JPH0546842U - 給紙装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 用紙の重送を完全に防止することができる給
紙装置を提供することを目的とする。 【構成】 用紙１０を送り出すための搬送ローラ１と、
搬送ローラ１を駆動させる搬送ローラ駆動モ−タ３と、
搬送ローラ１より下流側であって、収納されている用紙
１０の少なくとも一つの隅部に配置され、表面に溝が複
数本形成されたピックアップローラ２と、ピックアップ
ローラ２を駆動させるピックアップローラ駆動モ−タ４
と、ピックアップローラ２を用紙１０の内側に向けて所
定角度回転させた後停止又は用紙１０から離反させ、搬
送ローラ１を搬送方向に回転させるように、搬送ローラ
駆動モ−タ３、ピックアップローラ駆動モ−タ４を制御
する制御手段５とを備える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、画像形成装置に用いる給紙装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、図５に示すように、給紙カセット９に収納された用紙１０を複写機本体 に送り込むために、用紙１０を搬送する搬送ローラ１が、その用紙１０の面に当 接するように配置されている。給紙カセット９の前側隅部には、用紙１０を分離 するための分離爪９１が設けられ、搬送ローラ１と給紙カセット９の前側との間 には、用紙１０を分離するために搬送ローラとは逆方向に回転する偏心ローラ１ ２が配置されている。

【０００３】 以上のように構成された給紙装置の動作を説明すると、まず図６（ａ）に示す ように、搬送ローラ１が最上側の用紙１０に当接した状態で偏心ローラ１２が矢 印の方向に回転を開始する（用紙１０の搬送方向は矢印Ａの方向）。このときは まだ偏心ローラ１２は用紙１０に当接していない。偏心ローラ１２が更に回転し て図６（ｂ）に示すように、最上側の用紙１０に当接し始めると、偏心ローラ１ ２はその用紙１０を本来の搬送方向とは逆方向に搬送しようとするが、搬送ロー ラ１が当接して用紙１０を押さえた状態になっているため、用紙１０の中央部が 上に曲がり、下側にある用紙１０から分離して浮き上がる。その後偏心ローラ１ ２が更に回転すると、偏心ローラ１２は用紙１０から離れ始め、偏心ローラ１２ と用紙１０との間に隙間ができる。そうすると、図６（ｃ）に示すように、偏心 ローラ１２は停止し、曲がった用紙１０がそのたわみによって元に戻るときに、 用紙１０の先端がその隙間に入り込み、同時に搬送ローラ１が矢印方向に回転し て用紙１０を後方から押して用紙１０の先端を給紙カセット９の分離爪９１の上 側に載せ、その状態で搬送方向に搬送する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】 しかしながら、以上のような給紙装置では、偏心ローラ１２によって用紙１０ をたわませて分離しようとする面積が大きいため、用紙１０の摩擦係数が高い場 合などは、２枚の用紙が重なったままたわんでしまい分離ができず用紙の重送が 発生するという課題がある。

【０００５】 本考案は、従来のこのような課題を考慮し、用紙の重送を完全に防止すること ができる給紙装置を提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、用紙を収納する給紙カセットを有し、用紙を給送する給紙装置にお いて、用紙を送り出すための搬送ローラと、その搬送ローラを駆動させる第１駆 動手段と、その搬送ローラより下流側であって、収納されている用紙の少なくと も一つの隅部に配置され、表面に溝が複数本形成されたピックアップローラと、 そのピックアップローラを駆動させる第２駆動手段と、そのピックアップローラ を用紙の内側に向けて所定角度回転させた後停止又はその用紙から離反させ、搬 送ローラを搬送方向に回転させるように、第１、第２駆動手段を制御する制御手 段とを備えた給紙装置である。

【０００７】

【作用】

本考案は、制御手段が、第２駆動手段によって駆動されるピックアップローラ を用紙の内側に向けて所定角度回転させた後停止又はその用紙から離反させ、第 １駆動手段によって駆動される搬送ローラを搬送方向に回転させるように、第１ 、第２駆動手段を制御し、搬送ローラより下流側であって、収納されている用紙 の少なくとも一つの隅部に配置され、表面に溝が複数本形成されたピックアップ ローラが、給紙カセットに収納された用紙を分離し、搬送ローラが分離された用 紙を給送する。

