JPH0356475B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、紙送りローラにて搬送される複写紙
を斜め下方に案内する固定ガイド部材を備えた複
写紙送り装置に関する。

〔従来の技術〕

この種の複写紙送り装置においては、従来、次
のような問題があつた。

即ち、例えば第７図に示すように、紙送りロー
ラａにて搬送される複写紙ｂを比較的大なる角度
をもつて斜め下方に案内する場合に、該複写紙ｂ
の先端がカールしていると、斜設されている固定
ガイド部材ｃの下面と複写紙ｂの先端部との成す
角度θ₁が大きくなつて、前記固定ガイド部材ｃに
複写紙先端が当接した際の該複写紙先端の滑動が
悪くなり、この状態で紙搬送が続けられると複写
紙先端が遅れ勝手になつて次第に折れ曲がり、遂
には給紙不良や紙詰まりが生じることがあつた。

かゝる複写紙先端のカールに基づく不都合な事
態は、特に両面複写の際、つまり一側面に複写が
成された複写紙ｂの他側面に複写する場合に多発
するものであつた。

上記不都合の原因が、前記固定ガイド部材ｃの
水平面に対する傾斜角が急であることに起因して
いることは明らかである。

〔発明が解決しようとする課題〕

かゝる不都合を解消すべく、前記固定ガイド部
材ｃの水平面に対する傾斜角を緩く設定した状態
で前記複写紙ｂを紙移送ローラｅ，ｆに案内しよ
うとすると、前記固定ガイド部材ｃの給紙方向長
さが長くなり、装置全体が給紙方向に大きくなる
と言う不都合を生じる。

そこで本発明者等は、第７図に仮想線で示した
ように、固定ガイド部材ｃや紙送りローラａ等の
配置を従来通りにした状態で、前記紙送りローラ
ａの近傍から固定ガイド部材ｃの給紙方向中間部
にわたつてそれの下面側に、ルミラー（商品名）
と称される可撓性のガイド部材ｄを設けると共
に、該可撓性ガイド部材ｄの下面と水平面との成
す角を前記固定ガイド部材ｃの下面と水平面との
成す角よりも小に設定して給紙実験を繰り返し行
つたのである。

かかる構成によれば、前記可撓性ガイド部材ｄ
の下面と複写紙ｂ先端部との成す角θ₂が小さくな
つたことで、該部での複写紙先端の折れ曲がりに
起因する不都合が効果的に解消され、しかも、前
記ガイド部材ｄが前記複写紙ｂの腰の強さによつ
て上方に撓まされることで、前記固定ガイド部材
ｃの下面側に複写紙ｂのループ（紙面が上方に湾
曲する状態）が従来通りに形成され、而して、紙
移送ローラｅ，ｆのニツプ部分での所謂紙先端揃
えが所定通りに行われる好結果を得るに至つたの
である。

ところが、前記複写紙ｂが可撓性のガイド部材
ｄを通過して固定ガイド部材ｃに至つた際に、当
該複写紙ｂが前記固定ガイド部材ｃに吸着されて
しまつて、該部で希に紙詰まりを生じることがあ
つた。

あるいは、前記ガイド部材ｄを固定ガイド部材
ｃの全下面にわたつて設ける場合には、前記複写
紙ｂが紙移送ローラｅ，ｆを通過して後に、当該
紙移送ローラｅ，ｆの下流側のガイド部材等に吸
着されることで紙詰まりを生じることがあつた。

本発明は、上記複写紙ｂが固定ガイド部材等に
吸着される原因について鋭意考察したところ、次
なる事実を知見するに至つたのである。

即ち、前記ガイド部材ｄが非導電性のものであ
るために、前記複写紙ｂが可撓性のガイド部材ｄ
に摺接して移動する際に前記複写紙ｂが摩擦帯電
し、これによつて当該複写紙ｂが固定ガイド部材
等に静電吸着されることを知見するに至つたので
ある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、上記の考察結果を基にして成された
ものであり、而して本発明は、紙送りローラにて
搬送される複写紙を斜め下方に案内する固定ガイ
ド部材を備えた複写紙送り装置において、前記固
定ガイド部材の下面側に導電性を有する可撓性の
ガイド部材を設け、かつ、該可撓性ガイド部材の
下面と水平面との成す角を、前記固定ガイド部材
の下面と水平面との成す角よりも小に設定した点
に特徴を有する。

