JPH036005Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はSHF放送を受信するアンテナの取付
台に関するものである。

〔従来の技術〕

SHF放送を地上で受信するときアンテナを放
送衛星の方向に正対させるように水平角及び仰角
の２つを調整しておく必要がある。そのため、水
平角調整用の水平可動部と仰角調整用の上下可動
部とを組合せたアンテナ取付台が提案されてい
る。

例えば第６図に示すものは伸縮自在の脚４１を
取付けた基台４２に水準器（図示せず）を有する
水平可動部４３を設け、この水平可動部４３に上
下可動部４４を取付けている。この上下可動部４
４にオフセツトパラボラアンテナ２３を取付け予
め計算上算出された受信点における仰角（電波到
来方向と水平面とのなす角度）、例えば仰角25゜に
とるには、上下可動部４４を上下方向に回転し水
平に保たれた水平可動部４３の仰角目盛の25゜に
上下可動部４４の指針を合わせていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、第６図に示すアンテナ取付台でオフ
セツトパラボラアンテナ以外のアンテナ、例えば
パラボラアンテナ２４をオフセツトパラボラアン
テナと同じ仰角25゜でセツトするには、アンテナ
背面の取付面４５が通常アンテナ開口端縁を含む
平面４７と平行となつているため、第７図に示す
ように取付面４５と上下可動部４４との間に所定
角度の角度補正用アダプタ４６を介装する必要が
あつた。

従つて、従来のアンテナ取付台はアンテナの種
類の数だけそろえておくか、または前記するよう
な角度補正用アダプタをアンテナの種類別に用意
しなければならない。しかし多数のアンテナ取付
台を用意するとか、また多数の角度補正用アダプ
タを用意しておくことは極めて不経済であり、ま
た角度補正用アダプタを備えるものではその選
択・介装作業が煩雑で、且つ時間がかかる欠点が
ある。

本考案は前記の点に鑑みてなされたもので、ア
ンテナの種類が異なる場合においても角度補正用
アダプタの如き介挿物なしで簡便、的確にセツト
できるアンテナ取付台の提供を目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

前記の目的を達成するための本考案の構成を実
施例に対応する第１図〜第５図を用いて説明す
る。水平配置の支持台１上で水平回転可能に取付
けられた水平可動部３に水平方向の横軸１０を突
設し、この横軸に第２仰角調整用可動部１１の一
端部を回転可能に取付け、第２仰角調整用可動部
１１の他端部に前記横軸１０と平行なアンテナ取
付面を有する第１仰角調整用可動部１６を前記横
軸１０と平行な軸線上で回転できるように取付
け、第１仰角調整用可動部１６と第２仰角調整用
可動部１１のいずれか一方に指針２６を他方に指
針２６と対向するアンテナ選択目盛板２５を付
し、第２仰角調整用可動部１１と水平可動部３の
いずれか一方に指針３０を他方に指針３０と対向
するアンテナ仰角目盛板２９を付すと共に、前記
可動部３，１１，１６を所要回転角度位置でセツ
トできるようにしている。

〔作用〕

アンテナ取付台にアンテナをセツトするには、
まず所定の向きにとつた支持台１をこれに取付け
た水平可動部３が水平となるように傾きを調節す
る。そして第２仰角調整用可動部１１に対し第１
仰角調整用可動部１６を上下回転しアンテナ選択
目盛板２５における取付けるべきアンテナに該当
する目盛に指針２６を合わせて可動部１６を可動
部１１にセツトする。次に、水平可動部３に対し
第２仰角調整用可動部１１を上下回転しアンテナ
仰角目盛板２９の受信点における仰角に相当する
目盛に指針３０を合せて可動部１１を可動部３に
セツトする。このようにしてアンテナの仰角セツ
トが終了すると、水平可動部３の水平角を調整し
てアンテナを放送衛星の方向に正対させる。

次に、取付けたアンテナと種類が異なるアンテ
ナをアンテナ取付台に取付けるには、受信点にお
ける仰角はアンテナの種類と関係なく一定である
から、可動部１１に対し可動部１６を回転しアン
テナ選択目盛板２５における取付けるべきアンテ
ナに該当する目盛に指針２６を合せて可動部１６
を可動部１１にセツトしてから、新旧アンテナを
交換すればよい。

尚、アンテナは予め第１仰角調整用可動部１６
に取付けてから操作するか、あるいは操作の過程
で可動部１６に取付けるようにしてもよい。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面に基いて説明する。第１
図〜第４図において、１は伸縮自在の３脚２を開
閉可能に取付けた基台、３は本体部５に水準器３
１を備え且つ基台１に固着された段付固定軸４に
水平回転可能に取付けられた水平可動部で、その
固定は本体部５に形成されて段付固定軸４に達す
るスリツト６にねじ軸７で貫通して本体部５に取
付けたクランプつまみ８の締付けによつて行う。

水平可動部３は本体部５の一側に横軸１０を突
設し、これに第２仰角調整用可動部１１の一端部
を回転可能に取付け、ビス２７により横軸１０に
取付けられた当板２８と本体部５の段部３４とで
可動部１１の軸方向の移動を拘束すると共に、当
板２８に添着したアンテナ仰角目盛板２９を可動
部１１の正面側に表示し、可動部１１にはアンテ
ナ仰角目盛板２９と対向する指針３０を付す。水
平可動部３に対する可動部１１の固定は可動部１
１に形成されて支軸１０に達するスリツト１２に
ねじ軸１３で貫通して可動部３に取付けたパーン
棒１４の締付けによつて行う。

