JPH036119Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ 考案の目的 (1) 産業上の利用分野 本考案は、床配線装置に関する。

(2) 従来の技術 従来、事務所等の床に配線する場合には床にピ
ツトを設け、該ピツト内に配線を収納することが
一般的に行われているが、場合によつては該ピツ
トと電線管とを併設することがある。

(3) 考案が解決しようとする課題 従来のピツトは、設備機能との連係が考慮され
ないために、その施行時には精密な施行作業が必
要であり、施工現場での製作に任されることが多
く、一定の規格品の量産化が困難であつた。

本考案は、上記事情に鑑み提案されたものであ
り、構造簡単な接続手段により複数の電線管との
接続機能を持たせることができるようにして、一
定規格品の組合せで迅速な施工を可能とした床配
線装置を提供することを目的とする。

Ｂ 考案の構成 (1) 課題を解決するための手段 そして上記目的を達成するために本考案は、内
部に配線を収納すべく床に配設されるダクト本体
の一側壁を、中間部に電線挿通孔が穿設された鉛
直板部と、この鉛直板部の上下両端縁にそれぞれ
一体に連設された上下係止部とを有する受枠より
構成すると共に、前記上下係止部と前記鉛直板部
外側面との間に、開口部が相対向する上下一対の
取付溝をそれぞれ形成し、前記上下一対の取付溝
間には、前記電線挿通孔に対応する開口部と、こ
の開口部の側方に位置するねじ孔とを有する固定
板を嵌合し、さらに前記上下係止部外面に衝合す
ると共に複数の電線管を保持する接続部材を、該
接続部材を貫通して前記ねじ孔に螺合するねじ部
材、及び前記固定板を介して前記受枠に固着した
ことを特徴とする。

(2) 作用 上記構成によれば、受枠の上下一対の取付溝に
固定板を嵌合してそれの開口部と該受枠の電線挿
通孔とを対応させると共に、接続部材を受枠の上
下係止部の外側面に当てがいつつねじ部材を固定
板のねじ孔に単にねじ込むだけで、該接続部材、
従つて電線管を受枠に簡単に接続、一体化するこ
とができる。

しかも前記接続部材には複数の電線管が保持さ
れることから、該接続部材を受枠に取付けると同
時に複数の電線管を一挙に受枠に接続することが
できる。そしてその接続状態では、電線管内の電
線を固定板の開口部及び受枠の電線挿通孔を通し
てダクト本体内に難なく引入れることができる。

(3) 実施例 以下、図面により本考案の実施例について説明
すると、第１図において、事務室内の床配線をす
るにあたつては、直線部用配線ユニツト１、端部
用配線ユニツト２、Ｌ字状配線ユニツト３、Ｔ字
状配線ユニツト４及び十字状配線ユニツト５など
が、配線経路に応じて組み合わされ、分電盤６や
端子盤７からの配線が電線管８を経て、たとえば
端部用配線ユニツト２、Ｌ字状配線ユニツト３及
びＴ字状配線ユニツト４などに引き込まれる。

第２図及び第３図において、Ｔ字状配線ユニツ
ト４は、一直線状受枠９と、一部を該受枠９と平
行にして配置される一対の略Ｌ字状受枠１０，１
０とを底板１１で連結して構成されるダクト本体
１２と、該ダクト本体１２の上部を塞ぐ上蓋１３
とから成り、受枠９，１０の内側面上部に設けら
れた鍔部１４にゴム製受け部材１５を介して上蓋
１３が載置される。

このＴ字状配線ユニツト４に接続される直線部
用配線ユニツト１は、相互に平行な一対の受枠１
６，１６間の下部を底板１７で連結して横断面略
Ｕ字状に形成されたダクト本体１８と、受枠１６
の内側面上部に設けられた鍔部１９上に受け部材
１５を介して載せられる上蓋（図示せず）とから
成る。

