JPH0355170Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、光デイスク等の情報記憶媒体を内蔵
したカートリツジを用いて情報記憶処理を行なう
情報処理機器において、カートリツジを良好に支
持するカートリツジ支持構造に関する。

〔従来技術とその問題点〕

前述した情報処理機器は、一般に、カートリツ
ジを挿入するカートリツジ挿入用ハウジング（以
下、ハウジングという）を有しており、このハウ
ジング内にカートリツジを挿入した後に、ハウジ
ングもしくはヘツドのいずれかを移動させて、ハ
ウジング内のカートリツジに内蔵されている情報
記憶媒体を前記ヘツドに対向するように形成され
ている。

第５図から第８図はこのような情報処理機器に
設けられている従来のカートリツジ支持構造の一
例を示している。

図中、符号１はハウジングである。このハウジ
ング１は情報処理機器内に設けられており、前部
開口２からカートリツジ３を第５図太矢印方向に
挿入・取出し自在に形成されている。カートリツ
ジ３は例えば合成樹脂によつて薄箱状に形成され
た扁平なハードケース４内に光デイスク等の情報
記憶媒体（図示せず）が内蔵されており、ハード
ケース４のＡ面およびＢ面に開設されたシヤツタ
孔５を開閉するシヤツタ６が設けられている。ハ
ウジング１は扁平なカートリツジ３の形状に合わ
せて扁平に形成されている。すなわち、上板１ａ
の両側部からそれぞれ側板１ｂ，１ｂを下方へ折
曲げて連設し、各側板１ｂの下端からそれぞれカ
ートリツジ３のハードケース４の両側端部を載置
して支持する支持下板１ｃ，１ｃを内方へ折曲げ
て連設している。カートリツジ３内の光デイスク
はハウジング１の両支持体下板１ｃ，１ｃ間に開
設されている下部開口７を通して第７図および第
８図に示すヘツド８と対向させられている。ハウ
ジング１の上板１ａと支持下板１ｃとの間隔はカ
ートリツジ３のハードケース４の厚さより大きく
形成されている。これによりハウジング１内への
カートリツジ３の挿入・取出しを円滑に行なうこ
とができる。また、ハウジング１の上板１ａの両
側端部には、ハウジング１内のカートリツジ３
を、カートリツジ３のハウジング１内への挿入方
向と直交する方向に位置するヘツド８方向に向け
て押圧する４個の板ばね状のカートリツジ押えば
ね９，９…が、各側端部に２個ずつ設けられてい
る。各カートリツジ押えばね９は中央部９ａを上
板１ａに溶接等によつて固着されており、その中
央部９ａから略く字形に折曲げ形成された両押圧
部９ｂ，９ｂを上板１ａの透孔１０よりハウジン
グ１内に入り込ませ、各自由端部９ｃ，９ｃを上
板１ａ上に露出させている。また、ハウジング１
の奥部にはハウジング１内のカートリツジ３を取
出す時に、ばね弾力等からなる押圧力をもつてカ
ートリツジ３を前方開口２方向に押出すレバー等
からなる適宜のカートリツジ押出し機構（図示せ
ず）が設けられている。また、第５図に示すよう
にカートリツジ３にシヤツタ６が設けられている
場合には、適宜なシヤツタ開閉機構（図示せず）
も設けられている。

このように形成されている従来のカートリツジ
支持構造によれば、カートリツジ３をハウジング
１に挿入する場合には、ハウジング１の前部開口
２を閉塞していたドア（図示せず）を開放させて
から、カートリツジ３をハウジング１内に手動に
より挿入して行く。この時第７図に示すようにカ
ートリツジ３はそのハードケース４を各カートリ
ツジ押えばね９の押圧部９ｂによつて支持下板１
ｃ上に押圧させられる。そして、カートリツジ３
の挿入途中からはカートリツジ押出し機構の押圧
力に抗しながらカートリツジ３を第７図鎖線の所
定位置まで挿入する。

その後、ハウジング１がヘツド８の方向に移動
し、第８図に示すようにカートリツジ３内の光デ
イスクをヘツド８に対向させて、ヘツド８による
記録・再生を可能とさせる。このとき、ハードケ
ース４の下面は受け部材１２，１２と当接し、カ
ートリツジ３は各カートリツジ押えばね９の弾力
に抗してハウジング１の支持下板１ｃから若干浮
上する。

一方、カートリツジ３を押出す時には、図示し
ないカートリツジ取出しスイツチを押すと、ハウ
ジング１が第８図の状態から上方へ移動し、続い
てカートリツジ押出し機構がカートリツジ３を前
方へ押出す。この時カートリツジ３は各カートリ
ツジ押えばね９によつてハウジング１の支持下板
１ｃ方向に押え力を付勢されているので、カート
リツジ押出し機構によつて強く押圧されても、ハ
ウジング１から前方へ飛び出すことなく、第７図
実線に示すように一部が前方へ露出した状態でカ
ートリツジ押えばね９によつて押えられる。その
後は、人手によつてカートリツジ３をハウジング
１から取り出す。その後、ハウジング１の前部開
口２はドアによつて自動的に閉塞される。

