JPH0357495Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 （産業上の利用分野） この考案はプリンタに装着されるリボンカセツ
ト詳しくは一本のスプールに巻回された印字リボ
ンを他方のスプールに巻取るようにしたリボンカ
セツトに関するものである。

（従来の技術及び考案が解決しようとする問題
点） キヤリツジ上に上下動可能に積層支持された一
対のリボンカセツトをキヤリツジの走行方向に応
じて選択的に印字位置に配置して使用することに
より、キヤリツジの往復両方向走行時に印字動作
を行うタイプのプリンタでは、リボンの巻取り方
向が互いに逆になるように２個のリボンカセツト
がキヤリツジ上に積層され、キヤリツジ走行方向
の前側に位置する送出しスプールから繰り出され
るリボンをキヤリツジ走行方向の後側に位置する
巻取りスプール上に巻取るようにしている。とこ
ろが、このタイプのプリンタに使用されるリボン
カセツトは同一の外形形状を有しているため、リ
ボンの巻取方向が互いに逆にならないように装着
されるおそれがあつた。そして、従来のリボンカ
セツトにおいては、その誤装着を防止するための
手段が講じられていなかつた。

（問題点を解決するための手段） この考案はリボンカセツトの誤装着を防止する
ためになされたものであり、そのために以下のよ
うな構成を採用している。すなわち、各スプール
及び一対のガイド部を左右対称な位置にそれぞれ
配設するとともに、前記スプールの軸線と直交す
るリボンカセツトの外側面上における左右対称位
置には２個のリボンカセツトを互いに巻取り方向
が逆になるように重ね合わせたとき、互いに嵌合
するほぼ同一外形形状の突起及び凹所を設けてい
る。

（作用） 上記の構成によりこの考案においては、各突起
１２ｂ，１３ｂをその各突起１２ｂ，１３ｂと同
一の外形形状を有する各凹所１２ｃ，１３ｃにそ
れぞれ嵌合させた状態で同一の外形形状を有する
２個のリボンカセツトを互いに重ね合わせれば、
リボン巻取り方向が互いに逆向きになり、カセツ
トホルダに対する誤装着を防止できる。

（実施例） 以下、この考案を具体化した一実施例を図面に
従つて詳細に説明する。

さて、この実施例のリボンカセツトが装着され
る熱転写型プリンタにおいては、図示しないフレ
ームの両側板間に第２図に示すようなプラテン１
が架設され、このプラテン１の前面に印字用紙を
配置できるようになつている。プラテン１の前方
において平行に延びるように、フレームの両側板
間にはガイド溝３及びガイド板４が架設固定され
ている。

第１図に示すように前記ガイド軸３及びガイド
板４にはキヤリツジ５がプラテン１に沿つて左右
方向へ移動可能に支持され、その上面の前端縁及
び後端縁両側には案内壁５ｂが突出形成されてい
る。キヤリツジ５の軸支部５ａ間に位置してその
キヤリツジ５とともに左右動されるように、ガイ
ド軸３には印字ヘツド６が回動可能に支持され、
その上端後面にはプラテン１と対応する発熱部６
ａが設けられている。

フレームの左右両側部には一対の歯付きプーリ
（図示しない）が回転可能に支持され、そのプー
リ間に掛装されたタイミングベルト８の後方ベル
ト部８ａの一部がキヤリツジ５に固定されるとと
もに、前方ベルト部８ｂがキヤリツジ５の上部切
欠を通つて延びている。そして、一方のプーリが
図示しないモータにて正方向又は逆方向へ回転さ
れることにより、タイミングベルト８を介してキ
ヤリツジ５が第１図に矢印Ｆで示す往動方向又は
第１図に矢印Ｒで示す復動方向へ移動されるよう
になつている。

又、第２、３図に示すようにタイミングベルト
８の下方においてフレームの両側壁間には作動部
材９が上下方向へ揺動可能に架設支持されてい
る。そして、この作動部材９が図示しないソレノ
イド等にて上下動されることにより、印字ヘツド
６の前部に突出形成した作動アーム１０を介して
印字ヘツド６が前後方向に回動され、発熱部６ａ
にてプラテン１に当接する印字位置とプラテン１
から離間する非印字位置とに配置されるようにな
つている。

第１〜３図に示すように前記キヤリツジ５上に
はカセツトホルダ１１が案内壁５ｂに沿つて上下
動可能に支持され、その上面の左右両側縁には側
壁１１ａが突出形成されている。その両側壁１１
ａ間においてカセツトホルダ１１の上面には２個
の熱転写型リボンカセツト１２，１３が着脱可能
に積層載置されている。

