JPH0355576Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は枚葉印刷機において、印刷後の紙を排
紙チエーンで搬送し、昇降プレート上に載置され
たパレツト上へ排出する排紙装置に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

枚葉印刷機の排紙装置には、４隅を昇降チエー
ンで吊下されたりすることにより昇降自在に形成
された昇降プレートが設けられており、印刷作業
の開始に際しては、この昇降プレート上に、リフ
トのアーム等で持ち上げ可能なパレツトが搭載さ
れる。そして、印刷後の紙は排紙チエーンの爪で
先端を咥えられて搬送され、その搬送終端部で紙
尻側を吸引されることにより減速されたのちパレ
ツトの上方において爪の咥えから解放されて紙当
てで紙端を揃えられながらパレツト上に落下積載
される。この場合、印刷開始に先だち、空のパレ
ツトを積んだ昇降プレートを、押ボタン操作で回
転するモータによるチエーンの巻上げで最高位置
まで上昇させ、自動に切替えて印刷作業を開始す
ると、このあとは排紙される積載紙が増えるにし
たがつて昇降プレートが自動降下する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、従来の排紙装置においては、昇
降プレートの最高上昇位置にリミツトスイツチ等
を設け、手動、自動にかゝわらず、昇降プレート
をこのリミツトスイツチの接点に当接させること
によりモータを停止させて昇降プレートの上昇を
停止させていたので、規格がなくて幅、厚さがま
ちまちなパレツトが昇降プレートに搭載される現
状においては、大きなパレツトが搭載されると、
リミツトスイツチが作動する前にパレツトが前記
吸引車や紙当て等に当接してこれらが破損したり
軸が曲がつたりするという事故が発生するおそれ
があつて、作業者には細心の注意が要求されてい
た。と言つて最大のパレツトを見込んでリミツト
スイツチを低くすると、排紙の紙揃いが不良にな
るという不具合があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

このような問題点を解決するために本考案では
搬送紙を添接させて吸引する吸引車部に揺動自在
に枢支され落下紙の後端を案内する紙当て部材が
先端部に垂下された揺動アームの揺動範囲内に、
排紙用昇降プレート上のパレツトが紙当て部材を
押上げることによる揺動アームの揺動で接点が閉
成されて昇降プレートの上昇を停止させるスイツ
チを設けた。

〔作用〕

パレツトを搭載した昇降プレートを上昇限まで
上昇させると、パレツトが紙当て部材を押上げる
ことにより揺動アームが揺動し、スイツチの接点
が閉成されてモータが停止するので、パレツトが
吸引車や紙当て等に当接する前に昇降プレートの
上昇が停止する。

〔実施例〕

第１図ないし第４図は本考案に係る排紙装置の
実施例を示し、第１図はその側面図、第２図は吸
引車近傍の側面図、第３図は同じく紙揃え板を除
いて示す平面図、第４図は第３図のＡ視正面図で
ある。これらの図において、左右の排紙フレーム
間に軸架されたスプロケツト軸１上の左右一対の
スプロケツト２と、図示しない印刷ユニツト側の
スプロケツトとの間には左右一対の排紙チエーン
３が張架されており、左右の排紙チエーン３間に
は、爪軸と爪台軸とからなる複数組の爪竿が一定
間隔で支架されている。各爪竿上には、爪４と爪
台５とからなる複数組の咥え爪６（以下爪６と略
称する）が機幅方向に並列されており、この爪６
は印刷済の紙７の先端を咥えた排紙チエーン３の
走行により搬送するとともに、スプロケツト２近
傍に設けた図示しないカム機構により開いて紙７
を咥えから解放するように構成されている。紙７
の搬送終端部下方には、長方形板状に形成された
昇降プレート８が、排紙フレーム側の巻取部に一
端を固定された昇降チエーンに４隅を支持されて
水平状に設けられており、モータの正逆回転によ
り昇降するように構成されている。そして、モー
タの始動は、押ボタン操作と自動昇降装置からの
信号ならびに後述するリミツトスイツチからの信
号によつて行なわれる。昇降プレート８上にはフ
オークリフトのアーム等で持ち上げ可能に形成さ
れた紙７よりも１回り大形のパレツト９が搭載さ
れており、咥えから解放された紙７は、落下して
このパレツト９上に積載される。

