JPH0357056Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車の電装回路に用いられる電気
接続箱とヒユージブルリンクコネクタのような内
部に収容した部品を交換する頻度の高いコネクタ
との係止装置に関する。

〔従来の技術〕

電気接続箱をバツテリー電源と接続したり、大
電流用のコネクタ同士を接続する場合は、コネク
タ端子と相手端子とをネジにより締め付けて固定
し、確実な電気的接続を行わなければならない。

このようなネジ締め型コネクタと電気接続箱の
係止装置として、従来第７図ないし第１０図に示
すようなものがある。

図において、Ａは電気接続箱で、箱本体１、上
蓋２および下蓋３からなる。Ｂはヒユージブルリ
ンクコネクタ（以下FLコネクタという）で、ヒ
ユージブルリンク４と絶縁ハウジング５とからな
り、箱本体１の内部には絶縁ハウジング５に対す
る嵌合枠８が形成されている。

ヒユージブルリンク４は溶断部（図示せず）を
保護収容する合成樹脂製ケース４ａと一対のコネ
クタ端子４ｂを備え、コネクタ端子４ｂにネジ通
し溝（または穴）４ｃを開設する一方、絶縁ハウ
ジング５の側壁にナツト５ａを埋設して、相手端
子ＣとネジＤにより締め付け固定するようにして
ある。

この絶縁ハウジング５の左右の端壁には両側に
差込ガイド６，６′を設け、一方の差込ガイド６
の上端には上り勾配のテーパ７ａと下向きの係止
壁面７ｂを有するロツク爪７が突設してある。

一方、箱本体１の嵌合枠８には、その対向する
内壁に一対のガイドレール９，９′を設け、一方
のガイドレール９と内壁との間に該内壁から嵌合
枠上方にのびるロツクレバー１０を形成し、該ロ
ツクレバー１０には下り勾配のテーパ１１ａと上
向きの係止壁面１１ｂを有するロツク爪１１を突
設し、他方のガイドレール９′，９′の中間部上方
にストツパ１２が突設してある。

電気接続箱ＡとFLコネクタＢとの係止は次の
ようにして行われる。

まず、ヒユージブルリンク４を絶縁ハウジング
５に挿着し、そのコネクタ端子４ｂに前述したよ
うに相手端子ＣをネジＤにより締め付け固定す
る。

次いで、第１０図に示すように、絶縁ハウジン
グ５を嵌合枠８の下方から差込ガイド６，６′お
よびガイドレール９，９′を合せて挿入すると、
ロツク爪７のテーパ７ａによつてロツクレバー１
０を外側に撓ませつつ進入し、ロツク爪７がロツ
ク爪１１を乗り越るとロツクレバー１０が弾性的
に復帰し、両者の係止壁面７ｂ，１１ｂとが係合
する。同時に、ロツクレバー１０と反対側の差込
ガイド６′の上端がストツパ１２と当接する状態
となる。

かくして、絶縁ハウジング５（ないしFLコネ
クタＢ）は、嵌合枠８内の定位置に係止、固定さ
れる。その後で、上蓋２および下蓋３を被せる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記構成の係止装置では、溶断などによりヒユ
ージブルリンクを交換する場合、ロツクレバー１
０を矢線Ｐ方向に押して、ロツク爪７，１１の係
合を解除し、FLコネクタＢを一旦矢線Ｑのよう
に下に引き出さなければならない。しかし、この
ような電気接続箱Ａはエンジンルームなどにおい
て下蓋３側を車体やブラケツトに固定してあるか
ら、実際には電気接続箱全体を取り外さなければ
ならず、メンテナンスに少なからぬ時間を要する
ことになる。

本考案は、従来の係止装置のかかる問題点に着
目してなされたもので、コネクタを電気接続箱の
上下いずれの方向にも引き出すことができる、メ
ンテナンスの容易な係止装置を提供することを目
的とする。

考案の構成 〔問題点を解決するための手段〕 以下、本考案の係止装置を実施例を示す図面に
基いて具体的に説明する。

第１図に本考案の係止装置を構成するコネクタ
における絶縁ハウジングの正面図、第２図に同じ
く電気接続箱の箱本体の平面図、第３図ａ，ｂに
それぞれ第１図の矢線Ｒ，Ｓ方向からみた斜視
図、第４図ａ，ｂにそれぞれ第２図の箱本体にお
ける嵌合枠の矢線Ｔ，Ｕ方向からみた斜視図、第
５図に同じく絶縁ハウジングと嵌合枠との係止状
態の断面図、第６図に同じく絶縁ハウジングを嵌
合枠上方に引き出した状態の断面図を示した。な
お、従来例と同様の構成部分には同一の符号を用
い、詳細な説明を省略する。

