JPH0356634B2 - - Google Patents

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JPH0356634B2
JPH0356634B2 JP58157911A JP15791183A JPH0356634B2 JP H0356634 B2 JPH0356634 B2 JP H0356634B2 JP 58157911 A JP58157911 A JP 58157911A JP 15791183 A JP15791183 A JP 15791183A JP H0356634 B2 JPH0356634 B2 JP H0356634B2
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phthalocyanine
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photoreceptor
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/06Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being organic
    • G03G5/0664Dyes
    • G03G5/0696Phthalocyanines

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Light Receiving Elements (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はフタロシアニンおよびヘンゼン核に電
子吸引性基のあるフタロシアニンを含むフタロシ
アニン系組成物を電荷発生物質として含む層中
に、ヒドラゾン化合物、ピライゾリン化合物、オ
キサジアゾール化合物もしくはトリフエニルアミ
ン化合物のような電荷輸送物質を含有せしめるこ
とによつて、正帯電型感光体として、光感度、耐
オゾン性、耐摩耗性、繰り返し使用による画質の
安定性および画像階調性が優れ、また衛生性にも
優れた電子写真感光体を提供するものである。
一般に電子写真方式にはゼログラフイー方式の
ごとくセレン、硫化カドミウムなどの光導体素子
を金属ドラム上に薄膜状に形成した感光体を暗所
にて帯電させ、光像を照射(露光)し、静電潜像
を形成させた後、トナーにより可視像を作り(現
像)これを紙等に転写定着する方法、あるいはエ
レクトロフアツクス方式のように光導電性層(感
光層)を紙上に設け、この感光体上に帯電、露
光、現像および定着により光導電性層上に永久可
視像を得る方法がある。
電子写真感光体の光導電体素子として現在広く
用いられているものに、無機化合物として無定形
セレン、硫化カドミニウム、酸化亜鉛等がある。
無定形セレンは光導電体素子としての特性は良好
であるが、製法が蒸着によらねばならず製造がむ
ずかしく、蒸着膜は可撓性がなく、しかも毒性が
強いため、その取り扱いに注意を要し、また高価
であるという欠点がある。硫化カドミニウム、酸
化亜鉛は結着剤樹脂に分散させた光導電性層の形
で用いられるが、樹脂/光導電体素子の重量比が
0.2〜0.3以下でないと実用性のある感度が得られ
ないため、可撓性、平滑度、硬度、引張り強度、
耐摩擦性などの機械的な性質に欠点を有する。し
たがつて、そのままでは反復使用に耐えることが
できない。硫化カドミニウムには衛生性の問題に
も考慮が必要である。
近年、これら無機物質の欠点を排除するために
いろいろの有機物質を用いた電子写真用感光体が
提案され、実用に供されているものもある。例え
ば、ポリ−N−ビニルカルバゾールと2,4,7
−トリニトロフルオレン−9−オンとからなる感
光体(米国特許3484237)、ポリ−N−ビニルカル
バゾールをピリリウム塩系色素で増感したもの
(特開昭48−25658号公報)、染料と樹脂とからな