そこで、落下、積載される紙７を揃えるための
各部材について説明する。先ずスプロケツト２の
下方には、落下する紙７の前端を当接させて揃え
る一対の紙当て１０が紙当て軸１１に割締め固定
されて配設されており、紙当て軸１１を回動操作
することにより起立、倒伏するように構成されて
いる。爪６の咥えから解放される紙７の紙尻部近
傍には、中空状のステー１２が両側の排紙フレー
ム間に支架されており、このステー１２には、複
数個の保持具１３が軸方向に並列して割締め固定
されている。さらに保持具１３の前端部に設けら
れた軸孔には、図示しない駆動装置で駆動されて
図に矢印Ｂで示す方向に回転する吸引車軸１４が
ステー１２と平行して軸支されており、これには
図示しないエアポンプに連結されて吸引スリツト
から外気を吸引する複数個の吸引車１５が並列し
て軸着されている。１６は薄板によりＬ字状に形
成されて保持具１３の上端面に固定された紙揃え
板であつて、その垂直部材は紙７の紙尻落下径路
に臨んでその紙端を揃える紙揃え面１６ａとなつ
ており、切欠き孔からは吸引車１５の周面の一部
が露呈している、そして、排紙チエーン３で搬送
される紙７は、紙揃え板１６の水平部材１６ｂに
摺接しながら走行したのち、その走行速度より
やゝ遅い周速度で回転している吸引車１５に摺接
して吸引されることにより紙尻部を減速されるよ
うに構成されている。保持具１３の後端下部に設
けられた突片には、一対のアーム１７が保持具１
３側のストツパ１８で下方への回動を規制されて
ほぼ水平状に枢着されており、その先端部には、
ゲージ軸１９が紙揃え面１６ａに近接して固定状
態で支持されている。２０は、ゲージ軸１９の両
端部にそれぞれ回動自在に遊装されて垂下された
ホルダ２０ａと、これを連結するゲージ板２０ｂ
とで一体形成された紙当て部材としての紙押えゲ
ージであつて、一方のホルダ２０ａとゲージ軸１
９との間に介装されたねじりコイルばね２１によ
つて第２図の時計方向への回動力を付与されてお
り、この付勢により垂直姿勢を保持するように回
動を規制されている。この紙揃えゲージ２０は、
紙揃え面１６ａに続いて積載紙７の後端を揃える
役目をしているとともに、一般に板取りと呼ばれ
ている排紙作業においても紙７を揃える役目をし
ている。すなわち、この板取りは印刷の裏移りを
防止するため、紙７が所定枚数積載されるたびに
横木と板とをパレツト９上に積重ねていつて紙の
積層を分割していくものであつて、板取り用の板
は図示しない板取りガイドに沿つて紙当て１０の
下方から紙揃えゲージ２０へ向つて挿入される。
この場合、第１図に２点鎖線２２で示す板取り板
をゲージ板２０ｂに当接させたのちさらに押し込
むと、紙揃えゲージ２０がねじりコイルばね２１
の弾発力に抗して傾動するが、板取り板２２がゲ
ージ板２０ｂを通過し終るとアーム１７が先端を
上昇させるように回動するので、紙揃えゲージ２
０はねじりコイルばね２１に付勢により板取り板
２２上に直立する。したがつて板取り板２２上へ
引続き落下する紙７はゲージ板２０ｂによつて後
端を揃えられる。

