JPH0362622B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、シート反転装置に関し、更に詳しく
は、シートの移動方向を反転させる装置に関す
る。

シート反転装置は、特に印刷機もしくは複写機
により供給されるシートを適正な順序で揃えるコ
レータと組合せて使用される。

オランダ特許出願第7400759号明細書には、上
方に向つて傾斜した案内部材にシートを供給し、
次いでシートを案内部材から後退させることによ
つてシートの移動を反転させるコレータが開示さ
れている。この装置の不利な点は、供給されたシ
ートは案内部材上を何ら制御されることなしに移
動することがあるため、シートの供給およびその
後のシートの配置の際にシートが斜めになつたり
乱れたりする危険がある。この種の危険は、シー
トの供給速度が高くなるにつれて増大する。

案内部材上を前進するシートの先端部が当接す
る当接部を設けることにより、案内部材における
シートの移動の自由を制限することが提案されて
いる（米国特許第4262895号明細書参照）。このよ
うな当接部を設けることはシートの前進速度が低
い場合に有利であるが、シートが高速度（たとえ
ば40cm／秒もしくはそれ以上）で供給される場
合、このような当接部の配設は有利どころか欠点
となる。何故なら、供給されるシートは、拘束力
を受けずにシートの弾性力によつて当接部からは
ね返るからである。

「ゼロツクス・デイスクロージヤ・ジヤーナ
ル」（1981年７月／８月・第179〜180頁）には、
案内部材と接触しかつこの案内部材に供給される
シートを受容する共にシートの前進移動の速度を
減少させるローラを設けたシート反転装置が開示
されている。このローラによつて、シートの移動
は明らかに或る程度制御されるが、シートがロー
ラに係合した時点で既に斜めになつている場合に
は、シートが斜めになつた状態が維持されるた
め、シートは斜めになつた状態のまま反転搬送さ
れるという欠点を有する。

本発明の目的は、供給手段によつて案内部材に
供給されるシートの状態とは無関係に各シートを
整つた配列状態で反転搬送し得るシート反転装置
を提供することにある。

本発明によれば、前述の目的は、シートを案内
するための案内部材と、シートを案内部材上に供
給すべく案内部材の一端に隣接して配置されると
共に一対のローラを有する供給手段と、案内部材
に沿つて案内されるシートの先端部を案内部材の
他端の周りに順次折り曲げて当該折り曲げられた
シートの先端部の進行方向を転向させると共に、
前述の折り曲げられたシートの先端部の前進移動
の速度を減少させるための転向案内部と、シート
の後端部が前述の一対のローラの一方から離れた
際に、前述の一対のローラの他方と協働してシー
トを送出すべく、案内部材の前述の一端に隣接し
て配置される送出手段とを有しており、転向案内
部は、案内部材の他端に隣接する当該案内部材の
案内面に対して鋭角を形成すると共にシートの先
端部の前述の転向された進行方向に伸長する転向
面を有しており、転向面は、案内部材の他端と向
い合う当該転向面の部位が案内部材の他端から小
さな距離丈け離間するように形成されているシー
ト反転装置により達成される。

本発明のシート反転装置においては、供給手段
が、シートを案内部材上に供給すべく案内部材の
一端に隣接して配置されると共に一対のローラを
有しており、また、送出手段は、シートの後端部
が前述の一対のローラの一方から離れた際に前述
の一対のローラの他方と協働してシートを送出す
べく、案内部材の前述の一端に隣接して配置され
ている。

従つて、本発明によれば、シートが供給手段の
一対のローラによつて斜めになつた状態で案内部
材に供給された場合でも、シート先端部のうち早
く転向案内部の転向面に到達した部分は、案内部
材の他端と転向面とによつて前進移動の速度を減
じられ、この早く到達した部分に対応するシート
の後端部の部分は一対のローラ間の接触線を通過
しており、一方、シート先端部のうち早く転向面
に到達する部分以外の部分は、前進移動の速度を
減じておらず、またこの早く到達する部分以外の
部分に対応するシートの後端部の部分は一対のロ
ーラによつて前進速度を与えられているため、シ
ートは前述の早く到達した部分を中心に旋回して
シートの斜めの状態は修正され、従つて一対のロ
ーラの他方のローラと送出手段とによつてシート
が後退移動に移行する際に斜めになつた状態でシ
ートが搬送されるのを防止し得る。