〔作用〕

上記の特徴構成によれば、可撓性のガイド部材
が導電性を有するので、当該ガイド部材に複写紙
が摺接移動しても該複写紙が摩擦帯電することが
抑止され、而して、複写紙が固定ガイド部材等に
静電吸着されることが確実に防止される。

また、前記可撓性ガイド部材の下面と複写紙先
端部との成す角が小さいので、該部での複写紙先
端の折れ曲がりと、これに起因する紙詰まりが解
消される。

しかも、前記ガイド部材が前記複写紙の腰の強
さによつて上方に撓まされることで、前記固定ガ
イド部材の下面側に複写紙のループが従来通りに
形成され、所謂複写紙の先端揃えが所定通りに行
われる。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は紙搬送角度が比較的大となる上段側給
紙装置８の直下流側に複写紙送り装置１を適用し
た静電写真複写機を示し、回転感光ドラム２の外
周面に沿つて、帯電装置３、露光装置４、現像装
置５、転写装置６、及び、クリーニング装置７を
配設すると共に、上下二段の給紙装置８，９から
前記転写装置６を経て定着装置１０及び紙送出装
置１１へと複写紙を移送する紙搬送経路１２を設
けて成る。

次に、前記複写紙送り装置１と上段側給紙装置
８の構成を第２図及び第３図を基に説明する。

図中の１３は複写紙収納ケース、１４は該ケー
ス１３内に設けられた上下揺動可能な乗載板であ
つて、この乗載板１４上に複写紙ｐが載置され、
かつ、この乗載板１４は前記ケース１３の底面に
穿設された孔１３ａを通つてケース１３外からケ
ース１３内へ入り込むように付勢されたレバー１
５によつて上方に付勢され、もつて、前記ケース
１３内の最上位の複写紙ｐを、回転駆動軸１６に
固定された複数個の紙送りローラ１７の下面に押
し当てるように構成してある。

而して、前記紙送りローラ１７が矢印Ｘ方向に
回転駆動されると、前記複写紙収納ケース１３か
ら最上位の複写紙ｐが順次取り出されて、該複写
紙ｐが複写紙送り装置１に向けて移送される。

この複写紙送り装置１は、前記紙送りローラ１
７とその斜め下方に位置する駆動及び従動の紙移
送ローラ１８，１９との間に、傾斜状態で固定ガ
イド部材２０を設けると共に、この固定ガイド部
材２０の下面側に、前記紙移送ローラ１８，１９
側の端部を固着基端として上下に撓み変形可能な
可撓性のガイド部材２１を設けて成る。

かゝる可撓性ガイド部材２１は、例えばルミラ
ー（商品名）の少なくとも上面側を導電性処理し
て成るが、薄バネ性のアルミ箔やステンレス薄板
等で実施することが可能であり、かつ、当該可撓
性ガイド部材２１の遊端は前記紙送りローラ１７
の駆動軸１６上に載置されている。

２２は前記固定ガイド部材２０の上面側に固定
したマイクロスイツチで、そのスイツチレバー２
２ａを前記固定ガイド部材２０に穿設された孔２
０ａを通して該固定ガイド部材２０の下面側に突
出させてある。

２３は前記収納ケース１３の載置台であつて、
その一端には前記複写紙送り装置１の下方の規制
板２４が一体的に連設されている。

上記構成によれば、複写開始操作に伴つて前記
紙送りローラ１７が矢印Ｘ方向に回転駆動され、
ケース１３から複写紙ｐが取り出されて複写紙送
り装置１に向けて移送され、やがて第２図に示す
ように、その先端が可撓性ガイド部材２１の下面
に当接する。

この可撓性ガイド部材２１の水平面に対する傾
斜角は固定ガイド部材２０のそれに比べて小さい
ので、該可撓性ガイド部材２１の下面に対する複
写紙ｐの先端部との成す角θも小さくなり、たと
え複写紙ｐの先端がカールしていたとしても、そ
の後の紙送りローラ１７の回転に伴つて紙先端の
カールは次第に矯正されながら、当該複写紙ｐが
可撓性ガイド部材２１の下面に沿うようにスムー
ズに移送されて、第４図の実線で示す状態とな
り、その後の紙送りローラ１７の回転に伴つて複
写紙ｐは、その腰の強さで前記可撓性ガイド部材
２１を押し上げながら、第４図に仮想線で示すよ
うに、固定ガイド部材２０に沿う状態にまで撓
み、所謂紙先端揃えのためのループが形成され
る。