これらの図において、本考案のコネクタと電気
接続箱の係止装置が、絶縁ハウジング５に収容さ
れるコネクタ端子４ｂを相手端子Ｃとネジ締め固
定するようにしたネジ締め型コネクタＢと、該ネ
ジ締め型コネクタを挿抜可能に装着する嵌合枠８
を備えた電気接続箱Ａとからなるのは従来と同様
の構成である。

而して、本考案にあつては、前記絶縁ハウジン
グ５の一側壁に挿抜方向に沿う差込ガイド１３を
設けると共に該側壁の上半部に下向きの係止壁面
１４ａを有するテーパ状の第１ロツク爪１４と上
向きの係止壁面１５ａを有するテーパ状の第２ロ
ツク爪１５を上下および左右に離反して設け、前
記嵌合枠８の内壁には前記差込ガイド１３に対す
るガイドレール１６を設け、該ガイドレール１６
と内壁との空間において内壁から嵌合枠８の上方
にのびる第１ロツクレバー１７および第２ロツク
レバー１８を設け、該第１ロツクレバー１７には
前記第１ロツク爪１４と係合する上向きの係止壁
面１９ａを有する第３ロツク爪１９を設け、該第
２ロツクレバー１８には前記第２ロツク爪１５と
係合する下向きの係止壁面２０ａを有する第４ロ
ツク爪２０を設け、前記第１ロツクレバー１７の
操作により第１および第３ロツク爪１４，１９の
係合が解除されて前記ネジ締め型コネクタＢの嵌
合枠下方への引き抜きを可能とし、前記第２ロツ
クレバー１８の操作により第２および第４ロツク
爪１５，２０の係合が解除されて前記ネジ締め型
コネクタＢの嵌合枠上方への引き抜きを可能とす
る二段ロツク機構を形成した構成を有する。

上記構成において、第１ロツク爪１４は絶縁ハ
ウジング５の側壁に対し上り勾配のテーパ状、第
２ロツク爪１５は下り勾配のテーパ状に形成さ
れ、第３および第４ロツク爪１９，２０はそれぞ
れ第１および第２ロツク爪１４，１５と逆向きの
テーパ状に形成される。図示の例では、第１ロツ
ク爪１４の下方両側に計２個の第２ロツク爪１５
を設けてあるが、一方を省いてもよい。この第１
ロツク爪１４と第２ロツク爪１５は、その係止壁
面１４ａと１５ａ間の間隙ｔをできるだけ小さく
して、係止時における上下方向へのガタツキをな
くすようにするのが好ましい。

２個の第２ロツク爪１５に対応して第２ロツク
レバー１８が嵌合枠８の内壁から立上り基部１８
ａを介して門形に形成され、第１ロツクレバー１
７が該立上り基部１８ａから切り込みにより一体
に形成してあるが、互に分離して形成してもよ
い。

また、絶縁ハウジング５の嵌合枠８に対する装
着作業を円滑に行ない、かつ嵌合枠上方への逸脱
を防止するうえから、絶縁ハウジング５の反対側
の側壁にガイド板２１を、嵌合枠内壁にガイドレ
ール２２をそれぞれ設けると共に、ガイド板２１
には上端部が開口した縦溝２３を設ける一方、嵌
合枠内壁に該縦溝２３と係合するストツパ２４を
設けるのが好ましい。

また、上記の二段ロツク機構において、第１ロ
ツク爪１４および第２ロツク爪１５などを嵌合枠
８の内壁に、第１ロツクレバー１７および第２ロ
ツクレバー１８などを絶縁ハウジング５の側壁
に、それぞれ逆に設ける場合も同一の効果が得ら
れ、本考案に包含される。

〔作用〕

絶縁ハウジング５（ネジ締め型コネクタＢ）を
第５図のように嵌合枠８の下方からそれぞれの差
込ガイド１３、ガイド板２１をガイドレール１
６，２２に合わせて挿入すると、第１ロツク爪１
４が第３ロツク爪１９に摺接して第１ロツクレバ
ー１７を嵌合枠内壁側に撓ませて進入し、第１ロ
ツク爪１４が第３ロツク爪１９を乗り越えると、
第１ロツクレバー１７が弾性的に復帰する。その
結果、第１および第３ロツク爪１４，１９のそれ
ぞれの係止壁面１４ａ，１９ａが係合し、絶縁ハ
ウジング５の嵌合枠下方への引き抜けが阻止され
る。