各リボンカセツト１２，１３は同一の外形形状
を有し、その箱状リボン収納部１２ａ，１３ａ内
において上下に延びる互いに平行な左右一対の軸
線上には送出しスプール１４及び巻取りスプール
１５がそれぞれ回転可能に配設されるとともに、
各リボンカセツト１２，１３にはリボン収納部１
２ａ，１３ａから前方へ突出する左右一対のガイ
ド部１７が設けられている。そして、各スプール
１４，１５及びガイド部１７が左右対称な位置に
配設され、両リボンカセツト１２，１３をリボン
巻取り方向が互いに逆になるように重ね合わせら
れるようになつている。又、各リボンカセツト１
２，１３の重ね合わせ面、すなわち前記スプール
１４，１５の軸線と直交するリボンカセツト１
２，１３の外側面に各巻取りスプール１５の外側
には半球状の突起１２ｂ，１３ｂがそれぞれ形成
されるとともに、各送出しスプール１４の外側に
は両リボンカセツト１２，１３の重ね合わせ時に
おいて前記各突起１２ｂ，１３ｂが嵌合する凹所
１２ｃ，１３ｃがそれぞれ左右対称に形成されて
いる。

そして、送出しスプール１４に巻回された熱転
写型の印字リボン１６が前記ガイド部１７間にお
いて外部に露出した後、巻取りスプール１５に巻
取られるようになつている。又、上側のリボンカ
セツト１２については巻取りスプール１５がキヤ
リツジ５の往動方向Ｆの後方側に位置するととも
に、下側のリボンカセツト１３については巻取り
スプール１５がキヤリツジ５の復動方向Ｒの後方
側に位置して、両リボンカセツト１２，１３にお
けるリボン１６の巻取り方向が逆になるようにな
つている。

この実施例において、前記カセツトホルダ１１
の左右両側面には連結リンク２６がその上端にお
いて支軸２７によりそれぞれ回動可能に支持さ
れ、それらの下端には回動レバー２３の後端がピ
ン２８にてそれぞれ連結されている。そして、キ
ヤリツジ５に取付けられた作動モータ１８の正逆
回転に伴い駆動ギヤ２０、伝達ギヤ２１、一方の
回動レバー２３の前端に形成した扇形ギヤ２５、
回動レバー２３及び連結リンク２６を介してカセ
ツトホルダ１１が上下動され、キヤリツジ５の往
動時には第２図に示すように上側のリボンカセツ
ト１２が印字ヘツド６の発熱部６ａに対向配置さ
れるとともに、キヤリツジ５の復動時には第３図
に示すように下側のリボンカセツト１３が印字ヘ
ツド６の発熱部６ａと対向配置されるようになつ
ている。

一方、キヤリツジ５の上面には第１図に示すよ
うに左右一対の巻取り軸３０，３１が回転可能に
立設配置され、それらの外周の所定高さ位置には
複数の駆動爪３０ａ，３１ａが形成されている。
そして、第２図に示すようにキヤリツジ５の往動
時において上側のリボンカセツト１２が印字ヘツ
ド６の発熱部６ａと対向配置された場合には、キ
ヤリツジ５の往動方向Ｆの後方側に位置する巻取
り軸３０上の駆動爪３０ａが上側のリボンカセツ
ト１２の巻取りスプール１５の内周面に係合し、
又、第３図に示すようにキヤリツジ５の復動時に
おいて下側のリボンカセツト１３が印字ヘツド６
の発熱部６ａと対向配置された場合には、キヤリ
ツジ５の復動方向Ｒの後方側に位置する巻取り軸
３１上の駆動爪３１ａが下側のリボンカセツト１
３の巻取りスプール１５の内周面に係合するよう
になつている。

