JPH036319B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はホリゾンタルオーガにかゝり、特に礫
地盤の掘削に用いるホリゾンタルオーガに関す
る。

従来から地中に管を埋設するような場合、地盤
を掘削して排土しつゝ後方から管を押入埋設させ
るようにしており、その掘削排土にはホリゾンタ
ルオーガが用いられる。

従来のホリゾンタルオーガは、第１図に略示縦
断側面を示すように、先端に先導管Ａを有するケ
ーシングＢ内に軸Ｃの周囲にスクリユー羽根Ｄを
有するオーガスクリユーＥを挿入し、このオーガ
スクリユーＥの先端に掘削刃Ｆを設け、このオー
ガスクリユーＥを回転駆動して掘削刃Ｆにより土
砂を掘削し、その掘削した土砂をオーガスクリユ
ーＥのスクリユー羽根Ｄにより後方へ送り、地表
から削孔したピツトを通じ地上へ搬出し、その掘
進が進むにつれて管を後方から押入して埋設する
ようになされている。図中Ｇは埋設管を示す。

このようなホリゾンタルオーガにおいては、通
常の地盤の掘削であれば問題はないが、礫地盤を
掘削した場合、その礫がケーシングＢの内周面と
オーガスクリユーＥの軸Ｃとの間の隙間以上に大
きいと搬出することができず、またこの隙間に礫
が噛込むと土砂の搬出不能やオーガスクリユーＥ
の作動不良を起すなどの問題がある。

本発明はこれに鑑み、上記従来の問題点を解消
することを目的としてなされたもので、掘削する
地盤が礫地盤であつても、その礫を誘導して取込
み、取込んだのちこれを破砕してケーシングとオ
ーガスクリユーとの間に送り込めるようにして、
礫地盤であつても容易に掘削することができるよ
うにした礫地盤用ホリゾンタルオーガを提供する
ものである。

上記目的を達成するため、本発明のホリゾンタ
ルオーガは、先導管の先端部にケーシングに接続
される刃口リングを有し、該ケーシング内にオー
ガスクリユーを挿通してこれを回転駆動すること
により地盤を掘削しつゝ排土するホリゾンタルオ
ーガにおいて、前記刃口リングの内周部に先端に
向け拡開する拡開内周壁を形成する一方、オーガ
スクリユー軸の先端に先端ブレードを固着し、こ
のブレードには少くとも１つの導入開口部を形成
するとともにこのブレードの内側には前記導入開
口部の回転方向後方側に延び次第に半径を増大す
る拡開誘導壁をオーガスクリユー軸とブレードと
の間に固着してこの誘導壁と前記拡開内周壁との
間に回転方向後流側になるにつれて間隔が狭まる
礫取込み室を形成し、前記ブレードの外面には掘
削刃および破砕刃を設け、前記刃口リングの拡開
内周壁の内面、拡開誘導壁の外面、およびオーガ
スクリユー軸の先端部外面にそれぞれ破砕刃を設
けた構成を特徴とするものである。

以下、本発明を第２図および第３図に示す実施
例を参照して説明する。

第２図は本発明にかゝる礫地盤用ホリゾンタル
オーガの一実施例の先端部の縦断側面を示し、第
３図はその先端ブレードの正面を示している。

先導管１はその先端に刃口リング２を有し、こ
の刃口リング２は先導管１に対し周方向に複数個
設けられる方向修正用油圧シリンダ３を介して連
結され、その刃口リング２の基部外周および内周
は先導管１およびケーシング４の各先端部外内周
にＯリング５，６を介して密接嵌合されており、
前記油圧シリンダ３を選択的に操作することによ
り刃口リング２の向きを修正して曲進を防止する
ようになつている。

前記刃口リング２の内部には、先端に向けてラ
ツパ状に拡開する拡開内周壁７を有し、この拡開
内周壁７の内面には破砕刃８，８が周方向に複数
条配列固着されている。

前記ケーシング４の先端部の内周面には、その
全面または一部に爪状の小突起９が形成されてい
る。

一方、オーガスクリユー１０は、軸１１の周囲
にスクリユー羽根１２が螺旋状に形成されてお
り、この羽根１２の外周面にも爪状の小突起１３
が形成されている。

前記オーガスクリユー１０の軸１１の先端から
所要範囲にわたりスクリユー羽根１２のピツチ間
の軸１１の周面には破砕刃１４，１４が螺旋状に
配列固着されている。

前記軸１１の先端には、前記刃口リング２の先
端部内周に可及的近接した状態に内嵌される先端
ブレード１５が軸線に対し直交して溶接等により
固着されている。このブレード１５は、第３図に
示すように、直径線上２箇所に半径方向に延びる
ほゞコ字状の切欠からなる礫導入開口部１６，１
６が形成されており、この開口部１６，１６の底
部分１６Ａ，１６Ａからブレード１５の回転方向
Ｙに対し後方側に弧状に延び次第に半径を増す拡
開誘導壁１７，１７が設けられている。この拡開
誘導壁１７，１７は第２図からも分かるように、
前記ブレード１５の内面とオーガスクリユー１０
の軸１１とにわたつて固着される側面形状がラツ
パ状をなすもので、その外周面は前記刃口リング
２の拡開内周壁７に対し軸方向にほゞ平行な間隔
を有する礫取込み室１８が形成されるようになつ
ており、拡開誘導壁１７の外周面と拡開内周壁７
とはブレード１５の回転方向Ｙに対し後流側にな
るにつれて次第に軸方向間隔が狭くなつて礫取込
み室１８の内部間隙を決定している。