しかしながら、前記従来のカートリツジ支持構
造においては、次のような問題点があつた。

ヘツド８による各種の情報の記録・再生を良好
に行なうためには、光デイスクを内蔵したカート
リツジ３内のハードケース４の下面を受け部材１
２に対して大きな押圧力をもつて押圧した方がよ
い。このカートリツジ３内の光デイスクの押圧力
を大きくするには、各カートリツジ押えばね９の
ばね定数を大きくしたり、押圧部９ｂの中央部９
ａからの折曲げ量を大きくすれば良いけれども、
このばね定数等をあまり大きくすると、カートリ
ツジ３のハウジング１から取出し時に、カートリ
ツジ押えばね９がカートリツジ３を支持板１ｃに
対して過大な力で押圧することとなり、カートリ
ツジ３がハウジング１内に留められてしまつて取
出しが円滑に行なわれなくなつてしまう。そのた
め、ハードケース４への押圧力を思う程大きくす
ることができなかつた。また、カートリツジ押え
ばね９は金属製であるために、カートリツジ３を
押圧する押圧部９ｂが幅方向全体に亘つて均一に
カートリツジ３に当接しないいわゆる片当りが生
じたり、押圧部９ｂの端面がカートリツジ３に当
接すると、より一層カートリツジ３の取出しが円
滑に行なわれなくなり、ひどい時にはカートリツ
ジ３がハウジング１内にひつかかつて出て来ない
という問題があつた。そのために、カートリツジ
押えばね９の製造およびカートリツジ押えばね９
をハウジング１に溶接する場合に高い寸法精度の
維持が必要とされ、熟練を要し、製造コストも高
くなるという不都合もあつた。

〔考案の目的〕

本考案はこれらの点に鑑みてなされたものであ
り、カートリツジを大きな力をもつて押圧できる
とともに、カートリツジをハウジングから円滑に
取出すことができるようにしてカートリツジを支
持することができ、更に製造も組立も容易で、コ
ストも低廉なカートリツジ支持構造を提供するこ
とを目的とする。

〔考案の概要〕

本考案のカートリツジ支持構造は、カートリツ
ジを押出し力に抗して内部へ挿入し、その押出し
力によりカートリツジの取出しが行なわれるカー
トリツジ挿入用ハウジングと、このカートリツジ
挿入用ハウジング内の前記カートリツジを、カー
トリツジの挿入方向と交差する方向に向けて押圧
するカートリツジ押えばねとを有するカートリツ
ジ支持構造において、前記カートリツジ押えばね
の前記カートリツジとの接触部に低摩擦部材層を
形成したことを特徴とする。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の実施例を第１図から第４図につ
いて説明する。

第１図から第４図は本考案の一実施例を示し、
従来例と同一分には同一符号を付してある。

本実施例は第１図に示すように、カートリツジ
押えばね９のカートリツジ３のハードケース４に
当接する押圧部９ｂの少なくともハードケース４
への対向部分に、低摩擦部材層１１を形成してい
る。本実施例においては、低摩擦部材層１１とし
てポリ四フツ化エチレンを押圧部９ｂの表裏両面
にコーテイングしている。この低摩擦部材層１１
の厚さとしては例えば0.15〜0.2mmとしており、
第１図、第３図および第４図においては低摩擦部
材層１１を理解の便を図るために厚さを誇張して
図示してある。更に、本実施例においては、カー
トリツジ押えばね９の押圧部９ｂによるカートリ
ツジ３をヘツド８方向に向けて押圧する押圧力を
従来例より大きく形成している。例えば、カート
リツジ押えばね９を形成する金属板材のばね定数
を大きくしたり、押圧部９ｂの中央部９ａからの
折曲げ量を大きくしたりしている。これは、本実
施例においては、カートリツジ３のハードケース
４は押圧部９ｂに低摩擦部材層１１を介して低摩
擦状態で接触しているので、従来と同等の押圧力
ではカートリツジ押出し機構による押出し作業に
よつてカートリツジ３がハードケース４から飛び
出してしまうおそれがあるため、カートリツジ９
の押圧部９ｂによるカートリツジ３のヘツド８方
向への押圧力を大きくする必要があるからであ
る。その他の機構は前記従来例と同様に形成され
ている。

次に、本実施例の作用を説明する。

本実施例においては、カートリツジ押えばね９
の押圧部９ｂが低摩擦部材層１１によつて被覆さ
れているので、カートリツジ３をハウジング１内
へ挿入する際に、従来のようにカートリツジ押え
ばね９の押圧部９ｂの端部がカートリツジ３のハ
ードケース４にひつかかることも無くなり、カー
トリツジ３の挿入を極めて容易に行なうことがで
きる。

