JPH0364592B2 - - Google Patents

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JPH0364592B2
JPH0364592B2 JP59215082A JP21508284A JPH0364592B2 JP H0364592 B2 JPH0364592 B2 JP H0364592B2 JP 59215082 A JP59215082 A JP 59215082A JP 21508284 A JP21508284 A JP 21508284A JP H0364592 B2 JPH0364592 B2 JP H0364592B2
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JP
Japan
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cast iron
friction
coefficient
speed
brake
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JP59215082A
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JPS6196055A (ja
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Katsuro Takazawa
Taro Tsujimura
Saburo Yuri
Tomoji Ashikawa
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Meidensha Corp
Railway Technical Research Institute
Original Assignee
Meidensha Corp
Railway Technical Research Institute
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Application filed by Meidensha Corp, Railway Technical Research Institute filed Critical Meidensha Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は、改良された車両用鋳鉄制輪子に関す
るものである。 [従来の技術] 鋳鉄制輪子は車両用ブレーキに古くから使われ
ており、近年の車両の高速化、メンテナンスの省
力化の要請に対応して高リン低合鋳鉄制輪子、高
マンガン鋳鉄制輪子等が開発され実用化されてい
る。しかし、車両のさらに一層の高速化が進めら
れている現状の中にあつては、その高速摩擦性能
は必ずしも十分なものとはいえない。 一方、鋳鉄以外の材質としてレジン制輪子や焼
結合金制輪子が実用化され、軽量、低摩耗、高摩
擦性能制輪子としての実績をあげているが、前者
では寒冷地における降積雪が作る低温湿潤条件化
での摩擦係数が不安定化、相手車輪に対して摩擦
損傷を与え易い等の問題があり、後者において
も、積雪地での雪の抱きこみによる摩擦係数の低
下、相手車輪のフランジ部の直立摩耗をまねき易
くなる等の欠点を有する。これら問題点のほか
に、前記両者に共通する問題ではあるが、なかで
も焼結合金制輪子は、鋳鉄制輪子と比較してかな
り高価であり、低価格の制輪子の開発が望まれて
きた。 [発明が解決しようとする課題] このような状況の中にあつて鋳鉄制輪子の一般
特性とされる低価格、低温湿潤条件化での安定し
た摩擦特性および相手車輪踏面への攻撃性が軽微
であるといつた良好な特性を生かしながら、高摩
擦係数、低摩耗特性を付与した新たな材料の開発
が望まれている。 [課題を解決するための手段] 鋳鉄制輪子に要求される一般時性とされる低価
格、低温湿潤条件化の安定した摩擦特性および相
手車輪踏面への攻撃性が軽微であるといつた良好
な特性を保持しながら、高摩擦係数、低摩耗特性
を有する材料について種々検討を加えた結果、高
リン鋳鉄をもととしてこれを高速用に適合するよ
うに改善を行うことにより、新しい成分系の材料
に到達し高速車両用制輪子を開発した。 すなわち、本発明は、鋳造後の化学成分として
C2.8〜3.2%、Si1.4〜1.7%、Mn0.5〜1.0%、P<
1%、S<0.07%及びCu0.8〜3.0%を含有した車
両用鋳鉄制輪子において、 前記化学成分に加えて、Cr0.2〜1.0%、V0.1〜
1.0%、Ti0.1〜0.5%の内の一部又は全てを添加
し、 前記車両用鋳鉄制輪子の母組織中に前記Cr、
V又はTiの金属炭化物を分散してなる車両用鋳
鉄制輪子に関するものである。 これまでの各種鋳鉄制輪子の研究・開発過程で
ステダイト(Fe−C−P系の三元共晶)、セメン
タイト等の硬質相の鋳鉄組織中への導入は摩擦係
数の向上と摩耗率の低下に有効であることを以下
のように理論および実験により証明し、確認し
た。 [作用] まず制輪子の摩擦・摩耗特性については、次の