この拡開誘導壁１７の外面には破砕刃１９，１
９が複数条にわたり配列固着されており、また礫
取込み室１８の末端は底板２０により閉鎖されて
いる。

前記導入開口部１６の回転方向後方側の開口縁
外面には破砕刃２１，２１が列設固着され、これ
ら破砕刃２１，２１の中間位置の半径方向にも破
砕刃２２，２２が列設固着されている。またブレ
ード１５の中心部および外周適所には掘削刃２
３，２３，……が固着されている。そしてブレー
ド１５の外面および拡開誘導壁１７の外面にも爪
状の小突起２４，２５が形成されている。

つぎに上記実施例の作用を説明する。

ホリゾンタルオーガを図示しないピツト内に設
置し、オーガスクリユー１０を駆動して礫地盤を
掘削すると、ブレード１５が第３図矢印Ｙ方向に
回動してその掘削刃２３，２４……および破砕刃
２１，２２……により礫地盤を掘削する。このと
きブレード１５が掘削しながらホリゾンタルオー
ガ全体を前進させると、掘削された土砂や礫はブ
レード１５の導入開口部１６，１６からブレード
１５の内側に入り、礫取込み室１８内に取込まれ
る。

礫取込み室１８に入つた通常の土砂および小さ
い礫は、従来と同様にオーガスクリユー１０のス
クリユー羽根１２によつて後方へ送られ、その後
端から排出されてピツトを通じ地上へ排出され
る。

大径の礫が取込まれると、オーガスクリユー１
０と共に回転する拡開誘導壁１７と刃口リング２
の拡開内周壁７との間に狭まれ、オーガスクリユ
ー１０の回転につれて礫は礫取込み室１８の次第
に奥側へ送られ、その間隔が狭くなるため破砕刃
８，１９により破砕される。

破砕された礫はスクリユー羽根１２によつてそ
のピツチ間に入り、後方へ送られるが、その間に
おいても軸１１上の破砕刃１４と刃口リング２の
拡開内周壁７の破砕刃８とで砕かれ、さらにケー
シング４の内面とオーガスクリユー１０との間に
至つてもケーシング４の内面の小突起９と軸１１
上の破砕刃１４とで粉砕作用を受け、粉々になつ
て後方へ送られ、地上に排出される。

以上説明したように、本発明による礫地盤用ホ
リゾンタルオーガは、オーガスクリユーの先端の
ブレードに礫導入開口部を設け、この開口部から
刃口リングの拡開内周壁とオーガスクリユーの軸
上の拡開誘導壁との間で形成される礫取込み室内
に導入し、この室内でこれら壁の対向面に設けら
れた破砕刃によつて礫を粉砕してスクリユー羽根
により後方へ搬送するようにしたので、大きい礫
であつてもこれを取込んで粉砕し、通常の土砂と
同様に排出することができ、大きい礫が存在する
礫地盤であつても良好に掘削することができる。
また拡開誘導壁と刃口リングの拡開内周壁との間
に形成される礫取込み室はブレードの回転方向後
流側が次第に幅狭に形成されているので、破砕は
強制的に行なわれ、大きいまゝスクリユー羽根で
送られることがなく、その結果礫の詰りによる作
動不良や土砂の搬送不能等の不具合が全く生じる
ことがないなどの種々優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のホリゾンタルオーガを示す略示
縦断側面図、第２図は本発明による礫地盤用ホリ
ゾンタルオーガの一実施例を示す先端部の縦断側
面図、第３図は第２図における先端ブレードの正
面図である。 １……先導管、２……刃口リング、４……ケー
シング、７……拡開内周壁、８，１４，１９，２
１，２２……破砕刃、１０……オーガスクリユ
ー、１１……軸、１２……スクリユー羽根、１５
……先端ブレード、１６……礫導入開口部、１７
……拡開誘導壁、１８……礫取込み室、２３……
掘削刃。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 先導管の先端部にケーシングに接続される刃
   口リングを有し、該ケーシング内にオーガスクリ
   ユーを挿通してこれを回転駆動することにより地
   盤を掘削しつゝ排土するホリゾンタルオーガにお
   いて、前記刃口リングの内周部に先端に向け拡開
   する拡開内周壁を形成する一方、オーガスクリユ
   ー軸の先端に先端ブレードを固着し、このブレー
   ドには少くとも１つの導入開口部を形成するとと
   もにこのブレードの内側には前記導入開口部の回
   転方向後方側に延び次第に半径を増大する拡開誘
   導壁をオーガスクリユー軸とブレードとの間に固
   着してこの誘導壁と前記拡開内周壁との間に回転
   方向後流側になるにつれて間隔が狭まる礫取込み
   室を形成し、前記ブレードの外面には掘削刃およ
   び破砕刃を設け、前記刃口リングの拡開内周壁の
   内面、拡開誘導壁の外面、およびオーガスクリユ
   ー軸の先端部外面にそれぞれ破砕刃を設けてなる
   礫地盤用ホリゾンタルオーガ。