JPH0357481Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、プリンターにおける紙自動挿入機構
のスケールレバーに対するクランパー係止構造を
改良した紙自動挿入装置に関するものである。

従来のプリンターにおける紙自動挿入装置のレ
バークランプ機構の動作原理を第４図により説明
する。図において、１は紙、２は紙挿入開口部、
３はプラテンロールでモータ（図示せず）に正転
駆動され紙押えローラ１４と共に紙送りするよう
になつている。プラテンロール３には同軸に駆動
歯車７が取り付けられ、また、プラテンロール３
の軸にはスケールレバー８の一端側が回転自在に
支持され、スケールレバー８の他端側には支持す
る軸を紙送り方向にのみ回転可能に支承する一方
向回転軸受１１が固定されている。一方向回転軸
受１１に支持される軸には駆動歯車７に噛み合う
従動歯車６及び紙押えローラ１４が固定されてい
る。４は紙案内部、５は従動する紙送りローラ、
９はスケールレバー８を係止するクランパー、１
０はスケールレバー８を紙送り方向（モータの正
転方向）へ回動を付勢するように取り付けられた
ばね、１２はサイドプレート、１３は紙押え装置
であり紙押えローラ１４と一体に駆動されるよう
になつている。

そして、用紙１を紙挿入開口部２に挿入し、紙
送りモータ用スイツチ（図示せず）をオンする
と、紙１はプラテンロール３及び紙送りローラ５
の回転に伴つて紙送り案内部４まで送り込まれ、
この位置で停止される。次に、この停止状態から
モータを逆転しプラテンロール３を上記紙送り方
向と反対方向に所定の角度逆回転させる。この場
合、従動歯車６は紙送り方向には回転できるが、
その逆の回転方向には回転ができず、従つて、駆
動歯車７と噛み合い停止のまま所定角度回動され
る。スケールレバー８もプラテンロール３の軸に
対しては空転し紙押え装置１３も回転駆動され、
プラテンロール３と紙送りローラ５との間に挾ま
れ紙案内部４に止められていた紙１が、プラテン
ロール３と紙押えローラ１４との間に挾着され
る。このとき、第５図、第６図のように紙押え装
置１３を支えるスケールレバー８の係止穴２１に
クランパー９の係止鍵部２３が係止される。そし
て、スケールレバー８はばね１０によつて第４図
において常に時計方向へ回動を付勢されているの
で、反時計方向へはクランパー９により係止さ
れ、固定された状態となる。次にクランパー９を
スケールレバー８から外し、モータを正転すると
スケールレバー８はばね１０の張力に引き付けら
れ第４図の位置に戻り駆動歯車７、従動歯車６を
介し回転駆動される紙押えローラ１４はプラテン
ロール３と共に紙１の紙送りを行なう。

そして、第６図は上記のように紙１を紙案内部
４までプラテンロール３を介し送り込み、自動挿
入のため所定角度逆転し紙押えローラ１４により
挟み換えのため、スケールレバー８の係止状態を
示している。この状態からスケールレバー８の係
止を解除する場合は、第６図、第７図に示すよう
にソレノイド１５を用いていたため、その機構が
複雑となり、高価となる欠点があつた。

本考案は上記の状況に鑑みなされたものであ
り、ソレノイドを不要とし簡単な構造でスケール
レバーに対するクランパーの着脱ができる紙自動
挿入装置を提供することを目的としたものであ
る。

本考案の紙自動挿入装置は、駆動歯車に対し同
軸に取り付けられモータに正転駆動されて紙送り
するプラテンロールと、該プラテンロールの軸に
対し一端側を回動自在に支持され他端側端部に上
記駆動歯車に噛み合う従動歯車及び紙押えローラ
の軸を紙送り方向のみに回転可能に支持する一方
向回転軸受を固定し、かつ、紙送り回転方向にば
ねを介し回動を付勢し取り付けられたスケールレ
バーとを有し、紙挿入開口部から挿入される紙が
紙送りローラ及び上記プラテンロールを介し挾着
し紙案内部に送られた状態で該プラテンロールが
回転を停止され、該回転停止状態から所定角度上
記プラテンロールが逆転され、該逆転の停止位置
で上記スケールレバーがクランパーに係止される
と共に上記紙が上記プラテンロール及び上記紙押
えローラに自動的に挾持された後上記クランパー
が外され上記モータが正転し紙送りされてなり、
上記スケールレバーの回転方向の一端側に上記ク
ランパーの係止鍵部を係止する係止穴を有し他端
側にクランパー回動片を有する上記スケールレバ
ーと、該スケールレバーを上記クランパーにより
係止した状態の上記係止穴及び上記クランパー回
動片を結ぶ方向に長手方向を有し断面ほぼ矩形状
に形成されたクランパー支持軸と、一端側に上記
係止鍵部を有し長手方向他端側に上記クランパー
回動片に接触されることにより上記係止穴に上記
係止鍵部が係止される方向に回動駆動される回動
斜面突部を有し、上記クランパー支持軸を遊嵌す
る円形穴から上記係止鍵部形成側に連続し、か
つ、上記係止鍵部突出側に対し反対側に先端側を
傾け開口される上記クランパー支持軸に遊嵌可能
な長穴を有する軸穴が設けられ、上記係止穴から
上記係止鍵部が外れる方向に回動を付勢されると
共に上記長手方向の上記回動斜面突出部形成側に
変位を付勢されたばねを介し取り付けられたクラ
ンパー９とを設けたものである。

