JPH0356B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、可動車台上に設けられた直立の支持
構造体又は支柱（コラム）から突出するリフトア
ームにより構成される、病人等の患者を昇降させ
るためのホイストに関する。

（従来の技術） この種のホイストは、車台を具備しており、こ
の車台は前後のキヤスターで支持され、後方に隣
接した位置に支持構造体又は支柱を設け、側方部
材間の正面を開口している。この配置構成で、側
方部材を側方に可動又は後方と隣接して回動可能
とする、幅の調節可能な車台は広く知られてい
る。この幅の調節は、限られた空間や戸口の通り
抜けでの使用時に最小限の幅を得るために提供さ
れ、その反面では、例えば車倚子の周囲に適合す
るように少なくとも正面の開口の幅を増加するこ
とができる。

４つのキヤスターで支持されるホイストは、必
要とされる操縦性を提供するが、直進又は方向の
安定性に欠け、特に特に深いどつさりとしたカー
ペツト上を動かす時に上記安定性に欠ける。方向
安定性を得る反面、十分な操縦性を得るために、
車台が２つの後方の固定軸車輪と２つの前方のキ
ヤスターとで支持されるべきであるという提案が
成されてきた。この配置は固定された幅の車台で
は申し分ないが、前述した調節可能な車台の形態
の使用の妨げとなる。そこで、本発明の目的は、
固定された軸の支持車輪によつて得られる方向安
定性を維持する一方、幅調節可能な車台の利点を
有するホイストを提供することにある。

本発明によれば、患者用の可動ホイストは車台
を有し、この車台は、直立の支持構造体又は支柱
を支持するとともに共通な固定軸を有する２つの
支持車輪が設けられた主要部と、主要部上に回動
自在に設けられ主要部から突出しかつ前方のキヤ
スターによつて支持される２つの側方部材とから
構成される。このように、後方の車輪は方向安定
性を提供し、前方のキヤスターは操縦性を提供す
る反面、側方部材の回動する幅調節を可能にす
る。

固定された軸の車輪は、方向安定性及び操縦性
をしいるために、かつホイストの使用時に側方部
材の回動による調節を安易にするために、できる
だけ前方に設けられることが望ましい。動作の要
求は、固定された軸の車輪がどのぐらい前方に設
けることができるかを限定しがちであるが、車輪
はホイストの使用時にホイストの重心の後方に配
置される必要がある。主要部は、通常接地面と空
隙のある後方のスタビライザーキヤスターを有し
ている。このキヤスターは、ホイストが前方に設
けられた固定軸の車輪を中心にして後方に傾くの
を防止する。特に、ホイストが患者を運搬してい
ないときである。これらのスタビライザーキヤス
ターにより、固定軸の車輪が荷重のかかつていな
いホイストの重心の前方に設けられることでき
る。

主要部は、好適には逆Ｕ字型形状であつ、支持
構造体又は支柱を支持する上方リムと、側方部材
のための回動軸を提供する２つの側方リムとを有
している。側方部材は、中心を越えるように好ま
しく設計された、別々のレバー動作される偏心ピ
ンやカム動作部によつて個々に調節可能であつて
も良い。このようにして、側方部材が平行となる
最小限の車台幅を明確に定義する位置と、側方部
材が外側へ開口する最大限の幅を明確に定義する
位置との２つの中心を越える位置を提供する。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に
説明する。

ホイストは、主要部材３及び２つの側方部材
４，５とから構成される可動車台（シヤーシ）上
に設けられた支柱２から突出するリフトアーム１
から構成される。車台は、共通な固定軸を有する
２つの車輪６，７で支持されるとともに、各側方
部材４，５の正面端部に設けられた前方の２つの
キヤスター８で支持される。主要部材３は逆Ｕ字
型の形状（∩字状）であり、上方のスチール部材
３ａと下方の基底部材３ｂとから構成される。ス
チール部材３ａは上部リム９を具備し、上部リム
９は直角断面の直立した差し口１０に固定され
る。差し口１０には、直角断面に対応し支柱２が
着脱可能に設けられている。スチール部材３ａの
垂直な側方リム１１，１２は、側方部材４，５の
各ボス１３，１４が回動可能に設けられる回動軸
を提供する。

車輪６，７は、比較的に大きな直径を有してい
る。これは、ホイストの良好な直進安定性を得る
ためである。また、車輪６，７はコラム２の前方
に配置されており、この位置は荷重のかかつてい
ないホイストの重心から前方に少し離れた距離で
ある。主要部材３は、基底部材３ｂの下方に設け
られた後方のキヤスター１５を具備している。キ
ヤスター１５は、通常設置面と空隙を有している
（第１図に示すように）。キヤスター１５は、ホイ
ストで患者を運搬する際に、荷重のかかつた状態
でのホイストが不注意に後方に傾かないスタビラ
イザーとして作用する。キヤスター１５は第２図
では省略される。ホイストに荷重がかかつていな
い状態のとき、前方のキヤスター８には荷重がか
からず、これは側方部材４，５の回動可能な幅調
節に抵抗がかからないようにしている。患者を運
搬するときでさえも、荷重のかかつたホイストの
重心の後方の少し離れた距離にある車輪６，７の
前方位置により、前方のキヤスター８には比較的
わずかな荷重しかからない。これは、操縦性及び
回動による幅調節を促進する。

