JPH0357359Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、加圧ゴム型を介して成形ゴム型内に
充填された粉末材料を加圧成形するための乾式冷
間静水圧加圧装置に係り、特に加圧ゴム型の交換
を容易に行なうことができるようにしたものに関
する。

（従来の技術） 冷間静水圧加圧成形法は別名をラバープレス法
と呼ばれ、成形用金型の代わりに成形ゴム型を使
用し、該ゴム型内に粉末の被加工物を封入し、該
ゴム型を成形容器に収納して超高圧を加えて加圧
成形するものである。

この冷間静水圧加圧成形法は大別すると乾式と
湿式とに分けられ、乾式法は、あらかじめ成形容
器内に組込まれた加圧ゴム型を介して成形ゴム型
内の粉末材料を加圧成形する方法であり、液体に
直接ふれることなく粉末の充填、加圧、成形品の
取出しを自動化でき、湿式法より成形時間が短縮
できる利点があり、多量生産に適する。

第５図および第６図は、上記乾式冷間静水圧加
圧法に適用される加圧装置の一例を示し、Ｌ字型
の固定フレーム１に筒状成形容器２が保持筒３を
介して取り付けられており、該成形容器２の内部
に成形ゴム型４が設けられており、成形容器２の
上部開口および下部開口には上蓋５および下蓋６
がボルト締結手段によつて着脱自在に取付けられ
ている。

前記上蓋５および下蓋６はそれぞれ上、下蓋本
体５′，６′と上、下ブツシユ１３，１４とからな
り、上、下ブツシユ１３，１４にはそれぞれ粉末
材料供給口１５および成形品取出口１６が形成さ
れ、これらの開口に上パンチ７および下パンチ８
が各々挿脱自在に設けられており、上、下パンチ
７，８の挿着状態において、成形ゴム型４は成形
容器２内に密封される。

前記上パンチ７および下パンチ８は、固定フレ
ーム１に取付けられた上昇降アーム９および下昇
降アーム１０に保持されており、これらの上、下
昇降アーム９，１０の昇降により、前記供給口１
５および取出口１６に挿脱自在に設けられてい
る。これらのアーム９，１０は、上、下ガイド１
１，１２によつて支持され、図示省略された流体
圧シリンダ等のアクチユエータにより上下方向に
摺動自在とされている。

前記成形ゴム型４と成形容器２との間には、成
形ゴム型４の外周面に隣接して加圧ゴム型１７が
設けられており、該加圧ゴム型１７は、その上下
端部外周が金属製のダミー筒１８によつて支持さ
れ、保形されている。

前記成形容器２の周壁には、加圧ゴム型１７と
成形容器２との間に形成された加圧室１９に圧媒
液体を供給するための圧媒注入口２０が設けられ
ている。前記ダミー筒１８の周壁には図示省略し
ているが適宜数の流通孔が穿設されており、加圧
室１９に注入充填された圧媒は、加圧ゴム型１７
の外周面に有効に作用し、該加圧ゴム型１７を介
して成形ゴム型４を径方向より加圧し、成形ゴム
型４内の粉末材料２１を加圧成形する。

２３は加圧成形時に成形容器２の軸方向力を担
持するためのプレスフレームであり、該プレスフ
レーム２３は成形容器２に対して相対移動自在と
されており、成形容器２の密封後に、上、下昇降
アーム９，１０を介して成形容器２を挟持する。
この際、下昇降アーム１０に設けられた固定シリ
ンダ２４が成形容器２のプレスフレーム２３への
挿入を容易にし、また成形容器２に作用する軸方
向力をプレスフレーム２３に有効に担持させる作
用をなす。

尚、粉末材料２１の成形品は、下パンチ８を下
降することによつて容易に取り出すことができ、
新たな粉末材料は、下パンチ８の挿着後、上蓋５
の粉末材料供給口１５より投入し、上パンチ７を
挿着することにより、成形ゴム型４内に容易に加
圧充填することができる。

（考案が解決しようとする問題点） 第６図に示した従来の成形容器２の構造では、
加圧ゴム型１７の破損等により交換の必要性が生
じた場合、交換手順は、まず上、下パンチ７，８
を抜き取つた後、上蓋本体５′および下蓋本体
６′の取付ボルトを外して成形容器２から取外し、
更に上、下パンチ案内用ブツシユ１３，１４およ
び成形ゴム型４を取出さなければならない。すな
わち、加圧ゴム型１７を交換するためには、他の
すべての部品を取外す必要があり、しかも加圧ゴ
ム型１７自体は、成形容器２内面に密着している
ため取り出しにくい。更に、加圧ゴム型１７の取
出し、取付けは、手作業によるため成形容器２の
内壁を損傷したり、新しい加圧ゴム型に傷を付け
たりする可能性が高い。一旦、内壁に傷が付く
と、成形容器２には高圧がかかる故、致命的欠陥
を招来する場合がある。