第２仰角調整用可動部１１は上部に水平可動部
３の横軸１０と平行に横軸１５を突設し、この軸
１５に第１仰角調整用可動部１６を回転可能に取
付けると共に、ボルト２１により横軸１５に取付
けられた当板２２と可動部１１の背面３５とで可
動部１６の軸方向の移動を拘束し、セツトボルト
２０により可動部１６を可動部１１に位置決め固
定する。そして第２仰角調整用可動部１１の正面
上部には中心を横軸１５の軸線上にとるアンテナ
選択目盛板２５を添着し、第１仰角調整用可動部
１６にはアンテナ選択目盛板２５と対向する指針
２６を付す。

第１仰角調整用可動部１６は横軸１５と平行な
取付面３３を有するアンテナ取付座１７を設け、
この取付座１７に位置決めピン１８及びクランプ
ボルト１９を取付けている。

次にアンテナ取付台にアンテナをセツトする手
順を説明する。まず固定軸４の頂面に固着されて
水平可動部３の抜け止めを兼ねる押え板９の基準
線（図示せず）を方位磁石の指針に合せて３脚２
をセツトすると、水平可動部３の水準器３１が水
平面を指すように脚２の高さを調整する。調整が
終わると第２仰角調整用可動部１１に対し第１仰
角調整用可動部１６を上下回転し取付けるべきア
ンテナがパラボラアンテナ２４ではアンテナ選択
目盛板２５の目盛P₂に指針２６を合せ、オフセ
ツトパラボラアンテナ２３では目盛P₁に指針２
６を合わせて可動部１６を可動部１１にセツトす
る。ここでアンテナを位置決めピン１８とクラン
プボルト１９で取付座１７に固定すると、パーン
棒１４を操作してアンテナ仰角目盛板２９の受信
点における仰角に相当する目盛に可動部１１の指
針３０を合わせパーン棒１４を緊締して可動部１
１を水平可動部３にセツトする。仰角セツトが終
わるとパーン棒１４により水平可動部３を回転し
本体部５上面の押え板９周縁に沿つて刻設された
方位目盛（図示せず）の受信地に対応する目盛を
押え板９の基準線に合わせ、クランプつまみ８で
水平可動部３を基台１にセツトすることにより、
アンテナを放送衛星の方向に正対させる。

第５図はいま一つの目盛表示例を示す。この実
施例では第１仰角調整用可動部１６にアンテナ選
択目盛板２５を、これと対向する指針２６は第２
仰角調整用可動部１１に設け、また第２仰角調整
用可動部１１にアンテナ仰角目盛板２９を、これ
と対向する指針３０は支軸１０に当板２８を介し
て取付けたプレート３２に付している。

尚、本実施例では可動部１１と１６とを連結す
るボルト２０をアンテナ取付座１７の取付面３３
に設けたが、取付面３３以外の可動部１６箇所に
設けると、最初から取付け座１７にアンテナを取
付けることができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、アンテナ
選択目盛及びアンテナ仰角目盛板を付した１台の
アンテナ取付台で種類の異なるアンテナをその種
類によりセツト位置を違えて共通の所定仰角（受
信地における仰角）でセツトできるようにしてい
るので、アンテナの種類の数だけアンテナ取付台
または角度補正用アダプタをそろえておく必要が
なくなり、真に経済的であると共に、異なる種類
のアンテナとの交換がアンテナ選択目盛の指定目
盛を変えるだけでよいから、アンテナ交換が頗る
簡単に且つ的確に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の側面図、第２図は本
考案の実施例のアンテナ取付角度調整装置の正面
図、第３図は同一部断面した側面図、第４図は第
３図におけるＡ−Ａ線断面図、第５図は他の実施
例のアンテナ取付角度調整装置の正面図、第６図
及び第７図はそれぞれアンテナを取付けた従来品
の側面図である。 １……水平支持台（基台）、３……水平可動部、
１０……横軸、１１……第２仰角調整用可動部、
１６……第１仰角調整用可動部、２３……オフセ
ツトパラボラアンテナ、２４……パラボラアンテ
ナ、２５……アンテナ選択目盛（アンテナ選択目
盛板）、２６，３０……指針、２９……アンテナ
仰角目盛（アンテナ仰角目盛板）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平支持台上で水平回転できるようにした水平
   可動部に水平方向の横軸を突設し、この横軸に第
   ２仰角調整用可動部の一端部を回転可能に取付
   け、この第２仰角調整用可動部の他端部に前記横
   軸と平行なアンテナ取付面を有する第１仰角調整
   用可動部を前記横軸と平行な軸線上で回転できる
   ように取付け、第１仰角調整用可動部と第２仰角
   調整用可動部のいずれか一方に指針を他方に指針
   と対向するアンテナ選択目盛を付し、第２仰角調
   整用可動部と水平可動部のいずれか一方に指針を
   他方にこの指針と対向するアンテナ仰角目盛を付
   すと共に、前記各可動部を所要回転角度位置でセ
   ツトできるようにしたことを特徴とするアンテナ
   取付台。