る共晶錯体を主成分とする感光体(特開昭47−
10735号公報)などである。
また、さらに光により電荷を発生する物質(電
荷発生物質と呼ぶ)と、この発生しした電荷を輸
送することのできる物質(電荷輸送物質と呼ぶ)
とを組合せた電子写真感光体が提案されている。
例えば米国特許第3791826号明細書には電荷発生
層上に電荷輸送層を設けた感光体が、また、米国
特許第3764315号明細書には電荷発生物質を電荷
輸送物質中に分散せしめた感光層を持つ感光体が
記載されている。一般に電荷発生物質として知ら
れているものの多くはクロロダイアンブルー等の
アゾ系色素、あるいはフタロシアン顔料のような
有色色素であり、これらは単独では電荷発生能力
が低いために、実用上の感度まで電荷発生力を引
き出すには感光体中に多く含有させねばならな
い。しかし、このように有色色素を多量に含有さ
せると感光体の機械的強度を弱くさせるもととな
り、更に別の観点においては、強い吸光度の為、
有効な可視光線が、感光層の内部まで十分に透過
しないために感光層内部に十分な電荷を発生する
ことができず、感度の低下を引き起こすことにな
る。この様な点より、近年、米国特許第3791826
号の様に、電荷発生層上に、電荷輸送層を設ける
ことにより、上記の欠点を改良し、高感度の感光
体が提案されている。ここで、電荷発生物質とし
て優れた化合物が少ないために、現状では、電荷
輸送物質を改良することにより、更に優れた感光
体を得ているのが現状である。しかし、この様な
積層型感光体は、工業的にも単層型に比べて経済
上不利であるばかりでなく、前記の理由により、
電荷発生層中の電荷発生物質を多量に含有し、更
にその厚さは5ミクロン以下、実用的には1ミク
ロン以下の均一な厚さとする必要があるために、
技術的にも困難な問題がある。また、電荷発生層
中の電荷発生物質量の多さのために、支持基体と
の密着性が不十分となり、機械的強度も問題とな
る。更に電荷発生層と、電荷輸送層との界面にお
いて、発生する電荷がトラツプされることによ
り、連続使用に際し、感度変化等を起す場合が多
く、その為に更に中間層、下引層等を設ける必要
性もてでくる等技術的にも実用に供せしめるに多
くの問題をかかえている。
更に現在実用化されている積層型感光体の多く
は、その有機感光体素子がN型であることによ
り、負帯電において高感度化のために負帯電型で
使用されているが、コロナ放電による負帯電は正
電帯に比べて、コロナ放電に際し発生するオゾン
量は約10倍に達し、連続使用に際し、使用する室
内にいてオゾン濃度が高くなり、その臭いのみば
かりでなく、健康上においても問題がある。更
に、感光体においても発生するオゾンのため劣化
を起すことにより、その寿命ははなはだしく短く
なるという欠点を有している。更にP型半導体と
してのフタロシアンの場合、正帯電で使用した際
に、そのもの単独においては十分な感度を有せ
ず、また、更にTNF等の増感剤等を使用した場
合、帯電−露光−現像に至る過程において、露光
した際、感光体表面の電荷の減衰に至るまで、通
常インダクシヨンと称される誘導期間を有するた
め、現像におけるタイミングのとりかたが難かし
く、更にコントラストのはつきりした画像は得ら
れるものの、階調性の乏しい画像しか得られない
という欠点を有し、未だ改善の余地があつた。
また電荷発生物質および電荷輸送物質を含む感
光層を有する感光体においても、従来の電荷発生
物質では感度、階調性、繰り返し特性等を実用上
すべて満足させるものは少ない。
本発明者らは上述の欠点を改良することを目的
とし、鋭意研究を行つた結果、特定のフタロシア
ン系組成物の電荷発性物質(A)を含む層中に更に、
ヒドラゾン系化合物、ピラゾリン系化合物、オキ
サジアゾール系化合物およびトリフエニルアミン
系化合物から選ばれる電荷輸送物質(B)を混入させ
ることにより、正帯電において、インダクシヨン
現象が無く、高感度、更に、繰り返し使用による
