JPH0355948Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は消費電力の少ないカメラの電磁クラツ
チに関する。

モータをミラーボツクス内に内蔵してモータの
正方向および逆方向回転を駆動機構に連結するモ
ータドライブ内蔵カメラで、モータの駆動力をさ
らに別の駆動系に連動させて、他の仕事をさせた
いという要請がある。

例えば、第１の駆動系の正方向回転でミラー上
昇、絞り込み動作を行なわせ、逆方向回転でミラ
ー復元、絞り込み復元、フイルム給送、シヤツタ
チヤージを行ない、他の駆動系の正方向および逆
方向回転で自動焦点調節の至近方向および無限遠
方向へのレンズ駆動に使用する場合などでは、内
蔵電池の電力消費が多くなつてしまうので、他の
部分での電力消費をできるだけ少なくしなければ
ならない。

本考案の目的は切換時に電力消費量が少くてす
むカメラの電磁クラツチを提供することにある。

前記目的を達成するために、本考案によるカメ
ラの電磁クラツチは、カメラに内蔵されたモータ
の正逆回転を減速してクラツチ歯車に伝え、切換
信号に従い前記クラツチ歯車を第１または第２の
駆動系に切換接続するカメラの電磁クラツチにお
いて、前記クラツチ歯車に連動する吸着鉄片と、
前記鉄片の両側に対称に配置された一対の永久磁
石を有する電磁石を設け、前記各電磁石のコイル
を一方の電磁石の吸引力を減殺させ、他方の電磁
石の吸引力を増大させる方向に通電することによ
り前記吸着鉄片を移動させて駆動系を切換えるよ
うに構成されている。

前記構成によれば、本考案の目的は完全に達成
できる。

以下、図面等を参照して本考案をさらに詳しく
説明する。

第１図は、本考案による電磁クラツチの実施例
の機構を示す斜視図である。駆動源であるモータ
１の回転は減速歯車列２を介して減速されたの
ち、歯車３に伝えられ、歯車３はさらに歯車４と
噛合つている。歯車４はクラツチ軸５と一体的に
設けられており同軸に設けられているクラツチ歯
車６を回転させる。クラツチ軸５は後述する電磁
クラツチにより軸方向に移動し、クラツチ歯車６
がレンズ駆動歯車７またはカメラ駆動歯車８と噛
み合う。レンズ駆動歯車７は歯車列９および歯車
１０を介し、図示しないレンズを駆動するカツプ
リング１１を回転し、焦点距離調整を行なうレン
ズ駆動系に連なり、カメラ駆動歯車８は図示しな
いミラー駆動、シヤツターチヤージ、フイルム給
送等の駆動を行なうカメラ機構の駆動系に連なつ
ている。

クラツチ軸５は中心に軸方向へ移動する移動軸
１２が内装されており、先端に設けられたタボ１
４と軸１３により上下を挟持され、クラツチ軸６
と回転可能に設けられている。軸１３の他端は電
磁軸１５が同軸に設けられている。

第２図は、本考案による電磁クラツチの電磁装
置を示した構造図である。マグネツトクラツチ１
７，１８の間には電磁軸１５に固定された吸着鉄
片１６が挿入されている。マグネツトクラツチ１
７には、電磁軸１５の外周に、軸方向に極性をも
つ永久磁石１９が設けられており、吸着鉄片１６
に対向する側に継鉄２０が接しており、永久磁石
１９の他端はケース２１に接し、磁気回路を形成
している。さらに、永久磁石１９および継鉄２０
を軸として、コイル２６が巻かれている。吸着鉄
片１６とはケース２１の円環状の吸着面２２およ
び継鉄２０の吸着面２３で吸着保持されている。
マグネツトクラツチ１７と全く同一な構造を有す
るマグネツトクラツチ１８が対称位置に設けられ
ており、吸着鉄片１６には両側から吸引力が働い
ているが、中間で釣り合うことなく、いずれか一
方に吸着保持されている。

次に、本考案による電磁クラツチの動作を説明
する。いま、吸着鉄片１６がカメラ駆動側すなわ
ちマグネツトクラツチ１８側に吸着されていたと
する。AF駆動のためレンズ駆動側に切換える必
要があるときは、スイツチ２４，２５をそれぞれ
Ａ，A′側に投入すると、電源Ｂよりコイル２６，
２６′に電流が流れると、マグネツトクラツチ１
８側では、永久磁石１９′の極性とは反対方向に
磁界が生ずるようにコイル２６′が巻かれている
ため、クラツチ１８側の吸着鉄片１６を吸着する
力は弱くなる。一方、マグネツトクラツチ１７側
では、永久磁石１９の極性と同方向に磁界が生ず
るようにコイル２６が巻かれているので、クラツ
チ１７側の吸着鉄片１６を吸着する力は強くな
り、吸着鉄片１６はクラツチ１８側からクラツチ
１７側へ切換る。この状態でスイツチ２４，２５
はニユートラルの位置Ｎ，N′は切換り、回路を
開成するが、吸着鉄片１６はクラツチ１７側の永
久磁石１９の吸着力で保持されている。

逆に、カメラ駆動系に切換えるときは、スイツ
チ２４，２５をＢ，B′側に投入すると、前述と
は逆方向の電流が流れるので、前述とは反対に吸
着鉄片１６はクラツチ１７側からクラツチ１８側
に移動するため、電磁軸が連動して、クラツチ歯
車６が歯車７側から歯車８側へ切換る。

以上、詳しく説明したように、本考案によれ
ば、通常はクラツチのコイルに電流を流さなくと
も永久磁石で吸着保持されており、切換時の極め
て短時間のみ通電するだけなので、クラツチ切換
に要する電力消費を少なくおさえることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による電磁クラツチの実施例
の機構を示す斜視図、第２図は、本考案による電
磁クラツチの電磁装置を示した構造図である。 １……モータ、２……減速歯車列、３……歯
車、４……歯車、５……クラツチ軸、６……クラ
ツチ歯車、７……レンズ駆動歯車、８……カメラ
駆動用歯車、９……歯車列、１０……歯車、１１
……カツプリング、１２……移動軸、１３……
軸、１４……タボ、１５……電磁軸、１６……吸
着鉄片、１７，１８……マグネツトクラツチ、１
９，１９′……永久磁石、２０，２０′……継鉄、
２１，２１′……ケース、２２，２３……吸着面、
２４，２５……スイツチ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) カメラに内蔵されたモータの正逆回転を減速
   してクラツチ歯車に伝え、切換信号に従い前記
   クラツチ歯車を第１または第２の駆動系に切換
   接続するカメラの電磁クラツチにおいて、前記
   クラツチ歯車に連動する吸着鉄片と、前記鉄片
   の両側に対称に配置された一対の永久磁石を有
   する電磁石を設け、前記各電磁石のコイルを一
   方の電磁石の吸引力を減殺させ、他方の電磁石
   の吸引力を増大させる方向に通電することによ
   り、前記吸着鉄片を移動させて駆動系を切換え
   るように構成したことを特徴とするカメラの電
   磁クラツチ。 (2) 前記第１または第２の駆動系はレンズの距離
   環駆動系またはカメラ機構駆動系であることを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載
   のカメラの電磁クラツチ。 (3) 前記クラツチ歯車と前記吸着鉄片は同軸一体
   に設けられていることを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項記載のカメラの電磁クラツ
   チ。