即ち、本発明のシート反転装置は、供給手段に
よつて案内部材に供給されるシートの状態とは無
関係に各シートを整つた配列状態で反転搬送する
ことができる。

処理されるべきシートの種類および案内部材上
でのシートの前進速度は、シートの先端部を折り
曲げかつシートの先端部の前進速度を減少させる
程度を決定すると共に、最適結果を得るための条
件、即ち、転向案内部の転向面の案内部材の他端
からの距離、ならびに案内部材の他端部の案内面
に対する転向案内部の転向面の角度を決定する。
Ａ−４サイズかつ60〜120ｇ／m²の坪量を有する
シートが40−60cm／秒の速度で前進され乍ら処理
される実用的条件の下では、案内部材の他端と向
い合う転向面の部位が案内部材の他端から３〜10
mmの距離に配置され、且つ、転向面が案内部材の
他端部の案内面に対して60°〜85°の角度をなす場
合に極めて信頼し得る作動が得られる。

案内部材は平坦であつてもよい。

本発明による装置の有利な実施例において、案
内部材は、シートの先端部が案内部材の他端の周
りに折り曲げられる方向とは反対方向に、案内部
材に供給されるシートを折り曲げるように凹状に
屈曲される。従つてシートの反転移動が開始され
る際、シートの折り曲げられた先端部と当該折り
曲げられた先端部以外のシートの他の部分との間
に形成される角度が減少して、シートは平坦な状
態に近づくことができる。このことによつて、シ
ートの先端部にかかる拘束力が減少され、シート
反転装置からのシートの送出が容易になる。

さらに、案内部材は、中央部分が凹状に屈曲さ
れ、両端部が前述の中央部分から漸次屈曲され
て、断面において自由端が末広がりのコの字形に
なるように形成されるのが有利である（以後、本
明細書において、このような形状を尾錠型と指称
する）。案内部材がこのように形成されると、供
給されるシートが凹所内で湾曲することができる
ため異なる大きさを有するシートを処理する際、
シートを正しい状態で反転装置から送出すること
ができる。

以下、添付図面を参照して本発明を実施例につ
き詳細に説明する。

図面において、符号１，２および３は互いに接
触すると共に回転自在なローラを示している。

一対のローラ１，２は、シートを案内部材１０
上に供給すべく、案内部材１０の一端に隣接して
配置されており、供給手段を構成する。

シート反転装置４は尾錠型に屈曲された案内部
材１０を備え、案内部材１０は３つの真直な案内
部５，６および７よりなり、これらの案内部を約
120°の角度で接続する。接続片８は案内部７を転
向案内部９に接続する。

転向案内部９は、案内部材１０に沿つて案内さ
れるシートの先端部を案内部材１０の他端７ａの
周りに順次折曲げて当該折り曲げられたシートの
先端部の進行方向を転向させると共に、前述の折
り曲げられたシートの先端部の前進移動の速度を
減少させるために設けられる。転向案内部９は、
案内部材１０の他端７ａに隣接する案内部材１０
の案内面１２に対して鋭角を形成すると共に、シ
ートの先端部の前述の転向された進行方向に伸長
する転向面１１を有しており、転向面１１は、案
内部材１０の他端７ａと向い合う転向面１１の部
位が案内部材１０の他端７ａから小さな距離丈け
を離間するように形成されている。

転向案内部９は、本実施例においては、転向面
１１が案内部７の案内面１２に対し約75°の角度
を形成すると共に、案内部材１０の他端としての
案内部７の先端部７ａと向い合う転向面１１の部
位が先端部７ａから或る距離、たとえば７mmだけ
離間するように配置されている。

ローラ３は、送出手段を構成しており、シート
の後端部が一対のローラ１，２の一方としてのロ
ーラ１から離れた際に、一対のローラ１，２の他
方としてのローラ２と協働してシートを送出すべ
く、案内部材１０の一端に隣接して配置される。

