JPH0367788B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、たとえばカーエアコン用エバポレ
ータ、コンデンサ等の冷媒入口管または出口管の
先端に継手部材を接合する方法に関する。

従来の技術 従来、上記冷媒入口管または出口管の先端への
ブロツク状継手部材の接合は、熱交換管へのヘツ
ダおよびフイン等のろう付、ならびにヘツダへの
冷媒入口管または出口管の溶接の後に、作業者が
冷媒入口管または出口管と継手部材とを互いに押
付けながら、フラツクスを用いたトーチろう付に
より行つていた。

発明が解決しようとする課題 しかしながら、従来の方法では、熱交換管への
ヘツドおよびフイン等のろう付工程と、ヘツダへ
の冷媒入口管または出口管の溶接工程と、冷媒入
口管または出口管の先端へのブロツク状継手部材
のろう付工程とを必要とするので、工程数が多く
なつて作業が面倒になるという問題があつた。さ
らに、フラツクスを用いたトーチろう付により冷
媒入口管または出口管と継手部材とを接合する
と、後工程において、フラツクスの洗浄および乾
燥を必要とするので、やはり工程数が多くなつて
一層作業が面倒になるという問題があつた。

この発明の目的は、上記問題を解決した継手部
材への管接合方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 この発明による継手部材への管接合方法は、上
記の目的を達成するために、アルミニウム製ブロ
ツク状継手部材に設けられた屈曲通路に連通する
所定長さの管端部差込み口を形成すること、アル
ミニウム製管における継手部材への接合端部から
所定距離おいた部分の外周面に、環状突起を全周
にわたつて形成すること、管における環状突起よ
りも先端側に、ろう材またはブレージングシート
よりなる接合用リングを嵌め被せること、管にお
ける環状突起よりも先端側を継手部材の管端部差
込み口に差込むこと、管に合致する切欠さを有す
る管押え壁、継手部材の一部に係合する係合壁お
よび管押え壁と係合壁とを一体的に連結する連結
壁よりなるＵ形のクリツプを用意し、環状突起が
管押え壁の継手部材を向いた面側にくるように管
を切欠き内に嵌め入れるとともに、係合壁を継手
部材の一部に係合させて、環状突起を接合用リン
グを介して継手部材に押付けた状態で継手部材と
管とを仮止めすること、ならびに炉中において、
接合用リングにより継手部材と管とをろう付する
ことを特徴とするものである。

作 用 この発明の継手部材への管接合方法は、上述の
ような構成を有するので、継手部材が内部に屈曲
通路を有するブロツク状のものであるにも拘わら
ず、Ｕ形のクリツプを用いることにより、管の管
状突起と継手部材との間にろう材またはブレージ
ングシートよりなる接合用リングを挾んだ状態で
外側から継手部材と管とを仮止めすることができ
る。

またブロツク状継手部材の管端部差込み部に管
の環状突起よりも先端側を差込んだ場合、管端部
と差込み部とは所定長さ面接触することになる。

実施例 以下、この発明の実施例を、図面を参照して説
明する。

第３図は、この発明の方法によつて冷媒入口管
が、アルミニウム製（アルミニウム合金製も含
む。以下同じ）略直方体のブロツク状継手部材に
接合されたカーエアコン用エバポレータを示す。
第３図において、カーエアコン用エバポレータ
は、内部に複数の冷媒流通路（図示略）が並列に
設けられたアルミニウム製蛇行状偏平管１と、偏
平管１の隣り合う直管部１ａどうしの間、および
両側端の直管部１ａの外側に配置されて直管部１
ａに接合されたアルミニウムブレージングシート
製コルゲートフイン２，３と、両側端の直管部１
ａの外側に配置されたアルミニウム製コルゲート
フイン３の外側に配置されて該コルゲートフイン
３および両側端の直管部１ａに接合されたアルミ
ニウム製サイドプレート４と、偏平管１の一端に
接合されたアルミニウムブレージングシート製管
状入口側ヘツダ５と、偏平管１の他端に接合され
たアルミニウムブレージングシート製管状出口側
ヘツド６とを備えている。入口側ヘツダ５の一端
にはアルミニウム製冷媒入口管７が接続されてい
る。出口側ヘツド６の一端は、冷媒入口管７の先
端と同一位置にくるように延長させられている。
この延長部を６ａで示す。そして、冷媒入口管７
の先端および出口側ヘツド６の延長部６ａの先端
が、アルミニウム製ブロツク状継手部材８に一括
して接合されている。

次に、冷媒入口管７とブロツク状継手部材８と
の接合にこの発明による継手部材への管接合方法
を適用した上記カーエアコン用エバポレータの製
造方法について、第１図および第２図を参照しな
がら説明する。

上記エバポレータを製造するにあたり、まず偏
平管１、コルゲートフイン２，３、サイドプレー
ト４、入口側ヘツダ５、出口側ヘツダ６、アルミ
ニウム製冷媒入口管７およびアルミニウム製ブロ
ツク状継手部材８を用意する。出口側ヘツダ６の
延長部６ａの先端に先細り状テーパ部１１を形成
しておく。