以下本考案の紙自動挿入装置を実施例を用い従
来と同部品は同符号で示し同部分の構造の説明は
省略し第１図ないし第３図により説明する。第１
図イないしホはスケールレバー８に対するクラン
パー９の自動着脱説明図、第２図、第３図はそれ
ぞれクランパー９がスケールレバー８に係止しな
い状態及び係止状態の斜視図である。第１図にお
いて、スケールレバー８は回転方向の一端側にク
ランパー９の係止鍵部２０を係止する係止穴２１
を有し他端側にクランパー回動片２２が形成さ
れ、クランパー回動片２２はプラテンロール３が
逆回転されるとき回転方向先端側となる位置とな
つている。１７はクランパー支持軸であり、スケ
ールレバー８をクランパー９により係止した状態
の係止穴２１及びクランパー回動片２２を結ぶ方
向に長手方向を有し断面ほぼ矩形状に形成されて
いる。

クランパー９はスケールレバー８の回転方向後
端側に形成された係止穴２１に係止する係止鍵部
２０を一端側に有し長手方向他端側に回動斜面突
出部１９が設けられ、回動斜面突出部１９は、ク
ランパー回動片２２に接触されることにより上記
係止穴２１に係止鍵部２０が係止されるように回
動駆動されるようになつている。１８は軸穴でク
ランパー９に設けられクランパー支持軸１７を遊
嵌しており、円形穴２３と、円形穴２３から係止
鍵部２０形成側に連続し、かつ、係止鍵部２０の
突出側と反対側に先端側を傾け開口され、クラン
パ支持軸１７を遊嵌可能な長穴１６とを有してい
る。また、クランパー９は係止穴２１から係止鍵
部２０が外れる方向及び長手方向の回動斜面突出
部１９形成側に変位を付勢されたばね１５を介し
取り付けられている。

上記の構造において、第１図イは、プラテンロ
ール３の逆回転に伴い同時に回転してきたスケー
スルレバー８がクランパー９の回転斜面突出部１
９に接触しようとしている状態を示している。ロ
は更に逆回転しスケールレバー８とクランパー９
の回転斜面突出部１９との接触により、クランパ
ー９はばね１５の張力に抗し第１図において反時
計方向に回動し最大回転角に達したときでクラン
パー支持軸１７の真上に長穴１６が位置し長穴１
６にクランパー支持軸１７が嵌入可能な位置であ
る。即ち、イの状態からクランパー回動片２２が
回動斜面突出部１９を押圧し終り、クランパー９
を回動させ終つた位置である。そして、このとき
は、プラテンロール３の逆回転及びこの逆回転に
伴うスケールレバー８の回動も停止した位置であ
る。

ハは、ばね１５の張力がクランパー９の時計方
向及び回転斜面突出部１９側に作用しており、時
計方向にはロに示す如く回動斜面突出部１９がク
ランパー回動片２２に当接し回動できぬので、ク
ランパー９が回動斜面突出部１９形成側に移動し
長穴１６にクランパー支持軸１７が嵌入した状態
である。この状態からプラテンロール３を正転さ
せると、スケールレバー８はばね１０により正転
方向に引かれているのでスケールレバー８も移動
する。このとき、スケールレバー８の係止穴２１
にクランパー９の係止鍵部２０が係止しているの
でクランパー９が正転方向に引き付けられ、この
結果、長穴１６からクランパー支持軸１７が外さ
れてニに示すように円形穴２３内に移される。