Ｔ字状配線ユニツト４におけるダクト本体１２
の一側壁を構成する、本考案の受枠９は、床面に
沿つて延びる鉛直板部９ａと、この鉛直板部９ａ
の上下両端縁にそれぞれ一体に連設されたＬ字状
の上下係止部９ｕ，９ｄとを有しており、この受
枠９の前記上下係止部９ｕ，９ｄと鉛直板部９ａ
外側面との間には、開口部が相対向する上下一対
の取付溝２１ｕ，２１ｄがそれぞれ形成されてい
る。前記鉛直板部９ａの中央部には電線挿通孔２
０が設けられ、その挿通孔２０に対応した部分だ
け鍔部１４が切欠かれている。

前記上下一対の取付溝２１ｕ，２１ｄ間には、
前記電線挿通孔２０を閉塞可能な固定板２２が嵌
合されており、しかもこの固定板２２には、第４
図で示すように、前記電線挿通孔２０に対応した
パンチング線２３が形成されており、そのパンチ
ング線２３に沿つて打ち抜くことにより、第３図
で示すように、該電線挿通孔２０に対応した開口
部２４を固定板２２に形成することができる。

固定板２２の両端にはねじ孔２５がそれぞれ形
成されており、そのねじ孔２５に螺合するねじ部
材２６によつて接続部材２７を受枠９に固着する
ことができる。

接続部材２７は、上部及び受枠９側の側部が開
放した箱状に形成されており、カバー２８によつ
て上部を閉塞可能である。また受枠９側の側部両
縁には、前記ねじ孔２５に対応した挿通孔を有す
る取付鍔２９がそれぞれ設けられており、前記挿
通孔に挿通したねじ部材２６を前記ねじ孔２５に
螺合して締付けることにより、固定板２２を介し
て接続部材２７が受枠９に固着される。

また接続部材２７の、前記電線挿通孔２０及び
開口部２４に対向する側部には複数（図示例では
３本）の電線管８を接続可能とするための３つの
孔を容易に穿孔し得るようにパンチング線が設け
られており、穿孔された部分に電線管８が接続管
３０を介して接続保持される。これにより、Ｔ字
状配線ユニツト４内への電線管８からの電線の引
き入れ、あるいは該配線ユニツト４から電線管８
への電線の引出しが可能となる。

他の端部用配線ユニツト２、Ｌ字状配線ユニツ
ト３についての電線管８との接続部についての構
造は、基本的に上記Ｔ字状配線ユニツト４に関す
るものと同様であり、説明を省略する。

ところで、上述のように受枠９に電線挿通孔２
０を設けていても、電線管８との接続を行なわな
い部分もあり、このような場合には第５図に示す
ように固定板２２に閉塞板３１を、前述の接続部
材２７と同様の取付手段により取付ける。このと
き、固定板２２のパンチング線２３は残されたま
まであり、固定板２２には開口部２４が設けられ
ていない。このようにすれば電線挿通孔２０を閉
塞することができる。

次にこの実施例の作用について説明すると、各
ユニツト１〜５を必要個数準備して組合せること
により、配線経路に略対応した通線路を形成する
ことができ、不足分で電線管８との接続を行なう
ようにすればよい。そうすることにより、施工現
場での施工精度を比較的粗くしても設備機能との
連係を的確に行なうことができる。

また電線管８と各ユニツト１〜５の受枠９との
接続に際しては、受枠９の上下一対の取付溝２１
ｕ，２１ｄに固定板２２を嵌合してそれの開口部
２４と該受枠９の電線挿通孔２０とを対応させる
と共に、接続部材２７を受枠９の上下係止部９
ｕ，９ｄの外側面に当てがいつつねじ部材２６を
固定板２２のねじ孔２５に単にねじ込むだけで、
該接続部材２７、従つて３本の電線管８を受枠９
に簡単に接続、一体化することができる。

