JPH0356365Y2

JPH0356365Y2 -

Info

Publication number: JPH0356365Y2
Application number: JP1985127833U
Authority: JP
Priority date: 1985-08-23
Filing date: 1985-08-23
Publication date: 1991-12-18
Also published as: JPS6235834U

Description

【考案の詳細な説明】〔考案の利用分野〕本考案は、インクジエツト粒子を偏向させて記
録媒体上に任意の文字、図形等を記録するインク
ジエツト記録装置に関する。

〔考案の背景〕

インクジエツト記録装置は、貯蔵されているイ
ンクをノズルからインクジエツト粒子として噴出
させ、このインクジエツト粒子に予め所定の電荷
を与えた後、これを必要に応じて偏向電極により
偏向させ、偏向したインクジエツト粒子を、回転
ドラム上に張設した記録紙等に衝突させて任意の
文字、図形等を記録する装置である。このような
インクジエツト記録装置を図により説明する。

第３図はインクジエツト記録装置の系統図であ
る。図で、１はインク噴出用のノズル、２はイン
クに所定の振動を与える電歪振動子、３は電歪振
動子２を振動させる励振信号源、４はノズル１か
ら噴出したインク柱、５はインクジエツト粒子、
６はインクジエツト粒子５に電荷を与える荷電電
極と荷電されたインクジエツト粒子を偏向させる
偏向電極とを同時に兼ねる制御電極である。７は
制御電極６に印加する荷電信号、８は制御電極６
に偏向電圧を与える偏向電圧源、９はガター、１
０は回転ドラム（図示されていない）に張設され
た記録紙である。

インク貯蔵部から供給されたインクは電歪振動
子２を通過することにより所定の振動が与えられ
る。このため、インクは、ノズル１から噴出する
時点でうねりを生じ、このうねりのためにくびれ
部を有するインク柱４となり、当該くびれが大き
くなつたところで球状に千切れてインクジエツト
粒子５となる。なお、インクジエツト粒子５を図
示のように異なつた径のものとし、所要の径のも
のを記録に使用することもできるし、又、すべて
同一径とすることもできる。このインクジエツト
粒子には制御電極６により図形（文字）信号に応
じた所定の電荷が与えられて偏向が可能な状態と
なる。この荷電されたインクジエツト粒子は、偏
向電圧によつて形成された電極間の静電場により
破線で示すように偏向し、記録紙１０上に衝突し
てドツトが印されることになる。荷電されないイ
ンクジエツト粒子は偏向されることなく一点鎖線
で示すように直進し、ガター９に収集されてイン
ク貯蔵部に戻る。

第４図は、ノズル１、圧電素子２、制御電極
６、ガター９等で構成される記録ヘツドの上面図
である。図で、第３図に示す部分と同一部分には
同一符号を付して説明を省略する。１１は記録ヘ
ツド取付部材であり、後述するように紙面に垂直
方向に延びた板状体で形成されている。１３は記
録ヘツド取付部材１１に取付けられた記録ヘツド
を示す。１４は記録ヘツド１３を構成するノズル
１、圧電素子２、制御電極６、ガター９等を支持
する記録ヘツド支持構造である。このような記録
ヘツド１３は、カラーインクジエツト記録装置に
おいては、記録ヘツド取付部材１１に複数個取付
けられている。これを第５図に示す。

第５図は記録ヘツド部の側面図である。図で、
第４図に示す部分と同一部分には同一符号を付し
て説明を省略する。１３ａ，１３ｂ，１３ｃ，１
３ｄは記録ヘツド取付部材１１に取付けられ、垂
直方向に配置された記録ヘツドであり、それぞれ
異つた色のインクジエツト粒子を形成する。例え
ば、記録ヘツド１３ａ，１３ｂ，１３ｃ，１３ｄ
はそれぞれブラツク、シアン、マゼンタ、イエロ
ーのインクジエツト粒子を形成する。１５は記録
ヘツド取付部材１１を支持する支持台である。１
６ａ，１６ｂ，１６ｃ，１６ｄはそれぞれ記録ヘ
ツド１３ａ，１３ｂ，１３ｃ，１３ｄにインクを
供給するインク供給管を示す。１７は記録紙１０
を装着する回転ドラムである。各記録ヘツド１３
ａ〜１３ｄがそれぞれ定められたタイミングで前
述のように作動することにより、記録紙１０上に
はカラーの文字、図形等（画像）が得られる。

