JPH0364595B2 - - Google Patents
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- JPH0364595B2 JPH0364595B2 JP58170915A JP17091583A JPH0364595B2 JP H0364595 B2 JPH0364595 B2 JP H0364595B2 JP 58170915 A JP58170915 A JP 58170915A JP 17091583 A JP17091583 A JP 17091583A JP H0364595 B2 JPH0364595 B2 JP H0364595B2
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Landscapes
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Description
本発明は、ガラス繊維、金属粉末などを添加し
た強化プラスチツク成型装置用の高靭性押出ピン
に関するものである。 プラスチツク用押出ピンとしては、使用中折損
しないよう充分な強靭性を有すること、摺動面の
耐摩耗性の大きいこと、耐焼付性の良好なことの
ほかに長時間使用中に寸法変化を生じないことが
要求される。 従来、一般用プラスチツク押出ピンとしては
SKS21を830〜840℃焼入後、180〜200℃で焼戻
して、HRC59〜61前後の硬さにしたものが広く用
いられているが、SKS21製押出ピンはプラスチ
ツク成型時の作業温度が180〜250℃の場合には、
長時間使用後に膨脹を生ずる欠点があり、またガ
ラス繊維入り強化プラスチツクの場合には、耐摩
耗性が不足するので、強化プラスチツク用として
はSKD11製押出ピンが使用されている。 SKD11は、C1.5%、Cr12%、Mo1%、V0.3を
含有する高炭素、高クロム鋼であり、1030〜1040
℃から焼入後、510〜530℃に焼もどすことによ
り、HRC59の硬さを有し、組織的にはマルテンサ
イト基質中に硬いM7C3炭化物が存在するので耐
摩耗性が非常に大きく、また寸法安定性も良好で
ある。しかし、靭性が不足するので、比較的細径
の押出ピンの場合には、使用中折損事故をおこす
欠点がある。本発明は、これらの問題に鑑みてな
されたものであり、SKD11製押出ピンよりも靭
性が優れており、適度の耐摩耗性を有し、ガラス
繊維などを添加した強化プラスチツクの成型装置
用に適した押出ピンを提供することを目的とする
ものである。 すなわち、本発明は合金組成としてC 0.79〜
1.02%、Si 0.25〜0.79%、Mn 0.34〜0.82%、Cr
7.0〜9.0%、Mo 0.83〜1.18%、V 0.31〜0.76
%、残部鉄および若干の不純物からなり、10Rノ
ツチのシヤルピー衝撃値が3.0〜4.0Kgm/cm2であ
ることを特徴とする強化プラスチツク用高靭性押
出ピンである。上記組成を有する鋼の棒材を所定
の形状に加工したのち、1030〜1040℃から焼入れ
し、引き続き510〜530℃の温度で焼もどし処理を
ほどこしたものは、SKD11製押出ピンよりも靭
性が著しく優れており、しかも耐摩耗性SKD11
製ピンより若干劣る程度であり、SKS21製ピン
よりは格段に優れている。また焼もどし温度が
510〜530℃と高いため180〜250℃の作業温度の場
合でも、使用中の寸法変化は皆無である。したが
つて本発明押出ピンはガラス繊維入り強化プラス
チツクの成型装置用押出ピンに好適である。 次に本発明押出ピンの組成限定理由を述べる
と、Cはマルテンサイトの硬さを高め、Crと結
合してクロム炭化物の形成して耐摩耗性を向上す
るが、Cが0.79%未満では耐摩耗性が不足し、ま
た1.02%をこえると靭性が低下するので0.79〜
1.02%とした。Siは脱酸剤として添加するが0.25
%未満ではその効果は少なく、また0.79%をこえ
ると脱炭しやすくなるため0.25〜0.79%とし、
Mnも脱酸効果を有するが0.34%未満ではその効
果少なく、また0.82%をこえると焼入時の残留オ
ーステナイト多くなるので0.34〜0.82%とした。
Crは硬い炭化物をつくつて耐摩耗性を向上し、
また焼もどし軟化抵抗を高める効果を有するが、
7.0%未満では耐摩耗性が不足し、また9.0%をこ