安定性が優れ、感光体のキズがコピー上に出にく
く、更に、生成するオゾンにも影響され難く、更
には画像の階調再現性に優れ、また、安価で衛生
性にも優れた電子写真感光体が得られることを発
見し、本発明を到達するに至つた。
本発明における特定のフタロシアニン系組成物
(A)とは、フタロシアニンおよび、フタロシアニン
分子のベンゼン核がニトロ基、シアノ基、ハロゲ
ン原子、スルホン基およびカルボキシル基から選
ばれる少なくとも1種の電子吸引性基によつて置
換されたフタロシアニン誘導体を、フタロシアニ
ンと塩を形成し得る無機酸と混合した後、水もし
くは塩基性物質によつて析出せしめて得られたフ
タロシアニン系組成物である。
本発明に係わるフタロシアニンとしては無金属
フタロシアニンまたは金属フタロシアニン、ある
いはこれらの混合物である。金属フタロシアニン
の金属としては銅、銀、ベリリウム、マグネシウ
ム、カルシウム、亜鉛、カドミウム、バリウム、
水銀、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ラ
ンタン、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、
ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エ
ルビウム、ツリウム、イツテルビウム、ルテチウ
ム、チタン、錫、ハフニウム、鉛、トリウム、バ
ナジウム、アンチモン、クロム、モリブデン、ウ
ラン、マンガン、鉄、コバルト、ニツケル、ロジ
ウム、パラジウム、オスミウム、および白金等で
ある。また、フタロシアニンの中心核として金属
原子ではなく、3価以上の原子価を有するハロゲ
ン化金属であつてもよい。無金属フタロシアニン
や銅、コバルト、鉛、亜鉛等の金属フタロシアニ
ンが好ましい。さらに、低ハロゲン化フタロシア
ニンであつてもよい。なお、フタロシアニンは顔
料としてよく知られている化合物であるが、本発
明において、どのような製法によつて得られたフ
タロシアニンでもよく、顔料において知られてい
るように、クルードと称されているフタロシアニ
ンは勿論、顔料化されたフタロシアニンを用いて
もよい。
本発明に係わるフタロシアニン誘導体としては
フタロシアニン分子のベンゼン核がニトロ基、シ
アノ基、ハロゲン原子、スルホン基およびカルボ
キシル基から選ばれる少なくとも1種の電子吸引
性基によつて置換されたものである。このフタロ
シアニン誘導体はフタロシアニン合成時に、フタ
ロシアニンの原料となるフタロニトリル、フタル
酸、無水フタル酸、フタルイミドとして、上記置
換基で置換されたフタロニトリル、フタル酸、無
水フタル酸、フタルイミドを用いること、もしく
は一部併用することによつて得られる。フタロシ
アニン誘導体の製法としては特に制限されない。
また、フタロシアニン誘導体1分子における置換
基の数としては1〜16個、好ましくは1〜8個、
より好ましくは1〜4個である。置換基の数は、
製造法によつて異なるが、数の異なるものが混合
している状態が多い。なお、フタロシアニン誘導
体として、例えばニトロ基およびシアノ基を有す
るもの、ニトロ基を有するフタロシアニン誘導体
およびシアノ基を有するフタロシアニン誘導体を
混合して使用してもよい。さらに、本発明のフタ
ロシアニン誘導体以外のフタロシアニン誘導体を
一部併用することもできる。
また、フタロシアニン誘導体のフタロシアニン
としては無金属フタロシアニンまたは銅、ニツケ
ル、コバルト、鉄、ナトリウム、リチウム、カル
シウム、マグネシウム、アルミニウム等の金属フ
タロシアニンである。フタロシアニンとフタロシ
アニン誘導体との組成割合は、フタロシアニン
100重量部に対し、フタロシアニン誘導体が0.01
〜20重量部である。好ましくはフタロシアニン誘
導体を0.1〜5重量部である。0.01重量部未満で
は十分な感度が得られず、また、20重量部を超え
ると、暗減衰率が増大し実用に供しえない。