このように構成された紙揃え機構には、昇降プ
レート８の上昇限を検出してその上昇を停止させ
る装置が設けられている。すなわち、前記ステー
１２の外周面には、Ｌ字状に形成されたブラケツ
ト２３がアーム１７の基部に近接して固着されて
いて、これには昇降プレート８昇降用のモータに
接続されたリミツトスイツチ２４が固定されてお
り、その接点片２５は、アーム１７に突設したス
トツパ２６に弾性で圧接されている。そして、紙
７が積載されていない昇降プレート８がモータの
回転によつて上昇し、パレツト９がゲージ板２０
ｂの下端に当接したのちさらに上昇すると、紙揃
えゲージ２０が押し上げられてアーム１７が回動
し、ストツパ２６がリミツトスイツチ２３の接点
を閉成させるので、モータの回転が停止し、昇降
プレート８の上昇が停止する。停止した位置では
パレツト９が紙当て１０や吸引車１５に当接して
おらず、これらを破損させたりすることがない。

以上のように構成された排紙装置の動作を説明
する。空のパレツト９を搭載した昇降プレート８
を押しボタン操作によるモータの回転で上昇させ
ると、上記のようにパレツト９が紙揃えゲージ２
０を押し上げることによりアームの回動を介して
リミツトスイツチ２３の接点が閉じるので、モー
タが停止して昇降プレート８の上昇が停止する。
そこで、昇降プレート８の昇降を手動から自動に
切替えたのち、印刷作業を開始すると、印刷後の
紙７は排紙チエーン３の爪６に前端を咥えられて
搬送され、搬送終端部に達すると、紙揃え板１６
の水平部材１６ｂに摺接したのち、吸引車１５に
摺接しながら吸引されるので、吸引車１５の低速
回転により制動、減速される。爪６の咥えから解
放された紙７は、紙当て１０で前端を揃えられ紙
揃え面１６ａで後端を揃えられて落下するが、吸
引車１５で紙尻側で減速されているので、紙７が
走行慣性で紙当て１０を乗り越えたり、ばたつい
て紙揃え不良となつたりすることがない。落下し
た紙７は、紙当て１０とゲージ板２０ｂとで前端
と後端とをそれぞれ揃えられながらパレツト９上
に積載される。

〔考案の効果〕

以上の説明により明らかなように本考案によれ
ば枚葉印刷機の排紙装置において、搬送紙を添接
させて吸引する吸引車部に揺動自在に枢支され落
下紙の後端を案内する紙当て部材が先端部に垂下
された揺動アームの揺動径路内にスイツチを設
け、排紙用昇降プレート上のパレツトが紙当て部
材を押上げることによる揺動アームの揺動でこの
スイツチの接点を閉成させて昇降プレートの上昇
を停止させるように構成することにより、昇降プ
レートを上昇させる場合、パレツトの寸法が異な
つてもパレツトが所定の高さに達すると必ず昇降
プレートの上昇が停止するので、パレツトで紙当
てや吸引車等を押し上げることがなく、これらの
部材の損傷、変形等の事故が回避されるととも
に、作業者の気配りが軽減される。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案に係る枚葉印刷機
の排紙装置の実施例を示し、第１図はその側面
図、第２図は吸引車近傍の側面図、第３図は同じ
く紙揃え板を除いて示す平面図、第４図は第３図
のＡ視正面図である。 ７……紙、８……昇降プレート、９……パレツ
ト、１７……アーム、２０……紙揃えゲージ、２
０ｂ……ゲージ板、２４……リミツトスイツチ、
２６……ストツパ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 揺動自在なほゞ水平状のアームとその先端部に
   垂下されて落下紙の後端を案内する紙当て部材と
   を備えた枚葉印刷機の排紙装置において、前記ア
   ームを、搬送紙を添接させて吸引する吸引車部に
   揺動自在に枢支させ、このアームの揺動範囲内
   に、排紙用昇降プレート上に搭載されたパレツト
   が前記紙当て部材を押上げることによる前記アー
   ムの揺動で接点が閉成されて前記昇降プレートの
   上昇を停止させるスイツチを設けたことを特徴と
   する枚葉印刷機の排紙装置。