アモントン−クーロン(Amontons−Coulomb)
の法則およびホルム(Holm)の法則によつて定
性的に説明できる。 μ=τs/σy (1) W=αρ/H (2) σy=KH (3) ここで、μ;摩擦係数、τs;接触する相対面の
軟らかい方のせん断強さ、σy;接触する相対面の
軟らかい方の圧縮降伏応力、W;摩耗率、ρ;荷
重、H;表面硬さ、α、K;正の定数 制輪子として求められる摩擦係数μの向上は(1)
式より、τsの上昇あるいはσyの低下によつて得ら
れる。 一方、Wの低下はρが一定とれさるので(2)式に
よりHの増加つまり(3)式によるσyの増加を意味す
るから、Wの減少を図りつつμの増加を図るには
τsがσyの増加を補つて余る程増大しなければ達成
できない。しかし一般の制輪子に用いる鋳鉄はパ
ーライト鋳鉄が多いが、この場合τs、σyとも母組
織のパーライトに関係して一義的に定まり従つて
τs/σyはほぼ一定となる。このことからτsのみを
増大せしめるには、パーライトとは別の系の硬い
相を分散させる方法が必要となる。 含P鋳鉄は硬質相(ステダイト相)が晶出して
いるので、普通鋳鉄に比べて、耐摩耗製が良好で
あることが知られている。 硬質相を含有する金属としては、次の第1表に
示すようにステダイト、セメンタイト、金属炭化
物等が考えられる。尚、括弧内は微量であり、二
次的な作用にあることを示す。
【表】
【表】 第1表に示した各鋳鉄の硬質層面積率と平均摩
擦係数との関係を示すと第1図のようになる。
尚、硬質相面積率とは任意の断面の組織写真中の
硬質相(ステダイト相及び析出炭化物相)の面積
率を示している。 図において、記号△はブレーキ初速度35Km/h
での前記第1表の7種の試験制輪子の関係、記号
▽は65Km/h、記号×は95Km/h、記号○は125
Km/hでの関係を示す。尚、△−、▽−、×−、
○−は試験制輪子USを示す。 第1図によれば、硬質相の面積率が多くなると
平均摩擦係数が上昇することが説明される。また
この上昇程度は、高速領域である程顕著になるこ
とも示している。 P含有量の増大に伴い平均摩擦係数が上昇する
ことが確認されたが、本発明者らは鋳鉄中におけ
るリン含有量が増加すると摩擦係数は変動して、
不安定になるので実用的には好ましくないことを
発見した。 この事実を説明するものが第2図〜第13図で
あり、後述の第2表に成分が記される微量金属
(Cr、Ti、V、Cu、Mn)の含有されていない
(含有の少ない)鋳鉄を用いて、P含有量の相違
によつて瞬間摩擦係数曲線の変動状態を比較し
た。 普通鋳鉄であるNHO(第2図〜第5図)、高燐
鋳鉄であるMD1(第6図〜第9図)および超高
燐鋳鉄であるSM(第10図〜第13図)の35、
65、95および125Km/hのブレーキ初速度から0
に減速する工程を1工程として、この1工程中の
瞬間摩擦係数μの変化を測定した。高速の95およ
び125Km/hではブレーキ初速度から0に減速す
る1工程を各5回、低速の35および65Km/hでは
ブレーキ初速度から0に減速する工程を各10回行
つたことを示す(但し1〜5回の測定値は図が複
雑になるので省略した)。尚、瞬間摩擦係数μは
実物大慣性形制動試験機によるブレーキ試験にお
いて、ブレーキ中のトルク変動をロードセルで検
出し、動歪計を介してX−Y記録計上に、速度
(横軸)に対する摩擦力の変化を摩擦係数(縦軸)
に換算して変化曲線を描かせ、これを瞬間摩擦係
数曲線とした。 第2図〜第13図に示されているように、P含
有量が増大すると各工程での瞬間摩擦係数曲線が
バラツキ、不安定な瞬間摩擦係数曲線を描いてい
ることが判る。 このような瞬間摩擦係数曲線のバラツキは、鋳
鉄中に含有される硬質相、即ちP含有量の増大に
伴う硬質相の面積率の増大によるものと思われ
る。即ち、硬質相の一つとしてのステダイト相は
硬いために、本来摩耗し難いが、一方共晶温度が
980℃と比較的に低いため、摩擦熱により溶融流
動化して摩擦係数が低下し、更にステダイトが制
動時に制輪子と相手側の車輪踏面の間で摩擦熱に
より溶着・再融解をくり返し、車輪踏面に付着
し、その影響で摩擦係数のバラツキが大きくなる
と考えられる。 高燐鋳鉄製輪子MD−1の硬質相(ステダイト
相)面積率は約12%、超高燐鋳鉄製制輪子SMは
約25%であり、いずれも低燐のNHOに比べて、
瞬間摩擦係数曲線のバラツキは大きくなつてい
る。この事実と第1図に示すブレーキ初速度に対
する平均摩擦係数と硬質相面積率との関係とを考
慮すると、面積率が15%程度の高燐鋳鉄製制輪子
が、含P組成で摩擦・磨耗特性の向上を図る限界
と考えられる。これをPの含有率に換算すると1
%程度が限界となる。 そこで、高速領域の摩擦性能を向上させるため
には、他の硬質相の導入を図る必要がある。この
観点から発明者らは例えば後記の第2表に代表例
として示したような広範な成分等についての制動
特性を継続的に測定・検討した。 この結果、この硬質相を補うものとして、セメ
ンタイト相の導入と、金属炭化物の分散析出とが
有効であることが判明した。
【表】 **:接種処理
しかし、前者を利用したときには、セメンタイ
