JPH0358293B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はたとえば同一波長に成形した２枚の波
形シートをその波頂部において貼合わせて得られ
る多数の小透孔が並列した積層体に関するもので
ある。

波形紙の両面に平面状紙即ちライナーを貼合わ
せて多数の並列した小透孔を形成した積層体は両
面段ボールとして紙器または箱に広く使用され、
波形紙の一面に平面状紙を貼合わせた所謂片面段
ボールを該両面段ボールに貼着した複面段ボール
も同様に包装材、緩衝材に広く使用されている。

同一波長に成形した２枚の波形シートをその波
頂部において貼合わせて得られる積層体も原理的
には上述の片面段ボール、両面段ボールと同様緩
衝材に使用し得るわけであるが、片面段ボール、
両面段ボールの場合にはライナーの強度によつて
段ボールの保形性が保たれ、波形紙およびライナ
ーの有する適度の可撓性と相俟つて包装材、緩衝
材としての使用に耐え得るのに対し、２枚の波形
シートをその波頂部において貼合わせた積層体は
押圧または波形シートの波の進行方向に引張るこ
とにより容易にその波形が崩れ扁平になつてしま
うので実際には使用され得ない。

本発明は上記の２枚の波形シートをその波頂部
において貼合わせた積層体を押圧または引張りの
力により扁平化しないよう構成したものであつて
以下実施例を図面について詳細に説明する。

実施例 １ 第１図および第２図において、１，２はクラフ
ト紙、硬質合成樹脂等よりなる波形シートでその
波の波長および波形、幅を同一にして無限長に成
形したものであり、この２枚の波形シートの長さ
方向に糸、金属細線等の繊条３，３…を適宜本数
並行に並べて波形シート１の谷部４と波形シート
２の頂部５との間に挾み、波形シート１の谷部４
と波形シート２の頂部５と繊条３，３…とを線状
に塗布した接着剤６，７により接着し多数の平行
した小透孔８，８…を形成してなる積層体であ
る。

実施例 ２ 第３図に示す如くクラフト紙、硬質合成樹脂等
よりなり波の波長およびシート幅を同一にし波高
を異にする断面折線状の無限長の波形シート１
ａ，２ａを成形し、この２枚の波形シートの長さ
方向に紙、布、合成紙、合成樹脂フイルム等の細
幅テープ３ａ，３ａ…を適宜本数並行に並べて波
形シート１ａの谷部４ａと波形シート２ａの頂部
５ａとの間に挾み、波形シート１ａの谷部４ａと
波形シート２ａの頂部５ａとを線状または点状に
塗布した接着剤により接着し、細幅テープ３ａ，
３ａ…を該接着剤により固定し、多数の平行した
小透孔８ａ，８ａ…を形成してなる積層体であ
る。

実施例 ３ 第４図に示す如くクラフト紙、硬質合成樹脂等
よりなり波の波長、波高およびシート幅を同一に
形成した無限長の波形シート１，２，１ｂを成形
し、波形シート１，２，１ｂとほぼ同一幅に構成
した嵩密度の小さいレース等の編物または網３
ｂ，３ｂを波形シート１，２間および波形シート
２，１ｂ間に挾み隣接する波形シート相互をその
波頂部、波底部において線状または点状に塗布し
た接着剤により接着し編物または網３ｂ，３ｂを
該接着剤により固定し、多数の平行した小透孔
８，８…，８ｂ，８ｂ…を形成してなる積層体で
ある。

本発明の積層体は上記の如くライナーを使用せ
ず波形シートのみを接合して多数の平行した小透
孔を形成した段ボール状に成形し、その接合部に
おいて波形シートの波の稜線と交わるよう糸、金
属細線等の繊条、狭幅テープ、編組物を挾んで固
定したので、従来の段ボールの如くライナーを使
用しなくても繊条等の引張り抵抗により積層体の
形状を保持し、押圧または波の進行方向に引張り
力が作用しても直ちにその波形が崩れ扁平になる
ことなく、外力を吸収する緩衝材または包装材と
して有効に使用し得るものである。

本願特許出願人はさきに昭和58年６月20日付で
特願昭58−110644号（特開昭60−2888号）として
「熱交換素子」につき特許出願したが、その実施
例３に第５図に示す如く同一形状の波形シート
１，２をその波頂部において接合しその波形両端
縁に接着剤９，９を充填して順次積重ね、同一方
向に並列した多数の小透孔８，８と該小透孔８，
８と直交する方向に透通した広幅の屈曲した隙間
１０，１０とを形成した熱交換素子を提案した。
この場合波形シート１，２の接合において本発明
によりその間に繊条３，３…等を挾むときは２枚
の波形シートの成形、接合、更にその積層の工程
において波形シートの波形が正確に保持され、確
実容易に製造ができるとともに熱交換素子として
の物理的強度も増大し変形を生ずるおそれなく、
使用に当つては小透孔８，８を通過する被処理気
体Ｘが繊条３，３…等に当つて乱気流を生じ、流
体Ｘと小透孔壁との接触を盛にし屈曲した隙間を
通る流体Ｙと該流体Ｙと温度差のある流体Ｘとの
間で静圧損失が小さく効率のよい熱交換を行なう
ことができる。

本発明の積層体に使用する波形シートの材質と
しては紙、布、アスベスト紙、合成紙、グラスフ
アイバー紙、合成樹脂、金属薄層等シート状をな
す任意の材料を使用することができ、一般の包装
材、緩衝材として使用するときはクラフト紙その
他の紙、合成樹脂フイルム、合成樹脂を含浸した
紙などで適宜の強度と可撓性を有する材料より選
定し、熱交換素子として使用するときは紙、布、
アスベスト紙、合成樹脂フイルム、金属薄層、合
成紙、セラミツク紙、活性炭粒子混入紙、活性カ
ーボン繊維混入紙、その他適宜材料より適宜の強
度と熱伝導性を有する材料を選定する。また繊条
３としては綿糸、絹糸、合成繊維糸、金属薄線等
より選び、レース等編物も同様材料よりなるもの
を使用し、狭幅のテープは織物、紙、プラスチツ
クス等の材料より選んで使用する。

以上実施例においては波の波頂線はすべてシー
トの長さ方向に直角とし、糸の方向はシートの長
さ方向と同一としたが、波の波頂線をシートの長
さ方向に対し斜向し、また第６図に例示する如く
糸３，３をシート１の長さ方向に対し斜にし互に
交叉させてもよい。

本発明の積層体は上記の構成よりなるので、繊
条、狭幅のテープ、網などを使用することにより
従来のライナーを使用した段ボールと同様確実容
易に成形することができ、従来の段ボールに比し
ライナーがないので包装材、緩衝材として使用し
た場合、外力を受けた際の緩衝性がすぐれている
ほか、前述の如く熱交換素子に使用するときはす
ぐれた効果を発揮し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す積層体の斜視
説明図、第２図は第１図の要部を示す断面図、第
３図は本発明の他の実施例を示す斜視図、第４図
は本発明の第三の実施例を示す断面図、第５図は
本発明の積層体を使用した熱交換素子の例を示す
斜視図、第６図は波形シート１に対する糸３，３
の配置の他の例を示す平面図である。 図中１，２，１ａ，２ａ，１ｂは波形シート、
３は糸、金属細線等の繊条、８，８ａ，８ｂは小
透孔を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数枚の波形シートの波頂部を、該波頂と交
   叉する繊条、狭幅のテープ、レースまたは網を挾
   んで相互に接合し、多数の並列した小透孔を形成
   してなることを特徴とする積層体。