JPH035512Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） この考案は、シート下に設置され、シート底板
に近接する上向きのインレツトを備えた自動２輪
車のエアクリーナに関する。

（従来の技術） 自動２輪車のエアクリーナは、第４図に示すよ
うに、車体１中央に搭載されたエンジン２の後
方、後輪１０の前方で、シート３前半部下方の一
側に位置して、エアクリーナケース１１が設置さ
れ、そのインレツト４がシート３底板に近接して
上向きに開口し、アウトレツト５は内側壁から導
出されて、キヤブレタ６を経てエンジンインテー
ク７に接続されるレイアウトを採るものが多い。

これは、シート３がインレツト４の雨除けにな
り、設置場所としては好適であるが、図例のモト
クロツサのようなオフロード車では、クツシヨン
ユニツト８の設置位置あるいは後輪１０の緩衝ス
トロークを大きくする必要上などから、フエンダ
９が高い位置をとり、後輪１０の跳ねた泥水がシ
ート３底板との隙間からインレツト４に侵入する
ことがある。

侵入した泥水は、フイルタを汚染して濾過機能
を低下させ、甚だしい場合はキヤブレタなどへ侵
入することがあつて、エンジン性能によくない影
響がある。

しかし一方において、防水機能を強化するため
に、徒にインレツト上端縁の周りを囲むと、吸入
効率の悪化によりエンジン性能を低下させる、と
いう新たな問題が生ずるものであつた。

（考案が解決しようとする課題） この考案は、上記のような事情に鑑みてなされ
たもので、後輪の跳ね上げた泥水が、シート下に
上向きに開口するインレツトに侵入するのを防
ぎ、かつ吸入効率が低下しないように図つた自動
２輪車のエアクリーナを提供することを目的とす
る。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段） 上記目的に沿つて、この考案の自動２輪車のエ
アクリーナは、車体中央に搭載されたエンジン後
方、後輪の前方で、シート前半部下方の一側に設
置され、インレツトがシート底板に近接して上向
きに開口し、アウトレツトが内側壁から導出され
た自動２輪車のエアクリーナにおいて、インレツ
トの上端縁の周りに、その上端縁とほぼ同一高さ
のマツドガード板が連設され、そのマツドガード
板には、ルーバにより開放された底面の凹陥部が
配設された構成になるものである。

（作用） このように構成され、エンジンに供給される空
気は、上向きのインレツトからエアクリーナケー
スに吸入され、フイルタで浄化されて、アウトレ
ツトからキヤブレタに送られる。

この場合空気は、マツドガード周縁とシート底
板との隙間および凹陥部底のルーバを通つてイン
レツトの上端縁に集められるので、流入抵抗が小
さく、吸入効率が高い。

上向きのインレツトにはシート底板が近接して
被さるので、降る雨の侵入を確実に防ぐ。後輪が
跳ね上げた泥水は、マツドガード周縁とシート底
板との隙間から入り込むが、そこからインレツト
上端縁までは距離があるので、インレツト内に飛
び込むまでに至らないし、途中、マツドガード上
に落ちて、周縁あるいは凹陥部底のルーバから排
出される。

同時に、凹陥部底面に飛来した泥水は、ルーバ
に遮られてインレツトへは入らない。

こうして、雨水、泥水が侵入するのを防いで、
効率よく空気が吸入される。

（実施例） 以下この考案の実施例を示す図に就いて説明す
る。

第１図はキヤツプを取り外したエアクリーナケ
ースの側面図、第２図は縦断後面図、第３図は平
面図である。

エアクリーナケース１２は、キヤツプ１３とケ
ース本体１４により形成され、インレツト１５は
ケース本体１４の上面に開口し、アウトレツト１
７はケース本体１４の内側壁１４ａに開口する。
フイルタ１８はポリウレタン等の樹脂材料製で、
アウトレツト１７の開口に内側から伏設される。

こうして構成されたエアクリーナケース１２
が、シート下の一側方へ偏寄した位置に、インレ
ツト上端縁１５ａとシート底板１６との間に少し
の隙間が残るように配置される。１９はシートレ
ールを示す。

