JPH0365797B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はドツトインパクトプリンタやタイプラ
イター等の印字装置に用いられるインクリボン装
置に関するものである。

従来の構成とその問題点 従来、インクが貯えられているインク含浸ロー
ラを有し、そのインク含浸ローラからインクリボ
ンヘインクを転写するように構成されたインクリ
ボン装置は、長期の使用の後にインクが減少し、
印字の鮮明度が失なわれた場合には、適度にイン
クをインク含浸ローラへ補給することなく初期に
含浸されたインクを十分生かして使用するため、
インク含浸ローラとインク転写ローラとの圧接力
を変化させる圧接部材を設けた方法が採用されて
いる。

以下、第１図を用いて、インク転写ローラのイ
ンク含浸ローラへの押圧力を増すことによつて印
字の鮮明度を上げる従来の一例を示す。

まずインクリボン１は張力バネ２によつて張力
を与えられ、インクリボン１のＡ方向の走行張力
によつて、インク転写ローラ３をＢ方向に回転さ
せる。また同時にインク転写ローラ３はインク転
写ローラガイド４に案内され、Ｃ方向に摺動しイ
ンク含浸ローラ５に圧接することによりインク含
浸ローラ５をＤ方向に回転させインク含浸ローラ
５のインクをインクリボン１に転写する。長期の
使用の後にインクが減少し、印字の鮮明度が失な
われた場合、バネ部材から成る押圧バネ６をイン
クリボンカセツト本体７の側面の孔８を通して、
矢印方向にセンターオーバーを行ない、破線で
示した状態にすることによつて、インク含浸ロー
ラ５からのインクリボン１へのインク転写量を増
やしていた。その際押圧バネのセンターオーバー
の手段として、インクリボンカセツト本体７の側
面の孔８に外部から、ボールペン９等の先を挿入
することにより行なつていた。

しかしながら、第２図に示すようにインク補給
部１０はインクボンカセツト本体７とインクリボ
ンカセツト蓋１１とはボス嵌合によつてとざされ
ているため、押圧バネ６のセンターオーバーによ
る反転位置の確認が困難であり、またボールペン
等の先で挿入するため限度なく押されその結果、
インクリボンカセツトを不良品にしてしまうとい
う危険性を有していた。

発明の目的 本発明は上記欠点を鑑み、バネ部材を押しすぎ
ることもなく、また前記バネ部材の反転の確認を
可能とした信頼性の高いインクリボン装置を提供
しようとするものである。

発明の構成 本発明は、印字の鮮明度を増すためのバネ部材
のセンターオーバーの手段としてバネ部材のセン
ターオーバー前の位置とインクリボンカセツト本
体の内壁との間に操作釦を設け、この操作釦を押
し込むことにより上記目的を達するものである。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明
する。

第３図に示すように、インクリボン１２は回動
手段（図示せず）により回転するよう設けられて
いる駆動ギア１５を有し、インクリボンカセツト
本体１３に固着された駆動ギア支持部材１４によ
つて一面が支持されている。またインクリボン１
２はインクリボンカセツト本体１３の内部に設け
られた支軸１６を支点として回動自在となつてい
る従動ギア支持部材１７によつて支持され、従動
ギア押圧バネ１８により、駆動ギア１５に押圧さ
れている回転自在な従動ギア１９により他面が支
持されている。そしてインクリボン１２はインク
リボン収納室２０内へ駆動ギア１５の回転により
引き込まれ、不規則に折り畳まれながら、インク
リボン収納室２０内に収納されている。インクリ
ボン収納室２０より送り出されたインクリボン１
２はインクリボンカセツト本体１３内の第一の通
路２１を走るように案内される。さらにインクリ
ボン１２はバネ部材より成りインクリボン１２に
張力を付与する張力バネ２２により張力を与えら
れ、印字位置２３に対して水平方向に走行し、再
びインクリボンカセツト本体１３内の第２の通路
２４にはいる。さらに次の段階で、インクリボン
１２の矢印A′方向の走行張力でインクリボンカ
セツト本体１３内のインク転写ローラガイド２５
により、インク転写ローラ２６が矢印B′方向に
回転するとともに、矢印C′方向に摺動し、このイ
ンク転写ローラ２６がインクリボンカセツト本体
１３に一体に形成された固定軸２７を中心に自由
に回転できるようにしたインク含浸ローラ２８を
矢印D′方向に回転させる。このインク含浸ロー
ラ２９の回転によつてインク含浸ローラ２８に含
浸されているインクがインク転写ローラ２６を介
してインクリボン１２に付着するためにインクリ
ボン１２にインクが供給される。インクを供給さ
れたインクリボン１２は再び駆動ギア１５と従動
ギア１９との挟持回転により、インクリボン収納
室２０内へ送り込まれる。またインクリボンカセ
ツト本体１３にはインク転写ローラ２６とインク
含浸ローラ２８との押圧力を変えるためにバネ部
材よりなる押圧バネ２９を両端支持の状態で配置
する。さらに第４図に示すようにインクリボンカ
セツト本体１３の側面には孔３０を設け、この孔
３０と押圧バネ２９との間には平板３１ａに突起
部３１ｂを有する操作釦３１を設ける。すなわち
突起３１ｂが孔３０に挿入されて、インクリボン
カセツト本体１３の外部に出され、押圧バネ２９
によりインクリボンカセツト本体１３の内壁へ押
圧された状態で操作釦３１を設ける。

