JPS6230110B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はインクジエツト記録方法に係り、特に
連続したドツトを形成するインク粒子の間に無荷
電ダミーインク粒子を発生して記録歪を防止する
方法の改良に関する。

一般にインクジエツト記録装置は第１図に示す
如き構成を有している。すなわち、圧電振動子２
には高周波電源１が印加できるように接続されて
おり、この圧電振動子２にはノズル３が取付けら
れている。このノズル３から圧電振動子２に印加
された高周波によつて加圧インク４がインク柱と
なつてノズル３の前方に設けられている帯電電極
７を通る。この帯電電極７の前方には、偏向板１
０が設けられている。この偏向板１０には、高電
圧電源９が接続されている。この偏向板１０の前
方に記録紙１１とガター１４が設置されている。
また、圧電振動子２と帯電電極７には、文字信号
源が接続されており、この文字信号源８からの信
号によつて記録紙１１に記録ドツト１２が文字パ
ターン１３を描き出される。

このように構成されるものであるから、次の如
く、シリアル文字記録を行なう。

高周波電源１よりの電圧を圧電振動子２に印
加してノズル３を励振状態にし、このノズルに
加圧インク４を供給し噴出させることにより、
励振周波数と同頻度で均一なインク粒子５を連
続して発生させる。

発生したインク粒子のうちで、所定個数個置
きの粒子を、記録に用いる対象とする、いわゆ
る記録用インク粒子とし、これらの粒子が、イ
ンク柱６から分離する時、帯電電極７に文字信
号源８よりの文字信号電圧を印加し、この電圧
に比例して記録用インク粒子を荷電する。

荷電した記録用インク粒子に、高電圧電源９
よりの電圧を偏向板１０に印加して形成した偏
向静電場中を飛行させることで、その荷電量に
応じてＸ方向に偏向させ、記録紙１１上に付着
させ記録ドツト１２を形成させる。

以上の粒子作成、荷電、偏向動作とを、ノズ
ルを記録紙に対しＹ方向に相対的に移動させな
がら行なうことにより記録紙上に記録ドツトの
集合からなる文字パターン１３を形成させる。

文字パターン形成に使用しなかつたインク粒
子は直進させ、ガター１４で回収し、再使用す
る。

文字パターン形成法につき第２図をもとに詳し
く説明する。第２図は５×７ドツトマトリクスで
数字“７”の文字パターンを表示したものであ
る。この文字を記録するためには、前述のように
ノズルを記録紙に対し移動させながら、ノズル孔
より発生する記録用インク粒子をドツトマトリク
スの各要素〜〓に順次割当てしてゆき文字パタ
ーン形成上ドツトを形成することが必要な
等の要素（図中斜線で示されている要素）に割当
てた記録用インク粒子に対して、文字パターン形
成用インク粒子として実際に荷電し、偏向しその
マトリクス要素位置に付着させる。

しかし記録用インク粒子がパターン形成用イン
ク粒子として連続して使用されるような時には、
インク粒子は期待どおりの荷電量、偏向量を得る
ことができず、所定のマトリクス位置からずれた
所に記録ドツトを形成してしまう。すなわち記録
歪が生じてしまう。

この原因はパターン形成用粒子間での静電的、
空気力学的な相互干渉によるものである。

そこで従来のこのような干渉による歪を少なく
する方法としてノズル孔より発生するインク粒子
の内、ｎ個置き（ｎは１以上の自然数）に発生す
るインク粒子を記録用インク粒子とし、記録用粒
子間で発生する粒子は無荷電ダミー粒子とし、文
字パターン形成用粒子間の間隔を広げ、これら粒
子間での干渉を少なくし、歪を防止する方法をと
つていた。しかし、この方法では文字の記録速度
が、１／ｎ＋１になり大幅に低下してしまうという欠 点があつた。

一方、特公昭55−23547号公報に開示されたよ
うに、無荷電ダミーインク粒子の数を可変的に挿
入する方法が提案されているが、この方法も使用
する無荷電ダミーインク粒子の数が多く、しかも
ドツトマトリクス要素に向けて偏向されないイン
ク粒子の間にも無荷電ダミーインク粒子が割り当
てられるものであり、従つて記録速度の低下を防
止する効果が少ない。