えると靭性が低下するので7.0〜9.0%に限定し
た。Moは焼入性を大きくし、また焼もどし軟化
抵抗を高める効果があるが、0.83%未満では、焼
入性が小さく空気焼入が不可能となり、また1.18
%をこえても効果の向上が少ないので、0.83〜
1.18%とした。つぎにVは結晶粒を微細化し、焼
もどしに際して二次硬化を生ずる効果を有する
が、0.31%未満ではその効果少なく、また0.76%
をこえると靭性を低下するので0.31〜0.76%とし
たものである。 以下、本発明の効果を実施例によつて説明す
る。第1表は本発明押出ピンと従来製押出ピンの
化学組成を示す。表中、記号A1、A2及びA3は本
発明に係る押出ピンの第1、第2及び第3の実例
例を示しており、また熱処理は前述の通りであつ
て、第1〜第3実施例のものに共通に施してい
る。記号BはSKD11製押出ピン、記号Cは
SKS21製押出ピンを示す。
た強化プラスチツク成型装置用の高靭性押出ピン
に関するものである。 プラスチツク用押出ピンとしては、使用中折損
しないよう充分な強靭性を有すること、摺動面の
耐摩耗性の大きいこと、耐焼付性の良好なことの
ほかに長時間使用中に寸法変化を生じないことが
要求される。 従来、一般用プラスチツク押出ピンとしては
SKS21を830〜840℃焼入後、180〜200℃で焼戻
して、HRC59〜61前後の硬さにしたものが広く用
いられているが、SKS21製押出ピンはプラスチ
ツク成型時の作業温度が180〜250℃の場合には、
長時間使用後に膨脹を生ずる欠点があり、またガ
ラス繊維入り強化プラスチツクの場合には、耐摩
耗性が不足するので、強化プラスチツク用として
はSKD11製押出ピンが使用されている。 SKD11は、C1.5%、Cr12%、Mo1%、V0.3を
含有する高炭素、高クロム鋼であり、1030〜1040
℃から焼入後、510〜530℃に焼もどすことによ
り、HRC59の硬さを有し、組織的にはマルテンサ
イト基質中に硬いM7C3炭化物が存在するので耐
摩耗性が非常に大きく、また寸法安定性も良好で
ある。しかし、靭性が不足するので、比較的細径
の押出ピンの場合には、使用中折損事故をおこす
欠点がある。本発明は、これらの問題に鑑みてな
されたものであり、SKD11製押出ピンよりも靭
性が優れており、適度の耐摩耗性を有し、ガラス
繊維などを添加した強化プラスチツクの成型装置
用に適した押出ピンを提供することを目的とする
ものである。 すなわち、本発明は合金組成としてC 0.79〜
1.02%、Si 0.25〜0.79%、Mn 0.34〜0.82%、Cr
7.0〜9.0%、Mo 0.83〜1.18%、V 0.31〜0.76
%、残部鉄および若干の不純物からなり、10Rノ
ツチのシヤルピー衝撃値が3.0〜4.0Kgm/cm2であ
ることを特徴とする強化プラスチツク用高靭性押
出ピンである。上記組成を有する鋼の棒材を所定
の形状に加工したのち、1030〜1040℃から焼入れ
し、引き続き510〜530℃の温度で焼もどし処理を
ほどこしたものは、SKD11製押出ピンよりも靭
性が著しく優れており、しかも耐摩耗性SKD11
製ピンより若干劣る程度であり、SKS21製ピン
よりは格段に優れている。また焼もどし温度が
510〜530℃と高いため180〜250℃の作業温度の場
合でも、使用中の寸法変化は皆無である。したが
つて本発明押出ピンはガラス繊維入り強化プラス
チツクの成型装置用押出ピンに好適である。 次に本発明押出ピンの組成限定理由を述べる
と、Cはマルテンサイトの硬さを高め、Crと結
合してクロム炭化物の形成して耐摩耗性を向上す
るが、Cが0.79%未満では耐摩耗性が不足し、ま
た1.02%をこえると靭性が低下するので0.79〜
1.02%とした。Siは脱酸剤として添加するが0.25
%未満ではその効果は少なく、また0.79%をこえ
ると脱炭しやすくなるため0.25〜0.79%とし、
Mnも脱酸効果を有するが0.34%未満ではその効
果少なく、また0.82%をこえると焼入時の残留オ
ーステナイト多くなるので0.34〜0.82%とした。
Crは硬い炭化物をつくつて耐摩耗性を向上し、
また焼もどし軟化抵抗を高める効果を有するが、
7.0%未満では耐摩耗性が不足し、また9.0%をこ
えると靭性が低下するので7.0〜9.0%に限定し
た。Moは焼入性を大きくし、また焼もどし軟化
抵抗を高める効果があるが、0.83%未満では、焼