第３図鎖線に示すように、カートリツジ３がハ
ウジング１内の適正位置に挿入されると、ハウジ
ング１がヘツド８方向に移動し、ヘツド８がカー
トリツジ３内の光デイスクに所定量離間して対向
させられる。この時、本実施例においては、カー
トリツジ押えばね９の押圧部９ｂによるカートリ
ツジ３のヘツド８方向への押圧力を従来より大き
く形成しているので、カートリツジ３は大きな押
圧力をもつて適正位置に安定的に支持され、ヘツ
ド８による光デイスクへの情報の記録・再生が極
めて精度の高い状態で行なわれる。特に、今日に
おいては光デイスクへの情報の記録密度が高密度
化され、高精度の情報の記録・再生が要求されて
いるので、本実施例はこれらのものに好適であ
る。

一方、カートリツジ３をハウジング１から取出
す場合には、従来と同様にカートリツジ押出し機
構の押出し力によつてカートリツジ３を前方に押
出すことにより行なわれるが、本実施例において
は低摩擦部材層１１によつて押圧部９ｂを被覆し
ているので、カートリツジ３が従来のように押圧
部９ｂにひつかかつたりすることは皆無となり、
極めて円滑に前方に押出されて行く。更に、低摩
擦部材層１１とカートリツジ３との間の摩擦力が
小さい分だけ、カートリツジ押えばね９の押圧部
９ｂによるカートリツジ３の支持下板１ｃ方向へ
の押圧力を大きくしているため、カートリツジ押
出し機構による押出し力によつてカートリツジ３
がハウジング１から飛び出されることもなく、第
３図実線に示すようにカートリツジ３の一部がハ
ウジング１の前部開口２から部分的に露出して前
記押出し力が作用しなくなると、カートリツジ３
はカートリツジ押えばね９によつて押えられて停
止する。その後、カートリツジ３は人手によりハ
ウジング１から取出される。

なお、前記実施例においては、低摩擦部材層１
１をカートリツジ押えばね９にポリ四フツ化エチ
レンをコーテイングすることによつて形成した
が、ポリ四フツ化エチレンからなる熱収縮性パイ
プを押圧部９ｂ部分に外嵌させ、その後加熱して
熱収縮させることにより押圧部９ｂに低摩擦部材
層１１を形成するようにしてもよい。また、低摩
擦部材層１１の材料としては他のものでもよい。
また、カートリツジ押えばね９の形状やハウジン
グ１の上板１ａの幅方向両端部に設ける数等はカ
ートリツジ３の大きさや重さ等に応じて適宜に変
更するとよい。

なお、本考案は前記実施例に限定されるもので
はなく、必要に応じて変更することができる。

〔考案の効果〕

このように本考案のカートリツジ支持構造は構
成され作用するものであるから、カートリツジ押
えばねに低摩擦部材層を形成するだけの簡単な構
成により、記録・再生時にカートリツジを大きな
力をもつて押圧・位置決めできるとともに、カー
トリツジをハウジングから円滑に取出すことがで
きるようにしてカートリツジを支持することがで
き、しかもカートリツジ押えばねの寸法精度やハ
ウジングへの溶接精度を低くすることができ、製
造や組立が容易になり、コストも低廉となる等の
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図から第４図は本考案のカートリツジ支持
構造の一実施例を示し、第１図はカートリツジ押
えばねの斜視図、第２図はハウジングとカートリ
ツジとの平面図、第３図はカートリツジの挿入途
中を示す第２図の−線に沿つた断面図、第４
図はカートリツジをヘツドに対向させた状態の第
２図と同様の図、第５図は従来例を示すハウジン
グとカートリツジとを示す斜視図、第６図は第５
図の平面図、第７図はカートリツジの挿入途中を
示す第６図の−線に沿つた断面図、第８図は
カートリツジをヘツドに対向させた状態の第７図
と同様の図である。 １……ハウジング、１ｃ……支持下板、２……
前部開口、３……カートリツジ、４……ハードケ
ース、７……下部開口、８……ヘツド、９……カ
ートリツジ押えばね、９ａ……中央部、９ｂ……
押圧部、９ｃ……自由端部、１１……低摩擦部材
層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カートリツジを押出し力に抗して内部へ挿入
   し、その押出し力によりカートリツジの取出しが
   行なわれるカートリツジ挿入用ハウジングと、こ
   のカートリツジ挿入用ハウジング内の前記カート
   リツジを、カートリツジの挿入方向と交差する方
   向に向けて押圧するカートリツジ押えばねとを有
   するカートリツジ支持構造において、前記カート
   リツジ押えばねの前記カートリツジとの接触部に
   低摩擦部材層を形成したことを特徴とするカート
   リツジ支持構造。