ところで、第５図に示すカラーのインクジエツ
ト記録装置のように、各記録ヘツドが近接して設
置されている場合、それぞれの記録ヘツド間に信
号干渉が生じ、その結果、荷電タイミングの制御
に悪影響を及ぼすという欠点があつた。さらに、
各記録ヘツドが垂直方向に配置されているので、
上部に配置された記録ヘツドにインク漏れが生じ
た場合、その下部に配置された記録ヘツドの電極
に漏れたインクが付着して短絡事故を発生すると
いう欠点もあつた。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、上記従来技術の欠点を除き、
記録ヘツド間の信号干渉を防止し、しかもインク
漏れによる電極の短絡事故をも防止することがで
きるインクジエツト記録装置を提供するにある。

〔考案の概要〕

上記の目的を達成するため、本考案は、インク
噴出用ノズル、制御電極、およびガターを一体構
成して成る記録ヘツドを複数個、記録媒体を装着
する回転ドラムに対向して垂直方向に配列して構
成されるインクジエツト記録装置において、前記
各記録ヘツド相互間に、当該各記録ヘツドの下部
全体を覆うシールド板を設けるとともに当該シー
ルド板にインクを溜める溝を形成したことを特徴
とする。

インクジエツト記録装置で描画中、各記録ヘツ
ド間の信号の相互干渉はシールド板により防止さ
れる。又、記録ヘツドにインク漏れが生じても、
洩れたインクはシールド板の溝に溜まつて下部の
記録ヘツドに落下することはない。

〔考案の実施例〕

以下、本考案を図示の実施例に基づいて説明す
る。

第１図は本考案の実施例に係るインクジエツト
記録装置の記録ヘツド部の側面図、第２図は第１
図に示す記録ヘツド部の上面図である。各図で、
第５図に示す部分と同一部分には同一符号を付し
て説明を省略する。１８ａ，１８ｂ，１８ｃ，１
８ｄはそれぞれ各記録ヘツド１３ａ，１３ｂ，１
３ｃ，１３ｄの下面に設けられたシールド板であ
る。各シールド板１８ａ〜１８ｄは適宜の金属板
で形成され、各記録ヘツド１３ａ〜１３ｄの相互
間を完全に遮へいするとともにそれぞれ接地され
ている。１９ａ，１９ｂ，１９ｃ，１９ｄ（１９
ａ以外は図示されていない）は各シールド板１８
ａ〜１８ｄにおいて、記録ヘツド取付部材１１の
反対側の端部に形成された溝である。２０は支持
台１５に配置された回収容器である。

このように、各記録ヘツド１３ａ〜１３ｄの相
互間には、接地されたシールド板１８ａ〜１８ｄ
が介在するので、各記録ヘツド１３ａ〜１３ｄは
互いに電気的に遮へいされ、それら相互間の信号
干渉は防止される。一方、各シールド板１８ａ〜
１８ｄには溝１９ａ〜１９ｄが形成されているの
で、仮に記録ヘツドにインク漏れが生じても、漏
れたインクは当該溝に入つて他に漏れることはな
く、下部に設置された記録ヘツドに垂れてその電
極に短絡事故を発生させるようなことはない。な
お、溝１９ｂ〜１９ｄのように、少しでも下方に
傾斜を有する溝にあつては、それら溝に入つたイ
ンクは、下方に設けられた回収容器２０に滴下し
て回収される。又、回転ドラム１７の方向に傾斜
している溝１９ａは、その回転ドラム側端部が閉
塞され、かつ、受部が形成され、漏れたインクは
溝１９ａ内に貯められるようになつている。

〔考案の効果〕以上述べたように、本考案では、複数の記録ヘ
ツド相互間にシールド板を設けたので、記録ヘツ
ド相互間の信号干渉を防止することができ、か
つ、インク漏れによる電極の短絡事故をも防止す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係るインクジエツト
記録装置の記録ヘツド部の側面図、第２図は第１
図に示す記録ヘツド部の上面図、第３図はインク
ジエツト記録装置の系統図、第４図は従来の記録
ヘツドの上面図、第５図は従来のインクジエツト
記録装置の記録ヘツド部の側面図である。１０……記録紙、１１……記録ヘツド取付部
材、１３ａ〜１３ｄ……記録ヘツド、１７……回
転ドラム、１８ａ〜１８ｄ……シールド板、１９
ａ……溝。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

インク噴出用ノズル、制御電極、およびガター
を一体構成して成る記録ヘツドを複数個、記録媒
体を装着する回転ドラムに対向して垂直方向に配
列して構成されるインクジエツト記録装置におい
て、前記各記録ヘツド相互間に、当該各記録ヘツ
ドの下部全体を覆うシールド板を設けるとともに
当該シールド板にインクを溜める溝を形成したこ
とを特徴とするインクジエツト記録装置。