ニに示す状態までプラテンロール３を正回転さ
せ、印字等を行いながら更に正回転を続け用紙を
挿入し再びプラテンロール３を逆回転させホの状
態で停止させる。ホの状態においてはクランプレ
バー９の係止鍵部２０はスケールレバー８の係止
穴２１から完全に外さればね１５により更に時計
方向に回動される位置にありホの位置からプラテ
ンロール３を正回転し紙送りを行なう。従つて、
紙１はモータを可逆回転するだけで自動的に挿入
ができる。

このように本実施例の紙自動挿入装置は、用紙
の自動挿入の場合に、従来のようにスケールレバ
ーを固定あるいは解放するのに、ソレノイド及び
これを駆動するための電気的な回路を必要とする
ことなく、プラテンロールを正逆回転するだけで
固定解放ができ、簡単な構造で、信頼性を向上で
きると共に安価に製作ができる。

以上記述した如く本考案の紙自動挿入装置は、
ソレノイドを不要とし簡単な構造でスケールレバ
ーに対するクランパーの着脱ができる効果を有す
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の紙自動挿入装置の実施例を示
し、イ，ロ，ハは用紙の挿入取り込み（給紙）の
状態、ニは所謂印刷中の紙送りの状態、ホは排紙
のための紙送りの状態を示すスケールレバーに対
するクランパーの着脱説明図、第２図、第３図は
それぞれ第１図のスケールレバー及びクランパー
を有する紙自動挿入装置のクランパーがスケール
レバーに係止しない状態及び停止した状態の斜視
図、第４図、第５図はそれぞれ従来の紙自動挿入
装置のクランパーがスケールレバーに係止しない
状態及び係止した状態の斜視図、第６図、第７図
はそれぞれ第４図のスケールレバーに対するクラ
ンパーの着脱説明図である。 １……紙、２……紙挿入開口部、３……プラテ
ンロール、４……紙案内部、５……紙送りロー
ラ、６……従動歯車、７……駆動歯車、８……ス
ケールレバー、１０，１５……ばね、１１……一
方向回転軸受、１４……紙押えローラ、１６……
長穴、１７……クランパー支持軸、１８……軸
穴、１９……回動斜面突部、２０……係止鍵部、
２１……係止穴、２２……クランパー回動片、２
３……円形穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動歯車に対し同軸に取り付けられたモータに
   正転駆動されて紙送りするプラテンローラと、該
   プラテンローラの軸に対し一端側を回動自在に支
   持され他端側端部に上記駆動歯車に噛み合う従動
   歯車及び紙押えローラの軸を紙送り方向のみに回
   転可能に支持する一方向回転軸受を固定し、か
   つ、紙送り回転方向にばねを介し回動を付勢する
   ように取り付けられたスケールレバーとを有し、
   紙挿入開口部から押入される紙が紙送りローラ及
   び上記プラテンロールを介し挟着し紙案内部に送
   られた状態で該プラテンロールが回転を停止さ
   れ、該回転停止状態から所定角度上記プラテンロ
   ールが逆転され該逆転の停止位置で上記スケール
   バーがクランパーに係止されると共に上記紙が上
   記プラテンロール及び上記紙押えローラに自動的
   に挟持された後クランパーが外されモータが正転
   し紙送りされるものにおいて、上記スケールレバ
   ーの回転方向の一端側に上記クランパーの係止鍵
   部を係止する係止穴を有し他端側にクランパー回
   動片を有する上記スケールレバーと、該スケール
   レバーを上記クランパーにより係止した状態の上
   記係止穴及び上記クランパー回動片を結ぶ方向に
   長手方向を有し断面ほぼ矩形状に形成されたクラ
   ンパー支持軸と、一端側に上記係止鍵部を有し長
   手方向他端側に上記クランパー回動片に接触され
   ることにより上記係止穴に上記係止鍵部が係止さ
   れる方向に回動駆動される回動斜面突部を有し、
   上記クランパー支持軸を遊嵌する円形穴から上記
   係止鍵部形成側に連続し、かつ、上記係止鍵部突
   出側に対し反対側に先端側を設け開口される上記
   クランパー支持軸を遊嵌可能な長穴を有する軸穴
   が設けられ、上記係止穴から上記係止鍵部が外れ
   る方向に回動を付勢されると共に上記長手方向の
   上記回動斜面突出部形成側に変位を付勢されたば
   ねを介し取り付けられた上記クランパーとを設け
   たことを特徴とする紙自動挿入装置。