障子の上方に設けるの
が通常であつた。この場合障子の開口面積が狭く
なり、また複雑な形状となり外観上もよくないも
のであつた。この為上枠にシヤツターを取付ける
ことも考えられたが、手が届きにくい等の不便が
あつた。

また引違い窓の内外を開閉自在に開閉する窓と
して太陽熱利用窓が考えられていた。すなわちこ
の種の窓には、二重にした窓の空間に太陽熱を集
熱するブラインドを配設し、該ブラインドで集熱
された熱により空間内の空気を加熱し、さらに加
熱された空気を室内側に取入れるために室内側窓
の上下部にシヤツターを備えた空気流通口を形成
したものが実用化されている。

このような窓が適用される一戸建、集合住宅等
の建物にあつては、太陽熱線の照射する南面側に
は通常バルコニーがあるので、これに出入りする
ための引き戸を必要とする。さらに出入口でない
場合も室内の空気を屋外に向せて換気するため引
違い戸式にすることが要求されていた。

一方、窓（室内側窓）においては窓の採光面積
を出来る丈広く採るために上部空気流通口を上枠
に、又下部空気流通口を内障子の下框に形成し、
夫々上部シヤツター及び下部シヤツターを設け
る。しかし上部シヤツターは比較的高所にあるの
で手が届き難く、その開閉操作が困難であつた。

（考案の目的） 本考案の目的は上記のような窓において、引違
い窓の上枠に設けたシヤツターを容易に開閉でき
る開閉装置を提供することである。

（考案の構成） 上記の目的は、引違い窓の上枠に該上枠の内外
を連通する開口を形成し、これに配設したシヤツ
ターを開閉する装置であつて、上記上枠には、一
端にラツクを有して上方に移動可能な作動ブロツ
クと、該ラツクに噛合しかつシヤツターの回転軸
に固定されたピニオンとを形成し、また上記引違
い窓の内障子内召合せ框には、回動可能なハンド
ルと該ハンドルの回動に連動して内側障子の上縁
より上方に突出可能な垂直状のロツドとを形成
し、上記作動ブロツクは内側障子のロツドと上下
方向に整合して配設されると共に、上枠内でその
最下位に位置した時に該作動ブロツクの下端とロ
ツドの上端との間に所定の間隙が設けられてなる
引違い窓の上枠に設けたシヤツターの開閉装置に
よつて達成される。

（実施例） 以下、添付図面について本考案の実施例を説明
する。

第１図は本考案の開閉装置を室内側から見た
図、第２図は上枠の要部を示す斜視図、第３図及
び第４図は第１図の横断面図及び縦断面図、第５
図はシヤツター開閉装置の説明図である。

建物躯体の開口部には上枠１ａ、たて枠２ａ及
び下枠３ａで組立てな方形の窓枠内に引違い障子
４ａが嵌装された室内側窓４が設けられ、該窓枠
の屋外側には上枠１ｂ、たて枠２ｂ、下枠３ｂで
組立てた方形の窓枠内に引違い障子５ａが嵌装さ
れた室外側窓５が設けられ、両窓間の空間６には
太陽熱集熱用ブラインド７が吊設されている。

１ｃ，２ｃ，３ｃは内外の窓の上枠１ａ，１
ｂ、縦枠２ａ，２ｂ、下枠３ａ，３ｂを連結して
いる補助枠である。尚、１ａ，１ｂ，１ｃ及び３
ａ，３ｂ，３ｃは夫々一体に形成してもよい。

上記のブラインド７は上下に一定間隔をおいて
平行に配設されたスラツト群からなり、該スラツ
ト群は例えば上面に太陽熱吸収面を有する第１の
スラツト８と上面に太陽熱反射面を有する第２の
スラツト９とを交互に配設して構成する。何れか
一方のスラツトのみを接続する昇降用コード（図
示せず）を設けて、冬期には第１のスラツト８を
第２のスラツト９上に重ね合わせると、全てのス
ラツトの上面が熱吸収面のみとなり、上記空間６
内の空気を有効に加熱する。尚夏期には逆に第２
のスラツト９を第１のスラツト８上に重ね合わす
と、全てのスラツトの上面が熱反射面のみとな
り、太陽熱線を屋外に向けて反射させることがで
きる。

上記の空間６内において太陽熱集熱用ブライン
ド７で加熱された空気を室内暖房に有効に利用す
るために、屋内側窓４の上枠１ａと屋内側障子４
ａの下框には上部開口１０及び下部開口１１を形
成し、夫々の開口に本考案の上部シヤツター１２
及び下部シヤツター１３を設ける。シヤツター１
２，１３は回転軸１４に取付けた蝶番形に形成さ
れ、開口１０，１１の四周にはスポンジ等からな
るパツキン１５を配設する（第１図）。

障子４ａの内障子の召合せ框１６（第１図）に
は通常のクレセント形施錠具１７の他にシヤツタ
ーの開閉と施錠を兼ねたハンドル１８を設ける。
シヤツターの開閉機構を第４図及び第５図につい
て説明する。ハンドル１８は障子４ａの内障子
に、またハンドル１８に係合するつめ１９を有す
る受け具は外障子に取付けられている。ハンドル
１８に偏心状に固着した偏心ピン２０は、案内ブ
ロツク２１に形成した案内溝２２に滑動自在に嵌
合している。案内ブロツク２１の上下端には夫々
上部ロツド２３及び下部ロツド２４（本実施例の
場合、何れのロツドも板状に形成される）を長さ
方向に調節できるようにボルト締めする。