入性が小さく空気焼入が不可能となり、また1.18
%をこえても効果の向上が少ないので、0.83〜
1.18%とした。つぎにVは結晶粒を微細化し、焼
もどしに際して二次硬化を生ずる効果を有する
が、0.31%未満ではその効果少なく、また0.76%
をこえると靭性を低下するので0.31〜0.76%とし
たものである。 以下、本発明の効果を実施例によつて説明す
る。第1表は本発明押出ピンと従来製押出ピンの
化学組成を示す。表中、記号A1、A2及びA3は本
発明に係る押出ピンの第1、第2及び第3の実例
例を示しており、また熱処理は前述の通りであつ
て、第1〜第3実施例のものに共通に施してい
る。記号BはSKD11製押出ピン、記号Cは
SKS21製押出ピンを示す。
【表】
第2表は押出ピンにほどこした熱処理ならびに
熱処理硬さを示す。
熱処理硬さを示す。
【表】
第3表は、第2表に示した熱処理をほどこした
試験片を用い、SCM420焼なまし材を相手材とし
て、大越式摩耗試験機により摩耗試験を行ない各
摩擦速度における比摩耗量を求めたもので、記号
A1、A2、A3は記号Bよりは若干耐摩耗性は劣る
が、記号Cよりは、著しく耐摩耗性が優れている
ことを示す。
試験片を用い、SCM420焼なまし材を相手材とし
て、大越式摩耗試験機により摩耗試験を行ない各
摩擦速度における比摩耗量を求めたもので、記号
A1、A2、A3は記号Bよりは若干耐摩耗性は劣る
が、記号Cよりは、著しく耐摩耗性が優れている
ことを示す。
【表】
また第4表は、第2表に示した熱処理をほどこ
したものについて10Rノツチのシヤルピー衝撃試
験を行なつて、靭性を比較した結果である。
したものについて10Rノツチのシヤルピー衝撃試
験を行なつて、靭性を比較した結果である。
【表】
記号A1、A2、A3は、記号BのSKD11よりも靭
性が著しく優れていることがわかる。 つぎに、第1表に示す化学成分であつて、第2
表に示す熱処理をほどこした直径2.0mmのストレ
ート・ピンをガラス繊維入りの強化プラスチツク
金型に使用したところ、試料BのSKD11製ピン
は、トライ・シヨツトの段階で、つば部くび下折
損を生じたが、本発明押出ピンは折損皆無であ
り、しかも、50000シヨツト後も摩耗ならびに寸
法変化に全く異常は認められなかつた。 以上説明したように本発明押出ピンはC 0.79
〜1.02%、Si 0.25〜0.79%、Mn 0.34〜0.82%、
Cr 7.0〜9.0%、Mo 0.83〜1.18%、V 0.31〜
0.76%、残部鉄および若干の不純物からなる鋼で
あつて、10Rノツチのシヤルピー衝撃値は3.0〜
4.0Kgm/cm2であるため靭性が極めて高く、折損
事故の虞れが皆無であり、しかも耐摩耗性は、
SKD11製ピンとほぼ同等で、ガラス繊維入り強
化プラスチツク用高靭製押出ピンとして最適のも
のである。
性が著しく優れていることがわかる。 つぎに、第1表に示す化学成分であつて、第2
表に示す熱処理をほどこした直径2.0mmのストレ
ート・ピンをガラス繊維入りの強化プラスチツク
金型に使用したところ、試料BのSKD11製ピン
は、トライ・シヨツトの段階で、つば部くび下折
損を生じたが、本発明押出ピンは折損皆無であ
り、しかも、50000シヨツト後も摩耗ならびに寸
法変化に全く異常は認められなかつた。 以上説明したように本発明押出ピンはC 0.79
〜1.02%、Si 0.25〜0.79%、Mn 0.34〜0.82%、
Cr 7.0〜9.0%、Mo 0.83〜1.18%、V 0.31〜
0.76%、残部鉄および若干の不純物からなる鋼で
あつて、10Rノツチのシヤルピー衝撃値は3.0〜
4.0Kgm/cm2であるため靭性が極めて高く、折損
事故の虞れが皆無であり、しかも耐摩耗性は、
SKD11製ピンとほぼ同等で、ガラス繊維入り強
化プラスチツク用高靭製押出ピンとして最適のも
のである。
Claims (1)
- 1 重量%で、C 0.79〜1.02%、Si 0.25〜0.79
%、Mn 0.34〜0.82%、Cr 7.0〜9.0%、Mo 0.83
〜1.18%、V 0.31〜0.76%、残部鉄および若干
の不純物からなり、10Rノツチのシヤルピー衝撃
値が3.0〜4.0Kgm/cm2であることを特徴とする強