以上のような構成において、初期の段階では押
圧バネ２９は、第５図に示す如く、操作釦３１を
インクリボンカセツト本体１３の内壁に押し付け
る状態に位置され、インク含浸ローラ２８からイ
ンク転写ローラ２６を介してのインクの補給はイ
ンクリボン１２の走行張力の分力であるインク転
写ローラ２７とインク含浸ローラ２８の圧接力の
みでなされている。長期の使用の後、印字が不鮮
明になつた場合、操作釦３１の突起部３１ｂを指
等にて、矢印方向に押すことにより、第５図ｂ
に示すような状態として、押圧バネ２９をセンタ
ーオーバーさせ、インク含浸ローラ２８とインク
転写ローラ２６との圧接力を増加させ、インクリ
ボン１２へのインクの補給を増加させてると、印
字は鮮明な状態へと復帰する。この際、操作釦３
１は第５図ｂに示すように平板部３１ａがインク
リボンカセツト本体１３の内側に凸と成つた円弧
状にしておき、押圧バネ２９のセンターオーバー
とともにもとの状態にもどらないような形状とし
ておく。また、第５図ｂに示すように一旦センタ
ーオーバーさせると操作釦３１の突起部３１ｂは
孔３０よりカセツト内側に引つ込んだ状態とな
る。さらに、この円弧状になつた平板部３１ａの
そり力Ｐは押圧バネ２９の押圧力Ｑよりも小さい
ものとする。なお、操作釦３１は形状は一例であ
つて、上記の要旨を逸脱しない範囲において、多
種の変形がある。

以上のように本実施例によれば、上記操作釦３
１を用いることにより押圧バネ２９の位置が確認
でき、さらに押圧バネ２９の押しこみすぎ等の危
険性を除去することができる。

発明の効果 以上のように本発明はイクリボン装置の長期の
使用の後に、インク転写ローラとインク含浸ロー
ラとの圧接力を増加させて、印字を鮮明な状態に
復帰させるために、押圧バネのセンターオーバー
の手段としてカセツトの内側に付勢された操作釦
を設け、センタオーバーの操作後はカセツト内に
引つ込んだ状態となる不可逆的な操作となるよう
にしたもので、押圧バネのセンターオーバーの状
態を確認を可能にし、さらに押圧バネの押し込み
すぎによるインクリボン装置の不良化の危険性を
除去することができ、信頼性の高いインクリボン
装置を提供することができ、その実用的効果は大
なるものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のインクリボン装置の平面図、第
２図は第１図の要部分解斜視図、第３図は本発明
の一実施例におけるインクリボン装置の平面図、
第４図は第３図の要部分解斜視図、第５図ａ，ｂ
は第３図の要部平面図である。 １２……インクリボン、２６……インク転写ロ
ーラ、２８……インク含浸ローラ、２９……押圧
バネ、１３……インクリボンカセツト本体、３０
……孔、３１……操作釦。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ インクリボンを収納する容器と、 前記容器内に設けられ、インクを含浸させたイ
   ンクローラと、 前記インクローラとインクリボンとに当接して
   前記インクローラのインクをインクリボンに転浸
   させ、その回転軸が移動可能な転浸ローラと、 センターオーバーすることによつて、前記転浸
   ローラを前記インクローラに押圧するように曲げ
   られて固定された押圧バネと、 前記押圧バネの前記インクローラとは反対側に
   設けられ、前記押圧バネをセンターオーバーする
   には不十分な力で前記容器の内壁より内側に付勢
   されており、前記押圧バネをセンターオーバーす
   る以前には前記容器に設けられた穴より突出し、
   前記押圧バネをセンターオーバーした後は前記穴
   より突出しないボタンと、 を有することを特徴とするインクリボン装置。