次に、フタロシアニンおよびフタロシアニン誘
導体の製造方法につき、代表的な例を挙げる。ま
ずフタロジニトリルおよびもしくはニトロ基やシ
アノ基によつて置換されフタロジニトリルと金属
塩の存在下または不存在下、アンモニアアルコラ
ートのような強塩基触媒とともに、アルコール等
の有機溶媒中で加熱するニトリル法、無水フタル
酸およびもしくはニトロ基やシアノ基によつて置
換した無水フタル酸、尿素、金属塩をモリブデン
酸、アンモニウム等を触媒として溶媒の存在下も
しくは不存在下に加熱する方法がある。その他、
アミノイミノイソインドレニン等を用いる方法で
もよい。
本発明に用いられるフタロシアニンと塩を形成
し得る無機酸としては、硫酸、オルトリン酸、ピ
ロリン酸、クロロスルホン酸、塩酸、ヨウ化水素
酸、フツ化水素酸、臭化水素酸等が用いられる。
これら無機酸はフタロシアニンのアシツドペース
テイング法、アシツドスラリー法等の従来より知
られている方法に使用されているものが用いられ
る。また、方法としても、従来より知られている
方法が適用される。例えば、フタロシアニンを上
記の無機酸に溶解し、その後、水等に溶液を注入
する方法(アシツドペーステイング法)、フタロ
シアニンの無機酸塩スラリーとし、水等に注入す
る方法(アシツドスラリー法)、あるいはフタロ
シアニンの無機酸塩をアンモニアガス等の塩基性
物質によつて塩を分解し、フタロシアニンを析出
させる方法等がある。
更に、本発明においてフタロシアニン系組成物
を含む層中に混入せしめる電荷輸送物質(B)として
はヒドラゾン系化合物、ピラゾリン系化合物、オ
キサジアゾール系化合物、トリフエニルアミン系
化合物等のこれまでに知られている電荷輸送物質
が使える。ヒドラゾン系化合物は通常ヒドラジン
誘導体と、アルデヒド成分もしくはケトン成分と
の縮合によつて得られることができる。ヒドラゾ
ン系化合物につき、具体的にその一部を例示すれ
ば、次のような化合物を挙げることができる。P
−N−ジメチルアミノベンズアルデヒド−N−フ
エニルヒドラゾン)、P−N−ジメチルアミノベ
ンズアルデヒド−N−フエニルヒドラゾン)、P
−N−ジエチルアミノベンズアルデヒド、−N,
N−ジフエニルヒドラゾン)、3−(N−ジフエニ
ルヒドラゾン)メチル−9−エチルカルバゾー
ル、3−(N−メチル−N−フエニルヒドラゾン)
−メチル−9−エチルカルバゾール、3−(N−
フエニルヒドラゾン)−メチル−9−エチルカル
バゾール、P−N−ジエチルアミノベンズアルデ
ヒド−N,N−エチル−フエニルヒドラゾン、P
−N−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,N
−メチル−フエニルヒドラゾン、6−N,N−ジ
エチルアミノベンゾチアゾール−2−カルボアル
デヒド−N,N−ジフエニルヒドラゾン等が例示
される。
また、オキサジアゾール系化合物は、通常、カ
ルボキシル基を有する化合物を、ヒドラジン化合
物もしくはヒドラジド化合物との間にて、ポリリ
ン酸等によつて脱水閉環することによつて得られ
る。このオキサジアゾール系化合物の多くのう
ち、具体的にその一例を例示すれば2,5−ビス
−(4−ジメチルアミノフエニル1)−1,3,4
−オキサジアゾール、2,5−ビス−(4−ジ−
n−プロピル)−アミノ−フエニル1−1,3,
4,−オキサジアゾール、2,5−ビス−(4−ジ
エチルアミノフエニル−1−)1,3,4−オキ
サジアゾール、2,5−ビス−(4−アセチルア
ミノ−2−クロルフエニル−1)−1,3,4−
オキサジアゾール、2,5−ビス−(4−n−プ
ロピルアミノフエニル)−1,3,4−オキサジ
アゾール、2,5−ビス−〔4−(n−プロピルア
ミノ)−2−クロルフエニル−1〕−1,3,4−
オキサジアゾール、2,5−ビス−(4−シクロ
ヘキシルアミノフエニル−1)−1,3,4−オ
キサジアゾール、2,5−ビス−(4−ジエチル
アミノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾー
ル等が例示される。
ピラゾリン系化合物を具体的に例示すると、
〔1−フエニル−3−(p−ジエチルアミノスチリ
ル)−5−(p−ジエチルアミノフエニル)−2A−
ピラゾリン〕、1・5−デフエニル−3−メチル
−ピラゾリン、1・3・5−トリフエニルピラゾ
リン、1−(β)−ナフチル−3・5−ジフエニル
−ピラゾリン、1・5−ジフエニル−3−p−オ
キシフエニル−ピラゾリン、1・3−ジフエニル
−5−p−メトキシフエニル−ピラゾリン、1−
p−エトキシフエニル−3・5−ジフエニル−ピ
ラゾリン、1−m−トリル−3・5−ジフニル−
ピラゾリン、1−p−トリル−3・5−ジフエニ
ル−ピラゾリン、1−フエニル−3−p−メトキ
シ−スチリル−5−1−p−メトキシ−フエニル
−ピラゾリン、1−フエニル−3−p−ジメチル
アミノスチリル−5−p−ジメチルアミノ−フエ
ニル−ピラゾリン、1−p−ニトロフエニル−3
−スチリル−5−フエニル−ピラゾリン、1・3
−ジフエニル−5−(p−ジメチルアミノ)−フエ
ニル−ピラゾリン、1・5−ジフエニル−3−ス
チリル−ピラゾリンが挙げられる。また、トリフ
エニルアミン系組成物につき、具体的に例示する
と、トリフエニルアミン、トリ−(P−メチルフ
エニル)アミン等が挙げられる。
本発明におけるフタロシアニン系組成物および
電荷輸送物質は通常それ自身では皮膜形成能を有
しない為、感光層として形成せしめるには、結着
剤樹脂を用いる。ただし、電荷輸送物質が皮膜形
成能を有している場合や感光層に保護層を形成す
る場合等では結着剤を用いなくてもよい。本発明
において好ましく用いられる結着剤は、高い電気
絶縁性のフイルム形成性高分子重合体、あるいは
共重合体である。このような高分子重合体、共重
合体であり、本発明において好ましく用いられる
結着剤はフエノール樹脂、ポリエステル樹脂、酢
酸ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリベプ
チド樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルピロリ
ドン、ポリエチレンオキサイド、ポリ塩化ビニル
樹脂、でんぷん粉類、ポリビニルアルコール、ア
クリル系共重合体樹脂、メタクリル系共重合樹
脂、シリコーン樹脂、ポリアクリロニトリル系共
重合樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルカルバゾール、ポリ塩化ビニ
リデン樹脂等が挙げられる。これらの高分子バイ
ンダーは、単独あるいは2種以上混合して用いら
れるが、本発明に使用できる結着剤は、これらに
限定されるものではない。また、本発明に係わる
感光層には従来から知られているε型結晶形フタ
ロシアニン、β型結晶形フタロシアニン、フタロ
シアニン以外の光導電体素子を併用することがで
きる。
本発明に係わる組成物を電子写真感光体として
使用するには該組成物を結着剤樹脂、溶剤等と共
に、ボールミル、アトライター等の混練分散機で
均一に分散させ、導電性支持体上に塗布して、感
光層を形成する。塗布方法としては、必要ならば
光導電性組成物に溶剤を加えて粘度を調整し、エ
アードクターコーター、ブレードコーター、ロツ
ドコーター、リバースロールコーター、スプレー
コーター、ホツトコーター、スクイーズコーター
等の塗布方式で被膜形成を行う。塗布後、光導電
性層として充分な帯電電位が付与されるようにな
るまで適当な乾燥装置を用いて乾燥を行う。な
お、感光層には必要に応じて通常用いられる添加
剤を使用することもできる。
また、本発明における結着剤に対するフタロシ
アニン系組成物は結着剤100重量部に対して、5
〜70重量部、好ましくは20〜60重量部が好まし
い。また、電荷輸送物質は、結着剤100重量部当
り電荷輸送物質を10〜300重量部が好ましい。た
だし、本発明はこの範囲のみに制限されるもので