化プラスチツク用高靭性押出ピン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17091583A JPS6063353A (ja) | 1983-09-16 | 1983-09-16 | 強化プラスチツク用高靭性押出ピン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17091583A JPS6063353A (ja) | 1983-09-16 | 1983-09-16 | 強化プラスチツク用高靭性押出ピン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6063353A JPS6063353A (ja) | 1985-04-11 |
JPH0364595B2 true JPH0364595B2 (ja) | 1991-10-07 |
Family
ID=15913700
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17091583A Granted JPS6063353A (ja) | 1983-09-16 | 1983-09-16 | 強化プラスチツク用高靭性押出ピン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6063353A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62243740A (ja) * | 1986-04-16 | 1987-10-24 | Hitachi Metals Ltd | 冷間工具鋼 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5239517A (en) * | 1975-09-25 | 1977-03-26 | Aichi Steel Works Ltd | Tool steel for cold working |
JPS5747848A (en) * | 1980-09-04 | 1982-03-18 | Kobe Steel Ltd | Intermediate roll for six-high rolling mill |
JPS5747849A (en) * | 1980-09-04 | 1982-03-18 | Kobe Steel Ltd | Work roll for cold rolling |
JPS57161051A (en) * | 1981-03-31 | 1982-10-04 | Daido Steel Co Ltd | Steel for plastic mold |
JPS5839767A (ja) * | 1981-09-04 | 1983-03-08 | Hitachi Ltd | 熱間圧延用ワ−クロ−ル |
-
1983
- 1983-09-16 JP JP17091583A patent/JPS6063353A/ja active Granted
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5239517A (en) * | 1975-09-25 | 1977-03-26 | Aichi Steel Works Ltd | Tool steel for cold working |
JPS5747848A (en) * | 1980-09-04 | 1982-03-18 | Kobe Steel Ltd | Intermediate roll for six-high rolling mill |
JPS5747849A (en) * | 1980-09-04 | 1982-03-18 | Kobe Steel Ltd | Work roll for cold rolling |
JPS57161051A (en) * | 1981-03-31 | 1982-10-04 | Daido Steel Co Ltd | Steel for plastic mold |
JPS5839767A (ja) * | 1981-09-04 | 1983-03-08 | Hitachi Ltd | 熱間圧延用ワ−クロ−ル |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6063353A (ja) | 1985-04-11 |
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