本考案はかかる問題点に鑑みなされたもので、
加圧ゴム型の取付け、取外しの容易な成形容器を
有する乾式冷間静水圧加圧装置を提供することを
目的とする。

（問題点を解決するための手段） 叙上の目的を達成するために講じられた本考案
の特徴とするところは、固定フレーム１に取付け
られた筒状成形容器２の内部に成形ゴム型４が設
けられ、該成形容器２の上部開口および下部開口
には、粉末材料供給口１５を有する上蓋５および
成形品取出口１６を有する下蓋６が着脱自在に設
けられ、前記供給口１５および前記取出口１６に
は上パンチ７および下パンチ８が挿脱自在に設け
られ、前記成形ゴム型４と成形容器２との間に成
形ゴム型２を径方向から加圧するための加圧ゴム
型１７が設けられ、該加圧ゴム型１７の外周上端
部および外周下端部がダミー筒１８によつて支持
された乾式冷間静水圧加圧装置において、 前記上蓋５又は下蓋６には、前記ダミー筒１８
を着脱自在に連結するための連結手段２９を備え
ている点にある。

（作用） 本考案によれば、加圧ゴム型はダミー筒に支持
されており、ダミー筒は上蓋又は下蓋に着脱自在
に連結されているので、ダミー筒が連結された方
の上蓋又は下蓋を成形容器から取外し、軸心方向
に引出すだけで、加圧ゴム型も上蓋又は下蓋と共
に成形容器の外へ取出される。

その後、上蓋又は下蓋からダミー筒と共に加圧
ゴム型を取外し、加圧ゴム型を新品に交換してダ
ミー筒に取付けた後、ダミー筒を上蓋又は下蓋に
取付け、これを成形容器に再び取付けることによ
り、加圧ゴム型は成形容器内に容易に装着され
る。

また、ダミー筒が連結された上蓋又は下蓋の取
外しおよび取付けに際し、上昇降アーム又は下昇
降アームの取付手段に上蓋又は下蓋を取付けれ
ば、これらのアームの昇降により、上蓋又は下蓋
の取外しおよび取付も自動的に行われる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づき説明する
が、便宜上、従来のものと同一部分は同一符号で
示し、従来との相違点に重点を置いて説明する。

第１図は本考案実施例に係る乾式冷間静水圧加
圧装置の要部を示し、第５図および第６図の従来
のものと比べて、上蓋構造およびダミー筒並びに
上昇降アームが相違している。

本実施例において、上パンチ案内用ブツシユ１
３は上蓋本体５′とボルト締結手段によつて一体
結合されて上蓋５を構成している。また、上蓋本
体５′にはネジ孔２６が螺設されており、上昇降
アーム９に設けられた取付手段２７によつて上昇
降アーム９に着脱自在にボルト締結される。尚、
上蓋本体５′と上昇降アーム９との連結は、加圧
ゴム型１７の交換時のみ行えばよい。

上蓋５を構成する上パンチ案内用ブツシユ１３
は、下端外周部に垂設された筒部２８を有してお
り、該筒部２８の下端近傍部にダミー筒１８との
連結手段２９が設けられている。図示例では、該
連結手段２９として、前記筒部２８に開設された
ピン孔に係合したネジ付ピンがダミー筒１８に形
成されたネジ孔に締結されて両者が連結される構
成とされている。

前記連結手段２９は、叙上の例に限るものでは
なく、第２図のように、ダミー筒１８にピン３１
を立設し該ピン３１に係合するＬ字状切り欠３２
を前記筒部２８に開設することによつて引つ掛け
構造とすることができる。連結手段２９を引つ掛
け構造とすれば、上蓋５とダミー筒１８との分離
が容易になる利点がある。

第３図乃至第４図は、他の実施例に係る加圧装
置の要部を示している。本実施例の場合、上蓋本
体５′にはパツキン受１３ａが嵌合されると共に
ピン等の締結手段によつて固着されて上蓋５を構
成している。そして、前記パツキン受１３ａに垂
設された筒部２８′にダミー筒１８を連結するた
めの連結手段２９が設けられている。

この実施例の場合、加圧ゴム型１７に内設され
た成形ゴム型４は、加圧成形後、成形品を内有し
た状態で、下パンチ８が挿着された下蓋６に載置
されたまま成形容器２の外へ取出される。

また、圧媒は、上蓋５に設けられた圧媒注入口
２０より注入され、上蓋５の内部を流通して、パ
ツキン受１３ａの外周面に流出し、筒部２８と成
形容器２との間の隙間を通つて加圧室１９に供給
される。それ故、成形容器２に圧媒注入用開口を
開設する必要がなく、高圧に対する耐用性に優れ
たものとなつている。