従つて本発明の目的は、記録速度の低下を防止
しつつ記録歪を実用上支障ない程度に軽減するこ
とができるインクジエツト記録方法を提案するこ
とにある。

インクジエツト記録において、記録歪の発生は
インク粒子を連続して偏向し記録ドツトを連続し
て形成する場合にその両端部分で大きく、その中
央部分では小さい。

従つて、本発明は、無荷電ダミーインク粒子
は、連続した記録ドツトを形成するインク粒子の
全粒子間で発生する必要性がないことに着目し、
ドツトマトリクス要素のＸ方向（偏向方向）の各
列に対して各列のドツトマトリクス要素間の数よ
りも少ない一定個数の無荷電ダミーインク粒子を
用意し、その各列においてインク粒子がドツトマ
トリクス要素へ連続して偏向して連続したドツト
を記録する場合に、各列に用意された無荷電ダミ
ーインク粒子を連続するドツトの各両端部の連続
インク粒子間から順次に前記一定個数に達するま
で割り当て、一定個数に達するまでに割り当てが
終了したときはその残りをドツトマトリクス要素
外に割り当てることにより、記録歪防止と記録速
度低下防止効果を同時に達成しようとするもので
ある。すなわち、記録速度の低下量は各列毎に予
め用意する無荷電ダミーインク粒子の数を制限す
ることによつて抑制でき、しかも記録歪の軽減は
この用意した無荷電ダミーインク粒子を各列毎に
その数の範囲内で記録歪の大きい連続するドツト
の各両端部の連続インク粒子間で且つ偏向量の大
きい方から順次に割り当てることによつて達成さ
れる。

以下、本発明の実施例について説明する。

第３図には、本発明の一実施例が示されてい
る。

図において、ノズル３、帯電電極７、偏向板１
０、記録紙１１、ガター１４によつて構成される
記録部５０の帯電電極７には、文字信号形成装置
４１の増幅器４９が接続されている。この増幅器
４９にはＤ／Ａコンバータ４８を介して粒子荷電
用文字信号電圧設定用ROM４６が接続されてい
る。このROM４６には、パターンレジスタ４２
と無荷電ダミー粒子発生箇所記録レジスタ４４と
トツプ・ボトム無荷電ダミー粒子数記憶レジスタ
４５が接続されている。また、この各レジスタ４
２，４４，４５には、無荷電ダミー粒子発生箇所
計算回路４３からの信号が入力されるように構成
されている。

このように構成されるものであるから、いま、
たとえば、32×32ドツトマトリクス文字の場合、
各列にたとえば８ケの無荷電ダミー粒子を割当て
る。第４図ａは、32×32ドツトマトリクス中のあ
る１列の各マトリクス要素を示したものであり、
各要素に記録用インク粒子が１個ずつ割当てら
れ、図中斜線で示した文字パターン形成上必要な
位置に実際に記録用インク粒子が文字パターン形
成用インク粒子として付着し、記録ドツトを形成
する。

このような場合この列に割当てた無荷電ダミー
粒子８個は以下のように発生させる。すなわち、
文字形成用インク粒子の内、図中印の箇所が無
荷電ダミー粒子を発生させる候補箇所であり、こ
の箇所を偏向量の大きい上の方から下に順次走査
してゆく、そして、連続する候補箇所の両端で無
荷電ダミー粒子を発生させる。この例の場合は図
中〜に示す位置である。最も下の候補位置ま
で走査が終れば再び上から走査を行ない、まだ発
生箇所に決定されていない候補箇所の両端部を無
荷電ダミー粒子発生箇所としてゆく。以上の操作
を無荷電ダミードツトの発生箇所が８ケになるま
でくり返す。この例の場合は、図中，と決定
し終了とする。第４図ｂのように無荷電ダミー粒
子発生候補箇所が８個未満の場合には列の上部、
下部、上部、下部……の順に決定する。ここで列
の上部で発生する粒子をトツプ無荷電ダミー粒子
列の下部で発生させる粒子が無荷電ボトムダミー
ドツトと称されるものである。