【０００８】

【実施例】

以下に、本考案をその実施例を示す図面に基づいて説明する。

【０００９】 図１は、本考案にかかる一実施例の給紙装置の略示斜視図である。すなわち、 複写機本体に装着した給紙カセット９に収納された用紙１０中央上側の近接した 位置には、用紙１０を複写機本体に給送するための搬送ローラ１が、その最上側 の用紙１０の面に当接可能なように配置されている。搬送ローラ１には、その搬 送ローラ１を搬送方向に回転させるために、軸１１を介して第１駆動手段である 搬送ローラ駆動モ−タ３が連結されている。給紙カセットの前側、つまり下流側 両隅部には用紙１０を分離するための分離爪９１が設けられている。

【００１０】 又、収納された用紙１０の下流側両隅部には、最上側の用紙１０を１枚だけ分 離するためのピックアップローラ２が、当接可能なように配置されている。ピッ クアップローラ２は、図２に示すように、その表面には軸方向の溝２２が複数本 、例えば８本設けられ、軸の方向は図１のように用紙１０の搬送方向に対して斜 め略４５度の方向に向けられている。軸２１の一端には、ピックアップローラ２ を用紙１０の中央に向かうように（搬送ローラ１が当接して押さえている方向） 回転するための第２駆動手段であるピックアップローラ駆動モ−タ４が連結され ている。又軸２１の他の一端の軸受け部２３には、ピックアップローラ２を用紙 １０から離反させるために持ち上げるソレノイド６が連結されている。

【００１１】 上述の搬送ローラ駆動モ−タ３、ピックアップローラ駆動モ−タ４、及びソレ ノイド６には、搬送ローラ１を回転・停止させたり、ピックアップローラ２を回 転・停止させたり、ソレノイド６を動作させたり制御するための制御手段５が接 続されている。

【００１２】 次に上記実施例の動作について説明する。

【００１３】 まず、用紙１０の収納された給紙カセット９を複写機本体に装着し、その後コ ピー動作を開始する。コピーが開始されて原稿の光画像によって、感光体に静電 潜像が形成され、その静電潜像が現像器で現像されて、感光体表面にはトナー顕 像が形成される。このトナー顕像を転写するために、用紙１０を転写工程に送り 込むレジストローラへ、給紙カセット９から用紙１０が給送される。

【００１４】 用紙１０を給紙カセット９から給送するために、まず図３（ａ）に示すように 、給紙カセット９に収納された最上側の用紙１０の面に当接しているピックアッ プローラ２が矢印の方向に回転を開始する（矢印Ａは用紙１０の搬送方向を示す ）。ピックアップローラ２が回転すると図４に示すように、用紙１０が矢印Ｄの 方向の力を受ける。そうすると用紙１０の中央部は搬送ローラ１によって押さえ られているので、用紙１０は移動できず搬送ローラ１とピックアップローラ２の 間の部分が盛り上げられる。

【００１５】 その後図３（ｂ）に示すように、用紙１０の一端部がピックアップローラ２の 下側まで押されると、ピックアップローラ２の表面に形成された溝２２に、その 一端部がはまり込みピックアップローラ２の回転とともに、用紙１０の一端部が 持ち上げられていく。

【００１６】 次に用紙１０の一端部がある程度持ち上げられると、図３（ｃ）に示すように 、搬送ローラ１が矢印の方向に回転を開始して、用紙１０を後方から押し出す。 そうすると用紙１０の一端部が、用紙１０のたわみを元に戻そうとする力によっ て、ピックアップローラ２の上側に押し出される。それと同時にピックアップロ ーラ２は、回転が停止し、ソレノイド６によって上方向（矢印Ｂ）に持ち上げら れて、用紙１０を重ねて搬送しないように下に残っている用紙１０から離反され る。

【００１７】 以上のピックアップローラ２の動作は、両隅部のピックアップローラ２とも同 じように行われ、分離された用紙１０の両端部が両隅部のピックアップローラ２ の上に乗り上げた状態になる。