はない。また、この感光層の厚みは、要求される
光感度や耐久性および、フタロシアニン系組成
物、電荷輸送物質の結着剤に対する混合割合によ
つて決定されるが、50ミクロン以下、特に1ミク
ロン〜30ミクロンが好ましく、これ以上であると
皮膜の可撓性がなくなり、特にベルト状感光体で
はヒビ割れ等を生ずる原因ともなる。また、感光
層には必要に応じて、保護層として役立つ層を被
覆することもできる。
本発明の電子写真感光体に用いる支持体として
は、導電性が付与されていれば何れのものでも良
く、従来用いられているいずれのタイプの導電層
であつてもさしつかえない。具体的には、アルミ
ニウム、銅、ステンレス、真鍮などの金属、アル
ミニウム、酸化インジウムや酸化錫などを蒸着ま
たはラミネートしたプラスチツクあるいは導電性
粒子、例えばカーボンブラツク、錫粒子、アルミ
ニウム粒子を分散したプラスチツクなどを挙げる
ことができる。また、その型状については、シー
ト状あるいはシリンダー状、その他のものであつ
ても差しつかえない。
なお、本発明による電子写真感光体を使用する
際に、光源は通常のハロゲンランプ等の他、感度
が750nm以上にもあるために、ガリウム−アル
ミニウム−ヒ素半導体レーザー(発振波長780n
m)の様なレーザー光を用いることもできる。
本発明による電子写真感光体は衛生性の問題が
なく、また使用に際し、正帯電型であるために、
発生するオゾン層は少なく、また高感度にして、
インダクシヨンが少なく、光減衰曲線がJ曲線で
あるため、画像再現において、階調性に優れ、ま
た、繰り返しによる感光体の劣化も少なく、ま
た、実用上キズに対しても、そのキズが複写画像
に出にくく、また、更には単層型であつても実用
上十分な特性を有するために、製造が容易であ
り、安価である等の実用上優れた特徴を持つもの
である。
以下、例を挙げて本発明を説明する。例中
「部」とは重量部を示す。
実施例 1 銅フタロシアニン40部、テトラニトロ銅フタロ
シアニン0.5部を98%濃硫酸500部に十分撹拌しな
がら溶解する。溶解した液を水5000部にあけ、銅
フタロシアニン、テトラニトロ銅フタロシアニン
の組成物を析出させた後、ロ過、水洗し、減圧下
120℃で乾燥する。
次に、この組成物1部、P−N−ジエチルアミ
ノベンズアルデヒド−N,N−ジフエニルヒドラ
ゾン2.5部、アクリルポリオール、(武田薬品工業
(株)製、タケラツクA−702)3.6部、エポキシ樹脂
(シエル化学社製、エポン1007)0.5部、メチルエ
チルケトン1.2部およびセロソルブアセテート1.2
部からなる組成物を磁性ボールミルにて48時間練
肉を行ない光導電性組成物を得る。
次に、この光導電性組成物を厚さ5ミクロンの
アルミニウム箔と75ミクロンのポリエステルフイ
ルムとのラミネートフイルムのアルミニウム上に
乾燥膜厚が8ミクロンになるようにロールコート
し、110℃に均一加熱されたオーブン中に1時間
置き、電子写真感光体とした。こうして得られた
サンプルに対して+5.7KV、コロナギヤツプ10
mm、10m/minの帯電スピードでコロナ放電を与
え、放電停止後、10秒後に2854Kのタングステン
光源にて10Luxの照度で露光する。この時の露光
直前の電位が50%低下するのに要した光の照射量
を感度とした。この様にして測定したサンプルは
最大表面帯電量620V、暗減衰率17%、感度
1.0Lux.sec,残留電位20Vであり、帯電性、感度
ともに実用に十分な価であり、その光減衰曲線
(実線)を第1図に示す。第1図に見られるよう
に、帯電露光に際し、表面電位減衰においてイン
ダクシヨンは見られず、J曲線の光減衰曲線を示
した。またこの感光体を複写機にて正帯電にて
10000枚のコピーを連続してとつたが、得られた
画像は階調性に優れ、通常の写真を原稿にして複
写を行つても、その細部中間色濃度に関しても美
しい画像が得られ、また、感度変化がなく、更
に、感光体にキズを生じているものの、複写画像