このようにパターンレジスタには、たとえば第
４図ａのようなパターンの時には第５図ａで示す
ようなバイナリー信号が記憶される。そしてこの
パターン信号を、無荷電ダミー粒子発生箇所計算
回路により信号処理し、その結果を無荷電ダミー
ドツト発生箇所記憶レジスタに記憶する。その内
容は第５図ｂに示すようになる。尚、この例の場
合はトツプ、ボトム無荷電ダミー粒子数記憶レジ
スタの値は０である。第５図ａ，ｂの内容及びト
ツプ、ボトム無荷電ダミードツト数記憶レジスタ
の値をもとにROMアドレス決定回路により第６
図ａに示すアドレスデータを発生する。すなわ
ち、まずボトム無荷電ダミー粒子数だけアドレス
０のデータを発生させ（この例の場合はこの分の
データ発生はない）、つぎにパターンレジスタの
データ（第５図ａのデータ）をLSBからMSBに
かけて順次読出し、０の時には、アドレス０のデ
ータを順次発生させる。１の時にはそのビツト位
置に相当する無荷電ダミー粒子発生箇所記憶レジ
スタのデータ（第５図ｂのデータ）を見る。この
データが０の時にはアドレスデータとしてそのビ
ツト位置に相当するデータを出力する。１の時に
は、まず無荷電ダミー粒子のアドレスデータとし
てデータ０を発生させ、続いてそのビツト位置に
相当するデータを出力する。このような操作を順
次行ない、最後に無荷電トツプダミー粒子数だけ
アドレス０のデータを発生し、（この例の場合は
この分のデータ発生はない）合計40ケのアドレス
データを発生する。

ROMには第７図に示すように各アドレスに対
し粒子荷電電圧レベルがバイナリー信号で記憶し
てある。したがつて第６図ａに示すアドレスデー
タより同図ｂに示すようなレベル信号が文字信号
電圧としてＤ／Ａ変換器より出力される。以上で
説明した文字信号発生回路４１よりの文字信号を
インクジエツト記録部５０に供給することにより
記録歪の少ない文字を印字することができる。

以上のように本発明は、ドツトマトリクス要素
の各列に対して各列のドツトマトリクス要素間の
数よりも少ない一定個数の無荷電ダミーインク粒
子を用意することで記録速度低下が軽減され、更
にこの限られた各列毎の無荷電ダミーインク粒子
を各列の連続するドツトの各両端部の連続インク
粒子間で且つ偏向量が大きい方から順次に一定個
数に達するまで割り当て、一定個数の達するまで
に割り当てが終了したときその残りをドツトマト
リクス要素外に割り当てることにより、全体的な
記録歪が軽減される効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般のインクジエツト記録装置の原理
構成図、第２図は第１図図示インクジエツト記録
装置による印字文字パターンを示す図、第３図は
本発明の実施例を示す回路図、第４図は第３図図
示実施例に基づく無荷電ダミー粒子を示す図、第
５図は第４図図示粒子を「１、０」信号に変換し
た図、第６図は第５図図示「１、０」信号と電圧
レベルとの対象図、第７図は全ドツトと電圧レベ
ル対象図である。 ４１……文字信号形成装置、４２……パターン
レジスタ、４３……無荷電ダミー粒子発生箇所計
算回路、４４……無荷電ダミー粒子発生箇所記録
レジスタ、４５……トツプ・ボトム無荷電ダミー
粒子数記憶レジスタ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ノズルを記録紙に対してＹ方向に相対的に移
   動させながらノズル孔より発生するインク粒子を
   Ｙ方向とほぼ直交するＸ方向に偏向させることに
   より、記録紙の所定位置に設定したドツトマトリ
   クスの各要素に前記ノズル孔より発生するインク
   粒子を割り当て、ドツト記録に必要なインク粒子
   を当該ドツトマトリクス要素に順次偏向して文字
   を形成すると共にドツトマトリクス要素に偏向さ
   れるインク粒子間に無荷電ダミーインク粒子を発
   生するインクジエツト記録方法において、ドツト
   マトリクス要素のＸ方向の各列に対して各列のド
   ツトマトリクス要素間の数よりも少ない一定個数
   の無荷電ダミーインク粒子を用意し、前記各列に
   おいて前記インク粒子が前記ドツトマトリクス要
   素へ連続して偏向して連続したドツトを記録する
   場合に、各列に用意された前記無荷電ダミーイン
   ク粒子を連続するドツトの各両端部の連続インク
   粒子間で且つ偏向量が大きい方から順次に前記一
   定個数に達するまで割り当て、一定個数に達する
   までに割り当てが終了したときはその残りをドツ
   トマトリクス要素外に割り当てることを特徴とす
   るインクジエツト記録方法。