この状態において、前記マイクロスイツチ２２
は、そのスイツチレバー２２ａが複写紙ｐの後端
によつて押し上げられて作動され、前記紙送りロ
ーラ１７の回転が停止される。その後、紙移送ロ
ーラ１８，１９が夫々矢印Ｙ，Ｚ方向に回転駆動
されるように切り換えられ、複写紙ｐは該紙移送
ローラ１８，１９間を通つて以後の紙搬送経路１
２を移送される。

２１ａは前記可撓性ガイド部材２１に設けられ
た孔であつて、当該孔２１ａは前記マイクロスイ
ツチ２２のレバー２２ａに対向する箇所に位置
し、前記複写紙ｐが固定ガイド部材２０に沿う状
態に至るまでに前記レバー２２ａが可撓性ガイド
部材２１によつて作動されることを防止するもの
である。

尚、前記可撓性ガイド部材２１の形状は各種の
変形可能であり、例えば第５図及び第６図に示す
ように、該可撓性ガイド部材２１の遊端部の中央
部分を大きく屈曲させて、該屈曲部を前記紙送り
ローラ１７の駆動軸１６の下方にもぐり込ませる
ようにするも良い。

かかる構成によれば、複写紙ｐの先端の両角部
が下向きにカールし且つ中央部が丸く盛り上がつ
ている場合に、該複写紙中央部を前記可撓性ガイ
ド部材２１ａの前記下方にもぐり込ませた部分で
下方へ押し下げることができ、当該複写紙ｐの先
端の折れ曲がりを防止できる利点がある。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明は、前記固定ガイド
部材の下面側に導電性を有する可撓性のガイド部
材を設けると共に、該可撓性ガイド部材の下面と
水平面との成す角を前記固定ガイド部材の下面と
水平面との成す角よりも小に設定して、前記可撓
性ガイド部材の下面と複写紙先端部との成す角を
小さくしたので、而して、該可撓性ガイド部材に
複写紙先端が当接した際の可撓性ガイド部材に対
する該複写紙先端の滑動が、複写紙先端の折れ曲
がりを伴わずに極めて良好に行われるようにな
り、該部での複写紙先端の折れ曲がりに起因する
給紙不良や紙詰まりの不都合を効果的に解消でき
る。

しかも、前記ガイド部材が可撓性を有し且つ当
該ガイド部材が前記複写紙の腰の強さによつて上
方に撓まされることで、前記固定ガイド部材の下
面側に複写紙のループが従来通りに形成され、而
して、紙移送ローラのニツプ部分での所謂紙先端
揃えが所定通りに行われる。

そして、前記可撓性のガイド部材として、これ
に導電性を有せしめてあるので、従つて、当該ガ
イド部材に複写紙が摺接移動しても該複写紙が摩
擦帯電することが抑止されることから、複写紙が
固定ガイド部材等に静電吸着されることが確実に
防止され、全体として、固定ガイド部材の下方に
単に所定角度でガイド部材を設けるだけではな
く、当該ガイド部材を可撓性にし且つ導電性を有
せしめることで、従来の給紙上の不都合はもとよ
り、派生するであろう複写紙の静電吸着の問題を
未然に解消できるに至つたのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は静電写真複写機の概略縦断側面図、第
２図は複写紙送り装置の縦断側面図、第３図はそ
の複写紙送り装置の斜視図、第４図は作用説明
図、第５図は別実施例の複写紙送り装置の斜視
図、第６図はその縦断側面図である。そして第７
図は従来の複写紙送り装置の縦断側面図である。 １７……紙送りローラ、２０……固定ガイド部
材、２１……可撓性ガイド部材、ｂ……複写紙。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 紙送りローラにて搬送される複写紙を斜め下
   方に案内する固定ガイド部材を備えた複写紙送り
   装置であつて、前記固定ガイド部材の下面側に導
   電性を有する可撓性のガイド部材を設け、かつ、
   該可撓性ガイド部材の下面と水平面との成す角
   を、前記固定ガイド部材の下面と水平面との成す
   角よりも小に設定してあることを特徴とする複写
   紙送り装置。