【００１８】 その状態で図３（ｄ）に示すように、搬送ローラ１は回転を続けて、分離した 用紙１０を矢印Ｃの方向へ搬送し、レジストローラへ給送する。

【００１９】 以上のようにしてピックアップローラ２によって用紙１０をたわませる面積を 小さくすれば、用紙１０の重送を完全に防止することが可能となる。

【００２０】 なお、上記実施例では、ピックアップローラ２を給紙カセット９に収納された 用紙１０の両隅部に配置したが、これに限らず、どちらか片方の隅部に配置する だけでもよい。

【００２１】 また、上記実施例では、制御手段５は、ピックアップローラ２が回転して用紙 １０がたわんだ後、搬送ローラ１を回転させるようにしたが、これに限られず、 ピックアップローラ２と搬送ローラ１を同時に回転させるようにしてもよい。あ るいは又搬送ローラ１を回転させた後、ピックアップローラ２を回転させるよう にしてもよい。

【００２２】 また、上記実施例では、制御手段５は、ピックアップローラ２を残りの用紙１ ０から離反したときに、回転を停止させたが、これに限らず、回転させたままで あってもよい。

【００２３】 また、上記実施例では、ピックアップローラ２を残りの用紙１０から離反する のにソレノイド６を用いて上に持ち上げたが、これに代えて偏心したピックアッ プローラを用いて、その回転位置によって残りの用紙１０から離反されるように してもよい。あるいは又ピックアップローラ２を残りの用紙１０から離反させず に、回転を停止させるようにしてもよい。

【００２４】 また、上記実施例では、分離した用紙１０をピックアップローラ２の上側を通 過させたが、これとは反対に、残りの用紙１０とそこから離反したピックアップ ローラ２の間、すなわちピックアップローラ２の下側を通過させるようにしても よい。

【００２５】 また、上記実施例では、ピックアップローラ２の軸２１の方向を、用紙１０の 搬送方向に対して略４５度傾けて配置したが、これに限られず、用紙１０をたわ ませて分離しようとする面積が小さくなるような向きであれば、どの方向であっ てもよい。

【００２６】

【考案の効果】

以上述べたところから明らかなように本考案は、用紙を送り出すための搬送ロ ーラと、その搬送ローラを駆動させる第１駆動手段と、その搬送ローラより下流 側であって、収納されている用紙の少なくとも一つの隅部に配置され、表面に溝 が複数本形成されたピックアップローラと、そのピックアップローラを駆動させ る第２駆動手段と、そのピックアップローラを用紙の内側に向けて所定角度回転 させた後停止又はその用紙から離反させ、搬送ローラを搬送方向に回転させるよ うに、第１、第２駆動手段を制御する制御手段とを備えているので、用紙の重送 を完全に防止することができるという長所を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる一実施例の給紙装置の略示斜視
図である。

【図２】同実施例のピックアップローラの斜視図であ
る。

【図３】同図（ａ）、（ｂ）、（ｃ）、（ｄ）は、同実
施例の動作を説明する模式図である。

【図４】同実施例の略示平面図である。

【図５】従来の給紙装置の略示斜視図である。

【図６】同図（ａ）、（ｂ）、（ｃ）は、従来の給紙装
置の動作を説明する模式図である。

【符号の説明】

１ 搬送ローラ ２ ピックアップローラ ３ 搬送ローラ駆動モ−タ ４ ピックアップローラ駆動モ−タ ５ 制御手段 ６ ソレノイド ９ 給紙カセット １０ 用紙

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 用紙を収納する給紙カセットを有し、用
   紙を給送する給紙装置において、前記用紙を送り出すた
   めの搬送ローラと、その搬送ローラを駆動させる第１駆
   動手段と、その搬送ローラより下流側であって、収納さ
   れている用紙の少なくとも一つの隅部に配置され、表面
   に溝が複数本形成されたピックアップローラと、そのピ
   ックアップローラを駆動させる第２駆動手段と、そのピ
   ックアップローラを前記用紙の内側に向けて所定角度回
   転させた後停止又はその用紙から離反させ、前記搬送ロ
   ーラを搬送方向に回転させるように、前記第１、第２駆
   動手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする
   給紙装置。