次に、インレツト上端縁１５ａの周りには、ほ
ぼ同じ高さで拡がるマツドガード２０が、上記シ
ートレール１９に跨がつて取着けられる。

マツドガード２０には、エアクリーナケース１
２その他に干渉しない位置に、凹陥部２１が配設
され、その底面はルーバ２２により開放されてい
る。ルーバ２２は横方向の板が前下方へ傾斜した
姿勢に形成される。

こうして、エンジンに供給される空気は、上向
きのインレツト１５からエアクリーナケース１２
内に吸入され、フイルタ１８で浄化されて、アウ
トレツト１７からキヤブレタに送られる。

その吸入される空気は、マツドガード２０周縁
とシート底板１６との隙間および凹陥部２１底の
ルーバ２２を通つてインレツト上端縁１５ａに集
められるので、流入抵抗が小さく、吸入効率が高
い。

一方、上向きのインレツト１５にはシート底板
１６が近接して覆うので、降る雨の侵入は確実に
防がれる。

後輪が跳ね上げた泥水は、第１図矢印２３のよ
うに、後下方からインレツト１５方向に飛来す
る。その一部はマツドガード２０周縁からシート
底板１６との隙間に入り込むが、そこからインレ
ツト上端縁１５ａまでは距離があるので、インレ
ツト１５内に飛び込むまでに至らないし、途中マ
ツドガード２０上に落ちて、周縁あるいは凹陥部
２１底のルーバ２２から排出される。

さらに、凹陥部２１底面に飛来した泥水は、そ
の方向に対して直角な面に設定されたルーバ２２
に遮られ、この位置は凹陥部２１底にあるので、
インレツト上端縁１５ａを越えて飛び込むのを有
効に防ぐ。

従つて、このエアクリーナケースは、吸入効率
がよく、しかも雨水や泥水の侵入を確実に防い
で、フイルタ１８の機能を正常に保つので、エン
ジン性能を向上する。

マツドガード２０は、複雑な形状ではあるが、
合成樹脂により軽量、低コストに得られ、しかも
上記のような優れた機能を有するものであり、特
に悪路走行の多いモトクロツサなどのオフロード
車に用いて有効である。

〔考案の効果〕

以上の通り、この考案に係わる自動２輪車のエ
アクリーナは、車体中央に搭載されたエンジン後
方、後輪の前方で、シート前半部下方の一側に設
置され、インレツトがシート底板に近接して上向
きに開口し、アウトレツトが内側壁から導出され
た自動２輪車のエアクリーナにおいて、インレツ
トの上端縁の周りに、その上端縁とほぼ同一高さ
のマツドガード板が連設され、そのマツドガード
板には、ルーバにより開放された底面の凹陥部が
配設されたもので、吸入効率を低下させることな
く、シート下に上向きに開口したインレツトに、
後輪の跳ねた泥水が侵入しないようにして、エン
ジン性能を向上する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例になる自動２輪車の
エアクリーナケースのキヤツプを外して示した側
面図、第２図は第１図のエアクリーナケースの縦
断後面図、第３図は第１図のエアクリーナケース
の平面図、第４図はエアクリーナケースの設置場
所を示す自動２輪車の側面図である。 １２……エアクリーナケース、１３……キヤツ
プ、１４……ケース本体、１５……インレツト、
１５ａ……上端縁、１６……シート底板、１７…
…アウトレツト、１８……フイルタ、２０……マ
ツドガード、２１……凹陥部、２２……ルーバ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体中央に搭載されたエンジン後方、後輪の前
   方で、シート前半部下方の一側に設置され、イン
   レツトがシート底板に近接して上向きに開口し、
   アウトレツトが内側壁から導出された自動２輪車
   のエアクリーナにおいて、インレツトの上端縁の
   周りに、その上端縁とほぼ同一高さのマツドガー
   ド板が連設され、そのマツドガード板には、ルー
   バにより開放された底面の凹陥部が配設されたこ
   とを特徴とする自動２輪車のエアクリーナ。