また、冷媒入口管７における継手部材８への接
合端部から所定距離おいた部分の外周面に、環状
突起１２を全周にわたつて形成しておく。継手部
材８は、冷媒入口管７および出口ヘツダ６の延長
部６ａを向いた側面８ａとこれに交叉する側面８
ｂとの間に、平面から見てＬ形の冷媒屈曲通路１
３，１４を、上下方向に所定間隔をおいて２つ形
成しておく。そして、上側の冷媒通路１３の側面
８ａ側の端部を、上記延長部６ａを圧入するテー
パ状差込み口１５としておく。また、下側の冷媒
通路１４の側面８ａ側の端部を、出口側ヘツダ６
の延長部６ａを差込む口１５としておく。さら
に、冷媒入口管７に半周が合致する切欠き２１を
有する管押え壁２２、継手部材８における上記側
面８ａに反対側の面に係合する係合壁２３および
管押え壁２２と係合壁２３とを一体化に連結する
連結壁２４よりなるステンレス鋼製Ｕ形のクリツ
プ２０を用意しておく。クリツプ２０はステンレ
ス鋼製のものに限らず、ろう付のさいに冷媒入口
管７および継手部材８を汚染するものでなければ
よい。

そして、まず偏平管１、コルゲートフイン２，
３、サイドプレート４、入口側ヘツダ５、出口側
ヘツダ６および冷媒入口管７を組合わせて図示し
ない適当な治具で仮止めする。また、冷媒入口管
７における環状突起１２よりも先端側に、ろう材
またはブレージングシートよりなる接合用リング
１７を嵌め被せた後、冷媒入口管７における環状
突起１２よりも先端側を継手部材８の冷媒入口管
７端部差込み口１６に差込む。その後、環状突起
１２が管押え壁２２の継手部材８を向いた面側に
くるように冷媒入口管７を切欠き２１内に嵌め入
れるとともに、係合壁２３を継手部材８における
上記側面８ａの反対側の面に係合させて、環状突
起１２を接合用リング１７を介して継手部材８に
押付けた状態で仮止めする。ついで、出口側ヘツ
ダ６の延長部６ａ先端のテーパ部１１を継手部材
８のテーパ状差込み口１５に圧入する。

このような状態で、これらを炉中に入れ、真空
雰囲気または不活性ガス雰囲気で、全ての部品を
一括してろう付することによりエバポレータを製
造する。冷媒入口管７は、接合用リング１７によ
つて継手部材８にろう付される。

上記実施例においては、この発明による方法
が、カーエアコン用エバポレータにおける冷媒入
口管と継手部材との接合に適用されているが、こ
れに限るものではなく、他の全ての管とブロツク
状継手部材との接合にも適用可能である。

発明の効果 この発明の継手部材への管接合方法によれば、
継手部材が内部に屈曲通路を有するブロツク状の
ものであるにも拘わらず、Ｕ形のクリツプを用い
ることにより、管の管状突起と継手部材との間に
ろう材またはブレージングシートよりなる接合用
リングを挾んだ状態で外側から簡単に継手部材と
管とを仮止めることができる。したがつて、熱交
換管へのヘツダおよびフイン等のろう付工程と同
時に、管の先端への継手部材のろう付を行うこと
が可能となり、工程数が少なくなつて作業が容易
になる。さらに、炉中において、真空雰囲気また
は不活性ガス雰囲気でろう付できるので、従来の
ようにフラツクスを用いたトーチろう付によりろ
う付した場合のように、後工程において、フラツ
クスの洗浄および乾燥を必要としない。

またブロツク状継手部材の管端部差込み部に管
の環状突起よりも先端側を差込んだ場合、管端部
と差込み部とは所定長さ面接触することになる。
したがつて、上記仮止めが確実に行なわれるのみ
ならず、ろうが溶けたさい上記面接触部分を通つ
て継手部材内の屈曲通路に流入してそこにフイレ
ツトを形成するということがないので、内部フイ
レツト発生に起因する流体流れの障害などもな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図はエバポレータにおける冷媒入口管を継
手部材に接合する方法を示す分解斜視図、第２図
は同じく冷媒入口管を継手部材に仮止めした状態
を示す側面図、第３図はこの発明の方法によつて
冷媒入口管が継手部材に接合されたカーエアコン
用エバポレータの斜視図である。 ７……冷媒入口管、８……継手部材、１２……
環状突起、１６……管端部差込み口、１７……接
合用リング、２０……クリツプ、２１……切欠
き、２２……管押え壁、２３……係合壁、２４…
…連結壁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ アルミニウム製ブロツク状継手部材８に設け
   られた屈曲通路１４に連通する所定長さの管端部
   差込み口１６を形成すること、アルミニウム製管
   ７における継手部材８への接合端部から所定距離
   おいた部分の外周面に、環状突起１２を全周にわ
   たつて形成すること、管７における環状突起１２
   よりも先端側に、ろう材またはブレージングシー
   トよりなる接合用リング１７を嵌め被せること、
   管７における環状突起１２よりも先端側を継手部
   材８の管端部差込み口１６に差込むこと、管７に
   合致する切欠き２１を有する管押え壁２２、継手
   部材８の一部に係合する係合壁２３および管押え
   壁２２と係合壁２３とを一体的に連結する連結壁
   ２４よりなるＵ形のクリツプ２０を用意し、環状
   突起１２が管押え壁２２の継手部材８を向いた面
   側にくるように管７を切欠き２１内に嵌め入れる
   とともに、係合壁２３を継手部材８の一部に係合
   させて、環状突起１２を接合用リング１７を介し
   て継手部材８に押付けた状態で継手部材８と管７
   とを仮止めすること、ならびに炉中において、接
   合用リング１７により継手部材８と管７とをろう
   付することを特徴とする継手部材への管接合方
   法。