には全くそのキズが出ていない鮮明な画像が得ら
れた。
実施例 2 銅フタロシアニン40部、ジニトロメタルフリー
フタロシアニン1.5部を98%濃硫酸100部に十分撹
拌しながら溶解する。溶解した液を水1000部に注
入し、フタロシアニン系組成物を析出させた後、
ロ過、水洗し、減圧下120℃で乾燥する。この組
成物を1部、1−フエニル−3(P−ジエチルア
ミノスチリル)−5−(P−ジエチルアミノフエニ
ル)−2A−ピラゾリン2部をポリカーボネート樹
脂(帝人(株)パンライトL−1250)4部をテトラヒ
ドロフラン10部とともにボールミルにて分散し、
この液をスプレーにて厚さ10μmにアルミニウム
円筒に塗布した後、乾燥し、電子写真感光体とし
た。こうして得られたサンプルに対し、実施例1
と同様にして電子写真特性を測定した。このよう
にして測定したサンプルは最大表面帯電量580V、
感度1.2Lux.secであり、その光減衰曲線におい
て、インダクシヨンのない、J曲線を示し、複写
機による正帯電による繰り返し実写テストにおい
ても、10000枚のコピーにて、初期、最終画像に
おいても階調性が優れ、感度変化がなく、鮮明な
画像が得られた。
実施例 3 実施例1において得られた、フタロシアニン系
組成物1部に対し、ジエチルアミノフエニルオキ
サジアゾール2部、トリフエニルメタン0.8部、
アクリル樹脂4部、セロソルブアセテート20部を
ボールミルにて分散せしめ、以下実施例1と同様
にして、サンプルの測定を行つた。得られた光減
曲線はインダクシヨンがなくJ曲線であり、この
時の最大表面電位は580V、暗減衰率12%、感度
1.3Lux.sec,残留電位15Vであり、また、実写テ
ストにおいても、実施例1と同じ結果が得られ
た。
比較例 1 実施例1において、P−ジエチルアミノベンズ
アルデヒド−N,N−ジフエニルヒドラゾン2.5
分散体を入れないで、実施例1に従つて感光体を
作製した。更に実施例1と同じ条件にて感光体の
特性を測定すると、このサンプルの最大表面電位
は550V、感度1.9Lux.secであつたが、光減衰曲
線(点線)は第1図に示されるように、インダク
シヨンが多く、その光減衰曲線は逆S字曲線を示
した。
更に実写テストにおいて、1000枚目より、キズ
が生じ、そのキズは複写画像にも表れ、実用にす
る場合問題のある画像であつた。
比較例 2 実施例1におけるフタロシアニン系組成物を、
β型銅フタロシアニン(東洋インキ製造製、リオ
ノールブルーSM)に変え実施例と同様にしてサ
ンプルを作り、テストを行つた。得られた結果は
最比大表面電位は600Vであつたが、感度20Lux.
secであり、実用に供するには不十分な感度であ
つた。
【図面の簡単な説明】
第1図は横軸に時間(秒)、縦軸に表面電位を
取つた。感光層の光減衰曲線のグラフを表す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 フタロシアニンおよび、フタロシアニン分子
    のベンゼン核がニトロ基、シアノ基、ハロゲン原
    子、スルホン基およびカルボキシル基から選ばれ
    る少なくとも1種の電子吸引基によつて置換され
    たフタロシアニン誘導体を、フタロシアニンと塩
    を形成し得る無機酸と混合した後、水もしくは塩
    基製物質によつて析出せしめて得られたフタロシ
    アニン系組成物の電荷発生物質(A)およびヒドラゾ
    ン系化合物、ピラゾリン系化合物、オキサジアゾ
    ール系化合物およびトリフエニルアミン系化合物
    から選ばれる電荷輸送物質(B)を含有してなる感光
    層を有することを特徴とする電子写真感光体。
JP58157911A 1983-08-31 1983-08-31 電子写真感光体 Granted JPS6050538A (ja)

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