尚、電線管８との接続が不要な部分では、電線
挿通孔２０を閉塞板３１で閉塞しておくことがで
きる。

C.考案の効果 以上のように本考案によれば、内部に配線を収
納すべく床に配設されるダクト本体の一側壁を、
中間部に電線挿通孔が穿設された鉛直板部と、こ
の鉛直板部の上下両端縁にそれぞれ一体に連設さ
れた上下係止部とを有する受枠より構成すると共
に、前記上下係止部と前記鉛直板部外側面との間
に、開口部が相対向する上下一対の取付溝をそれ
ぞれ形成し、前記上下一対の取付溝間には、前記
電線挿通孔に対応する開口部と、この開口部の側
方に位置するねじ孔とを有する固定板を嵌合し、
さらに前記上下係止部外面に衝合すると共に複数
の電線管を保持する接続部材を、該接続部材を貫
通して前記ねじ孔に螺合するねじ部材、及び前記
固定板を介して前記受枠に固着したので、ダクト
本体の前記一側壁に電線管を接続することが可能
となり、従つてダクト本体を規格化して量産化
し、施工現場において比較的粗い精度で組付けて
も、電線管との接続により設備との連係をうまく
行うことができるから、施工作業の迅速化が可能
となる。

また特に前記受枠の上下一対の取付溝に固定板
を嵌合してそれの開口部と該受枠の電線挿通孔と
を対応させると共に、前記接続部材を受枠の上下
係止部の外側面に当てがいつつねじ部材を固定板
のねじ孔に単にねじ込むだけで、該接続部材、従
つて電線管を受枠に簡単に接続、一体化すること
ができ、その際に受枠自身には接続部材取付けの
ための孔や開口を特別に設ける必要はないから、
受枠の強度を損なうことなく該受枠に接続部材を
迅速的確に取付けることができる。しかも前記接
続部材には複数の電線管が保持されることから、
該接続部材を受枠に取付けると同時に複数の電線
管を一挙に受枠に接することができ、その接続作
業の能率向上に大いに寄与することができる。さ
らに固定板における前記開口部の特設により、該
固定板が受枠の電線挿通孔を塞ぐ虞れはなくな
り、電線管内の電線を該開口部及び電線挿通孔を
通してダクト本体内に支障なく引入れることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本考案の一実施例を示すもの
であり、第１図は全体平面図、第２図は第１図の
部を一部省略して示す拡大斜視図、第３図は第
２図の−線断面図、第４図は固定板の正面
図、第５図は開口部を閉塞したときの第３図に対
応した断面図である。 ８…電線管、９…受枠、９ａ…鉛直板部、９
ｕ，９ｄ…上，下係止部、１２…ダクト本体、２
０…電線挿通孔、２１ｕ，２１ｄ…上，下取付
溝、２２…固定板、２４…開口部、２５…ねじ
孔、２６…ねじ部材、２７…接続部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部に配線を収納すべく床に配設されるダクト
   本体１２の一側壁を、中間部に電線挿通孔２０が
   穿設された鉛直板部９ａと、この鉛直板部９ａの
   上下両端縁にそれぞれ一体に連設された上下係止
   部９ｕ，９ｄとを有する受枠９より構成すると共
   に、前記上下係止部９ｕ，９ｄと前記鉛直板部９
   ａ外側面との間に、開口部が相対向する上下一対
   の取付溝２１ｕ，２１ｄをそれぞれ形成し、前記
   上下一対の取付溝２１ｕ，２１ｄ間には、前記電
   線挿通孔２０に対応する開口部２４と、この開口
   部２４の側方に位置するねじ孔２５とを有する固
   定板２２を嵌合し、さらに前記上下係止部９ｕ，
   ９ｄ外面に衝合すると共に複数の電線管８，８，
   ８を保持する接続部材２７を、該接続部材２７を
   貫通して前記ねじ孔２５に螺合するねじ部材２
   ６、及び前記固定板２２を介して前記受枠９に固
   着したことを特徴とする、床配線装置。