さらに、タイミングベルト８の周回移動に伴い
キヤリツジ５が往動方向Ｆに移動されるときに
は、その往動方向Ｆと逆方向に移行される前方ベ
ルト部８ｂと第１伝達ギヤ３８との噛合により切
替えレバー３６が第１図の時計方向に回動され
て、第３伝達ギヤ４０が一方の中間ギヤ３４に噛
合され、この状態で前方ベルト部８ｂの移動力が
第１伝達ギヤ３８、そのギヤ３８と同軸上の第２
伝達ギヤ３９、第３伝達ギヤ４０、中間ギヤ３４
及び駆動ギヤ３２を介してキヤリツジ５の往動方
向Ｆの後方側に位置する巻取り軸３０に伝達さ
れ、上側のリボンカセツト１２の巻取りスプール
１５が第１図の反時計方向へ巻取り回転されてリ
ボン１６の露出部がキヤリツジ往動方向と反対方
向へ移送されるようになつている。又、タイミン
グベルト８の周回移動に伴いキヤリツジ５が復動
方向Ｒに移動されるときには、その復動方向Ｒと
逆方向へ移行される前方ベルト部８ｂと第１伝達
ギヤ３８との噛合により切替えレバー３６が第１
図に示す位置まで反時計方向に回動されて、第３
伝達ギヤ４０が他方の中間ギヤ３５に噛合され、
この状態で前方ベルト部８ｂの移動力が第１伝達
ギヤ３８、第２伝達ギヤ３９、第３伝達ギヤ４
０、中間ギヤ３５及び駆動ギヤ３３を介してキヤ
リツジ５の復動方向Ｒの後方側に位置する巻取り
軸３１に伝達され、下側のリボンカセツト１３の
巻取りスプール１５が前記の場合とは逆に第１図
の時計方向へ回転されてリボン１６の露出部がキ
ヤリツジ復動方向と反対方向へ移送されるように
なつている。

上記のように構成されたプリンタにおいて、使
用済みのリボンカセツト１２，１３を新しいもの
と交換する場合には、まず、印字ヘツド６をプラ
テン１から離間する非印字位置に配置する。次
に、リボンカセツト１２，１３の前後両側縁を把
持してそのリボンカセツト１２，１３を引上げれ
ばカセツトホルダ１１から容易に取外すことがで
きる。

そして、新しい同一外形形状の２個のリボンカ
セツト１２，１３の各突起１２ｂ，１３ｂを各凹
所１２ｃ，１３ｃに嵌合させて、両リボンカセツ
ト１２，１３を重ね合わせた後、ガイド部１７を
印字ヘツド６の上方に配置した状態で、両リボン
カセツト１２，１３をカセツトホルダ１１の側壁
１１ａ内面に沿つてそのカセツトホルダ１１内に
上方から挿入すれば、リボン巻取方向を逆にした
状態で２個のリボンカセツトを確実に装着するこ
とができる。

又、この実施例においてリボンカセツト１２，
１３の誤装着を防止するために、各スプール１
４，１５の回転軸線と直交する一平面上における
左右対称位置に互いに嵌合するほぼ同一外形形状
の突起１２ｂ，１３ｂ及び凹所１２ｃ，１３ｃを
設けただけであるから、その構成を極めて簡単に
することができる。

さらに、この実施例で使用される２個のリボン
カセツト１２，１３は全く同一の構成であるた
め、一方のリボンカセツトだけを他方と関わりな
く交換して使用することができる。

考案の効果 以上詳述したようにこの考案は同一の外形形状
を有する２個のリボンカセツトを巻取り方向が互
いに逆になるように重ね合わせて使用でき、しか
もそれらのリボンカセツトが誤装着されるおそれ
を未然に防止することができるとともに、そのた
めの構成を極めて簡単にすることができるという
優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化した熱転写型プリン
タのキヤリツジ部分の分解斜視図、第２図はその
プリンタの往動方向印字状態を示す部分側断面
図、第３図は同プリンタの復動方向印字状態を示
す部分側断面図である。 図において、１２，１３はリボンカセツト、１
２ａ，１３ａはリボン収納部、１２ｂ，１３ｂは
突起、１２ｃ，１３ｃは凹所、１４は送出しスプ
ール、１５は巻取りスプール、１６はリボン、１
７はガイド部である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 リボンカセツト収納部１２ａ，１３ａ内におい
   て互いに平行な軸線の回りで回転し得る左右一対
   のスプール１４，１５と、リボン収納部１２ａ，
   １３ａの一側部から前記軸線と直交する方向へ突
   出する一対のガイド部１７とを有し、一方のスプ
   ール１４に巻回された印字リボン１６を両ガイド
   部１７間において露出させた後、他方のスプール
   １５に巻取るようにしたリボンカセツトにおい
   て、 各スプール１４，１５及び一対のガイド部１７
   を左右対称な位置にそれぞれ配設するとともに、
   前記スプールの軸線と直交するリボンカセツトの
   外側面上における左右対称位置には２個のリボン
   カセツト１２，１３を互いに巻取り方向が逆にな
   るように重ね合わせたとき、互いに嵌合するほぼ
   同一外形形状の突起１２ｂ，１３ｂ及び凹所１２
   ｃ，１３ｃを設けたことを特徴とするリボンカセ
   ツト。