同時に、第２ロツク爪１５の上向きの係止壁面
１５ａも第４ロツク爪２０の下向きの係止壁面２
０ａに係合するから、嵌合枠上方への引き出しも
阻止される。

かくして、絶縁ハウジング５は第３および第４
ロツク爪１９，２０の係止壁面１９ａ，２０ａ間
に係止固定される。

一方、ヒユージブルリンク４の溶断などによる
交換や点検の際には、第６図のように第２ロツク
レバー１８を嵌合枠内壁側に押圧すれば、第２お
よび第４ロツク爪１５，２０の係合が解除される
から、絶縁ハウジング５を嵌合枠上方に引き出す
ことができる。この際、ガイド板２１における縦
溝２３に溝底にストツパ２４が当接するから、絶
縁ハウジング５の逸脱は防止される。

なお、嵌合枠上方に引き出された絶縁ハウジン
グ５の係止は、上記と逆に押し下げればよい。

かくして、電気接続箱に装着されるFLコネク
タのようなネジ締め型コネクタのメンテナンス
は、絶縁ハウジング５を嵌合枠上方にも引き出せ
る二段ロツク機構を採用したので、電気接続箱の
上蓋を取り外すだけで、簡単かつ迅速にできる。

考案の効果 以上説明したように、本考案のコネクタと電気
接続箱の係止装置は、該コネクタの絶縁ハウジン
グとその嵌合枠との間に二段ロツク機構を採用し
たので、上下いずれの方向にも引き出しが可能と
なり、メンテナンスが極めて容易になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の係止装置を構成するネジ締め
型コネクタにおける絶縁ハウジングの正面図、第
２図は同じく電気接続箱の箱本体の平面図、第３
図ａ，ｂはそれぞれ第１図の矢線Ｒ，Ｓ方向から
みた斜視図、第４図ａ，ｂはそれぞれ第２図の箱
本体における嵌合枠の矢線Ｔ，Ｕ方向からみた斜
視図、第５図は同じく絶縁ハウジングと嵌合枠と
の係止状態を示す断面図、第６図は同じく絶縁ハ
ウジングを嵌合枠上方に引き出した状態の断面図
である。第７図ないし第１０図は従来例を示し、
第７図は係止装置の分解斜視図、第８図は同上の
絶縁ハウジングの矢線Ｆからみた斜視図、第９図
ａ，ｂはそれぞれ第７図における嵌合枠の矢線
Ｇ，Ｈ方向からみた斜視図、第１０図は係止状態
を示す断面図である。 Ａ……電気接続箱、Ｂ……FLコネクタ（ネジ
締め型コネクタ）、Ｃ……相手端子、１……箱本
体、２……上蓋、３……下蓋、４……ヒユージブ
ルリンク、４ｂ……コネクタ端子、５……絶縁ハ
ウジング、８……嵌合枠、１３……差込ガイド、
１４，１５，１９，２０……第１、第２、第３、
第４ロツク爪、１４ａ，１５ａ，１８ａ，１９ａ
……係止壁面、１６，２２……ガイドレール、１
７，１８……第１、第２ロツクレバー、２１……
ガイド板、２３……縦溝、２４……ストツパ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コネクタ端子を絶縁ハウジングに収容したコネ
   クタと、該コネクタを挿抜可能に装着する嵌合枠
   を備えた電気接続箱とからなり、前記絶縁ハウジ
   ングの一側壁（または該側壁と対向する前記嵌合
   枠の内壁）に挿抜方向に沿う差込ガイドを設ける
   と共に該側壁（または内壁）の上半部に下向きの
   係止壁面を有するテーパ状の第１ロツク爪と上向
   きの係止壁面を有するテーパ状の第２ロツク爪を
   上下および左右に離反して設け、前記嵌合枠の内
   壁（または前記側壁）には前記差込ガイドに対す
   るガイドレールを設け、該ガイドレールと内壁
   （または側壁）との空間において内壁（または側
   壁）から前記嵌合枠（または前記絶縁ハウジン
   グ）の上方にのびる第１ロツクレバーおよび第２
   ロツクレバーを設け、該第１ロツクレバーには前
   記第１ロツク爪と係合する上向きの係止壁面を有
   するテーパ状の第３ロツク爪を設け、該第２ロツ
   クレバーには前記第２ロツク爪と係合する下向き
   の係止壁面を有する第４ロツク爪を設け、前記第
   １ロツクレバーの操作により第１および第３ロツ
   ク爪の係合が解除されて前記ネジ締め型コネクタ
   の嵌合枠下方への引き抜きを可能とし、前記第２
   ロツクレバーの操作により第２および第４ロツク
   爪の係合が解除されて前記ネジ締め型コネクタの
   嵌合枠上方への引き抜きを可能とする二段ロツク
   機構を形成したことを特徴とするコネクタと電気
   接続箱の係止装置。