下部ロツド２４の下端には連結ピン２５を介し
てラツク・ブロツク２６がルーズに接続されてい
る。連結ピン２５を上下方向に長さｈの遊びを有
して下部ロツド２４の長孔に遊嵌する。下部シヤ
ツター１３の回転軸１４の一端にピニオン２７を
設け、該ピニオンとラツク・ブロツク２６のラツ
クを噛合させる。また上部ロツド２３の上端には
尖頭ピン２８を設ける。この尖頭ピンは内障子の
上縁より上方に突出可能に形成されている。

一方上枠１ａ内にケーシング２９を固着し、そ
の内部に作動ブロツク３０を上下方向に滑動自在
に設ける。作動ブロツク３０は上方に突出したラ
ツク部３０Ａと上枠底面から下方に突出した尖頭
ピン受け部３０Ｂとを備える。上記の作動ブロツ
ク３０は屋内側障子４の閉鎖時に尖頭ピン２８と
上下方向に整合する位置に設けられ、作動ブロツ
ク３０の下端と尖頭ピンの上端間には所定の間隙
Ｈがあけられている。この間隙Ｈは屋内側障子４
の開閉時に尖頭ピン２８が作動ブロツク３０に衝
突しないように設けたもので、上述の遊びｈとほ
ぼ等しい長さを有する。上枠１内の両上部シヤツ
ター１２は回転軸１４によつて互に連結され、回
転軸の中間に固着されたピニオン３１が作動ブロ
ツク３０のラツク部３０Ａと噛合する。尚、ピニ
オン２７を比較的大径にすれば遊びｈをなしにす
ることができる。

次に本考案の作動について説明する。上記の空
間６を集熱空間として使用した時、上下部シヤツ
ター１２，１３を開放するのは屋内側障子４を閉
鎖した場合に限られる。屋内側障子４を閉鎖し
て、ハンドル１８をつめ１９に係合するためにハ
ンドル１８を係合位置に回動すると、ハンドル１
８に固着した偏心ピン２０が回動し案内ブロツク
２１を移動する。従つて上部ロツド２３及び下部
ロツド２４を上方に持揚げる。

間隙Ｈを埋めて尖頭ピン２８が上方に移動して
受け部３０Ｂに衝合し、さらに上昇して作動ブロ
ツク３０を押上げるとラツク部３０Ａによつてピ
ニオン３１を回動して左右の上部シヤツター１２
を開放する。上部ロツド２３と共に下部ロツド２
４も持揚げられるが、下部ロツド２４が遊び長さ
ｈだけ移動するまでラツク・ブロツク２６は上昇
しない。ラツク・ブロツク２６が上昇を開始する
とラツクによつてピニオン２７を回動する。内側
障子内に設けた下部シヤツター１３はラツク・ブ
ロツク２６に噛合したピニオン２７の回動によつ
て開放される。

ハンドル１８をつめ１９から開放すると、ピニ
オン３１及び２７はラツク３０Ａ及び２６によつ
て逆方向に回動されて上部シヤツター１２及び下
部シヤツター１３は閉鎖位置を採る。この場合、
上部シヤツターの閉鎖は作動ブロツク３０の自重
によつて行なわれる。作動ブロツク３０の重量が
比較的小さい時はケーシング２９と作動ブロツク
３０間にばねを設けて該ブロツクを下方に付勢す
ると好都合である。

尚、施錠具１７は冬期日照時等でシヤツターを
閉錠した場合に施錠用に使用する。

（考案の効果） 本考案は上記のように構成して、手の届き難い
上枠に設けたシヤツターを障子の位置に設けたハ
ンドルによつて操作できる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の装置を取付けた窓を室内側か
ら見た正面図、第２図はシヤツターの要部構造を
示す斜視図、第３図は第１図の−線について
の水平断面図、第４図は第１図の垂直断面図、第
５図はシヤツター開閉装置の説明図である。 １ａ……上枠、１２……シヤツター、１４……
回転軸、１６……内召合せ框、２３……ロツド、
３０……作動ブロツク、３０Ａ……ラツク、３１
……ピニオン、Ｈ……間隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 引違い窓の上枠に該上枠の内外を連通する開口
   を形成し、これに配設したシヤツターを開閉する
   装置であつて、上記上枠１には、一端にラツク３
   ０Ａを有して上方に移動可能な作動ブロツク３０
   と、該ラツクに噛合しかつシヤツター１２の回転
   軸１４に固定されたピニオン３１とを形成し、ま
   た上記引違い窓の内障子内召合せ框１６には、回
   動可能なハンドル１８と該ハンドルの回動に連動
   して内側障子の上縁より上方に突出可能な垂直状
   のロツド２３とを形成し、上記作動ブロツクは内
   側障子のロツドと上下方向に整合して配設される
   と共に、上枠内でその最下位に位置した時に該作
   動ブロツクの下端とロツドの上端との間に所定の
   間隙Ｈが設けられてなる引違い窓の上枠に設けた
   シヤツターの開閉装置。