次に、第４図を参照して加圧ゴム型１７の交換
手順について説明する。

まず、下蓋６を下パンチ８と共に下昇降アーム
１０に連結して下降させる。同図において、４は
下蓋６および下パンチ８に載置され、これらと共
に下降した成形ゴム型である。

次に上蓋５を成形容器２から分離して、上パン
チ７と共に上昇降アーム９に取付け、該アーム９
を上昇させる。このとき、加圧ゴム型１７はダミ
ー筒１８に支持されておりかつダミー筒１８は上
蓋５にパツキン受１３ａを介して連結されている
ため、加圧ゴム型１７はダミー筒１８と共に一体
的に外部に取り出される。その後、連結手段２９
を解除してダミー筒１８を上蓋５より取外し、ダ
ミー筒１８に支持された加圧ゴム型１７を交換す
る。

新しい加圧ゴム型１７が装着されたダミー筒１
８は、逆の手順で上昇降アーム９の下降によつ
て、成形容器２内に収納される。

尚、加圧ゴム型１７の取出し、取付けに上昇降
アーム９を必ずしも用いる必要はないが、該アー
ム９を用いれば、アクチユエータによるスムーズ
な昇降のため、加圧ゴム型や成形容器の内壁に傷
を付ける心配がまつたくなく交換作業を極めて容
易に行える利点がある。

尚、第１図および第３図の実施例とも、上蓋５
にダミー筒１８の連結手段２９を設けたが、本考
案はこれに限らず、下蓋６に連結手段を設けても
よく、この際、下昇降アーム１０に下蓋６の取付
手段を設ければ、下蓋６の取付、取外しに該アー
ム１０を利用できる。

また、成形容器２と上、下蓋５，６の取付、
上、下蓋５，６と上，下昇降アーム９，１０の取
付は、図示例のようにボルト締結手段に限らず、
クランプ等のアクチユエータによる取付手段を適
宜適用することができ、このような方式によれ
ば、交換作業のほとんどを遠隔操作で行うことが
でき、作業の容易化をより促進することができ
る。

（考案の効果） 以上説明した通り、本考案に係る乾式冷間静水
圧加圧装置は、成形容器の上部開口および下部開
口に着脱自在に設けられる上蓋又は下蓋のいずれ
かに、加圧ゴム型の上下端を支持するダミー筒を
着脱自在に連結するための連結手段を設けたの
で、該連結手段によつてダミー筒が連結された方
の上蓋又は下蓋を成形容器から取外せば、成形容
器内に収容されていた加圧ゴム型も同時に容易に
取出すことができ、加圧ゴム型の交換を容易に行
うことができる。また、加圧ゴム型の成形容器内
への装着についても、同様にして上蓋又は下蓋の
取付けによつて容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例に係る乾式冷間静水圧加圧装置
の要部断面図、第２図は上蓋とダミー筒との連結
手段の説明図、第３図は他の実施例に係る加圧装
置の要部断面説明図、第４図は加圧ゴム型の取出
し要領説明図、第５図は乾式冷間静水圧加圧装置
の全体断面説明図、第６図は従来の同装置の要部
断面説明図である。 １……固定フレーム、２……成形容器、４……
成形ゴム型、５……上蓋、６……下蓋、７……上
パンチ、８……下パンチ、１５……粉末材料供給
口、１６……成形品取出口、１７……加圧ゴム
型、１８……ダミー筒、２７……取付手段、２９
……連結手段。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 固定フレーム１に取付けられた筒状成形容器
   ２の内部に成形ゴム型４が設けられ、該成形容
   器２の上部開口および下部開口には、粉末材料
   供給口１５を有する上蓋５および成形品取出口
   １６を有する下蓋６が着脱自在に設けられ、前
   記供給口１５および前記取出口１６には上パン
   チ７および下パンチ８が挿脱自在に設けられ、
   前記成形ゴム型４と成形容器２との間に成形ゴ
   ム型２を径方向から加圧するための加圧ゴム型
   １７が設けられ、該加圧ゴム型１７の外周上端
   部および外周下端部がダミー筒１８によつて支
   持された乾式冷間静水圧加圧装置において、 前記上蓋５又は下蓋６には、前記ダミー筒１
   ８を着脱自在に連結するための連結手段２９を
   備えていることを特徴とする乾式冷間静水圧加
   圧装置。 (2) 粉末材料供給口１５に上パンチ７を挿脱する
   ための上昇降アーム９および成形品取出口１６
   に下パンチ８を挿脱するための下昇降アーム１
   ０が固定フレーム１に取付けられ、上蓋５又は
   下蓋６を着脱自在に取付けるための取付手段２
   ７が上昇降アーム９又は下昇降アーム１０に設
   けられている実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の乾式冷間静水圧加圧装置。