前述の配置構成はまた、比較的小さな前方キヤ
スター８を適合することができ、側方部材の前方
部４ａの高さを低くすることができる。これは、
例えばベツドや浴槽への患者の運搬を容易にす
る。前方部４ａは後方部４ｂにより各ボス１３，
１４と連結され、車輪６，７の空隙のために後方
部４ｂは適切な長さと下方への傾斜を有してい
る。

側方部材４，５の回動可能な調節は、それぞれ
作動部１６，１７によつて成される。各作動部１
６，１７は、それぞれ対応する側方リム１１，１
２と固定されかつ動作部材２０，２１が垂直軸に
回動可能に支持されるボデイ１８，１９から構成
される。動作レバー２２，２３はそれぞれ対応す
る動作部材２０，２１の末端上部に取付けられ
る。動作部材２０，２１はそれぞれその下端部図
示しない突出する偏心ピンを有し、この偏心ピン
はそれぞれ対応するボス１３，１４に固定されて
突出するプレート２４，２５のスロツト（溝）と
係合する。

作動部１６，１７は、それぞれ側方部材４，５
の調節を行う。最小限の位置幅のとき、側方部材
４，５は平行であり、動作レバー２２，２３は、
図示するように、上部リム９と共に内側の方向に
突出している。各動作レバー２２，２３が外側に
かつ側方に向けられる位置までの180゜にわたる動
作レバー２２，２３の移動は、側方部材４，５が
外側へ開口する最大限の位置幅まで該側方部材
４，５を移動させるためにそれぞれ対応する作動
部を動作させる。上述した各動作レバー２２，２
３の２つの位置は、図示されない偏心ピンの中心
を越えた位置であることを示す。後者の偏心ピン
は停止ネジ２６，２７と係合する。これによつ
て、側方部材４，５の調節される一方の位置で側
方部材４，５の明確な位置を提供しいる。

各動作レバー２２，２３は、第３図に示すよう
に、それぞれ対応する動作部材２０，２１に偏心
して取付けられた軸（ステム）２８，２９を有し
ている。引張りバネ３０，３１は“グラスホツパ
ー”として作用し、各軸２８，２９と上方リム９
との間に連結される。そして、このバネの引張り
は、各位置でレバー２２，２３を保持する。

（発明の効果） 以上、詳細に説明したように本発明によれば、
方向安定性の優れた、車台の開口部の幅を節する
ことのできる患者用のホイストを提供ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるホイストの側面図、第２
図は第１図の−線部分断面の背面図、第３図
は部分線図である。 １……リフトアーム、２……支柱、３……主要
部材、４，５……側方部材、６，７……車輪、
８，１５……キヤスター、９……上部リム、１０
……差し口、１１，１２……側方リム、１３，１
４……ボス、１６，１７……作動部、１８，１９
……ボデイ、２０，２１……動作部材、２２，２
３……動作レバー、３０，３１……引張りバネ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 可動車台上に設けられた直立の支持構造体又
   は支柱から突出するリフトアームを有する。可動
   の患者用ホイストにおいて、 前記車台は、 前記支持構造体又は支柱を支持する、同軸の固
   定軸を有し、床面に接する２つの支持車輪と、ホ
   イストの使用時に通常接地面と空隙のある少なく
   とも１つの後方のスタビライザーキヤスターとを
   有している主要部と、 前記主要部に回動可能に設けられ、前記主要部
   から前方に突出しかつ床面に接する前方の支持キ
   ヤスターによつて支持される２つの側方部材とか
   ら構成されることを特徴とする患者用ホイスト。 ２ 前記固定軸車輪が支持構造体又は支柱の前方
   に設けられたことを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の患者用ホイスト。 ３ ホイストに荷重のかかつていないとき前記固
   定軸車輪が、ホイストの重心の前方に設けられて
   おり、ホイストの状態が固定軸車輪及び前記後方
   のスタビライザーキヤスターによつて支持されて
   いることを特徴とする特許請求の範囲第１項又は
   第２項のいずれかに記載の患者用ホイスト。 ４ 前記主要部が、上部リムと２つの側部リムと
   を有する逆Ｕ字型形状であり、前記上部リムには
   支持構造体又は支柱が設けられ、前記側方リムが
   前記側方部材のための回動軸を提供することを特
   徴とする特許請求の範囲第１項から第３項のいず
   れかに記載の患者用ホイスト。 ５ 前記側方部材が、別々のレバー動作される偏
   心ピン又はカム作動部によつてそれぞれ回動調節
   可能であることを特徴とする特許請求の範囲第４
   項記載の患者用ホイスト。 ６ 前記作動部は、一方の位置が最小限の車台幅
   を明確に定義し、他方の位置が側方部材が外側へ
   開口する最大限の車台幅を明確に定義する、２つ
   の選択的な中心を越える位置を有することを特徴
   とする特許請求の範囲第５項記載の患者用ホイス
   ト。 ７ バネ手段が、前記作動部の２つの中心を越え
   る各位置で前記作動部を保持することを特徴とす
   る特許請求の範囲第６項記載の患者用ホイスト。 ８ 前記側方部材が車台の最小限幅の状態で平行
   であることを特徴とする特許請求の範囲第１項か
   ら第７項のいずれかに記載の患者用ホイスト。