一対のローラ１および２によつて供給されたシ
ートは案内部材１０に向けて供給され、案内部材
１０に沿つて押上げられる。この移動の際、シー
トは弾力的に折り曲げられる一方、案内部５，６
および７に対して個々の領域で押圧される。シー
トの先端部が案内部７の端部７ａを越えて通過す
るような程度までシートが前進すると、シートの
先端部は転向案内部９の転向面１１に接触しかつ
転向面１１に沿つてさらに前進し、その際先端部
は案内部７の先端部７ａの回りで折曲げられる。
この移動の際、シートの先端部は案内部７の先端
部７ａの表面及び転向面１１上を摺動し、この摺
動によつて生じる摩擦力は徐々に増大する。この
徐々に増大する摩擦力によつてシートの先端部の
前進移動の速度は減少する。

シートがローラ１および２によつて斜めになつ
た状態で供給されると、シートの先端部は先ず転
向面１１に達してシートの先端部の前進移動は減
少する、一方、シートの他の部分の前進移動の速
度は減少されることなくさらに移動し続けること
ができる。かくして、シートにトルクが作用し、
それによりシートの斜めになつた状態が修正され
る。したがつて、シートがシート反転装置４に適
正状態または斜めになつた状態のいずれで供給さ
れるかに関係なく、ローラ１と２との間の間〓か
ら出る際、シートは図面における線ａで示される
状態を占め、この状態においてシートの後端部
は、シートの弾力性に基づく反発力によつてロー
ラ２に押圧される。図面に示したものより長いシ
ートは、この状態において、案内部５，６，７に
よつて規定される凹所内において案内部材１０に
更に多くの部分が近接する位置を占める。

次いで、ローラ２の連続回転はシートの後端部
をローラ２の表面によつて同伴させ、その結果シ
ートの後端部はローラ２と送出手段としてのロー
ラ３との間の間〓に到達する。シートのこの状態
を図面において線ｂによつて示す。

シートがローラ２および３によつて送出される
瞬間から、このシートは、伸ばされ、かつ図面に
おいて線ｃで示される状態まで徐々に移行され
る。

この状態においてシートの屈曲は著しく除去さ
れており、初期のシートの先端部の湾曲は減少し
ているため、シートの先端部は、このシートの送
出を妨げるような拘束力を受けることはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるシート反転装置の略断面
図である。 １，２，３……ローラ、４……シート反転装
置、５，６，７……案内部、８……接続片、９…
…転向案内部、１０……案内部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ シートを案内するための案内部材と、前記シ
   ートを前記案内部材上に供給すべく前記案内部材
   の一端に隣接して配置されると共に一対のローラ
   を有する供給手段と、前記案内部材に沿つて案内
   されるシートの先端部を前記案内部材の多端の周
   りに順次折り曲げて当該折り曲げられたシートの
   先端部の進行方向を転向させると共に、前記折り
   曲げられたシートの先端部の前進移動の速度を減
   少させるための転向案内部と、シートの後端部が
   前記一対のローラの一方から離れた際に、前記一
   対のローラの他方と協働して前記シートを送出す
   べく、前記案内部材の前記一端に隣接して配置さ
   れる送出手段とを有しており、前記転向案内部
   は、前記案内部材の他端に隣接する当該案内部材
   の案内面に対して鋭角を形成すると共に前記シー
   トの先端部の前記転向された進行方向に伸長する
   転向面を有しており、前記転向面は、前記案内部
   材の他端と向い合う当該転向面の部位が前記案内
   部材の他端から小さな距離丈け離間するように形
   成されているシート反転装置。 ２ 前記転向案内部は、前記転向面の前記部位が
   前記案内部材の前記他端から３〜10mmの距離丈け
   離間すると共に前記転向面が前記案内部材の前記
   案内面に対して60〜85°の角度を形成するように、
   配置されている特許請求の範囲第１項に記載の装
   置。 ３ 前記案内部材は、前記転向案内部により折り
   曲げられた前記シートの先端部の方向とは反対の
   方向に前記シートを折り曲げるために凹状に屈曲
   されている特許請求の範囲第１項又は第２項に記
   載の装置。 ４ 前記案内部材は、中央部分が凹状に屈曲さ
   れ、両端部が前記中央部分から漸次屈曲されて、
   断面において自由端が末広がりのコの字形である
   特許請求の範囲第３項に記載の装置。