トを硬質相の主体として含有する制輪子の摩擦係
数が低速領域で高く保持されているが、中速領域
以上となるとこれが急激に低下すること、および
セメンタイトはきわめて高硬度の物質であるため
大量にこれを含有するものは、車輪踏面に著しい
損相を与える可能性があることが考えられる。 このことから従つて、セメンタイトを高速車両
用制輪子の硬質相として利用することは困難であ
る。 次に金属炭化物の分散析出を利用することは、
金属炭化物がセメンタイトに比較して硬さや融点
が高く、高温領域では第3表が示す通り安定であ
り、その分散は細かくかつ均一となり車輪踏面を
削るように作用するので、踏面での熱影響はかな
り軽減される。 添加する合金元素は母相鋳鉄への影響を考慮し
てクロム、チタン、バナジウムを選択することが
考えられる。
【表】 クロムの使用は、鋳鉄の機械的性質を改善する
がセメンタイト安定化元素であるので、その添加
範囲を0.2〜1.0%とした。 チタンは黒鉛化促進と同時に黒鉛を微細化させ
る効果があり耐熱、耐摩鋳鉄に利用される元素で
添加範囲は0.1〜0.5%とした。バナジウムは強い
黒鉛化阻害作用を持ち、セメンタイトを安定化す
ると同時に黒鉛を微細かつ均一に分散させる働き
をもち、その添加範囲は0.1〜1.0%が適当であ
る。 [実施例] 以下、実施例により、第2表、第14図をもと
にしてさらに説明する。 第2表に示した、各成分系の制輪子を試験に供
し、これらの制動特性を第14図に示した。この
中で、当該発明に関わるものはNH57−7であ
り、他は比較例である。 第14図で、合金元素無添加のNHOと比較し
て、セメンタイトを主な硬質相とするUSは初速
度が低速領域であるとき摩擦係数が高いが、ブレ
ーキ初速度が65Km/hとなるとNHOより若干高
いのみで、高速時の摩擦係数が0.1以下となり著
しい制動距離の伸長をもたらす。これはUSの硬
質相が主にセメンタイトで構成され、セメンタイ
トは、1130℃程度で溶融するが、ステダイトに比
較して熱伝導係数がはるかに大きいため、摩擦熱
の影響に対する感度が大きくなることによると思
われる。 これに対して、第2表で燐を0.87%含み、その
他の合金元素を含まないMD1は摩擦係数降下速
度がUS.NHOのブレーキ初速度35Km/h〜65
Km/hが、高速側のブレーキ初速度65Km/h95
Km/hと変わり、これは燐の含有量が多い程、高
速側へ移動することが、NHO、USおよびSMに
示される。 しかし前述したように、含燐量を余り多くする
と摩擦係数が不安定となるので実用的には好まし
くない。これを補うためCr、Ti、V等の合金元
素を各々0.2%程度添加したNH57−7はMD1と
比較してブレーキ初速度65〜95Km/hでの摩擦係
数の落ち込みがゆるやかとなりUSとSMの中間
程度の値となることが第14図に示される。 [発明の効果] この結果NH57−7で示される、合金元素を添
加した高燐鋳鉄制輪子は、高速での摩擦係数を高
く保持することができてブレーキ初速度が高い場
合の制動距離低減に効果的である。従つて高速車
両用制輪子として有効な特性をもつものといえ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は硬質相の面積率と摩擦係数の関係を示
すグラフ、第2図〜第13図は各種の化学成分、
硬さを有する代表的な標本の瞬間摩擦係数を示し
たグラフ、第14図は各成分系のブレーキ初速度
と摩擦係数の関係を示したグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 鋳造後の化学成分としてC2.8〜3.2%、Si1.4
    〜1.7%、Mn0.5〜1.0%、P<1%、S<0.07%
    及びCu0.8〜3.0%を含有した車両用鋳鉄制輪子に
    おいて、 前記化学成分に加えて、Cr0.2〜1.0%、V0.1〜
    1.0%、Ti0.1〜0.5%の内の一部又は全てを添加
    し、 前記車両用鋳鉄制輪子の母組織中に前記Cr、
    V又はTiの金属炭化物を分散してなることを特
    徴とする車両用鋳鉄制輪子。
JP21508284A 1984-10-16 1984-10-16 車両用鋳鉄制輪子 Granted JPS6196055A (ja)

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JPH01252755A (ja) * 1988-03-31 1989-10-09 Ueda Brake Kk 車両用合金鋳鉄制輪子
KR0130481B1 (ko) * 1993-02-03 1998-04-10 가나이 쯔도무 엘리베이터용 비상정지장치 및 엘리베이터
GB9718982D0 (en) * 1997-09-09 1997-11-12 T & N Technology Ltd Disc brake rotor
JP4656709B2 (ja) * 2000-09-21 2011-03-23 カヤバ工業株式会社 圧力制御弁

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